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SNS投資詐欺の手口とは?本物と見分ける決め手

2026年6月13日|いろは堂投資編集部
スマートフォンを操作する手

画像出典: パブリックドメイン(Wikimedia Commons)

この記事の要点
SNS型投資詐欺の被害は令和7年(2025年)通年で9,523件・1,288.0億円にのぼり、金融庁は「クローズドチャットへの誘導」「AI診断を謳う勧誘」「実在の金融機関名・登録番号の詐称」など7つの典型手口を公表しています。判断の決め手は振込先で、正規の投資では個人名義口座への入金や振込のたびの口座変更は起こりません。迷ったときは送金前に金融庁の相談ダイヤル0570-050588、または消費者ホットライン188へ相談できます。
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タイムラインに流れてきた投資の広告、有名な経済評論家の顔写真が使われてて。これって本物なのか偽物なのか、見ただけだと全然わからない…

見た目だけで判断するのは、正直かなり難しくなっています。ロゴも文面も、実在する証券会社のものをそのまま流用してくることがあるからです。

ただ、詐欺の側には「必ずこうなる」という決まった流れがあります。金融庁が公表している典型手口を先に知っておけば、広告そのものを見分けられなくても、途中で「あ、これ聞いたやつだ」と気づけるようになります。その手口と、迷ったときにかけられる番号を順に見ていきます。

SNS型投資詐欺は実際どれくらい起きている?

まず、被害の規模を数字で押さえておきます。警察庁が公表した令和7年(2025年)通年の確定値は次のとおりです。

区分認知件数被害額
SNS型投資詐欺9,523件1,288.0億円
SNS型ロマンス詐欺5,645件546.4億円
(内数)暗号資産送信型2,177件247.7億円

警察庁の公表データをもとに作成

上の表の暗号資産送信型は、投資詐欺とロマンス詐欺を合わせた中の内数です。被害総額に占める割合は48.6%で、送金手段が暗号資産である比率がかなり高いことがわかります。

9,523件を1,288.0億円で割ると、1件あたりの平均被害額は1,000万円を超える計算になります。警察庁も、一度信じて送金すると詐欺と気づくまで繰り返し要求され、被害額が1,000万円超に達することは珍しくないとしています。実際の被害例として、60代男性の約6,300万円、50代女性の約1億円以上、70代女性の約4,500万円といったケースが挙げられています。

「少額から」と言われて始まっても、そこで終わる設計になっていないということです。

金融庁が挙げるSNS投資詐欺の典型手口は?

金融庁は「それ詐欺です!SNS上の投資勧誘にご注意ください!」というページで、実際に確認された勧誘の手口を公表しています。次の7つです。

金融庁が公表している典型手口
  • SNS投稿をフォローするとDMが届き、有名人名義や「◯◯証券」を騙るLINEグループなどクローズドチャットへ誘導される。「講師」「先生」が登場し、架空の取引画面で初期の利益を見せた後、高額入金を要求してくる
  • 「AI診断」「分析レポート配信」を謳ってSNSの外へ誘導する
  • 海外の無登録FX業者を、キャッシュバック特典をつけて紹介する
  • 実在の金融機関名や登録番号を詐称し、個人名義の口座への入金を求める
  • 「金融庁の認可がある」「免許を取得している」といった虚偽表示で、政府公認のプログラムであるかのように見せる
  • キックバックや架空の投票企画など、特典を口実に誘導する
  • 証券口座を装った偽アプリで残高を見せかけ、出金しようとすると理由をつけて拒否する

金融庁の公表内容をもとに作成

並べてみると、7つに共通する構造が見えてきます。どれも「SNSの外へ連れ出す」ことと「画面上の数字を信じさせる」ことでできています。

クローズドチャットもAI診断も偽アプリも、行き着く先は同じです。公開の場から閉じた場所へ移し、そこでしか見えない残高や利益を見せる。取引画面に増えていく数字が表示されていれば、人は自分の資産が増えたと受け取ります。その画面は、相手が自由に書き換えられる表示にすぎません

本物と偽物、どこで見分ければいい?

🤔
手口はわかったけど、実際にDMが来たときに「これは何番の手口」なんて冷静に考えられる自信がない…

判断を1点に絞るなら、お金の振込先を見るのが最も確実です。

警察庁は、正規の投資であれば振込先が個人名義の口座に指定されたり、振込のたびに口座が変わったりすることはない、と明示しています。証券会社への入金先は、法人名義の決まった口座です。ここは相手の話術に左右されない、事実だけで判定できるポイントです。

そのうえで、次の項目を確認してみてください。1つでも当てはまるなら、送金の手を止める理由になります。

送金前に確認する7項目
  • 振込先が個人名義になっている
  • 振込のたびに指定口座が変わる
  • SNSの公開投稿からDM、そこからLINEグループなど閉じた場所へ移された
  • 「確実」「元本保証」など、利益を断定する表現が使われている
  • 著名人の名前や顔写真が信用の根拠として使われている
  • 利益は画面表示だけで確認していて、出金して自分の銀行口座に着金したことがない
  • 「金融庁の認可がある」と言うが、その業者名を金融庁の登録業者一覧で自分では確認していない

最後の項目は、その場で確かめられます。金融庁は免許・許可・登録を受けた業者の一覧を公開しているので、業者名を検索して載っていなければ無登録業者です。「認可がある」と本人が言っていることは、認可がある証拠になりません。確認する先は、相手ではなく金融庁側です。

出金できるかどうかを、少額で確かめる

取引画面上の残高が本物かどうかは、出金してみると判別できます。画面の数字は相手が作れますが、自分の銀行口座への着金は作れないからです。

  1. 出金を申請するすでに入金してしまっている場合、まず一部だけでも出金を申請してみます。
  2. 返ってくる反応を見る「税金を先に納める必要がある」「手数料を追加入金すれば出金できる」「解約には保証金がいる」といった、出金のために追加入金を求める反応が返ってきたら、そこで打ち切ります。
  3. 追加入金には応じない正規の証券会社が、出金するために追加の振込を求めることはありません。ここで応じると被害額が膨らみます。
この方法には限界もあります

詐欺グループが信用させる目的で、初期の少額出金にはあえて応じるケースがあります。一度出金できたからといって安全とは言えません。出金できたことは「本物である証拠」ではなく、出金できなかったことが「偽物である強い根拠」になる、という非対称な使い方をしてください。

怪しいと思ったら、どこに相談すればいい?

迷った時点で相談していい窓口が用意されています。被害に遭ってからでなくて構いません。「この勧誘は大丈夫か」という段階の相談を受け付けています。

窓口名連絡先受付時間
金融庁 詐欺的な投資に関する相談ダイヤル0570-050588平日10:00-17:00(Webは24時間)
警察相談専用電話#9110各都道府県警察の運用時間
消費者ホットライン188最寄りの消費生活センターへ接続
日本証券業協会 未公開株通報窓口0120-344-999-

金融庁および警察庁の公表データをもとに作成

上の表の使い分けは、状況で決まります。投資の勧誘そのものが詐欺的かどうかを相談したいなら金融庁の0570-050588、すでに送金してしまったなら警察の#9110、契約や解約のトラブルとして扱いたいなら消費生活センターにつながる188です。#9110は緊急通報の110番とは別の相談専用回線で、被害届の段階に至っていない相談もここで受けられます。

すでに送金してしまった場合は、あわせて振込先の金融機関にも連絡してください。振込先口座の凍結が間に合えば、資金の一部が戻る可能性があります。時間が経つほど引き出されてしまうため、この連絡だけは早いほうが有利です。

それでも全額が戻るとは限りません

暗号資産で送金した場合は特に追跡が難しく、被害額の48.6%が暗号資産送信型という統計は、回収の難しい形の被害が大きな比率を占めていることを意味します。「後から取り返せる」を前提に判断しないでください。止められるのは、送金する前だけです。

そもそも、なぜ引っかかってしまうのか

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ここまで読むと「自分は大丈夫」って思うけど、被害額を見ると引っかかってる人がこれだけいるわけで…

被害に遭った人が不注意だったから、という説明はあまり当たっていません。詐欺の設計が、判断力ではなく人間関係のほうを狙っているからです。

クローズドチャットに移された後、そこには「講師」がいて、他の参加者がいて、日々のやりとりがあります。数週間かけて関係ができたところで話が来る。このとき読者が判断しているのは「この投資は妥当か」ではなく「この人を疑うのか」になっています。判断の土俵が、いつの間にか投資の話から人間関係の話にすり替わっているわけです。

だから対策も、その場での判断力を上げる方向では効きにくい。有効なのは、判断を自分の中だけで完結させないことです。送金する前に家族に話す、上の窓口に電話する。閉じた場所の外にいる人に一度通すだけで、すり替わった土俵が元に戻ります。

身近な人が巻き込まれていそうなとき

頭ごなしに「それは詐欺だ」と言うと、多くの場合は反発されて終わります。相手の中では信頼できる人との関係が成立しているためです。

  1. 取引画面ではなく通帳を見てもらうアプリの残高ではなく、自分の銀行口座に実際に着金したかを確認してもらいます。事実の確認なので、否定にはなりません。
  2. 振込先の名義を聞く個人名義かどうかは、警察庁が挙げている明確な判断材料です。「個人名義なら正規ではない」という公的機関の見解として伝えます。
  3. 相談を一緒にする相手を否定する形にせず、188や0570-050588へ一緒にかけてみる形にします。第三者の言葉のほうが届きやすい場面です。

知っておくとSNSの広告が見え方が変わる

SNS型投資詐欺の入り口は多様でも、着地点は「個人名義の口座への送金」か「閉じた場所での画面表示」のどちらかに集約されます。手口を7つ全部覚えていなくても、この2つを警戒するだけで、実務上はかなりの部分をカバーできます。

そして、正規の投資には勧誘のDMが要りません。証券会社の口座は自分で開設し、自分で商品を選んで買うものです。「向こうから来て、閉じた場所へ連れて行かれ、そこでしか確認できない利益がある」——この形そのものが、正規の投資の形をしていません。

迷ったら、送金する前に0570-050588か188。かけて確かめてから決めれば十分間に合います。

※本記事は投資詐欺への注意喚起および教育を目的とした情報提供であり、特定の金融商品・銘柄の推奨や投資助言を行うものではありません。投資は自己責任で行うものであり、元本が保証されるものではありません。被害の相談・対応については、記載の公的窓口または専門家にご確認ください。

よくある質問

SNS型投資詐欺の被害はどのくらいの規模ですか?

警察庁の確定値によると、令和7年(2025年)通年のSNS型投資詐欺は認知件数9,523件、被害額1,288.0億円です。同期間のSNS型ロマンス詐欺は5,645件・546.4億円で、両者を合わせた中の暗号資産送信型は2,177件・247.7億円、被害総額に占める割合は48.6%となっています。

本物の投資と詐欺を見分ける最も確実な方法は何ですか?

振込先の口座名義を確認することです。警察庁は、正規の投資であれば振込先が個人名義の口座に指定されたり、振込のたびに口座が変わったりすることはないとしています。個人名義の口座への入金を求められた時点で、正規の金融取引ではないと判断できます。

「金融庁の認可を受けている」と言われたら信用してよいですか?

相手の自己申告は認可の証拠になりません。金融庁は、認可・免許があるという虚偽表示で政府公認プログラムを装う手口を典型手口の一つとして公表しています。金融庁が公開している免許・許可・登録業者の一覧に、その業者名が実際に掲載されているかを自分で確認してください。

投資勧誘が怪しいと感じたらどこに相談できますか?

金融庁の詐欺的な投資に関する相談ダイヤル(0570-050588、平日10:00-17:00、Web受付は24時間)、警察相談専用電話(#9110)、消費者ホットライン(188)が利用できます。未公開株の勧誘については日本証券業協会の通報窓口(0120-344-999)もあります。被害に遭う前の「これは大丈夫か」という段階でも相談できます。

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