5G契約数が4Gを逆転、体感できる変化は?
画像出典: 写真: 彭嘉傑 & Google(CC BY 2.5 / Wikimedia Commons)
総務省の四半期データで、2025年9月末に5G契約数(1億1,571万件)が4G(1億1,151万件)を初めて上回り、2025年12月末には1億2,242万件まで伸びました。5Gで実感しやすいのは速度・応答の速さ・混雑時のつながりやすさですが、4Gのサービス終了は決まっておらず、4G端末が今すぐ使えなくなるわけではありません。
結論から言うと、買い替えを急ぐ理由はありません。総務省が公表している四半期データで、5Gの契約数が4Gを上回ったのは事実です。ただし「4Gが使えなくなる」という話とは別物で、4Gの終了時期は決まっていません。
正直なところ、この話は「3Gの停波」とごちゃ混ぜになりやすいところです。だからこそ、逆転したという数字が何を意味するのか、5Gにすると生活のどこが変わるのかを、順番に切り分けていきます。
5Gが4Gを逆転したって、どういう数字なの?
総務省は「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」という統計を定期的に出しています。ここでいう契約数とは、実際に使われている回線が世代ごとに何件あるかという数字です。その5Gの件数が、初めて4G(LTE)の件数を上回りました。
| 時点 | 5G契約数 | 4G(LTE)契約数 | 5G前年同期比 | 4G前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年9月末(令和7年度Q1) | 1億1,571万件 | 1億1,151万件 | +17.9% | -4.7% |
| 2025年12月末(令和7年度Q3) | 1億2,242万件 | 減少継続(数値記事内未明記) | +14.3% | - |
総務省(データ)/ケータイWatchの公表データをもとに作成
上の表で目を引くのは、5Gが年に十数パーセントずつ増える一方で、4Gがはっきり減っている点です。新規契約や機種変更のたびに、人が4Gから5Gへ移っているという動きがそのまま数字に出ています。2025年12月末時点で5Gは1億2,242万件まで伸び、世代別では最多を保っています。
ちなみに同じ2025年12月末時点のキャリア別シェアは、NTTドコモ33.1%、KDDI26.3%、ソフトバンク19.1%、楽天モバイル3.5%です。どこか一社が5Gを引っ張ったというより、業界全体がまとめて5Gへ動いた結果と見るのが自然です。
そもそも5Gエリアは、もう自分の生活圏に来ているの?
契約数だけ増えても、電波が届いていなければ意味がありません。ここは先に確認しておきましょう。全国の5G人口カバー率は2023年度末時点で98.1%に達し、2025年度末の目標だった97%を2年前倒しで達成しています。人口カバー率とは、人が住んでいるエリアのうちどれだけがサービス範囲に入っているかを示す数字です。
使う側の実感としても、NTTドコモ モバイル社会研究所の2025年1月調査(2025年7月公表)では、5Gの利用率は52%。携帯電話を持っている人の過半数がすでに5Gを使っています。2021年以降、毎年11〜14ポイントずつ増え続けてきた結果です。
つまり「5Gはまだ都市部だけの話」という段階はすでに過ぎているということです。逆転のニュースは、その積み重ねが契約数という形で表に出てきたもの、と受け取ると位置づけがはっきりします。
5Gにすると、日常の何が変わるの?
5Gの違いは「速さ」だけではありません。変わるところは大きく3つあり、それぞれ体感できる場面が違います。順に見ていきます。
1. 通信速度:ダウンロードの待ち時間が縮む
4Gが下り最大1Gbps級であるのに対し、5Gの最大伝送速度は10Gbps級とされ、理論値では最大20倍程度の差になります。ここで大事なのは、これが理論上の値であって、実際にその速度が出るわけではないという点です。それでも、動画の読み込みやアプリのダウンロードなど「まとまった量のデータを一気に受け取る」場面では体感的に速くなります。
2. 遅延の小ささ:押してから反応するまでが短い
遅延(レイテンシ)とは、こちらの操作が相手側に届いて返ってくるまでの時間差のことです。5Gは1ミリ秒以下を目指す規格で、4Gのおよそ1/10程度とされています。動画を見るだけならほぼ気づきませんが、クラウドゲームやオンライン対戦、遠隔操作のように「押した瞬間に反応してほしい」用途では差が出ます。
3. 多数同時接続:混雑した場所で粘る
5Gは4Gより多くの端末を同時にネットワークへつなげる設計になっています。花火大会の会場、朝の駅のホーム、ライブ会場のように、狭い場所に大量のスマホが集まると4Gでは電波が立っていてもページが開かなくなりがちです。この「人が多いとつながらない」状況が緩和されやすいのが5Gの強みです。
- 外出先で動画や大きなアプリをよくダウンロードする
- クラウドゲームやオンライン対戦を外でも遊ぶ
- イベント会場・繁華街・通勤ラッシュの駅でよくスマホを使う
- テザリングでPCをつなぐ機会が多い
5Gなのに4Gと表示が切り替わるのはなぜ?
5G対応スマホを使っていると、画面の表示が5Gと4Gの間で行ったり来たりすることがあります。これは故障でも設定ミスでもありません。
5Gが使う電波のうち、特にミリ波と呼ばれる高い周波数帯は、まっすぐ進む性質が強く障害物に弱いという弱点があります。もう一方の、より低い周波数帯を使うSub6(サブシックス)と呼ばれる電波はエリアが広く屋内にも届きやすい代わりに、ミリ波ほどの速度は出ません。この性質のせいで、建物の奥や地下では、5Gより4Gのほうが安定するケースが今もあります。
そこでキャリアは、5Gの電波が不安定な場所では4G回線と5G回線を組み合わせて安定性を確保する仕組み(デュアルコネクティビティ)を使っています。表示の切り替わりは、その仕組みがちゃんと働いて、そのときつながりやすいほうを選んでいる証拠だと考えて大丈夫です。
4Gのままだと、いつか使えなくなる?
4Gのサービス終了(停波)は、決まっていません。終了が決まっている・すでに終わったのは3Gのほうで、この2つはまったく別の話です。ここを混同すると、必要のない買い替えへ動いてしまいます。
3Gの状況を整理すると、auの3Gサービス「CDMA 1X WIN」(auが提供していた3G回線サービスの名称)は2022年3月31日に終了済み、ソフトバンクの3Gは2024年7月31日に終了済み(能登半島地震の影響で一度延長された経緯があります)。そしてドコモの3Gサービス「FOMA」が2026年3月31日で終了し、これをもって国内の3Gサービスはすべて終わります。
一方で、4G対応端末であれば3Gの停波後も4Gサービスは引き続き使えます。「5Gに機種変更しないと圏外になる」という話ではありません。
契約ベースで5Gが4Gを上回った以上、キャリアの設備投資も新機種のラインアップも5G前提へ移っていきます。実際、4G専用の新機種は減る傾向にあります。今日困ることはなくても、次に機種変更するときの選択肢は5G対応機がほとんど、という状況になっていきます。
逆に、通話とメッセージ、たまに地図を見る程度の使い方で、今の端末に不満がないなら、逆転のニュースを理由に買い替える必要はありません。屋内中心の生活なら、体感の差はそれほど大きくならない可能性もあります。
結局、自分はどうすればいい?
判断を急ぐ必要はないので、次の順番で確認すれば十分です。
- 今の端末が4Gか5Gか確かめる画面上部の表示か、端末の仕様欄で確認できます。5G対応なのに4Gのままなら、契約プランかネットワーク設定で5Gがオフになっている可能性があります。
- 不満がある場面を書き出す「駅でつながらない」「動画の読み込みが待たされる」など、具体的な場面を挙げます。混雑と遅延が理由なら5Gで改善が見込めます。
- 生活圏のエリアを見る各キャリアが公開しているエリアマップで、自宅・職場・通勤路が5Gエリアに入っているかを確認します。入っていなければ、5G端末にしても体感は変わりません。
- 次の機種変更のタイミングで切り替える買い替える理由が見当たらなければ、端末の寿命やバッテリーの劣化に合わせて自然に移行するのが無駄がありません。
逆転のニュースは、期限を告げるものではなく、環境が入れ替わったという事実の報告です。知ってから決めればいいことで、今日決める必要はありません。
よくある質問
5G契約数が4Gを上回ったのはいつですか?
総務省の四半期データでは、令和7年度第1四半期にあたる2025年9月末時点で、5G契約数1億1,571万件が4G(LTE)契約数1億1,151万件を初めて上回りました。2025年12月末時点では5Gが1億2,242万件まで増えています。
4Gはいつサービス終了しますか?
4G(LTE)のサービス終了時期は決まっていません。国内で終了が決まっている・すでに終了したのは3Gで、auは2022年3月31日、ソフトバンクは2024年7月31日、ドコモの3Gサービス「FOMA」は2026年3月31日に終了します。4G対応端末は3G停波後も引き続き利用できます。
日本の5Gの普及状況はどれくらいですか?
全国の5G人口カバー率は2023年度末時点で98.1%に達し、2025年度末目標の97%を2年前倒しで達成しています。利用者側では、NTTドコモ モバイル社会研究所の2025年1月調査で5G利用率が52%となり、携帯電話所有者の過半数が5Gを使っています。
5G対応スマホなのに4Gと表示されるのはなぜですか?
5Gの電波が不安定な場所では、4G回線と5G回線を組み合わせて安定性を確保する仕組み(デュアルコネクティビティ)が働くためです。5Gの高い周波数帯は障害物に弱いため、屋内や地下では4Gのほうが安定する場面があり、そのときつながりやすい方が選ばれています。
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