おサイフケータイ機種変更、預けずに消すと損する理由
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おサイフケータイの残高や定期券は、旧端末が使えるうちに「預ける(サーバーへ退避する)」操作をしないと引き継げません。この操作は回線の切り替えや端末の初期化より前に行う必要があり、順番を間違えると再発行(有償・残高が戻らない場合あり)になります。楽天Edyは申請から30分以内に新端末で設定を完了する必要があり、モバイルWAONはiPhoneとAndroidの間では移行できないなど、サービスごとにルールが違います。
スマホの買い替えでいちばん取り返しがつかないのが、おサイフケータイの中身です。写真や連絡先はクラウドに残っていることが多いですが、電子マネーの残高や定期券は旧端末が手元にあって、なおかつ操作できるうちにしか動かせないものがあります。
正直なところ、店頭で機種変更をすると「回線の切り替え」と「データ移行」は案内されても、電子マネー一つひとつまでは面倒を見てもらえません。ここは自分で先に済ませておく領域です。難しい作業ではなく、要は旧端末で「預ける」、新端末で「受け取る」の二段階。ただし順番と期限にだけ気をつける必要があります。
なぜ機種変更前の操作が必要なの?
おサイフケータイの電子マネーは、スマホの中にあるFeliCaというICチップに残高が記録されています。クラウド上のアカウントに紐づいているだけの仕組みではなく、チップそのものに価値が入っているため、端末を替えるときは中身をいったんサービス提供元のサーバーへ移し、新しい端末のチップへ書き戻す必要があります。
この「サーバーへ移す」作業が、各サービスで言う預け入れ(機種変更手続き)です。旧端末のチップから中身を抜き出す操作なので、旧端末が動いていて、通信ができる状態でなければ実行できません。ここが、順番を間違えると詰む理由です。
auの案内では、おサイフケータイの引き継ぎ手続きは通信の乗り換え手続きより前に旧端末で行う必要があるとされています。先に回線を解約したり端末を初期化したりすると預け入れができず、サービスによっては再発行(有償で、データを引き継げない場合がある)になります。電池切れ・水没・紛失で旧端末が操作できなくなった場合も同様で、その際はまず各サービス事業者へ連絡してください。
どのサービスが「預ける」操作を必要とするの?
混乱しやすいのは、すべてのサービスで同じ操作が要るわけではない点です。おサイフケータイに登録されているサービスは、大きく二つのタイプに分かれます。
| タイプ | やること | 代表例 |
|---|---|---|
| チップに残高があるタイプ | 旧端末で預け入れ(機種変更手続き)→ 新端末で受け取り | モバイルSuica、モバイルPASMO、楽天Edy、モバイルWAON、nanaco |
| 会員IDに紐づくタイプ | 新端末でアプリを入れ、同じIDでログインし直す | 楽天チェックなど |
迷ったら、「残高や定期券が入っているものは預け入れが必要」と考えると外しません。逆に、貯まっているのがポイントだけでアプリにログインして使うタイプなら、新端末で同じIDにログインすれば戻ってくることが多いです。
ただしポイントカード系にも例外があります。モバイルdポイントカードは、NTTドコモの案内では旧端末側で設定を削除(クリア)し、新端末であらためておサイフケータイ設定をやり直す方式です。「残高を移す」のではなく「消して登録し直す」という考え方なので、旧端末での操作は結局必要になります。
旧端末を手放す前にやることは?
下取りや売却に出す前に、この順番で進めてください。順番自体が事故防止になっています。
- 登録サービスを書き出すおサイフケータイアプリを開き、登録されているサービスを一覧で確認します。使っていたことを忘れているサービスが出てくるのは、この段階です。
- Googleアカウントを確認する旧端末と新端末で同じGoogleアカウント(同じGmailアドレス)にログインしている必要があります。パスワードがあやふやなら、移行操作を始める前に確認しておきます。
- 各アプリ側の機種変更手続きをするSuica・PASMOなどは、まず各アプリ内の「機種変更」メニューでデータをサーバーへ上げます。
- おサイフケータイアプリで「カードを預ける」これでチップの中身がサーバーへ退避します。
- 新端末で「受け取る」新端末のおサイフケータイアプリの「マイサービス」等から受け取り操作をします。
- 回線の切り替え・端末の初期化はここまで終えてからこの順序を守れば、預け入れができないまま端末を失うことはありません。
Suica・PASMOの移行で気をつけることは?
交通系ICは残高だけでなく定期券が入っているぶん、失敗したときの痛手が大きいサービスです。
モバイルSuicaは、端末を替える前にアプリの機種変更操作で定期券やSF(電子マネー残高)をサーバーへ退避します。旧端末が使える場合は、おサイフケータイアプリで「カードを預ける」、続いてモバイルSuicaアプリで「以前の端末からSuicaを移行する(機種変更)」をタップする流れです。
見落としやすいのが入場記録です。改札に入場した状態のままでは機種変更手続きができません。移行作業は、駅の外にいる状態で行ってください。
JR東日本の案内によれば、機種変更手続きをしないまま端末を交換した場合は「再発行」の手続きになります。そしてこの再発行は、異なるOS間(iPhone⇔Android)ではできないとされています。OSを変えて買い替える予定なら、旧端末での手続きは絶対に飛ばさないでください。
モバイルPASMOのAndroid同士の移行は、アプリの「アカウント設定」→「機種変更」でアップロードし、その後おサイフケータイアプリの「カードを預ける(機種変更)」を実行してセンターサーバーへ移す、という二段構えです。新端末では「マイサービス」からモバイルPASMOを選んで「受け取る」をタップします。
- SF残額
- 定期券
- オートチャージ設定
- 残額履歴
- 特典バスチケット残額
- クレジットカード情報
なお新端末がモバイルPASMO対応機種であることが前提です。また、キャリア側の機種変更操作を先に済ませてしまうと後から手続きできなくなる可能性があると案内されています。ここでも「電子マネーが先、回線が後」です。
電子マネーごとの落とし穴は?
楽天Edy:30分の制限時間がある
楽天Edyの残高移行は、旧端末で残高移行を申請し、新端末でアプリをダウンロードして設定を完了する二段階です。特徴的なのは制限時間で、旧端末での申請後、30分以内に新端末側の設定を終える必要があります。新端末のセットアップが終わっていない状態で先に申請してしまうと間に合いません。
あわせて押さえておきたい点が三つあります。Edy残高がゼロだと移行申請そのものができないこと、移行手続きには楽天IDが必要なこと、そして移行後はEdy番号が変わるため「Edyでポイント」の紐付けは機種変更後に登録し直しが必要なことです。
モバイルWAON:パスワードのメモが命綱
モバイルWAONは、機種変更前に残高とWAONポイントをセンターへ「保管」します。アプリを起動して「お客さまメニュー」→パスワード入力→「機種変更の手続き」と進み、保管対象の残高を確認して「保管」をタップします。
ここで表示される「機種変更反映用パスワード」は必ずメモしてください。新端末で残高を戻すときに使うもので、画面を閉じてしまうと困ることになります。
複数の解説記事が一致して指摘しているとおり、モバイルWAONはiPhoneとAndroidの間では残高を移行できません。OSを変えて買い替える予定なら、買い替え前に残高を使い切っておくのが確実です。
nanaco:引継番号を旧端末で表示する
nanacoは番号を使う方式です。新端末にアプリをインストールしたうえで「機種変更手続き」→「引継番号入力へ」と進み、旧端末のnanacoアプリに表示される「引継番号」と「会員メニュー用パスワード」を入力すると、残高とポイントが新端末へ反映されます。旧端末の画面を見ながら新端末に入力するので、両方を手元に置いておく必要があります。
iPhoneとAndroidを行き来する場合はどうする?
OSをまたぐ買い替えは、同じOS同士の乗り換えとは別物として考えてください。ここまで見てきたとおり、サービスによって挙動がはっきり分かれます。
| サービス | OSをまたぐ場合の扱い |
|---|---|
| モバイルSuica | 手続きを忘れた場合の再発行は、JR東日本の案内によればOSをまたぐとできない |
| モバイルWAON | iPhone⇔Android間の残高移行は不可。事前に使い切る |
| 楽天Edy | 移行は可能だが、Edy番号が変わりポイント紐付けの再登録が必要 |
秋は新機種の発表が続き、買い替えが増える時期です。AndroidからiPhoneへ、あるいはその逆へ、この機会に乗り換えようと考えている人ほど、「今の端末に入っている電子マネーは、そのOSでしか生きられないかもしれない」という前提で棚卸しをしておくと安全です。使い切ってしまえば移行の心配自体がなくなります。
今日やっておける確認は?
買い替えの予定がまだ先でも、今の端末で確認だけしておくと当日が楽になります。
- おサイフケータイアプリを開き、登録サービスを一覧で書き出した
- Googleアカウントのパスワードが確認できている
- 各サービスの会員ID・パスワード(楽天ID、dアカウント、WAONのパスワード等)が分かる
- OSをまたぐ予定なら、移行できない電子マネーの残高を減らし始めている
- 移行作業は「回線の切り替えより前」と決めている
おサイフケータイの引き継ぎは、知らないと事故になりますが、順番を知っていれば数十分で終わる作業です。旧端末が元気なうちに預ける。これだけ覚えておけば、新しいスマホを気持ちよく使い始められます。
よくある質問
機種変更の手続きをせずに旧端末を初期化してしまった場合、電子マネーは戻せますか?
サービスによりますが、預け入れ操作をしていない場合は再発行の手続きが必要になり、有償だったりデータを引き継げなかったりすることがあります。まずは各サービスの事業者(JR東日本、楽天Edy、WAONなど)へ早めに連絡してください。旧端末が電池切れ・水没・紛失で操作できない場合も同様に、自分で対応せずまず事業者へ連絡する必要があります。
おサイフケータイの移行は、回線の乗り換え手続きより前と後のどちらですか?
必ず前です。auの案内では、おサイフケータイの引き継ぎ手続きは通信の乗り換え手続きより前に旧端末側で行う必要があるとされています。先に回線を止めたり端末を初期化すると預け入れができず、再発行になるケースがあります。
モバイルSuicaの機種変更手続きができないのはどんなときですか?
改札に入場した状態(入場記録が残っている状態)では機種変更手続きができません。駅の外に出てから操作してください。また、旧端末と新端末で同じGoogleアカウントにログインしていることも前提条件になります。
楽天Edyの残高移行に時間制限はありますか?
あります。旧端末で残高移行を申請したあと、30分以内に新端末でアプリをダウンロードして設定を完了する必要があります。新端末のセットアップを先に済ませてから申請してください。なお、Edy残高がゼロの場合は移行申請自体ができません。
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