光回線の工事、当日にする3つのことと賃貸の許可
画像出典: 写真: Bidgee(CC BY-SA 2.5 au / Wikimedia Commons)
光回線の派遣工事は「電柱から光ケーブルを引き込む」「室内に光コンセントを設置する」「ONUとルーターをつないで開通確認する」の3ステップで、所要はおよそ2時間です。すでに光コンセントがある場合は局舎側の遠隔操作だけで開通する無派遣工事となり、訪問も立ち会いも不要です。賃貸では穴あけの可能性があるため、申し込み前に管理会社・大家の承諾を取っておきます。
光回線の申し込みで最後に足が止まるのは、たいてい料金ではなく工事です。知らない人が家に上がって、何をどこまでいじるのかが見えない。けれど工事の中身は決まっていて、事前に分かることばかりです。
正直なところ、そもそも工事の人が来ないケースもあります。まずはそこから整理していきます。
そもそも工事は2種類ある — 派遣工事と無派遣工事
光回線の工事は、大きく2つに分かれます。この分かれ道で「作業員が来るかどうか」がまるごと変わります。
| 派遣工事 | 無派遣工事 | |
|---|---|---|
| 該当する状況 | 建物まで光ファイバーが引き込まれていない、または室内に光コンセント(光回線をつなぐ専用の差込口)がない | すでに光ファイバーと光コンセントが設置済み、または他社からの転用・事業者変更 |
| 作業のしかた | 作業員が現地を訪問して施工する | NTT局舎側の遠隔操作だけで開通する |
| 訪問・立ち会い | 居住者の立ち会いが必要 | 訪問も立ち会いも不要 |
NTT東日本・フレッツ光ほかの公表情報をもとに作成
つまり、部屋の壁に「光コンセント」がすでにあるなら、工事の日に人は来ません。マンションやアパートでは、前の入居者のときに設置されたものがそのまま残っていることがよくあります。まずは部屋の壁を一周見てみてください。電話線の差込口の近くに、「光」と書かれた差込口があればそれです。
工事当日は何をする?
戸建ての場合
派遣工事になった場合、当日の作業はおよそ2時間。中身は3ステップです。
- 電柱から光ケーブルを引き込む最寄りの電柱から、家の中まで細い光ファイバーケーブルを通します。このとき、すでにある電話線の配管やエアコンダクトの穴を使えるならそこを通します。通せる隙間がない場合に限り、外壁に直径10mm程度の穴をあけることがあります。
- 室内に光コンセントを設置する引き込んだケーブルの終点として、壁面に光コンセントを取り付けます。ここが回線終端装置(ONU=光信号を機器が読める信号に変える箱)の差込口になります。
- 機器をつないで開通させる光コンセントとONU、またはホームゲートウェイ(ONUに電話やWi-Fiの機能をひとまとめにした箱)をつなぎ、そこにルーターやパソコンを接続して、実際に通信できるか確認します。
作業員が室内に入るのは、主に2番目と3番目の工程です。引き込み経路の下見のため、事前にケーブルを通したい部屋を決めておくと当日がスムーズになります。
穴あけが必要かどうかは、実際に配管を見てみないと確定しないことがあります。作業員は着工前に工事内容を説明するので、そこで「穴をあけずに済む方法はありますか」「無理なら一度中断してください」と伝えて問題ありません。黙って進めなければならないものではないので、遠慮せず聞いてください。
マンション・アパートの場合
集合住宅では、建物の共用部を経由してから各部屋に入ります。段取りが1つ増えるイメージです。
- 建物の共用スペースまで引き込む電柱などからMDF室(電話や通信の配線が集まる共用の設備室)や共用ラックまで光ファイバーを通します。
- スプリッターを設置する共用部に、光信号を各戸へ分けるスプリッターという機器を置きます。これで1本の回線を建物内で共有できるようになります。
- 共用部から部屋まで引き込む部屋まで光ファイバーを通し、室内の壁面に光コンセントを設置します。
- ONU/ホームゲートウェイをつなぐ光コンセントと機器をケーブルで接続します。
- ルーター・パソコンをつないで初期設定通信できることを確認して完了です。
建物によっては1〜2の段階がすでに済んでいて、部屋への引き込みだけで終わることもあります。共用部の作業がある場合は、管理会社の立ち会いや鍵の手配が必要になることもあるため、日程調整の段階で事業者に確認しておくと当日待たされずに済みます。
立ち会いは必要?何を用意しておけばいい?
立ち会いの要否は、先ほどの2種類の分かれ道でそのまま決まります。
- 派遣工事(新規引き込み・光コンセント未設置)→ 居住者の立ち会いが必要
- 無派遣工事(光コンセント設置済み・遠隔開通のみ)→ 訪問も立ち会いも不要
立ち会いが必要なのは、室内に入って作業する工程があるためです。工事日はおよそ2時間を見ておけば足ります。当日までに準備しておくと楽なのは、次のあたりです。
- ONUとルーターを置く場所を決めておく(電源コンセントが近くにあるか確認する)
- 引き込み経路になりそうな窓際・壁際の荷物をどかしておく
- 賃貸なら、管理会社・大家からの承諾を取っておく
- 集合住宅なら、共用部の立ち入りに手配が要るか事業者に聞いておく
賃貸で工事の許可はどう取ればいい?
賃貸借契約書には、物件の改修や模様替えをする際は貸主の承諾を得ること、という趣旨の条項が置かれているのが一般的です。無断で穴あけを伴う工事をすると契約違反になり得ます。だからこそ、申し込みの前に連絡しておくほうが結果的に話が早くなります。
連絡するときは、「光回線を引きたいのですが」だけだと相手も判断できません。次の順で聞くと、そのまま話が進みます。
- 建物にすでに光回線が来ているか聞く「部屋まで」来ているのか「共用部まで」なのかで工事の規模が変わります。
- 室内に既存の光コンセントがあるか伝えるあれば工事自体が不要になる可能性が高く、話がその場で終わることもあります。
- 穴あけを避けられる可能性を具体的に伝えるエアコンダクトや電話線の配管を使えれば穴あけは不要になることが多い、と説明します。ここが伝わるかどうかで相手の警戒感がかなり変わります。
- 穴あけが必要になったら一旦止める、と約束しておく「その場合は工事を中断して、必ず改めてご相談します」と先に伝えておきます。
設置した光コンセントなどの設備は、退去時に撤去して原状回復するのが基本です。無許可で工事してしまうと、退去時の修繕費用をまるごと自己負担することになりかねません。逆に事前に承諾を取っておけば、「この設備は取り外さずそのまま置いていってよいか」「撤去は必要か」を退去前に相談する余地が生まれます。承諾の内容は口頭だけで終わらせず、メールなど文字の残る形にしておくと後で困りません。
工事費はいくらかかる?
工事費は事業者・住居タイプ・時期によって差が大きく、キャンペーンで実質無料になる扱いも頻繁に入れ替わります。そのため金額は申し込む事業者の最新の案内で確認するのが確実です。申し込み時に聞いておきたいのは、次の3点です。
- 工事費の総額と、分割払いになる場合の回数
- 工事費が実質無料になる条件(継続利用期間など)と、途中解約したときの扱い
- 派遣工事になるか無派遣工事になるかの見込み(無派遣なら費用も安く済むことが多い)
とくに2つ目は見落としがちです。「工事費無料」の多くは、一定期間使い続けることを条件にした割引の形を取っています。早く解約すると残りが請求されるため、条件だけは申し込み前に確かめておいてください。
まとめ:まず壁を見るところから
工事が怖く感じるのは、中身が見えないからです。実際にやることは、引き込み・光コンセント設置・機器の接続の3つで、時間はおよそ2時間。室内に光コンセントがあれば、そもそも人は来ません。
申し込みを決める前に、部屋の壁を確認して、賃貸なら管理会社へ一本連絡を入れる。この2つが済んでいれば、当日は落ち着いて立ち会えます。
よくある質問
光回線の工事は何時間かかりますか?
作業員が訪問する派遣工事の場合、電柱からの引き込み・光コンセントの設置・機器の接続と開通確認を含めておよそ2時間が目安です。すでに光コンセントが設置済みで無派遣工事になる場合は、局舎側の遠隔操作のみで完了するため訪問時間そのものが発生しません。
光回線の工事で壁に穴をあけられますか?
必ずあけるわけではありません。既存の電話線の配管やエアコンダクトの穴を使ってケーブルを通せる場合はそこを共用します。通せる隙間がない場合に限り、外壁に直径10mm程度の穴をあけることがあります。着工前に作業員から説明があるため、その場で相談や中断の依頼ができます。
光回線の工事に立ち会いは必要ですか?
新規に光ケーブルを引き込む、または光コンセントを設置する派遣工事では、室内での作業があるため居住者の立ち会いが必要です。すでに光コンセントが設置済みで、局舎側の遠隔操作だけで開通する無派遣工事では、作業員の訪問も立ち会いも不要です。
賃貸で光回線を引くには大家の許可が必要ですか?
必要です。賃貸借契約書では物件の改修や模様替えに貸主の承諾を求めるのが一般的で、無断で穴あけを伴う工事をすると契約違反になり得ます。申し込み前に管理会社や大家へ連絡し、既存設備の有無・工事内容・穴あけが必要になった場合の対応を確認しておくと、退去時の原状回復の相談もしやすくなります。
※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。