いろは堂テック ← 戻る

スクリーンタイムの子供設定、6割が破る家庭ルールの正体

2026年7月17日|いろは堂テック編集部
室内で女性と子供がスマートフォンを一緒にのぞき込む写真

画像出典: ぱくたそ

この記事の要点
iPhoneは「設定」→「スクリーンタイム」→「これは子ども用のiPhoneです」から、Androidはファミリーリンクから、1日の使用時間上限・アプリごとの上限・就寝時間帯の制限を保護者のパスコード付きで設定できます。ただし設定だけでは長続きしません。小学生高学年の約6割が親子で決めたルールを破った経験があり、破られやすいルール第1位は「利用時間」です。時間の数字だけでなく「始める条件」「終わる条件」を一緒に決めることが、続く家庭ルールの分かれ目になります。
😟
気づくと一日中スマホを触ってる…。時間制限をかけたいけど、うるさく言うだけになりそうで気が重いんです。

学校がない期間は、生活のリズムそのものが変わります。起きる時間も、宿題をやる時間も、家にいる時間の長さも違う。そこへ普段どおりの「ゲームは1時間」だけを持ち込むと、たいてい途中で機能しなくなります。

NTTドコモ モバイル社会研究所の調査(2024年11月時点)では、子どもの1日平均スマホ利用時間は小学生高学年で78分、中学生で145分。小学生高学年は前年より26分も増えています。増えているのは、家庭の管理が甘いからというより、スマホでできることが年々増えているからです。

正直なところ、端末の設定と家庭のルールは役割が違います。設定は「越えられない線」を引くもの、ルールは「自分で止まれるようになる」ための練習です。どちらか片方だけだと、うまくいきません。両方を、負担の少ない形で組み立てていきます。

スクリーンタイムで子ども用に設定する手順は?

iPhoneでの入り口は「設定」アプリの中のスクリーンタイムです。ここで最初にやることが1つあります。オンにするときに「これは子ども用のiPhoneです」を選ぶこと。これを選ばずに自分用として設定すると、保護者向けの制限項目がそろわず、あとから面倒になります。

  1. スクリーンタイムをオンにする「設定」→「スクリーンタイム」→「スクリーンタイムをオン」の順に進みます。
  2. 「これは子ども用のiPhoneです」を選ぶここで用途を子ども用として宣言します。
  3. 保護者用パスコードを設定する子どもが知らない4桁にします。誕生日や、子どもが見慣れた数字は避けてください。
  4. 「コンテンツとプライバシーの制限」をオンにする成人向けコンテンツの遮断、閲覧できるWebサイトの制限がここに入っています。
  5. 「App使用時間の制限」で上限を決めるアプリのカテゴリごとに1日の上限時間を設定できます。SNSだけ、ゲームだけ、という指定が可能です。
  6. 「休止時間」で使えない時間帯を決める指定した時間帯は、許可したアプリ以外が使えなくなります。就寝前の設定はここで行います。

保護者用のパスコードを設定しておけば、子どもが自分で制限を解除することはできません。逆に言えば、パスコードを設定しないまま制限だけかけても、その場で解除されて終わります。ここは省略できない工程です。

🤔
うちはAndroidなんですけど、同じことはできますか?

Androidの場合はファミリーリンクというGoogleの仕組みを使います。親のGoogleアカウントと子どものアカウントを紐づけて、子どもの端末を保護者が管理する形です。13歳未満の子どもについては、Googleアカウント自体を保護者が作成でき、その作成時にファミリーリンクへの紐づけも同時に済ませられます。

ファミリーリンクのトップ画面から設定できるのは、1日のデイリー使用時間の上限、特定アプリの使用時間制限、就寝時間のスケジュール、アプリのインストール承認制、閲覧できるWebサイトの制限です。設定できる項目や手順は、子どもの年齢が12歳以下か13歳以上かで変わります。

キャリアのフィルタリングアプリは併用すべき?

携帯電話会社は、それぞれ公式のフィルタリングアプリを出しています。ドコモの「あんしんフィルター for docomo」、ソフトバンクの「あんしんフィルター for SoftBank」などです。auやY!mobileにも同種のものがあります。

これらは店頭で設定を案内されることが多いはずですが、それには理由があります。2018年2月1日に施行された改正法(青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律)で、携帯電話会社と代理店には、18歳未満との新規契約・変更契約のときに使用者が18歳未満かの確認・フィルタリングの説明・販売時のフィルタリングソフトの設定が義務づけられているためです。フィルタリングを無効にするには保護者からの申し出が必要になります。

OS標準の機能とキャリアのアプリは、得意分野が少し違います。あんしんフィルター for docomoには保護者モードがあり、外出先からでも設定変更や利用状況の確認ができます。仕事で家を空ける時間が長い家庭では、この点が効いてきます。

設定を始める前に決めておくこと
  • 保護者用パスコードは、子どもが推測できない数字にする
  • 制限を「時間」だけにするか、「見られるサイト」まで含めるか
  • 親が外出中でも設定を変えたい場面があるか(あればキャリアアプリが有利)
  • 子どもに黙って入れるのではなく、入れることを本人に伝える

年齢に応じて制限の強さはどう変える?

一度決めた設定をずっと使い続ける必要はありません。むしろ、成長に合わせて緩めていく前提で組むほうがうまくいきます。一般的な考え方としては、次のような段階です。

小学生のうちは安全重視で強めに。閲覧できるサイトを絞り、アプリのインストールは承認制にします。この時期は、自分で危険を判断する材料がまだ足りません。

中学生では一部のSNS・動画を許可しつつ、有害サイトの遮断は維持します。友人との連絡手段としてSNSが必要になる時期で、完全遮断は現実的でなくなります。

高校生では本人の自律性を尊重し、必要最小限の制限に緩めます。この段階で急に自由にすると加減がわからなくなるので、その手前で少しずつ手綱を渡しておくのが実際的です。

こども家庭庁の令和6年度調査では、青少年(10〜17歳)のインターネット利用率は98.2%。学校種別では小学生97.2%、中学生98.1%、高校生99.4%です。使う・使わないの選択肢はもう存在せず、どう使うかだけが残っていると考えたほうが、設計しやすくなります。

同じ調査で、フィルタリングを認知している保護者は60.0%、実際に利用しているのは45.8%でした。知っているのに使っていない層が一定数いることになります。設定の手間で止まっているなら、ここまでの手順を1回通せば済む話です。

なぜ時間のルールは破られるのか?

😮‍💨
前にも「1時間まで」って決めたんです。3日でうやむやになりました。

破られやすさには順位があります。NTTドコモ モバイル社会研究所が2023年11月に関東1都6県の小中学生と保護者600組を対象に行った調査では、小学生高学年の約6割が親子で決めたスマホ利用ルールを破った経験があり、破られやすいルールの第1位は「利用時間」でした。過剰使用の理由として最も多かったのは「楽しくてやめられない」です。

この2つを並べると、原因が見えてきます。時間のルールは、いちばん楽しい瞬間に「やめろ」と要求する構造になっています。動画は次が自動再生され、ゲームは区切りが来る前に上限が来る。子どもの意志が弱いという話ではなく、ルールの当て方が難所を狙い撃ちしているのです。

だからこそ、時間の数字だけを決めるルールは、いちばん壊れやすい形だと言えます。数字を厳しくしても解決しません。壊れる場所が変わらないからです。

続く家庭ルールはどう作る?

実践的な知見として共通しているのは、時間の長さ以外の要素を一緒に決めることです。具体的には次の3点を組み合わせます。

時間の数字と一緒に決める3つ
  • 始める条件:宿題やお手伝いが終わってから使う
  • 終わる条件:動画なら「この1本まで」、ゲームなら「この面をクリアしたら」と区切りを決めておく
  • 使えない時間帯:就寝1時間前は画面から離れ、リビングで充電する

終わる条件を先に決めておくのが、いちばん効きます。「あと5分」で揉めるのは、終点がタイマー任せになっているからです。区切りのいい場所を子ども自身に申告させると、そこがゴールになります。

もう1つのポイントは、完全禁止にしないこと。禁止より「宿題が終わったら1〜2時間の自由タイム」のように区切って目的を持たせるほうが、実行に移りやすくなります。取り上げる方向のルールは、隠れて使う動機に変わりやすいためです。

そして、ルールは親が一方的に決めないこと。継続的に守られるルールの条件として、子どもと一緒に作ったかどうかが繰り返し挙げられます。自分が関わって決めたものは、破るときに理由の説明が必要になる。この心理的な引っかかりが、機械の制限とは別の歯止めになります。

設定だけで解決すると思わないでください

ペアレンタルコントロールは万能ではありません。学校配布のGIGA端末やゲーム機、テレビなど、スマホ以外の経路が残ります。こども家庭庁の調査でも、利用機器はスマートフォン75.4%に次いで学校配布のGIGA端末72.6%、ゲーム機66.5%、テレビ64.2%と続いています。スマホだけ締めても、全体の画面時間はあまり変わらないことがあります。

また、制限を厳しくかけすぎると、友人との連絡が取れない・調べ物ができないといった実害が出ます。子どもが「不便だから解除したい」と言ってきたら、それは交渉のきっかけであって反抗ではありません。設定を見直す場として使ったほうが建設的です。

ルールが崩れたときはどうする?

崩れること自体は織り込んでおいてください。約6割が破った経験を持つのですから、破らないほうが例外です。問題は破ったときの扱い方のほうにあります。

おすすめは、ルールを見直す日を最初から決めておくことです。週に1回でも、2週間に1回でもかまいません。「守れたか」ではなく「この決め方で無理がなかったか」を話す時間にします。守れなかった週があったなら、上限が実態と合っていない可能性が高い。数字を現実に寄せて調整します。

スクリーンタイムもファミリーリンクも、実際の使用時間をアプリごとに記録しています。この記録は責める材料ではなく、話し合いの共通の土台として使うのが本来の用途です。親の体感と実際の数字がずれていることは珍しくありません。数字を一緒に見ると、話が感情論から外れます。

😌
言い争う前に、まず数字を一緒に見ればいいんですね。

設定を入れる作業自体は、10分もあれば終わります。長い期間が始まる最初の日にそれを済ませて、あとは週に1回の見直しだけ残す。この形なら、毎日「そろそろやめなさい」と言い続ける必要がなくなります。

よくある質問

iPhoneのスクリーンタイムで子どもの利用時間を制限する手順は?

「設定」→「スクリーンタイム」→「スクリーンタイムをオン」と進み、「これは子ども用のiPhoneです」を選択します。次に保護者用パスコードを設定し、「App使用時間の制限」でアプリカテゴリごとの1日の上限を、「休止時間」で使えない時間帯を指定します。パスコードを設定しておけば子どもが自分で解除することはできません。

Androidで子どものスマホ利用時間を管理するには何を使いますか?

Googleのファミリーリンクを使います。親のGoogleアカウントと子どものアカウントを紐づけると、1日のデイリー使用時間の上限、特定アプリの使用時間制限、就寝時間のスケジュール設定、アプリのインストール承認、閲覧できるWebサイトの制限が保護者側から管理できます。13歳未満の子どもはGoogleアカウントを保護者が作成でき、その際に同時に紐づけできます。

子どもの1日のスマホ利用時間の平均はどのくらいですか?

NTTドコモ モバイル社会研究所の調査(2024年11月時点)では、1日平均で小学生高学年が78分、中学生が145分でした。小学生高学年は前年より26分増えており、いずれも増加傾向にあります。

家庭で決めたスマホのルールが守られないのはなぜですか?

NTTドコモ モバイル社会研究所の調査では、小学生高学年の約6割が親子で決めたルールを破った経験があり、最も破られやすいルールは「利用時間」でした。過剰使用の理由で最も多いのは「楽しくてやめられない」です。時間の長さだけを決めると、いちばん熱中している瞬間に中断を求める形になるため、始める条件(宿題が終わってから)と終わる条件(この1本まで)をあわせて決めるほうが守られやすくなります。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。