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Wi-Fiルーターの置き場所とは?床から1mで変わる届き方

2026年6月8日|いろは堂テック編集部
Wi-Fiルーター本体

画像出典: 写真: Raimond Spekking(CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の要点
Wi-Fiルーターの電波は本体を中心に横方向へ広がるため、床に直置きすると電波の半分近くが床や家具に吸われます。床から1m以上、部屋の中央付近、周囲に物のない開けた場所——この3つを満たすだけで、同じルーターのまま届き方が変わります。棚の奥・窓際・電子レンジのそばは避けたい場所です。
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奥の部屋だけWi-Fiが弱い。ルーターを買い替えるしかないのかな…

ルーターの置き場所は、意外なほど成り行きで決まります。光回線の工事で引き込んだ場所が玄関脇だったから、そこの床にそのまま。配線が見えるのが嫌だから、テレビ台の裏の棚へ。そして置き場所は、ルーターの性能と同じくらい電波の届き方を左右します。

正直なところ、買い替えを検討する前に試す価値があります。数十センチ持ち上げるだけで変わることが、本当にあるからです。ここでは電波がどう飛んでいるのかというしくみから、置き場所の条件と避けたい場所を整理します。

Wi-Fiの電波はどの方向へ飛んでいる?

まず前提を合わせます。ルーターの電波は、懐中電灯のように前方へ向けて飛んでいるわけではありません。アンテナを中心に、水平方向(横向き)へ広がるように届きます。ドーナツを平らに置いたような形を思い浮かべると近いイメージです。上下方向にはあまり伸びず、横へ薄く広がる——これが基本の形です。

床置きが不利なのは、ここが理由です。床に置くと、その横向きに広がる電波の下半分が、床材や家具の脚、ソファの座面といった障害物にぶつかります。本来なら部屋を横切るはずだった電波の半分近くが、届く前に減ってしまうわけです。ルーターの出力は変わっていないのに、手元に届く分だけが少なくなります。

この「横に広がる電波が、どの向きで遮られるか」という一点で置き場所を並べると、良し悪しの差がはっきりします。

床に直置き横へ広がる電波のうち、下向き〜横方向が床材や家具の脚に遮られる
扉付きの棚の中四方すべてが板に囲まれ、ほぼどの向きも遮られる
壁際・部屋の隅壁側の向きが遮られ、残った向きだけが室内へ届く
窓際窓側の向きは遮られないが、ガラスを透過して屋外へ抜ける
床から1m以上・部屋の中央どの向きも遮られにくく、広がった電波がそのまま室内へ向く

NTT東日本の公表情報をもとに作成

上の並びを見ると、良い置き場所とは「高性能な場所」ではなく、遮られる向きが少ない場所だとわかります。屋内で障害物がない条件なら、Wi-Fiの電波は最大で100m程度届くとされています。それだけの力があっても、置き方ひとつで数メートル先の部屋に届かなくなる。距離よりも「何に遮られているか」のほうが効いている、ということです。

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じゃあ床から持ち上げるだけでも違うの?

高さは効果がわかりやすい要素です。NTT東日本が公開している設置のコラムでも、床から1m以上の高さに置くことが条件のひとつとして挙げられています。1mというと、ローボードの上ではなく、腰から胸の高さの棚やカラーボックスの天板あたり。この高さなら電波が家具の上を越えていきやすく、2階へも届きやすくなります。

置き場所の条件は?

NTT東日本のコラムでは、適した置き場所として6つの条件が挙げられています。理由とセットで見ると、自宅のどこが候補になるか判断しやすくなります。

この6つを満たせるところを探す
  • よく使う場所の近く/電波は距離で弱まります。寝室でしか使わないなら、玄関脇より寝室寄りへ
  • 床から1m以上の高さ/横へ広がる電波が家具に遮られにくくなり、上階にも届きやすくなります
  • 周囲に障害物のない開けた場所/棚の中やパーテーションのすぐそばを避けます
  • 電磁波を出す機器から離す/USB3.0機器やBluetooth機器の近くを避けます
  • 窓際を避ける/電波は窓ガラスを通り抜けるため、屋外へ逃げてしまいます
  • 部屋・住居の中央付近/端や隅に置くと、広がる方向の半分が外へ向いてしまいます

全部を完璧に満たす場所は、たいていの家にはありません。優先するなら「高さ」と「開けていること」の2つです。この2つは家具を動かさずに達成できることが多く、効果も体感しやすいところです。

やりがちなNG配置は?

逆に、避けたい置き方も同じコラムに挙げられています。心当たりのあるものから直していけば十分です。

  1. 床への直置き電波の下半分が床と家具に吸われます。まず持ち上げるところから
  2. 棚の中・扉付きラックの奥四方を板で囲まれた状態です。見た目はすっきりしますが、電波にはいちばん厳しい環境になります
  3. テレビ台の裏や配線の束の中障害物であると同時に、他の機器が密集する場所でもあります
  4. 電子レンジのそば電子レンジは2.4GHz帯の電波を使います。Wi-Fiの2.4GHz帯と同じ帯域なので、動作中は通信品質が落ちることがあります
  5. 壁際・部屋の隅広がる方向のうち壁側が無駄になります。同じ部屋でも中央寄りへ
  6. 窓際ガラスを透過して屋外へ抜けてしまいます。日当たりのいい出窓は、置き場所としては損な位置です
  7. 水回りの近く水は電波を通しにくいため、浴室・洗面所のそばは遮られやすくなります
置き場所では解決しないケースもあります

電波が届く・届かないの問題ではなく、契約回線側や集合住宅の設備が原因で遅い場合、ルーターをどこへ動かしても速度は変わりません。置き場所を直しても改善しない、時間帯によって極端に落ちる、有線接続でも遅い——このどれかに当てはまるなら、原因は宅内の電波側ではない可能性が高いところです。また、鉄筋コンクリートの間仕切りや3階建てのように物理的に距離がある住居では、1台での全戸カバーに無理があります。その場合は中継機や、メッシュWi-Fi(複数の機器を連携させて家全体を1つのWi-Fiで覆う仕組み)のほうが現実的な解になります。

2.4GHzと5GHz、置き場所で扱いが違う?

ルーターの設定画面やスマホの接続先一覧で、末尾に「-A」「-G」が付いた2つのネットワーク名を見たことがあるかもしれません。あれは同じルーターが出している2種類の電波で、性質がはっきり違います。

2.4GHz帯5GHz帯
障害物(壁など)比較的強く、遠くまで届きやすい弱く、壁を隔てると届きにくい
他機器との干渉電子レンジやBluetooth機器と帯域が重なり、受けやすい帯域が重ならず、受けにくい
置き場所で効くこと離れた部屋でも比較的つながるが、干渉源から離す必要がある開けた場所に置く効果が大きく出る

ネットワンシステムズほかの公表情報をもとに作成

置き場所を考えるとき、この違いは効いてきます。5GHzは「速いけれど遮られやすい」ので、開けた場所に置く効果がとくに大きく出ます。ルーターを棚の奥から出して見通しのいい場所に移すと、5GHz側が使えるようになって体感が変わる、というのはよくある変化です。

反対に、どうしても離れた部屋から使う必要があり、間に壁が何枚もあるなら、その部屋では2.4GHz側へ接続したほうが安定します。電子レンジを回している間だけ調子が悪いなら、それは2.4GHz帯の干渉が疑われるところです。

置き場所を変えたあと、何で確かめる?

動かしたあとに「なんとなく良くなった気がする」で終わらせると、次に迷ったとき判断できません。数字で残しておくと比較ができます。

  1. いちばん困っている場所で測る奥の部屋、2階の寝室など、実際に不満のあるスポットに立って速度を測ります
  2. 移動前の数値を控える移す前に測っておかないと比較になりません。ここを飛ばしがちです
  3. ルーターを移して数分待つ移動後は接続が張り直されます。少し置いてから測ります
  4. 同じ場所・同じ端末で測り直す条件を揃えないと、置き場所の効果なのか別の要因なのか判別できません
  5. 2.4GHzと5GHzを分けて測る接続先を切り替えて両方測ると、どちらが改善したかまで見えます
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買い替える前に、まず持ち上げて測ってみればいいんだ

ルーターは買い替えれば確かに速くなることもあります。ただ、床や棚の奥に置いたまま新しい機種を迎えても、電波が遮られる条件は同じままです。順番としては、いま持っている機種で置き場所を整えてから、それでも足りないかどうかを判断する。そのほうが、次に何を買うべきかもはっきりします。

今日できるのは、床のルーターを棚の上へ移すことくらいで十分です。それで変わらなければ、原因は別のところにあるとわかる。それも一つの収穫です。

よくある質問

Wi-Fiルーターは床から何cm以上の高さに置くべき?

床から1m以上の高さが目安とされています。Wi-Fiの電波はアンテナを中心に水平方向へ広がるため、床に直置きすると電波の下半分が床材や家具に遮られます。1m以上の高さがあれば電波が家具の上を越えて広がりやすく、2階など上階にも届きやすくなります。

ルーターを棚の中や扉付きラックに入れるとどうなる?

四方を板で囲まれるため電波が遮られ、通信が不安定になりやすくなります。とくに障害物に弱い5GHz帯は影響が大きく出ます。配線を隠したい場合でも、扉を開けたままにする、天板の上に置くなど、少なくとも一方向は開けておくのが望ましい置き方です。

ルーターを窓際に置くのはなぜよくない?

電波は窓ガラスを透過するため、窓際に置くと屋内で使うはずの電波が屋外へ逃げてしまうからです。日当たりのよい出窓は場所としては空いていても、電波の観点では損な位置になります。同じ部屋なら窓から離れた中央寄りのほうが屋内に電波が行き渡ります。

電子レンジを使うとWi-Fiが不安定になるのはなぜ?

電子レンジは2.4GHz帯の電波を発しており、Wi-Fiの2.4GHz帯と同じ周波数帯にあたるためです。動作中は2.4GHz帯の通信品質が落ちることがあります。5GHz帯は帯域が異なるため影響を受けにくく、接続先を5GHz側へ切り替えることで回避できる場合があります。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。