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文章チェックAI比較、4つが見ている点は別だった

2026年10月14日|いろは堂AI編集部
室内の白い机で、ノートに手書きしながらノートPCを操作する男性の手元

画像出典: パブリックドメイン(Wikimedia Commons)

この記事の要点
文章チェックツールの着眼点は「文法・表記が正しいか」「トーン(読み手に与える印象)がずれていないか」「わかりやすさ(文の長さや語彙)が適切か」の3軸に分かれ、製品ごとにどの軸が強いかが違います。日本語の敬語・助詞・表記ゆれは文賢やShodoのような国内特化ツールが細かく、トーンや読みやすさのスコア化はGrammarlyなど海外ツールが先行してきました。ChatGPTやClaudeのような汎用AIは3軸を横断して指摘できる代わりに、同じ文章でも指摘が毎回そろうとは限りません。
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送信前に読み直す時間がない。でもAIに通したら、ツールごとに全然違うことを言われた

同じ一文を複数の文章チェックツールに入れると、返ってくる指摘が噛み合わないことがあります。片方は「誤字はありません」で終わり、もう片方は「この文が長すぎます」と言ってくる。どちらかが間違っているわけではなく、そもそも見ている軸が違うのです。

文章の点検には、大きく3つの軸があります。文法・表記が正しいか、読み手に与える印象(トーン)がずれていないか、そして読んですっと分かるか。人手で全部見るのは時間がかかるので、各ツールはこの軸を別々のチェックとして自動化してきました。逆に言えば、自分が削りたい手間がどの軸にあるかを決めないまま選ぶと、毎回「期待と違う指摘」を受け取り続けることになります。

文章チェックAIは何を見ているのか?

3つの軸を、それぞれ具体的に見ていきます。どれも「文章を良くする」とまとめられてしまいますが、判定しているものは別物です。

文法・表記 — 「正しいか」を判定する軸

誤字脱字、文法ミス、敬語の誤り、同音異義語、助詞の抜け、表記ゆれ。正解がはっきりしているので、機械が最も得意にしてきた領域です。日本語では「ご確認いただけますでしょうか」のような二重敬語や、「を」が抜けた文、「保険」と「保健」の混同などがここに入ります。

トーン(語調) — 「どう伝わるか」を判定する軸

文法上は正しいのに、読んだ相手が冷たく感じる文というものがあります。この軸を早くから製品にしたのがGrammarly(英語圏の文章チェックサービス)のトーン検出で、2019年9月に発表されました。120文字以上の文章に対して、機械学習と規則を組み合わせ、「感謝している」「自信がある」「フォーマル」「インフォーマル」「思慮深い」など40種類のトーンを検出し、相手にどう伝わるかを示します。Microsoft Editorも、明確さ・簡潔さと並んでフォーマル度をチェックします。

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印象なんて、機械が測れるものなの?

トーン判定は「正解」ではなく傾向の提示です。語彙の選び方や文末の形から、その文章がどの印象に寄っているかを推定して返します。だから最終判断は書き手に残りますが、自分では気づけない「強すぎる言い方」に気づけるのが価値です。催促メールを自分で読み返しても、書いた本人には普通に見えてしまうものです。

わかりやすさ(読みやすさ) — 「すっと理解できるか」を判定する軸

Grammarlyはここを数値にしています。Flesch Reading Ease(読みやすさの公式)を用い、平均文長・単語の長さ・語彙の難易度などから0〜100点でスコア化し、60点以上が目安とされます。点が高いほど読みやすく、低いほど複雑・難解という判定です。Microsoft Editorの明確さ・簡潔さチェック、文賢の推敲支援もこの軸にあたります。

この軸が効くのは、資料やレポートのように「読み返す量が多い」文書です。全文を自分で読み直す代わりに、どの文が長すぎるか・難解かをピンポイントで指摘してもらえれば、直す場所だけに時間を使えます。

ChatGPT・Claude・文賢・Shodoはどこが違う?

ここまでの3軸で、4つを並べます。価格は公表されている範囲のみを記載し、公表値が確認できない欄は空けています(汎用AIは文章チェック専用の料金体系ではないため)。

得意な軸料金(公表値)便利な場面
ChatGPT3軸を横断。指示次第でトーンもわかりやすさも見る—「もっと柔らかく」など、観点を自分で指定して直したいとき
Claude3軸を横断。長文をまとめて渡して構成ごと相談できる—資料全体の流れや言い回しを、理由つきで検討したいとき
文賢文法・表記(誤字脱字・敬語)+推敲支援22項目でわかりやすさ月額1,980円(税込・1か月更新)/1年契約で月あたり1,650円(税込)社内文書・顧客向け文面を、日本語の作法ごと点検したいとき
Shodo文法・表記に集中。25種類の校正項目無料のBasic(1名まで)/Premium 1,000円・Business 2,000円・Max 5,000円(月額)公開前の原稿から、誤字・助詞抜け・表記ゆれを拾いたいとき

ITreview(文賢)およびVOIX(Shodo)の公表データをもとに作成

上の表を踏まえると、選び分けはこうなります。日本語の誤字・助詞・表記ゆれを確実に拾いたい人はShodo。アカウント登録不要の無料版(Basicプラン、1名まで)があり、Chrome・Edge・Firefox・Safari(Windows/macOS)に対応しているので、まず通してみる入口として軽いです。

敬語まで含めて日本語の作法を点検し、さらに読みやすさも整えたい人は文賢。チェック・推敲支援・AIアシスト・共有と管理の4系統で、誤字脱字と文法・敬語の指摘に加え、22項目の観点から読みやすさの改善点が出ます。AIアシストは15項目で、言い換えや文章の整理を支援します。14日間の無料トライアルがあります。

「何を直すか」を自分で指定したい人はChatGPTやClaude。専用ツールのように決まった項目を機械的に当てるのではなく、「社外向けに硬すぎないか」「この段落は結論が先にあるか」といった観点を文章ごとに変えて頼めます。その代わり、同じ原稿を二度渡すと指摘が完全には一致しません。

汎用AIと専用ツール、どちらを使うべき?

判断材料は「毎回同じ観点で見てほしいか」です。送付前チェックを習慣にしたいなら、チェック項目が固定された専用ツールのほうが向いています。Shodoの25項目、文賢の推敲支援22項目のように、何を見るかが決まっているからこそ、見落としの範囲も一定になります。

一方、原稿ごとに気にする点が変わる仕事なら汎用AIです。企画書では構成、謝罪メールではトーン、マニュアルでは一文の長さ。観点ごとツールを乗り換えるより、指示を変えるほうが早い場面があります。

どちらにも共通する限界があります

機械のチェックは完全ではありません。Microsoft Editorも、実際には正しい表現を誤りと判定する誤検知があると注記しています。専門用語・社内の言い回し・意図的な体言止めなどは「誤り」として挙がりがちです。指摘は候補であって命令ではない、という前提で見てください。

AIに任せる範囲と、人が持つ範囲

線引きははっきりしています。AIが出すのは指摘と修正案という下書きで、採用するかどうかを確定させるのは人です。

人が必ず持つ判断
  • 固有名詞・数値・日付が事実として正しいか(ツールは文の形しか見ていない)
  • 社内・業界の慣用表現を一般的な言い方に直してよいか
  • 相手との関係性に対して、その敬語の度合いが妥当か
  • 指摘を受けて書き換えた結果、元の意図が変わっていないか

時間がないとき、どう通すのが早い?

全文を自分で読み直す前提をやめて、軸ごとに通す順番を決めておくと短くなります。

  1. まず文法・表記を機械に任せる誤字脱字・助詞の抜け・表記ゆれを先に潰します。ここは正解がある領域なので、人が読む必要はほとんどありません。
  2. 次にトーンを確認する社外メール・催促・謝罪など、相手の受け取り方が結果を変える文面だけで構いません。意図せず冷たい印象や強い印象になっていないかを数秒で見ます。
  3. 最後にわかりやすさを見る資料・レポートなど長い文書で、長すぎる文や難解な箇所を指摘してもらい、そこだけ直します。全文を読み返すより所要時間が読めます。
  4. 事実と固有名詞を人が確認する社名・金額・日付・数量。ここは機械の指摘を待たず、自分の目で必ず通します。

短いメール1通なら1と2だけ、提案資料なら1と3を厚く。文書の種類で止める段を変えるのが、現実的な運用です。

指摘が出ない・的外れなときは、どこを疑う?

期待した指摘が返らないとき、原因は3つに切り分けられます。順に確認すると、無駄に書き直す手間が減ります。

1. 渡した指示の問題

汎用AIに「チェックして」とだけ渡すと、どの軸を見ればよいか決まっていないため、誤字の指摘だけで終わることがあります。「社外向けとして硬さが適切か」「一文が長い箇所を挙げて」のように軸を名指しすると返り方が変わります。トーンを見る機能には文字数の下限があることもあり、Grammarlyのトーン検出は120文字以上を対象としています。短文で何も出ないのは、不具合ではなく対象外である場合があります。

2. 渡した文章・形式の問題

箇条書きだけの原稿、表の中の断片、コードや数式が混ざった文は、文章としての判定がしにくくなります。地の文を含む段落単位で渡すと指摘の精度が上がります。

3. 機能やプランの制限

使える項目はプランで変わります。Microsoft Editorは基本の文法・スペル・大文字小文字・句読点チェックに加えて明確さ・簡潔さ・フォーマル度を見ますが、文法・明確さ・簡潔さ・フォーマル度・語彙・句読点の慣習などをより高度にチェックできるのはMicrosoft 365(有料)版です(対応言語は20言語、Microsoft Edgeに標準搭載でブラウザ上の入力欄全般で動作)。Shodoの無料版はBasicプラン(1名まで)で、人数や機能の枠は有料のPremium・Business・Maxで変わります。「自分の書き方が悪い」と結論づける前に、その機能が今のプランの範囲内かを確認してください。

この記事の価格・機能は公表時点のものです

各ツールの価格や機能の構成は変わります。申し込む前に、公式サイトで現在の料金と含まれる機能を確認してください。Grammarlyのトーン40種類は2019年の発表時点の説明で、その後の項目数は公表されている範囲では確認できません。

社内文書を扱うとき、文章はどこへ渡る?

チェックに出す文面には、取引先名・金額・未公開の予定が入っていることがあります。扱いが明示されているかは、ツール選びの条件になります。

文賢は、入力した文章をAIの学習に使わず、サーバーにも保存しない設計を掲げており、企業・官公庁での利用を想定しています。10,000ライセンスを超える導入実績があり、上場企業から個人まで使われています。汎用AIを業務で使う場合は、利用しているプランのデータ取り扱い条件を自分で確認してから、どの文書まで貼ってよいかを決めてください。

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全部を一つで済ませようとしていたから、噛み合わなかったのか

3軸のうち自分が削りたい手間はどれか。それが決まれば、候補は2つくらいに絞れます。無料で試せる範囲から通してみて、返ってくる指摘が自分の困りごとに当たっているかを確かめるところからで十分です。

よくある質問

文章チェックツールの「トーン」とは何を見ているのですか?

文章が読み手にどんな印象を与えるか(フォーマル/カジュアル、強い/柔らかいなど)を判定する軸です。Grammarlyのトーン検出は2019年9月に発表され、120文字以上の文章に対し機械学習と規則の組み合わせで「感謝している」「自信がある」「フォーマル」など40種類のトーンを検出し、相手にどう伝わるかを示します。

日本語の文章チェックに海外ツールは使えますか?

敬語・助詞の抜け・同音異義語・表記ゆれといった日本語特有の誤りは、文賢やShodoのような国内特化ツールのほうが実務的です。Shodoは25種類の校正項目、文賢は誤字脱字・文法・敬語のチェックに加えて22項目の推敲支援を備えています。

無料で文章チェックを始められるツールはありますか?

Shodoの無料版(Basicプラン、1名まで)はログインやアカウント登録が不要で、Chrome・Edge・Firefox・Safari(Windows/macOS)に対応しています。文賢には14日間の無料トライアルがあります。

AIの指摘はそのまま採用してよいのですか?

AIが出すのは修正案という下書きで、採用するかを確定させるのは人です。Microsoft Editorも、実際には正しい表現を誤りと判定する誤検知があると注記しています。固有名詞・数値・日付の正しさや、業界の慣用表現を直してよいかは人が判断してください。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。