いろは堂キャリア ← 戻る

自己PRの書き方、伝わる3つの型

2026年6月5日|いろは堂キャリア編集部
オフィスでノートPCに向かう男性

画像出典: パブリックドメイン(Wikimedia Commons)

この記事の要点
自己PRは「応募先で活かせる強み(結論)→ 強みが成果につながったエピソード(根拠)→ 入社後の貢献イメージ(締め)」の3要素で組み立てます。エピソードは「状況→課題→行動→結果」の順に分解し、結果に数字を1つ入れます。履歴書の自己PR欄は300文字前後で、欄の8割以上を埋めるのが目安です。
😟
職務経歴書、経歴は埋まったのに自己PR欄だけ真っ白。特別な実績なんてないんだけど…

自己PRが書けない原因のほとんどは「強みが無いこと」ではなく、順番を逆にしていることです。多くの人は「私の強みは何だろう」と頭から探し始めます。けれど強みという言葉は抽象的で、いくら考えても「協調性」「responsibility感」くらいしか出てきません。

先に手をつけるのは実績の棚卸しのほうです。過去にやった仕事を具体的に並べてから、そこに共通する行動を後ろ向きに拾う。順番をひっくり返すだけで、書けるものが一気に増えます。

ここでは、実績を分解する表の埋め方 → 3要素に組み立てる型 → 300文字に収める例文、という流れで進めます。下期の評価面談で使った振り返りメモがあれば、それを手元に開いておくと早く終わります。

自己PRとは何を書くもの?

転職活動の自己PRは、応募先に対して「採用すべき理由」と「入社後にどう貢献できるか」を伝える欄です。自分史でも人柄紹介でもありません。読む側は採用担当者で、頭の中にあるのは「この人はうちで何ができるのか」という一点です。

ここを取り違えると、「学生時代から人と話すのが好きで」といった書き出しになり、仕事の話にたどり着く前に読み終わってしまいます。書く前に一度、「この会社の、この仕事で、私は何を任されたら回せるのか」と自分に問い直してください。答えの手前にあるものが、そのまま自己PRの材料になります。

自己PRに書くもの/書かないもの
  • 書く:応募先の仕事で再現できる強み
  • 書く:その強みが成果につながった具体的な場面
  • 書く:入社後にどこで力を発揮するか
  • 書かない:職務に関係のない趣味・特技だけの話
  • 書かない:前職への不満やネガティブな言い回し

ステップ1:実績をどう棚卸しする?

最初にやるのは、職務経歴から具体的な成果・経験を洗い出す作業です。ここでのコツは、評価されたことだけを探さないことです。表彰も昇進もなくていい。「自分がやったこと」を粒のまま並べます。

紙でもメモアプリでも構いません。直近3年ぶんの仕事を、次の粒度で20個ほど書き出してみてください。

  • 担当した業務(例:請求書の突合、新規顧客への初回訪問)
  • 任された役割(例:後輩1人の指導、月次会議の資料作成)
  • 自分の判断で変えたこと(例:Excelの入力フォーマットを統一した)
  • 困った場面と、その時にとった行動

20個並べると、似た行動が2〜3回ずつ顔を出します。複数の場面に共通して現れる行動が、あなたの強みの正体です。「毎回いちばん最初に段取りを整理している」「揉めた相手のところへ自分で足を運んでいる」——そういう繰り返しが見つかれば、棚卸しは成功です。

🤔
数字が出せる仕事じゃないんだけど、それでも書ける?

数字が売上や件数である必要はありません。かかっていた時間、扱った件数、関わった人数、続けた期間。仕事には必ずどこかに量があります。「毎月40件の請求処理」「4部署にまたがる調整」——これらは十分に数字です。どうしても量が出ないときは、客観的な評価(上司や取引先から言われた具体的な言葉)で代えます。

ステップ2:エピソードをどう分解する?

棚卸しで拾ったエピソードは、そのまま書くと「頑張りました」の作文になります。「状況 → 課題・目的 → 行動 → 結果」の4つに分けてから文章にします。営業でも事務でも技術職でも、この4分割は同じように使えます。

状況いつ・どこで・どんな立場だったか。前提を1文で。
課題・目的何が問題だったか、何を目指したか。ここが無いと行動の意味が伝わらない。
行動自分が実際にやったこと。「〜を心がけた」ではなく「〜した」で書く。
結果どうなったか。ここに数字を1つ入れる。

4つのうち、抜け落ちやすいのは課題・目的です。本人にとっては当たり前すぎて省略してしまうのですが、読む側はその会社の事情を知りません。「請求処理に毎月2日かかっており、月初の他業務が押していた」と一言あるだけで、続く行動の価値が伝わります。

もうひとつ、行動の書き方に注意点があります。「丁寧な対応を心がけました」は行動ではなく心構えです。心がけは誰でも書けるので差がつきません。「心がけた」と書きたくなったら、その心がけの結果として実際にやった動作を1つ思い出して、そちらを書きます。

盛りたくなったときの線引き

結果を大きく見せたくなる気持ちはありますが、面接で必ず深掘りされます。「その10%削減はどう計測したんですか」と聞かれて答えられない数字は、書かないほうが安全です。実数が曖昧なら「約」を付ける、範囲で書く、件数など確実な数字に置き換える。この3つで十分に具体性は出ます。

ステップ3:3要素でどう組み立てる?

分解した材料を、次の3要素の順に並べます。この順番自体が読みやすさを作るので、入れ替えないでください。

  1. 結論:応募企業で活かせる強み1文目で「私の強みは◯◯です」と言い切ります。応募先の仕事で使える強みを選ぶのが条件で、自分がいちばん自信のある強みではありません。
  2. 根拠:強みが成果につながったエピソードステップ2で分解した4要素を、状況→課題→行動→結果の順に流します。ここが本体で、文字数の半分以上を使います。
  3. 締め:入社後の貢献イメージその強みを応募先のどの場面で使うかを書きます。「貴社でも活かせると考えております」で終えず、業務名を具体的に出します。

文字数の目安は、履歴書の自己PR欄なら300文字前後。欄の8割以上が埋まっている状態を目指します。半分しか埋まっていないと、意欲の面で不利に見えます。職務経歴書は欄の制約がゆるいので、同じ骨格のままエピソードを厚くして構いません。

そのまま使える自己PRの例文は?

3要素がどう並ぶかを、職種別に見ていきます。太字が3要素の切れ目です。自分の材料に差し替えて使ってください。

経理職の例(正確さ+効率化)

「私の強みは、正確さを保ったまま業務を効率化することです。(結論)前職では月次・年次の決算書作成を担当し、期限を落とさず提出を続けてきました。一方で、会計システムへの入力に手作業の転記が多く残っており、月初に残業が集中していました。そこで入力フォーマットと処理手順を見直し、システム側の設定変更を経理内で合意のうえ実施しました。結果として、決算関連の作業時間を約10%削減できました。(根拠)貴社ではグループ会社を含む会計処理に対応すると伺っております。件数が増える環境でも精度を落とさない進め方で、早期に戦力になりたいと考えております。(締め)

営業職の例(粘り強さ)

「私の強みは、顧客の要望の背景まで聞き取り、粘り強く関係を作ることです。(結論)前職では新規開拓を担当し、初回訪問で断られた先にも定期的に情報提供を続けていました。ある製造業の顧客では、当初は価格面で折り合いませんでしたが、現場で困っている作業を伺ううちに納期の課題が本題だと分かり、条件を組み替えて提案し直しました。半年後に取引開始となり、その後は継続受注につながっています。(根拠)貴社は既存顧客との長期的な取引を重視されていると伺っております。関係を作り直して受注につなげる進め方は、そのまま活かせると考えております。(締め)

事務職の例(周囲を巻き込む調整)

「私の強みは、複数部署にまたがる業務の段取りを整えることです。(結論)前職では月次会議の資料を4部署から集約しており、締切直前に提出が集中して差し戻しが頻発していました。そこで提出フォーマットを統一し、部署ごとの締切を2日ずらす運用に変更することを各担当者に個別に依頼して回りました。差し戻しはほぼ無くなり、資料の完成が会議前日から3日前に前倒しできました。(根拠)貴社でも部門横断の業務が多いと伺っております。関係者が動きやすい形に整える役割で貢献したいと考えております。(締め)

3本を並べると分かるとおり、強みの言葉自体はありふれています。差がつくのは根拠のパートの「実際に何をしたか」の解像度です。ここだけは自分の言葉で書いてください。

書き上げたあと、何を確認する?

提出前に、次の5点だけ見直します。1〜2分で終わります。

提出前チェック
  • 1文目で強みを言い切っているか(前置きから始まっていないか)
  • その強みは、応募先の仕事で使えるものか
  • 行動が「〜を心がけた」ではなく「〜した」になっているか
  • 結果に数字か客観的な評価が1つ入っているか
  • 履歴書欄なら300文字前後、欄の8割以上が埋まっているか
この型が向かないケースもあります

職種が大きく変わる転職では、前職の成果をそのまま持っていっても評価につながりにくいことがあります。その場合は結果の大きさより、応募先でも同じように使える進め方(段取り、記録の取り方、相手への確認のしかた)を根拠のパートの主役にしてください。逆に、同職種で経験年数が長い人ほど、数字を使った結果が効きます。

また、応募先ごとに結論の1文と締めは書き換える必要があります。根拠のエピソードは使い回せますが、「どの強みを前に出すか」は求人票次第で変わるためです。

😌
強みから考えるんじゃなくて、やったことを並べてから拾えばよかったのか

棚卸しの20個は、一度作れば志望動機や面接の回答にも使い回せます。今日20分だけ時間をとって、思い出せる仕事を並べるところから始めてみてください。

よくある質問

自己PRは何文字くらい書けばいいですか?

履歴書の自己PR欄は300文字前後が目安で、欄の8割以上を埋めた状態にします。職務経歴書は欄の制約がゆるいため、同じ構成のままエピソードをより詳しく記載して構いません。

自己PRと志望動機は何が違いますか?

自己PRは「自分が何ができるか・入社後にどう貢献できるか」を伝えるもので、志望動機は「なぜこの会社で働きたいか」を伝えるものです。自己PRの材料は自分の実績、志望動機の材料は応募先と自分の経験の接点にあります。

数字で示せる実績がない場合はどう書けばいいですか?

売上や件数に限らず、かかっていた時間・扱った件数・関わった人数・継続した期間も数字として使えます。それも難しい場合は、上司や取引先から実際に言われた具体的な評価の言葉で代替します。

自己PRは応募する会社ごとに書き分ける必要がありますか?

エピソード部分は使い回せますが、冒頭の強みを示す1文と締めの貢献イメージは応募先ごとに書き換えます。自己PRで示す強みは応募先の仕事で活かせるものを選ぶ必要があり、求人内容によって前面に出すべき強みが変わるためです。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。