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つみたてシミュレーターの使い方、積立額を3分で逆算

2026年7月19日|いろは堂投資編集部
デスクでの積立シミュレーション作業イメージ

画像出典: パブリックドメイン(Wikimedia Commons)

この記事の要点
金融庁がNISA特設サイトで公開している「つみたてシミュレーター」には、目標資産額・想定利回り・積立期間を入力して必要な毎月の積立額を求める逆算モードがあります。入力は3項目だけで無料です。ただし想定利回りは将来を保証しない仮定値のため、保守的・標準・楽観的の3パターンで試算して幅を見るのが、前提の置き方として安全です。
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「30年で2000万円」みたいな目標は立てたけど、じゃあ毎月いくら積み立てればいいのかが分からない

目標額のほうから逆算する計算は、電卓で手作業にすると複利の式を組む必要があって面倒です。ただ、金融庁がその逆算専用の入力モードを持つツールを無料で公開しています。入力するのは3項目だけで、会員登録もいりません。

ここでは、その「つみたてシミュレーター」で目標額から必要な積立額を出す操作手順と、結果を左右する想定利回りの置き方を順に見ていきます。正直なところ、操作そのものは1分で終わります。時間をかける価値があるのは、そのあとの前提の検討のほうです。

金融庁のつみたてシミュレーターとは?

金融庁がNISA特設ウェブサイト内で公開している、積立投資の試算ツールです。入力項目は毎月の積立金額(万円単位)想定利回り(年率・%)積立期間(年単位)の3つだけ。出力は運用資産額などが万円単位で表示されます。

特徴は、目的に応じて計算の向きを切り替えられることです。

計算パターン入力する項目算出される項目
将来いくらになる?毎月の積立金額 / 想定利回り(年率) / 積立期間将来の運用資産額
毎月いくら積み立てる?目標資産額 / 想定利回り(年率) / 積立期間必要な毎月の積立金額
何年間積み立てる?毎月の積立金額 / 想定利回り(年率) / 目標資産額必要な積立期間

金融庁(NISA特設ウェブサイト)の公表データをもとに作成

上の表のとおり、手持ちの積立額から将来額を出す「順算」だけでなく、目標額から必要な積立額や期間を出す「逆算」も同じツールで扱えます。

今回の「毎月いくら積み立てればいいか」を知りたい場面で使うのは、真ん中の「毎月いくら積み立てる?」です。ここを選ばずに1つ目のモードで数字をいじり続けると、目標額に近づくまで積立額を手で当てずっぽうに動かすことになります。最初にモードを切り替えるのが、いちばん大事な一手です。

目標額から積立額を逆算する手順は?

  1. ツールを開く金融庁のつみたてシミュレーター(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/tsumitate-simulator/)にアクセスします。NISA特設サイトのトップ(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/)からもたどれます。
  2. 計算パターンを「毎月いくら積み立てる?」に切り替える初期表示は将来額を求める順算のことが多いので、ここを必ず確認します。切り替えると入力欄の顔ぶれが変わり、目標資産額を入れる欄が現れます。
  3. 目標資産額を入れる「老後資金として2000万円」「教育費として800万円」など、使う目的とセットで決めた金額を入れます。目的が決まっていないと、後で前提を見直すときに何を優先すべきか判断できません。
  4. 積立期間を入れる年単位です。目標時点の年齢から今の年齢を引いた年数が基本になります。「65歳までに」であれば、40歳の人は25年です。
  5. 想定利回りを入れる年率%で入力します。ここが結果をいちばん大きく動かす項目なので、次の章で扱います。
  6. 結果を控える必要な毎月の積立額が万円単位で表示されます。1回で終わらせず、利回りだけを変えた試算をあと2回行い、3つの数字を並べて控えます。
🤔
利回りって、何%と入れるのが正解なんだろう

想定利回りは何%で置けばいい?

「正解の1つの数字」は存在しません。想定利回りは実績値ではなく、あくまで「もしこの率で回り続けたら」という仮定値です。シミュレーターのページ自体にも「本シミュレーションのいかなる内容も、将来の結果を予測し、保証するものではありません」と免責事項が明記されています。ツールを作った金融庁自身が、出てきた数字は予測ではないと断っているわけです。

ではどう置くか。実務的な答えは、1つに決めずに幅で見ることです。保守的・標準・楽観的の3パターンで同じ目標額・同じ期間を試算し、必要な積立額が「月◯万円〜月◯万円」という帯になることを確認します。帯の下限だけを見て安心するのでも、上限だけを見て諦めるのでもなく、両端を知った状態で自分の家計と突き合わせるということです。

もう一点。極端に高い利回り(年率10%を超えるような数値)を入れると、必要な積立額が現実離れして小さく出ます。数字としては計算できてしまうため、入力する側が抑制しないと、そのまま計画の前提になってしまいます。

シミュレーターが教えてくれないこと

このツールが計算するのは、入力した条件どおりに複利で積み上がった場合の金額です。運用中の値下がり、購入時の手数料、信託報酬(投資信託を保有している間、毎日その残高から差し引かれる運用管理費用)、NISA以外の課税口座(利益に約20%の税金がかかる通常の口座)での税金、途中でやめた場合の影響は結果に含まれていません。つまり出てくるのは「うまくいった場合の目安」であって、受け取れる金額の見込みではありません。積立を続ける前提が崩れた場合も、この数字は当てはまらなくなります。

結果が「毎月払えない額」になったらどうする?

逆算をすると、しばしば今の家計では出せない金額が表示されます。そこで利回りの想定を引き上げて数字を下げるのは、いちばんやってはいけない調整です。前提を都合よく動かしただけで、必要な原資は何も変わっていないからです。

動かせる余地があるのは、次の3つのほうです。

積立額が重いときに見直す順番
  • 期間:開始を1年でも早められないか。期間は複利の効き方に直結するため、影響が大きい項目です
  • 目標額:その金額の根拠は何か。丸めた数字なら、必要額を具体的に洗い直す
  • 収入・支出:積立に回せる原資そのものを増やせないか

順番を変えて「何年間積み立てる?」のモードを使う手もあります。払える月額を先に固定して、目標額に届くまでの年数を出すやり方です。「月3万円しか出せない」がはっきりしている人は、こちらのほうが現実に即した数字になります。同じツールの中でモードを切り替えるだけです。

参考までに、二次情報の試算例として「老後資金3000万円を年利3%・40年で準備する場合、月約3.2万円の積立が必要」という数字が紹介されることがあります。これは金融庁が公表した数値ではないため目安にとどまりますが、期間を長く取ると月々の負担がどの程度まで下がりうるかの感覚はつかめます。

ライフプラン全体で確認するには?

積立額の逆算は、あくまで1つの目標に対する計算です。住宅・教育・老後のように資金需要が複数ある場合、それぞれ別々に逆算すると合計が家計を超えることがあります。

金融庁のNISA特設サイトには、つみたてシミュレーターとは別にライフプランシミュレーター(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/lifeplan-simulator/)も併設されています。個別の積立額を出したあとで全体像を見たいときは、こちらを併用する流れになります。

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数字が出たら、それで計画が決まったわけじゃないんだね

試算の役割は、決めることではなく比べられるようにすることです。「月いくら必要か」が帯で見えていれば、利回りが想定を下回った年でも、慌てて方針を変えずに済みます。逆算した数字は、年に一度見直す前提で控えておくくらいがちょうどよい距離感です。

試算のあとに確認しておきたいこと

必要な積立額が決まったら、次はそれをどの口座で、どういう配分で積み立てるかという話になります。保有商品が増えたあとの全体像の点検については、資産クラスごとの比率を一覧にする方法をあわせて確認しておくと、逆算した計画が実際どおり進んでいるかを追いやすくなります。

投資は自己責任であり、元本が保証されるものではありません。シミュレーターの計算結果は特定の条件を置いた試算であって、将来の運用成果を予測・保証するものではなく、特定の商品や運用手法を推奨するものでもありません。判断は必ずご自身で、必要に応じて公的な相談窓口や有資格の専門家の説明も踏まえて行ってください。

よくある質問

金融庁のつみたてシミュレーターは無料で使えますか?

無料で使えます。金融庁がNISA特設ウェブサイト内(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/tsumitate-simulator/)で公開しているツールで、入力項目は毎月の積立金額・想定利回り(年率)・積立期間の3つです。

目標金額から必要な積立額を計算することはできますか?

できます。つみたてシミュレーターには計算パターンが3種類あり、そのうち「毎月いくら積み立てる?」を選ぶと、目標資産額・想定利回り・積立期間を入力して必要な毎月の積立金額が算出されます。

想定利回りは何%で入力するのが適切ですか?

唯一の正解となる数値はありません。想定利回りは将来を保証しない仮定値のため、保守的・標準・楽観的の複数パターンで試算して結果を比較する方法が望ましいとされています。年率10%を超えるような楽観的すぎる数値は避けるべきです。

シミュレーションの結果どおりの金額を受け取れますか?

受け取れるとは限りません。シミュレーターのページには「本シミュレーションのいかなる内容も、将来の結果を予測し、保証するものではありません」と免責事項が明記されています。計算結果には運用中の値下がり、手数料、税金などは反映されていません。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。