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eSIMの機種変更、クイック転送と再発行の2つの方法

2026年6月9日|いろは堂テック編集部
Business and technology concept hand holding smartphone

画像出典: 写真: Jernej Furman from Slovenia(CC BY 2.0 / Wikimedia Commons)

この記事の要点
eSIMの機種変更には、端末同士だけで移す「クイック転送」と、キャリアで新しいプロファイルを発行し直す「再発行」の2通りがあります。クイック転送はiPhoneならiOS 16.4以上、AndroidならAndroid 14以上の端末同士で使え、キャリアへの連絡もQRコードも不要です。オンラインでの再発行手数料は主要4社とも無料または条件付き無料で、旧端末の初期化は新端末で通話・データ通信の疎通確認が取れてからが鉄則です。
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新しいスマホを買ったけど、eSIMって物理的なカードを差し替えられないよね…?どうやって移すの?

eSIMは端末に埋め込まれた「書き換えられるSIM」です。物理SIMのように抜き差しはできませんが、そのぶん移し方は2通り用意されています。ひとつは端末同士の操作だけで移す方法、もうひとつはキャリアで新しいプロファイルを発行し直す方法です。

正直なところ、この2つの違いを知らないまま店舗に行って手数料を払っている人は少なくありません。先に知っておけば、多くの場合は自宅で数分で終わります。そして何より大事なのは、旧端末を初期化するタイミングです。ここを間違えると、新端末が圏外のまま戻れなくなります。

eSIMの移行方法は2種類。まず自分がどちらか決める

eSIMの引き継ぎは、大きく次の2つに分かれます。どちらを使うかで手間も、かかる時間も変わります。

eSIM移行の2つのルート
  • クイック転送(端末間転送):旧端末から新端末へ、eSIMプロファイルを直接送る。キャリアへの連絡もQRコードの読み取りも不要で、数分で完了する
  • eSIM再発行:キャリアのオンライン窓口で新しいeSIMを発行し、新端末でQRコードを読み取って開通する

ここでいう「eSIMプロファイル」とは、電話番号や契約情報が書き込まれた、SIMカードの中身にあたるデータのことです。物理SIMなら金属のカードごと持ち運ぶところを、eSIMではこのデータだけを移す、と考えると分かりやすいと思います。

条件を満たしているならクイック転送が圧倒的に楽です。逆に、旧端末が壊れている・手元にない・条件を満たさない古い端末、といった場合は再発行を選ぶことになります。旧端末が動くかどうかが、最初の分かれ道です。

端末同士で移す「クイック転送」はどうやる?

iPhoneの場合

Appleの「eSIMクイック転送」は、BluetoothまたはiCloud経由で、旧iPhoneから新iPhoneへeSIMプロファイルを直接転送する機能です。キャリアへの連絡が不要なのが最大の利点です。

使うための条件

クイック転送に必要なもの
  • 新旧どちらのiPhoneもiOS 16.4以上(iPadのBluetooth転送はiPadOS 17以上)
  • 両端末ともSIMロック解除が完了していること
  • 両端末にパスコードが設定されていること

対応機種はiPhone 11〜iPhone 17シリーズ、iPad Pro M4/M5、iPad Air M2以降、iPad(第10世代)以降などです。転送の方式は3つあり、両端末を近づけてBluetoothで送る方法、同一Apple IDでiCloud経由で送る方法(両端末で2段階認証の設定が必要)、そして手元の物理SIMをeSIMに変換する方法があります。

手順

  1. 両端末を準備する新旧のiPhoneを手元に置き、どちらもパスコードを設定した状態にします。Bluetooth転送なら両方のBluetoothをオンにして近づけます。
  2. 新端末でモバイル通信の設定を開く初期設定中なら案内に沿って、設定済みの端末なら「設定」→「モバイル通信」から追加操作に進みます。
  3. 転送元として旧iPhoneを選ぶ近くのiPhoneが候補に表示されるので、移行したい回線を選択します。
  4. 旧端末側で許可する旧iPhoneに確認が表示されるので、承認します。
  5. 開通を確認する数分で新端末にアンテナが立ちます。ここで必ず疎通確認をします(後述)。
転送した瞬間、旧端末は圏外になります

クイック転送が完了すると、旧端末の回線は無効化されます。つまり旧iPhoneでは通話もデータ通信もできなくなります。「移してから旧端末で最後の作業を…」は通用しないので、SMS認証が必要な作業は転送前に済ませておいてください。

また、転送に失敗した場合はキャリアのオンラインショップでQRコードを再発行する代替手段があります。詰んでしまうわけではないので、そこは落ち着いて構いません。

Androidの場合

Androidでも端末同士で移せます。PixelやGalaxyなどでは、端末同士の操作だけでeSIMプロファイルを移行できる機能が用意されていて、キャリアサイトへのアクセスは不要です。GalaxyからPixelのように、メーカーが違っても対応端末同士なら使えます。

条件は、両端末ともAndroid 14以上で、最新のソフトウェアアップデートが適用済みであることです。買ったばかりの新端末は初期状態のOSが古いことがあるので、先にアップデートを済ませておくと引っかかりません。

  1. 新端末で設定を開く「ネットワークとインターネット」→「SIM」→「SIMを追加」と進みます。
  2. 「他のデバイスからSIMを移行する」を選ぶ新端末側にQRコードの読み取り画面が出ます。
  3. 旧端末でQRコードを表示する旧端末側に表示されたQRコードを、新端末でスキャンします。
  4. 旧端末で移行を承認する旧端末で移行を承認し、画面ロックを解除すると、自動でSIM移行の処理が進みます。
  5. 開通を確認する新端末で通話・通信ができるか確かめます。

iPhoneの場合と同じく、この方法でも移行が終われば旧端末の回線は使えなくなります。順番の考え方は共通です。

クイック転送が使えないとき、再発行はいくらかかる?

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再発行って店舗に行かないとダメなイメージがあるけど、お金かかるの?

オンライン手続きなら、主要4社とも無料または条件付き無料です。手数料が発生するのは主に店舗窓口で、金額もそれなりになります。まずは各社のオンライン窓口を確認するのが基本の動きです。

キャリアオンライン再発行手数料店舗窓口手数料手続き窓口備考
ドコモ無料(ギガホ/ギガライト等契約時、条件あり)4,950円(税込・場合により)ドコモオンラインショップ旧端末へのSMS2段階認証が必須、eKYC不要で即日再発行可
au無料(My au/My UQ mobile)3,850円(税込)※2026年8月1日より4,950円に改定予定My au/auショップ・UQスポットQRコードを新端末で読み取り開通。故障・紛失時は別端末でQR表示
ソフトバンク無料(2026年1月21日改定)My SoftBankQRコードは1回のみ利用可、USIM再発行は1,100円
楽天モバイル無料my楽天モバイルアプリ最短10分程度で完了。物理SIM新規発行のみ別途手数料

各キャリア公式サイト・ITmedia Mobile等の公表データをもとに作成

上の表で押さえておきたいのは、店舗窓口の金額差です。auの店舗手数料は2026年8月1日から4,950円へ改定される予定で、それまでは3,850円が適用されます。オンラインなら無料の手続きに数千円を払う形になるので、自宅でできるかをまず試す価値は十分あります。

各社の手続きの流れ

ドコモは、ドコモオンラインショップからeSIM再発行が可能です。eKYC(オンラインでの本人確認)は不要で即日再発行できますが、旧端末に届くSMSでの2段階認証が必須です。つまり旧端末が使える状態でないと進みません。

auは「My au」「My UQ mobile」からの再発行・転送が無料です。手続き後に表示されたQRコードを新端末で読み取って開通します。端末を紛失した・壊れた・誤ってeSIMを削除してしまった場合は、パソコンやタブレットなど別の端末でQRコードを表示する必要があります。

ソフトバンクは2026年1月21日にWeb(My SoftBank)でのeSIM再発行手数料が無料化されました(改定前は3,850円)。同時に物理SIMの再発行も1,100円へ値下げされています。手順はMy SoftBankにログイン→契約確認→eSIM設定→「設定する」→連絡先(メール/SMS)を選択→本人確認→申込、という流れです。申込後にメールまたはSMSでQRコードにアクセスできます。一度使ったQRコードは再利用できないので、読み取りは新端末で確実に行ってください。

楽天モバイルは、my楽天モバイルアプリの「契約プラン」→「各種手続き」→「SIM再発行を申請する」から進み、ワンタイムパスワード認証を経て申し込みます。最短10分程度で完了します。

旧端末を初期化する前に、必ずやることは?

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下取りに出すから早く初期化したいんだけど、待ったほうがいい?

初期化は最後です。eSIMの移行が絡む機種変更で困りごとが起きるのは、ほぼ例外なく「旧端末を先に消してしまった」ケースです。旧端末が生きている間にしかできない作業がいくつもあります。

初期化前チェックリスト
  • 新端末で疎通確認が取れるまで初期化しない:通話の発信、データ通信、SMSの受信の3つを実際に試す。クイック転送は完了と同時に旧端末の回線が無効になるため、確認は転送直後に行う
  • データのバックアップ:写真・LINEのトーク履歴・認証アプリのバックアップコードなどを、iCloudやGoogleアカウントへ事前に退避しておく
  • 二段階認証の移行方法を確認:認証アプリやSMS認証は、移行後に旧端末でSMSを受け取れなくなる。どのサービスがどの方法で認証しているか、先に洗い出しておく
  • おサイフケータイ・交通系ICの引き継ぎ:Suica/PASMOなどは、アプリ内で「機種変更する」手続きを済ませてから初期化する。先に初期化するとデータを復元できない場合がある
  • ID・パスワードを控える:新端末で各アプリに入り直すことになるので、ログイン情報を手元に用意しておく

特に注意したいのが、二段階認証まわりです。ネット銀行やSNSのログインをSMS認証に頼っている場合、回線が新端末へ移った時点でコードは新端末に届きます。ここまでは問題ありません。問題は、認証アプリのように端末の中にデータが入っているタイプです。これは回線とは無関係なので、初期化してしまうと復旧手続きが必要になります。移行の前に、認証アプリの引き継ぎ設定を済ませておいてください。

疎通確認の具体的なやり方

  1. 電話をかける家族の携帯や、天気予報などへ発信して音声がつながるか確認します。
  2. モバイルデータで通信するWi-Fiを一度オフにして、ブラウザでページが開くか試します。Wi-Fiがつながっていると通信できているように見えてしまうので、必ず切ります。
  3. SMSを受け取る別の端末から新端末へSMSを送り、届くか確認します。

この3つが通れば、回線の移行は成功です。ここまで確認してから、旧端末のバックアップ完了を再確認し、初期化と下取りへ進みます。

結局、どちらを選べばいい?

状況選ぶ方法
旧端末が動き、iOS 16.4以上/Android 14以上クイック転送(キャリアへの連絡不要)
旧端末が故障・紛失している再発行(別端末でQRコードを表示)
OSのバージョン条件を満たさないまずOSを更新、無理なら再発行
クイック転送に失敗した再発行に切り替える

迷いどころは、OSのバージョンが条件に届かないときです。新端末は買ったばかりでも初期状態のOSが古いことがあるため、更新してから判断すれば選択肢が広がります。それでも条件を満たさない端末なら、再発行に切り替えれば手続き自体は問題なく進みます。

こういうときは店舗を頼っていい

オンラインが安く済むのは事実ですが、旧端末を紛失していて本人確認に使える端末が何もない、契約者名義が自分ではない(家族名義など)、といったケースでは、手数料を払っても窓口のほうが確実に早く片づきます。手数料を惜しんで週末をつぶすより、そこは割り切ったほうがいい場面もあります。

また、格安SIM各社の手続きや手数料はここで挙げた4社とは異なります。契約中の会社の公式ページで、再発行の窓口と手数料を必ず確認してください。

移行が終わったらやっておきたいこと

回線が新端末で動き出したら、あとは細かい後片付けです。APN設定(回線ごとの接続先を端末に登録する作業。設定アプリから会社指定の値を入力します)が必要なケースは、格安SIMを中心にまだ残っています。アンテナは立っているのにデータ通信だけできない、というときはここを疑ってください。

それから、旧端末を下取りや譲渡に出す前に、Apple IDやGoogleアカウントからのサインアウト、および「探す」機能の解除を済ませておきます。これをやらないと、受け取った側で端末が使えないままになります。初期化と合わせて、ひとつの作業として覚えておくと安心です。

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順番さえ間違えなければ、思ったより怖くないんだね

eSIMは、慣れてしまえば物理SIMより手軽です。カードの受け取りを待つ必要も、小さなトレイと格闘する必要もありません。「新端末で3つの疎通確認が取れるまで、旧端末には手をつけない」——この一点だけ守れば、大きな失敗は起きません。

よくある質問

eSIMのクイック転送にはキャリアへの連絡が必要ですか?

必要ありません。iPhoneのeSIMクイック転送、およびAndroidのeSIM転送機能は、いずれも端末同士の操作だけでeSIMプロファイルを移行でき、キャリアへの連絡やQRコードの読み取りは不要です。iPhoneは新旧ともiOS 16.4以上、Androidは両端末ともAndroid 14以上が条件です。

eSIMの再発行に手数料はかかりますか?

オンライン手続きであれば、ドコモ(条件あり)・au(My au/My UQ mobile)・ソフトバンク(My SoftBank、2026年1月21日より無料化)・楽天モバイルはいずれも無料です。店舗窓口では手数料が発生し、ドコモは場合により4,950円(税込)、auは3,850円(税込・2026年8月1日より4,950円に改定予定)となります。

eSIMを新端末に移すと、旧端末は使えなくなりますか?

回線は使えなくなります。クイック転送が完了した時点で旧端末の回線は無効化され、旧端末では通話もデータ通信もできなくなります。Wi-Fi接続での利用は引き続き可能ですが、SMS認証など回線が必要な作業は移行前に済ませておく必要があります。

旧端末はいつ初期化すればいいですか?

新端末で通話の発信・モバイルデータ通信・SMSの受信という3つの疎通確認が取れてからです。加えて、写真やLINEのトーク履歴のバックアップ、認証アプリの引き継ぎ、Suica/PASMOなどおサイフケータイの「機種変更する」手続きをすべて完了させてから初期化します。先に初期化すると復元できないデータがあります。

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