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060の携帯番号はいつから?延期の理由と番号のしくみ

2026年7月9日|いろは堂テック編集部
スマートフォンを操作する手元の写真

画像出典: パブリックドメイン(Wikimedia Commons)

この記事の要点
060で始まる携帯電話番号は2026年7月以降に順次開始される予定でしたが、2026年7月8日に通信5社が延期を発表し、開始時期は未定となっています。060が用意されたのは090・080・070の番号が残り少なくなったためで、060の追加で使える番号は約2億7,000万から約3億6,000万へ増えます。すでに使っている090・080・070の番号は、060が始まっても変わりません。
😟
携帯番号に「060」が増えるって聞いたけど、私の番号も変わっちゃうの?

060で始まる携帯電話番号は、これから新しく契約する人に割り当てられる番号です。今使っている090・080・070の番号がある日突然書き換わる、ということはありません。

ただ、開始時期については情報が動いています。2026年7月以降に順次スタートする予定でしたが、2026年7月8日、通信5社がそろって提供開始の延期を発表しました。新しい時期は現時点では発表されていません。

正直なところ、「番号が1種類増える」だけの話に見えます。でもその裏には、40年以上かけて番号を増やし続けてきた歴史と、それでも足りなくなった事情があります。

060の携帯番号はいつから使える?

結論から言うと、2026年7月9日時点で開始時期は未定です。

もともとの計画では、総務省が2024年12月20日に060の追加を正式決定し、「令和8年(2026年)7月以降、順次開始」とされていました。ところが開始直前の2026年7月8日、NTTドコモ・KDDI(au)・沖縄セルラー電話・ソフトバンク・楽天モバイルの5社が、提供開始時期を延期すると発表します。

各社のリリースに書かれているのは「提供開始が可能となる時期が確定次第、改めて案内する」という一文だけで、理由の説明はありません。日経クロステックなどの報道では、一部の端末側で060番号に対応するための改修が間に合わなかったと伝えられていますが、これは報道ベースの情報で、通信各社や総務省が公式に認めたものではありません。

総務省側は、令和8年度末(2027年3月末)までに順次利用開始されるよう促す方針を示しています。つまり「中止」ではなく「後ろにずれた」状態です。

今の番号を心配する必要はありません

060が追加されても、すでに使っている070・080・090の番号はそのまま継続して使えます。番号の付け替えや強制的な変更は発生しません。060はあくまで「新しく配る分の追加」です。

そもそも携帯電話の番号はどう決まっている?

日本の携帯電話番号は11桁で、3つのパーツでできています。

090-1234-5678 の内訳
  • 0 … 国内通話であることを示す先頭の数字
  • 90 … 携帯電話を示す2桁の識別番号(90・80・70、そして今回の60)
  • 1234-5678 … 一人ひとりに割り当てられる8桁の加入者番号

ここで大事なのは、番号を配る役割が2段階に分かれていることです。まず総務省が「電気通信番号計画」というルールにもとづき、通信事業者に対して番号をブロック単位で指定します。そのブロックの中から、事業者が契約者一人ひとりに個別の番号を割り当てます。

携帯ショップで番号を選べる場合があるのは、その店の会社がすでに総務省からブロックをもらっているからです。会社が勝手に好きな番号を作れるわけではありません。

8桁で作れる番号は何通り?

加入者番号は8桁なので、識別番号1つあたり1億通りの番号が理屈のうえでは作れます。ただし実際には、事業者への割り当て単位の都合などで使い切れない部分も出ます。ここが後の枯渇問題につながっていきます。

090・080・070はどう増えてきた?

携帯の番号は、最初から11桁だったわけではありません。足りなくなるたびに拡張されてきた歴史があります。

ここから先で何度か出てくるPHS(ピーエイチエス)は、携帯電話とは別方式の電話サービスです。1990年代に、携帯電話より端末が小型で通話料も安い選択肢として広まり、専用の電話番号として「070」が用意されていました。

1979年自動車電話サービス開始。「030」で始まる10桁番号を使用
1999年10桁から11桁へ拡張。「090」を携帯電話専用として導入(PHS専用の「070」も同時期に整備)
2002年3月「080」を追加。番号容量が約1億8,000万に拡大
2013年PHS専用だった070の一部(070-1〜4、070-7〜9)を携帯電話用に転用開始
2014年PHS番号ポータビリティ開始に伴い070-5・070-6も携帯で利用可能に。容量は約2億7,000万へ
2024年12月総務省が060の追加を正式決定。約9,000万番号が加わり、容量は約3億6,000万に

総務省およびKDDIの公表資料をもとに作成

上の表を追うと、おおよそ10年強のペースで番号を足してきたのがわかります。1979年の自動車電話(030)から始まり、1999年の11桁化と090の導入、2002年3月の080追加、2013年の070転用開始、2014年の070-5・070-6の開放、そして2024年12月の060追加決定。増やしては使い切る、を繰り返してきたわけです。

2013年からの070の転用は、少し性格が違います。新しい識別番号を作ったのではなく、当時PHS用に確保してあった番号を携帯側へ回した措置でした。2014年にPHSと携帯のあいだで番号ポータビリティ(電話番号をそのままで別サービスへ移れるしくみ)が始まったことで、両者の番号区分は事実上なくなりました。手元に余っていた在庫を融通した、というイメージが近いです。

なぜ番号が足りなくなった?

🤔
日本の人口より番号のほうがずっと多いのに、どうして足りなくなるの?

番号を消費しているのは、人だけではありません。近年の需要増には3つの流れがあります。

  1. 1人が複数回線を持つようになったスマホとタブレット、仕事用とプライベート用。1台のスマホに2枚分のSIM(回線契約の情報が入ったカード)を入れて2つの番号を同時に使える「デュアルSIM」対応の端末が広がり、1人で2つ3つの番号を持つことが珍しくなくなりました。
  2. 機械が番号を使うようになった自動販売機、見守り端末、車載機器、決済端末。こうしたIoT機器に載る通信モジュールも、携帯回線として番号を消費します。人が声で話すために使う番号ではありませんが、番号の在庫は同じだけ減ります。
  3. 法人の複数回線契約が増えた社員1人に1台の業務用回線、店舗ごとの端末。企業単位でまとまった数の番号が使われます。

この結果どうなったか。数字がはっきりしています。

2017年時点で、070の残数は約2,500万番号ありました。それが2024年9月末には約530万番号まで減り、090と080に至ってはほぼすべてが事業者へ指定済みという状態です。7年で残りが5分の1近くまで縮んだ計算になります。

興味深いのは、総務省が2021年にも060の追加を一度検討していることです。このときは「2024年度までは枯渇しない」と判断して見送られました。ところが実際の減り方は、その想定を上回るペースだったわけです。2024年10月に意見募集、同年12月に正式決定という流れは、当初の見立てより前倒しされたものでした。

060が始まると、私たちの生活は何か変わる?

すでに携帯を使っている人にとって、変わることはほとんどありません。整理すると次のとおりです。

060開始後に起きること・起きないこと
  • ❌ 今の090・080・070の番号が変わる → 起きません
  • ❌ 端末の買い替えが必要になる → 契約中の番号を使い続ける分には不要です
  • ⭕ 新規契約や追加回線で060の番号を受け取る人が出てくる
  • ⭕ 060から始まる番号の着信を見かけるようになる

ひとつだけ、心にとめておくと役に立つことがあります。060は「見慣れない番号」として世に出る、ということです。

070が携帯番号に転用された2013年ごろ、070はPHSの番号という認識が残っていたため、「知らない番号だから出ない」という反応が起きました。060も同じ道を通る可能性があります。逆に、見慣れなさを利用した不審な着信が現れることも考えられます。番号の頭3桁だけで安全かどうかを判断しない、という基本は060でも変わりません。

060だから危ない、はありません

060は総務省が携帯電話用として正式に指定した番号です。060の着信そのものが怪しいわけではありません。一方で、090だから安全ということもありません。番号の種類ではなく、「誰からで、何を求められているか」で判断してください。

この先、番号はまた足りなくなる?

060の追加で容量は約3億6,000万番号になります。現在の約2億7,000万から、約9,000万の上乗せです。

ただし歴史を振り返れば、2002年の080追加のときも、2013年の070転用のときも、そのときは十分な余裕に見えていました。それが10年ほどで再び逼迫しています。IoT機器の増加ペースを考えると、060もいずれ同じ道をたどると見ておくのが自然です。

そのため、番号を使わずに通信する仕組み――アプリ同士の通話や、電話番号に依存しないID――が今後さらに広がっていくと考えられます。番号の追加は時間を稼ぐ手段であって、根本的な解決ではないためです。

とはいえ、いま慌てて何かを準備する必要はありません。060の開始時期が決まったら、契約している通信会社から案内が出ます。今の番号は今のまま使い続けられる――まずはそこを押さえておけば十分です。

よくある質問

060の携帯電話番号はいつから使えますか?

2026年7月9日時点で開始時期は未定です。当初は2026年7月以降に順次開始される予定でしたが、2026年7月8日にNTTドコモ・KDDI・沖縄セルラー電話・ソフトバンク・楽天モバイルの5社が延期を発表し、新しい時期は「確定次第案内する」とされています。総務省は令和8年度末(2027年3月末)までの利用開始を促す方針です。

060が始まると、今使っている090や080の番号は変わりますか?

変わりません。060は新たに追加される番号で、既存の070・080・090の番号は060追加後も変更なく継続して利用できます。番号の付け替えや変更手続きは発生しません。

なぜ携帯電話の番号が足りなくなったのですか?

1人が複数の回線を持つケースの増加、IoT機器向け通信モジュールによる番号消費、法人の複数回線契約などが重なったためです。2024年9月末時点で090・080はほぼすべてが事業者に指定済みで、070の残数も約530万番号まで減少していました。

060が追加されると番号は何個増えますか?

060の追加により約9,000万番号が新たに使えるようになり、携帯電話番号全体の容量は約2億7,000万から約3億6,000万番号へ拡大する見込みです。

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