光回線の事業者変更、工事なしで乗り換わる手順
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光コラボ同士の乗り換え(事業者変更)は、原則として訪問工事なし・ネットが止まる期間もほぼなしで完了します。やることは現在の事業者から「事業者変更承諾番号」を取り、それを乗り換え先に伝えて申し込むことだけです。承諾番号の有効期限は発行から15日間程度なので、そこだけ意識すれば手続きは1〜2回の連絡で終わります。
光回線の乗り換えで一番重い腰を上げさせないのが、この「工事がまた必要なんでしょ」という思い込みです。正直なところ、以前はそのイメージで合っていました。回線を一度止めて、新しい会社の工事日を待って、その間ネットが使えない——そんな時期があったからです。
ですが、いまの光コラボ同士の乗り換えは事情が違います。壁の中の光ファイバーはそのまま、局内のデータを切り替えるだけで新しい会社に移れます。訪問工事も、ネットが止まる期間も、原則として発生しません。
面倒の正体は工事ではなく、「承諾番号を1本取る」という一手間だけです。ここでは、その一手間の中身と、申し込む前に確認しておくとお金で損をしないポイントを順番に見ていきます。
そもそも「事業者変更」とは?
事業者変更は、光コラボレーション(フレッツ光の設備を使って各社が提供している光回線サービス)同士を乗り換えるための手続きです。総務省の指導のもと2019年7月以降に始まった制度で、原則として工事不要・利用休止期間なしで切り替えられるのが特徴です。
ドコモ光、ソフトバンク光、ビッグローブ光…といった名前の回線は、どれもNTTの光ファイバー設備の上で各社がサービスを載せているものです。土台が同じなので、会社を変えても物理的な配線を引き直す必要がありません。変わるのは、その土台を誰の契約として使うかという帳簿上の話だけ、というイメージです。
NTT東日本・西日本のフレッツ光を契約している場合は、手続きの名前が「転用」になります。呼び名が違うだけで、既にある光ファイバーをそのまま使い、局内のデータ切替だけで完了する点は事業者変更と同じです。つまり「フレッツ光から光コラボへ=転用」「光コラボから別の光コラボへ=事業者変更」と覚えておけば十分です。
| いまの契約 | 手続きの名前 | 工事 |
|---|---|---|
| フレッツ光(NTT東日本/西日本) | 転用 | 原則不要 |
| 光コラボ(ドコモ光・ソフトバンク光など) | 事業者変更 | 原則不要 |
逆に言うと、この枠から外れる乗り換え——たとえば独自設備の回線(電力系の光回線やケーブルテレビ回線など)へ移る場合は、この制度は使えず通常の新規工事になります。自分の契約がどちらなのか、まず請求書やマイページでサービス名を確かめるのが最初の一歩です。
事業者変更のやり方は?手順は4ステップ
手続きの流れは、大きく4つに分かれます。読者の作業として実質的に重いのは、最初の1つだけです。
- いまの事業者に連絡して承諾番号をもらう現在契約している会社の窓口へ「事業者変更承諾番号がほしい」と伝えます。フレッツ光からの転用の場合、NTT東日本の窓口は0120-116-116(受付は午前9時〜午後5時、土日・年末年始12/29〜1/3を除く)です。光コラボの場合は、契約している各社の窓口またはWebの会員ページから申請します。
- 15日以内に乗り換え先へ申し込む承諾番号には有効期限があり、発行日から15日間程度で失効します。失効すると手数料を払って取り直すことになるので、番号を取る前に「どこへ移るか」を決めておくのが正解です。
- 乗り換え先に承諾番号を伝える新しく契約したい光コラボ事業者の申込フォームや電話で、取得した承諾番号を入力・口頭で伝えます。ここで住所や契約者名が現契約と一致していないと弾かれるので、名義は揃えておきます。
- 切替日を待つだけあとは事業者側で局内の切替が行われ、訪問工事なしで新しい会社のサービスに切り替わります。休止期間もほぼ発生しません。届いた新しいルーターの設定を入れ替えれば完了です。
読者側の作業量は、電話1本と申込フォームの入力で終わります。順番だけ間違えないでください——「乗り換え先を決める」→「承諾番号を取る」→「申し込む」です。先に番号を取ってから比較検討を始めると、15日の期限に追われることになります。
- 乗り換え先の事業者・プラン(月額と契約期間)
- いまの契約の解約に費用がかかるか
- プロバイダのメールアドレスを使い続ける必要があるか
- 光電話・ひかりTVを使っている場合、乗り換え先でも継続できるか
違約金はいくらかかる?確認すべきポイント
お金の面で気になるのが、いまの契約をやめるときの解除料(違約金)です。ここは契約した時期によって重さがまったく違います。
2022年2月に電気通信事業法が改正され、2022年7月1日以降に締結された契約については、契約解除料の上限が「月額利用料金相当額」までに規制されました。月額5,000円台の回線なら、解除料も同じくらいの水準までということです。かつての「2年縛りで2万円超」といった金額は、新しい契約には課せられません。
同じ改正で、解約時の事務手数料や、契約解除にともなう工事費の残債請求も事業者が求めにくくなりました。一方、2022年6月30日以前に締結した契約は経過措置の対象で、2025年7月1日以降に新ルールへの移行が進められている段階です。長く同じ回線を使い続けている人ほど、旧ルールの違約金が残っている可能性があります。金額は契約内容で変わるので、必ず現在の事業者に個別に確認してください。
確認するときに聞くべき3つのこと
- 契約の締結日はいつか(2022年7月1日より前か後か)
- いま解約した場合の解除料はいくらか
- 工事費の分割払いが残っていないか、残っている場合どうなるか
そして乗り換え先の費用も見落としがちです。事業者変更・転用そのものに工事費はかかりませんが、乗り換え先が独自に設定する事務手数料や初期費用は別にかかります。他社からの乗り換えで違約金を負担してくれるキャンペーンを用意している事業者もありますが、適用条件(証明書の提出期限や対象プランなど)は会社ごとに違うので、申し込み前に条件文を読んでおくと確実です。
乗り換えで困りやすいのはどこ?
工事がいらない代わりに、見落とすと後から効いてくる点がいくつかあります。
プロバイダのメールアドレスは消えることがある
光コラボの多くは、回線とプロバイダがセットになっています。事業者を変えるとプロバイダも変わるため、いまの「@〜.ne.jp」といったメールアドレスは使えなくなるのが原則です。各社が有料のメール継続オプションを用意している場合もありますが、有無も料金も会社ごとに違います。ネット銀行やショッピングサイトの登録アドレスに使っているなら、乗り換え前にフリーメールへ移しておくのが安全です。
光電話の番号は引き継げるが、条件がある
光電話を使っている場合、事業者変更でも電話番号をそのまま引き継げるのが一般的です。ただし、その番号がNTTの加入電話から引き継いだものか、光電話で新しく発番されたものかで扱いが変わることがあります。番号を残したい人は、承諾番号を取る電話のときに一緒に確認しておくとやり直しがありません。
ルーターの返却と設定
いまの事業者からレンタルしている機器がある場合、切替後に返却が必要です。返却期限を過ぎると機器代金を請求されることがあるので、届いた案内は捨てないでください。新しいルーターは、届いたら差し替えて接続設定を入れるだけで済むことがほとんどです。
事業者変更で速くなるとは限りません。物理的な光ファイバーは同じものを使い続けるため、建物の配線方式が原因で速度が出ていない場合、会社を変えても状況は基本的に変わらないからです。たとえばマンションでよくあるVDSL方式(建物の共用部までは光ファイバー、そこから各部屋までは既存の電話線を使う配線)は、部屋までの区間が電話線のままなので、事業者を変えてもこの区間はそのまま残ります。速度に不満があって乗り換えるなら、まず自宅の配線方式と現在の実測値を確認してからのほうが、期待はずれになりません。また、光電話やひかりTV、セット割引の対象となっているスマホ回線がある場合は、乗り換えで割引が外れて総額が上がることもあります。回線の月額だけでなく、家全体の通信費で比べてください。
結局、いつ動けばいい?
すぐに申し込む必要はありません。ただ、判断に必要な材料は10分ほどで揃います。
- いまの契約内容を開くマイページか請求書で、サービス名・月額・契約の締結日を確認します。
- 解除料を確認する2022年7月以降の契約なら月額相当額まで。それ以前なら事業者に金額を問い合わせます。
- 差額と比べる月々いくら下がるかと、解除料・事務手数料の合計を並べます。数か月で回収できるなら動く価値があります。
ここまで見て「思ったより下がらない」なら、そのまま使い続けるのも立派な判断です。大事なのは、工事が面倒だからという理由で判断を止めてしまわないことです。工事は、もともと必要ありませんでした。
回線そのものの選び方や速度の考え方については、ネット回線の種類を整理した記事や回線速度の見方の記事もあわせて読むと、比較の軸がはっきりします。
よくある質問
光コラボの事業者変更に工事は必要ですか?
原則として訪問工事は不要です。事業者変更は既にある光ファイバー設備をそのまま使い、局内のデータ切替のみで完了するため、利用が休止する期間もほぼ発生しません。ただし独自設備の回線(電力系光回線やケーブルテレビ回線など)へ乗り換える場合は制度の対象外で、通常の新規工事になります。
事業者変更承諾番号の有効期限はどのくらいですか?
発行日から15日間程度で失効します。期限内に乗り換え先の事業者へ申し込みを完了させる必要があり、失効した場合は再度手数料を払って番号を取り直すことになります。そのため、乗り換え先を決めてから承諾番号を取得する順番が確実です。
光回線を解約すると違約金はいくらかかりますか?
2022年7月1日以降に締結した契約は、電気通信事業法の改正により契約解除料の上限が月額利用料金相当額までに規制されています。2022年6月30日以前の契約は経過措置の対象で、2025年7月1日以降に新ルールへの移行が進められている段階のため、旧ルールの違約金が残っている場合があります。金額は契約内容で異なるので現在の事業者への確認が必要です。
事業者変更するとプロバイダのメールアドレスは使えなくなりますか?
光コラボは回線とプロバイダがセットのため、事業者を変えると原則としてそのプロバイダのメールアドレスは使えなくなります。有料のメール継続オプションを用意している事業者もありますが、有無や料金は会社ごとに異なります。重要な登録に使っている場合は、乗り換え前にフリーメールへ移しておくと安全です。
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