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SNSの偽投資広告、見抜く3つの確認と通報先

2026年8月21日|いろは堂投資編集部
ソファに座る人物が肩越しにSNSの写真一覧が表示されたスマートフォンを操作している

画像出典: https://kaboompics.com/ / Pexels

この記事の要点
著名人の名前や写真を無断で使ったSNSの投資広告は、公式アカウントの発信か・リンク先ドメインが公式と一致するか・断定的な利益表現がないかの3点で大半が見分けられます。2026年上半期のSNS型投資詐欺の被害額は約797.9億円、認知件数は5,893件でした。疑わしい広告は消費者ホットライン188、警察相談#9110、金融庁の情報受付窓口へ通報できます。
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タイムラインに有名な投資家さんの写真つき広告が流れてきて、無料で教えてくれるって書いてあったんだけど…

著名人の顔写真と名前を無断で使った投資広告は、いま最も被害が大きい詐欺の入口になっています。竹中和正氏、北島信賢氏、神谷誠氏といった実在の経済評論家・著名人の名前や写真が「先生」「講師」として勝手に使われ、本人が実際に投資勧誘をしている事実は確認されていません。

厄介なのは、広告そのものがよくできていることです。写真は本物、名前も本物、文章も丁寧。だから「怪しい広告を見抜く」という発想では足りません。見るべきなのは中身の怪しさではなく、発信元が本人かどうかという一点です。

ここでは、広告を見た数十秒で確認できるチェック手順と、実際に疑わしいものを見つけたときの通報先を、窓口の電話番号レベルまで具体的に整理します。

なりすまし投資広告の被害はどれくらい起きている?

まず、いま何がどれくらいの規模で起きているのかを数字で確認しておきます。

2026年上半期の被害額約797.9億円
認知件数5,893件
直接DMがきっかけ6割超
著名人を騙る偽バナー広告2割超

SNS型投資詐欺の集計および被害きっかけの内訳の公表データをもとに作成

上の被害額は半年間の数字です。2024年通年の被害額が800億円規模だったことを考えると、半年でほぼ1年分に達したことになります。

きっかけの内訳も特徴的で、犯人からの直接のダイレクトメッセージが6割超、著名人・投資家などを騙る偽のバナー広告が2割超を占めています。つまり広告は入口の一つで、そこからDMやグループチャットへ引き込まれる流れが本体だということです。

金額の大きさよりも押さえておきたいのは、被害が「特殊な人」に起きているわけではないという点です。件数が5,893件あるということは、ごく普通にSNSを使っている人の目の前に、日常的にこの広告が流れているということでもあります。

いまの手口はどういう流れになっている?

典型的な流れは、驚くほど型が決まっています。Facebook・Instagram・TikTok・YouTube・Xの広告や投稿から始まり、LINEグループへ誘導され、そこで偽の運用画面を見せられるという三段構えです。

  1. 広告で接触する著名人の写真と名前を使い、「無料で投資を教える」「講座に招待」といった触れ込みで表示される。
  2. LINEグループへ移す広告のリンクからLINEの友だち追加・グループ参加へ誘導される。ここでSNSのプラットフォーム外へ出るため、運営の監視が届かなくなる。
  3. 偽の運用画面で信じ込ませる利益が出ているように見えるアプリ画面やスクリーンショットを見せられる。他の参加者が喜んでいる投稿も並ぶが、その多くは仕込みである。
  4. 入金を求める少額から始めさせ、画面上では利益が増える。出金しようとした段階で「手数料」「税金」などを名目に追加入金を求められる。

さらに近年は、生成AIで著名人の声を合成したフェイク動画の広告も出てきています。本人が喋っているように見える映像が作れる以上、「本人が動画で話しているから本物」という判断はもう成り立ちません。

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動画で本人が話してたら、さすがに信じちゃうかも…

映像や音声で判断できない以上、確認の軸は「誰がその情報を出しているか」に移ります。次の章のチェックはすべて、この発信元をたどるための作業です。

広告を見た瞬間に何を確認すればいい?

本人の公式アカウントの発信なりすまし広告
アカウント名本人名のみ(認証バッジ付きが多い)本人名+「公式」「投資講座」「第2」など語が足される
表示のされ方フォロー中・検索から本人にたどり着けるフォローしていないのに広告として流れてくる
リンク先ドメイン本人サイトや実在の証券会社のドメインと一致似せた綴り・無関係な短縮URL・見慣れない末尾
文中の表現利益や元本を断定しない「元本保証」「必ず」「あなただけに」
次の行き先通常の記事・書籍・セミナー申込ページLINEの友だち追加・グループ参加

上の表を左右で見比べると、違いが出るのは中身の文章ではなく、名前の付き方・リンク先・次の行き先という「外側」だとわかります。写真や語り口はいくらでも本物を真似できますが、この5行は真似しきれません。

順番に見ていけば、1分もかかりません。上から順に一つでも引っかかったら、その時点で関わらない判断で十分です。

広告を見たら確認する4項目
  • 公式アカウントからの発信か——著名人の名前で検索し、本人の公式アカウント(認証バッジ付きなど)を開いて、同じ告知が出ているか照らし合わせる。広告側から本人を探すのではなく、自分で検索して本人にたどり着く順序が重要。
  • リンク先のドメインは公式と一致するか——広告主の名前とリンク先URLのドメインを確認する。本人の公式サイトや、実在の証券会社のドメインと一文字でも違えば別物と考える。
  • 断定的な表現が含まれていないか——「元本保証」「あなただけに」といった利益を断定する表現は金融商品取引法などで原則禁止されており、正規の事業者は使えない。使っている時点で強いシグナル。
  • 最終的にLINEへ誘導していないか——広告からLINEの友だち追加やグループ参加へ流す構成は、現在の手口の中心。証券会社の正規の口座開設が、個人のLINEグループを経由することはない。

とくに一つ目の「自分で検索して本人にたどり着く」順序は徹底したいところです。広告内に置かれた「公式サイトはこちら」のリンクを踏んでしまうと、本物そっくりに作られた偽サイトへ着地するだけで、確認になりません。名前をコピーして検索窓に貼り、そこから開く。この一手間が確認そのものです。

そもそもの前提として、金融庁も注意喚起しているとおり、著名人が無料で投資教室を開く、確実に利益が出る話を無料で教える、といった触れ込みは基本的に存在しません。広告の作りがどれだけ丁寧でも、この一点で振り分けられます。

見分け方だけでは防ぎきれない部分もあります

ここまでのチェックは広告段階で止めるためのものです。すでにグループに入って会話が始まっている場合、相手は毎日のやりとりで信頼関係を作りにきます。人柄や親切さで判断しようとするほど抜け出しにくくなるため、その段階まで進んでいるなら見分けようとせず、後述の相談窓口に「これは詐欺かどうか」を判断してもらうほうが確実です。

疑わしい広告はどこに通報すればいい?

通報先は目的によって分かれています。被害に遭っていなくても、広告を見かけた段階で情報提供できる窓口があります。

消費者ホットライン 188「いやや!」の語呂。最寄りの消費生活センターにつながる。契約・支払いのトラブル相談に。
警察相談専用電話 #9110事件性の相談窓口。緊急でない相談はこちらへ。
匿名通報ダイヤル 0120-924-839匿名での相談・通報が可能(tokumei24.jp)。名前を出したくない場合に。
金融庁 情報受付窓口「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」。広告のURLなどを提供できる。
日本証券業協会 0120-344-999未公開株通報専用窓口。未公開株など証券がらみの勧誘はこちら。

消費者庁警察庁金融庁日本証券業協会の公表情報をもとに作成

上の窓口のうち、まだお金を払っていない段階で最も使いやすいのは金融庁の情報受付窓口です。広告のURLを提供する形なので、被害の有無にかかわらず情報を届けられます。すでに入金してしまった場合は188か#9110へ、名前を出したくなければ匿名通報ダイヤルへ、と使い分けます。

プラットフォーム側への報告も並行して行えます。LINE上の詐欺メッセージはトークを長押しして通報するか、設定・プロフィールから通報できます。Meta(Facebook・Instagram)やGoogleは、各サービスの広告・投稿にある違反報告の機能を使います。

行政側も動いています。警察庁はGoogle・LINEヤフーなど国内外のデジタル広告プラットフォーム運営5社に対し、なりすまし詐欺広告への対策強化を要請しました。報告が積み上がるほど広告の削除は早くなるので、通報は自分のためだけの行動ではありません。

周りの家族や友人に伝えるならどう言えばいい?

「詐欺に気をつけて」という伝え方は、実はあまり効きません。相手はすでに気をつけているつもりで、その上で本物に見える広告を見ているからです。伝えるなら、判断ではなく手順を渡すほうが届きます。

そのまま伝えられる3つの約束
  • 投資の話がLINEグループに移ったら、そこから先は誰であっても信用しない
  • 著名人の名前を見たら、広告のリンクではなく自分で検索して本人のアカウントを確認する
  • 入金する前に、必ず一度188か#9110に電話して話す

三つ目が特に効きます。入金の直前に第三者と話す習慣さえあれば、手口がどれだけ精巧になっても、そこで一度立ち止まれるからです。見分ける力を上げ続けるより、確認する場所を決めておくほうが現実的です。

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迷ったら電話する先を決めておけばいいのね

投資の情報収集そのものをやめる必要はありません。確認の順序を持っておくだけで、SNSは十分に使える情報源のままです。判断に迷う広告に出会ったら、名前で検索して本人を確かめ、リンク先のドメインを見て、それでも引っかかるなら窓口に投げる。この流れを一度通しておけば、次からは数十秒で終わります。

※投資は自己責任であり、元本が保証されるものではありません。本記事は教育・情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の推奨や投資助言を行うものではありません。個別の状況については、金融機関や専門家にご確認ください。

よくある質問

著名人の写真と名前が使われている投資広告は、必ず詐欺ですか?

必ずとは言えませんが、本人の公式アカウントで同じ告知が出ていない場合は、なりすましの可能性が高いと考えるべきです。竹中和正氏、北島信賢氏、神谷誠氏など実在の著名人の名前や写真が無断で使われた事例が確認されており、本人が実際に投資勧誘をしている事実は確認されていません。広告のリンクからではなく、自分で名前を検索して本人の公式アカウントを開き、同じ告知があるかを照らし合わせて確認してください。

動画で本人が話していれば本物と考えてよいですか?

いいえ。生成AIで著名人の声を合成したフェイク動画の広告がすでに出現しており、映像や音声だけでは本人かどうかを判断できません。判断の基準は、発信元が本人の公式アカウントかどうか、リンク先のドメインが公式と一致するかどうかに置いてください。

まだお金を払っていませんが、通報できますか?

できます。金融庁が設置している「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」では、疑わしい広告のURLなどを提供できます。被害の有無は問いません。あわせて、LINEはトークを長押しして通報、Meta(Facebook・Instagram)やGoogleは各サービスの違反報告機能から広告や投稿を報告できます。

「元本保証」と書かれた投資の勧誘は違法ですか?

「元本保証」のように利益や元本を断定する表現による勧誘は、金融商品取引法などで原則として禁止されています。正規の金融事業者はこうした表現を使えないため、広告や勧誘の中にこれらの言葉が出てきた時点で、詐欺を強く疑うべきシグナルになります。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。