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スマホと光のセット割、損益分岐点の出し方

2026年6月15日|いろは堂テック編集部
光ファイバー(FTTH)敷設工事の様子

画像出典: 写真: Johnssson(CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)

この記事の要点
スマホと光のセット割は1回線あたり月1,100〜1,650円が上限で、家族回線にも適用されるため台数が多いほど有利になります。一方で、割引を守るために光回線を変えられなくなると、他社との月額差や解約金が割引額を食いつぶすことがあります。得か損かは「割引額×回線数×継続予定月数」と「他社との月額差×同期間+解約金」を並べれば判断できます。
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セット割で毎月1,100円引きって言われて契約したけど、これ本当に得してるのかな…

スマホと光回線をそろえると割引になる、いわゆるセット割。契約したときは「毎月1,100円引き」と聞いて納得したはずなのに、しばらく経つと自分が得しているのかどうか分からなくなる。正直なところ、これはよくあることです。

理由ははっきりしていて、セット割は「割引額」だけを見ても損得が決まらない仕組みだからです。割引を受け続けるには特定の光回線を使い続ける必要があり、その光回線の月額が他社より高ければ、割引で戻ってきた分が静かに相殺されていきます。

ここでは、各社のセット割が実際にいくらでどんな条件なのかを整理したうえで、あなたの契約が得なのか損なのかを自分で計算できる形にして渡します。

スマホと光のセット割とは?いくら割引されるのか

セット割は、同じ会社(またはグループ)のスマホと光回線をまとめて契約すると、スマホ側の月額料金が毎月割引される仕組みです。光回線が安くなるのではなく、スマホが安くなる、という向きを押さえておくと後の計算がぶれません。

主要3社の内容を並べると次のとおりです。

セット割名運営キャリア最大割引額(月額/回線)対象光回線主な除外条件
ドコモ光セット割NTTドコモ1,210円(プランにより1,100円等)ドコモ光ahamo・ahamo光・irumo0.5GBは対象外
auスマートバリューau1,100円auひかり等対象回線・対象WiMAX対象外プラン・回線あり、家族は同一名義等条件あり
おうち割 光セットソフトバンク/ワイモバイルソフトバンク1,100円/ワイモバイル1,650円SoftBank光等指定オプション(月額550円~)への加入が必要

NTTドコモ・au・ソフトバンク各公式サイトの公表データをもとに作成

上の表で目を引くのは、ワイモバイルの1,650円でしょう。ただしソフトバンク系のおうち割 光セットは、SoftBank光の場合に指定オプション(月額550円~)への加入が条件です。オプション料を差し引いた分が実質の割引になる、という見方をしてください。割引額を額面のまま信じないほうがいい代表例です。

割引が効くのは家族何回線まで?

セット割が効いてくるのは、実は自分1台のときではありません。光回線1契約に対して、家族のスマホ回線にもまとめて割引が乗るところが本体です。

家族への適用範囲
  • ドコモ光セット割: 同一ファミリー割引グループ内で最大20台
  • auスマートバリュー: 家族回線も最大10回線まで。2025年7月からは進学・単身赴任などで別住所の家族も、家族関係を証明できれば対象
  • おうち割 光セット: 固定通信1回線につき携帯回線最大10回線まで。契約名義が同一、または同一家族割引グループであることが必要

4人家族で全員が対象プランなら、月1,100円×4回線で4,400円。年間で52,800円になります。ここまで来ると、光回線の月額が多少高くても押し切れる金額です。逆に単身でスマホ1台なら、割引は月1,100円どまり。同じセット割でも、世帯構成によって重みがまったく違います。

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家族の分も足すと年5万円…そんなに違うんだ

この差が、あとで説明する分岐点の計算でいちばん効いてきます。まずは「自分の家で何回線が割引対象になっているか」を数えておいてください。請求内訳に割引名が並んでいるはずです。

格安プランは対象外というつまずき

もうひとつ、契約後に気づきやすい落とし穴があります。料金を下げようとして安いプランに移った瞬間、セット割の対象から外れることがあるという点です。

ドコモの場合、対象になるのはeximo、eximo ポイ活、irumo(0.5GBプランを除く3GB/6GB/9GBなど)、および5Gギガホ プレミアなどの旧プランです。ahamoは対象外で、ahamo光も対象外です。irumoも0.5GBプランだけは外れます。

つまり「ahamoに変えて月額を下げたら、家族4人分のセット割が消えていた」という事態が起こり得ます。ahamoで下がる額と、失うセット割の合計を並べないと、どちらが得かは決まりません。プラン変更を検討するときは、必ず割引の対象表を先に見てください。

「割引のために縛られる」とはどういう状態か

ここからが本題です。セット割そのものは悪い仕組みではありません。問題が起きるのは、割引を維持したいがために、本来なら変えたほうがいい光回線を変えられなくなったときです。

光回線の月額相場を見てみます。ソフトバンク光はマンションタイプ4,180円~4,455円、戸建てタイプ5,610円~5,720円で、2026年12月以降は対象プランの月額基本料金が一律330円値上げされる予定です。10ギガプランの比較記事では、ドコモ光のほうがソフトバンク光より月額550円安いという指摘もあります(代理店独自キャンペーンで実質額は変動します)。

各社の月額差そのものは、だいたい数百円のレンジに収まります。だからこそ、月1,100円の割引は多くの場合で差額を上回ります。ここは素直に「セット割は有利」と言っていい部分です。

それでも損に転びやすいケース

逆転が起きるのは、割引額そのものが小さいか、割引対象の回線数が少ないときです。スマホ1回線だけで月1,100円の割引を受けるために、他社より月550円高い光回線を使い、さらに指定オプション550円に加入していれば、手元に残るのはほぼゼロになります。ソフトバンク系のオプション条件は、ここで効いてきます。

そしてもうひとつ、キャリアを乗り換えたくなったとき。スマホ側を他社へ移すとセット割は消え、光回線だけが手元に残ります。そのときに光回線の解約金や工事費の残債が発生すると、乗り換えのコストが一気に膨らみます。

解約金はいくらかかるのか

縛りの重さを実額で把握しておきましょう。ドコモ光の2年自動更新プランを例にとります。

ドコモ光の解約金(2022年7月1日以降の申込)
  • 戸建て: 5,500円
  • マンション: 4,180円
  • 2022年6月30日以前の申込は戸建て14,300円・マンション8,800円
  • 契約満了月とその前後の計3か月(更新期間)に解約すれば解約金は不要

近年の申込であれば、解約金は5,500円前後。月1,100円の割引なら5か月分で取り返せる金額です。一方で古い申込のまま更新され続けている場合、戸建て14,300円は13か月分の割引に相当します。自分の契約がいつ申し込んだものかで、縛りの重さは3倍近く違うということです。

そして更新期間。契約満了月の前後3か月に解約すれば解約金はかかりません。乗り換えを考えているなら、この3か月をカレンダーに入れておくだけで数千円から1万円以上の差になります。工事費の残債は別途残ることがあるので、こちらも請求内訳で確認してください。

得か損かを判断する分岐点の計算式

材料がそろったので、実際に計算します。やることは、2つの数字を出して並べるだけです。

  1. もらえる側を出す割引額(月)× 割引対象の回線数 × これから使い続ける予定の月数。請求内訳から、実際に適用されている割引額と回線数を拾ってください。額面の最大値ではなく、実際の適用額を使うのが大事です。
  2. 支払う側を出す(今の光回線の月額 − 乗り換え先候補の月額)× 同じ月数 + 解約金 + 工事費の残債 + 指定オプション料 × 同じ月数。オプションが不要な会社なら、その項目はゼロです。
  3. 並べて比べる1が2より大きければ、セット割を続けたほうが得。2のほうが大きければ、割引を捨てて安い光回線に移ったほうが得です。
  4. 期間を変えてもう一度月数を12か月・24か月・36か月で入れ替えて計算します。解約金は一度きりなので、使う期間が長いほど1が有利になります。逆に「1年以内に引っ越すかも」なら結果は変わります。

具体例をひとつ。マンションで家族3回線が月1,100円の割引を受けていて、今の光回線が候補より月550円高く、指定オプションは不要、解約金4,180円だとします。24か月で計算すると、もらえる側は1,100×3×24=79,200円。支払う側は550×24+4,180=17,380円。差は6万円以上で、セット割を続けるほうが明確に得です。

同じ条件でスマホが1回線だけ、さらに指定オプション550円が必要な場合はどうでしょう。もらえる側は1,100×1×24=26,400円。支払う側は(550+550)×24+4,180=30,580円。今度は逆転します。割引額も光の月額差も何ひとつ変えていないのに、回線数とオプションの有無だけで結論がひっくり返る。これがセット割の損得が分かりにくい理由です。

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うちは家族4人だから、続けたほうがよさそう

計算に入れる数字は、なるべく請求書の実額を使ってください。公式サイトの「最大◯円」は条件を全部満たしたときの上限で、プランによっては割引額が下がります。ドコモ光セット割でも、eximo・eximo ポイ活・irumoは1,100円/月といったように、プランごとに額が異なります。

計算する前に確認しておきたいこと

数字を集める段階で見落としやすい点を並べます。手元の請求内訳を開きながら確認すると早いです。

確認リスト
  • 割引が実際に適用されているか(申込が必要な割引は、条件を満たしても自動では適用されないことがある)
  • 割引対象になっている回線数(家族全員が対象プランとは限らない)
  • プランごとの実際の割引額(最大額とは違うことがある)
  • 指定オプションに加入しているか、その月額はいくらか
  • 光回線の契約満了月と更新期間(解約金ゼロで動ける3か月)
  • 工事費の残債が残っているか
向いていないケースもあります

近いうちに引っ越す予定がある、在宅時間が短くて光回線自体が過剰、スマホの契約先を1年以内に変える可能性が高い。こうした場合は、セット割を軸に光回線を選ぶ意味が薄くなります。割引は使い続けてはじめて積み上がるもので、短期間では解約金や工事費のほうが目立ちます。逆に家族の回線が多く、当面引っ越す予定もないなら、セット割は素直に強い選択肢です。

なお、割引額や対象プランは各社とも改定が頻繁です。この記事の数値は公表値ですが、実際に契約や変更をする前には公式サイトで最新の条件を確認してください。特に対象プランの入れ替えは、気づかないうちに割引が消える原因になります。

結局、どう向き合えばいいのか

セット割は「入れば得する魔法」ではなく、使い続ける前提が成り立っている間だけ得をする仕組みです。家族の回線が多く、その家に長く住むなら、月1,100円×人数の積み上げは他社との月額差を軽々と超えます。

一方で、単身で1回線、しかもオプション加入が条件という組み合わせでは、手元に残る額はほとんどありません。そこに解約金や工事費の残債が加われば、割引が「動けない理由」になってしまいます。

判断は、さっきの2つの数字を並べるだけで済みます。請求内訳を開いて、割引額と回線数を数える。それだけで、今の契約が自分にとってどちら側なのかが見えてきます。今日決める必要はありません。数字を知ってから、更新期間が来たときにゆっくり決めればいい話です。

よくある質問

スマホと光のセット割は月いくら割引されますか?

1回線あたり月1,100円〜1,650円が上限です。ドコモ光セット割は最大1,210円(プランにより1,100円等)、auスマートバリューは最大1,100円、おうち割 光セットはソフトバンクが最大1,100円、ワイモバイルが最大1,650円です。プランによって割引額は変わるため、実際の適用額は請求内訳で確認してください。

セット割は家族の分も割引されますか?

されます。ドコモ光セット割は同一ファミリー割引グループ内で最大20台、auスマートバリューは最大10回線、おうち割 光セットは固定通信1回線につき携帯回線最大10回線までが対象です。auスマートバリューは2025年7月から、進学や単身赴任で別住所に住む家族も、家族関係を証明できれば対象になりました。

ahamoはセット割の対象になりますか?

対象外です。ドコモ光セット割の対象はeximo、eximo ポイ活、irumo(0.5GBプランを除く)、および5Gギガホ プレミアなどの旧プランで、ahamoとahamo光は割引の対象になりません。ahamoへ変更すると月額は下がりますがセット割は失われるため、両方を足して比較する必要があります。

光回線を解約すると解約金はいくらかかりますか?

ドコモ光の場合、2022年7月1日以降の申込では戸建て5,500円・マンション4,180円、2022年6月30日以前の申込では戸建て14,300円・マンション8,800円です。契約満了月とその前後の計3か月が更新期間にあたり、この期間に解約すれば解約金はかかりません。工事費の残債は別に残ることがあります。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。