新NISAって結局どんな制度?「2つの枠」の違いから理解しよう
新NISA(2024年開始)は、株式や投資信託の運用益にかかる20.315%の税金が非課税になる制度です。年間120万円まで積立専用の「つみたて投資枠」と、年間240万円まで幅広い商品に使える「成長投資枠」の2つがあり、併用もできます。生涯の非課税保有限度額は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)です。
その「枠2つ問題」、新NISAでいちばん多いつまずきポイントです。名前が似ているうえに、上限額も対象商品も違うので、混乱するのは当然なんです。
5月13日に日経平均株価が史上最高値を更新したと報じられ、投資やNISAという言葉を耳にする機会も増えました。この記事では、制度の仕組みと2つの枠の違いだけに絞って、中立の立場でやさしく整理します。
新NISAとは?何が非課税になる制度?
NISAは、株式や投資信託の運用で得た利益にかかる税金が非課税になる制度です。通常、値上がり益や配当・分配金には20.315%の税金がかかりますが、NISA口座内で得た利益にはこれがかかりません。「利益への約20%の税金がゼロになる」が、この制度の核心です。
2024年1月に制度が拡充され、現在の形は「新NISA」と呼ばれています。日本に住む18歳以上の人が利用でき、口座は一人一つ。非課税で保有できる期間に期限はありません。
| 利用できる人 | 日本に住む18歳以上の人 |
|---|---|
| 非課税期間 | 無期限 |
| 年間投資枠 | つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円(併用可) |
| 生涯の非課税保有限度額 | 1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで) |
つみたて投資枠とは?どんな商品が対象?
つみたて投資枠は、その名のとおり積立方式で買っていく専用の枠で、年間120万円まで利用できます。毎月一定額をコツコツ買い付けていく使い方を前提にした設計です。
対象商品は、長期の積立・分散投資に適していると金融庁が定めた基準を満たす投資信託などに限定されています。販売手数料が無料であることなどの条件があり、「長く続けやすい商品にあらかじめ絞り込まれている」のがつみたて投資枠の特徴です。
成長投資枠とは?つみたて投資枠と何が違う?
成長投資枠は年間240万円まで使える枠で、対象商品の幅が広いのが特徴です。上場株式(個別株)や、つみたて投資枠の対象より幅広い投資信託を購入でき、一括でも積立でも買えます。
ただし何でも買えるわけではありません。上場廃止のおそれがある銘柄や、信託期間が短い投資信託、毎月分配型の投資信託などは対象外とされています。
| 年間投資枠 | つみたて投資枠:120万円 / 成長投資枠:240万円 |
|---|---|
| 対象商品 | つみたて投資枠:基準を満たす投資信託など / 成長投資枠:上場株式・投資信託など(一部除外あり) |
| 買い方 | つみたて投資枠:積立方式 / 成長投資枠:一括・積立のどちらも可 |
2つの枠は併用できる?生涯1,800万円の考え方
2つの枠は同じ年に併用でき、合計で年間360万円まで投資できます。もちろん上限まで使う必要はまったくなく、月々数千円の積立だけでも制度は利用できます。
一生のうちに非課税で保有できる上限は、買った値段ベースで1,800万円。このうち成長投資枠として使えるのは1,200万円までです。そしてNISA口座内の商品を売却すると、その分の枠は翌年以降に復活して再利用できます。ここは使い切りだった旧制度からの大きな変更点です。
始める前に知っておきたい注意点は?
NISAは税金の制度であって、損をしない仕組みではありません。買った株式や投資信託が値下がりすれば、NISA口座でも資産は減ります。また、NISA口座で出た損失は、他の課税口座の利益と相殺する「損益通算」ができないという税制上の弱点もあります。制度として有利かどうかと、投資そのもののリスクは、分けて考えてください。
- NISA口座は一人一つ。金融機関の変更は年単位でのみ可能
- 生活費や近々使う予定のお金は投資に回さない
- どの商品を買うかは枠の理解とは別問題。焦って決めない
新NISAを理解する次の一歩は?
まずは「非課税の枠が2種類ある」という今日の内容が土台です。次の一歩は、どの金融機関で口座を開くかの比較検討。そのうえで、自分の目的に合う商品をゆっくり調べていけば十分です。
初夏を思わせる陽気の週末ですが、制度は逃げません。「制度を知ってから、やるかどうかを自分で決める」という順番で進めれば、焦る必要はありません。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の推奨や投資助言ではありません。投資は元本を保証するものではなく、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
よくある質問
新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠は併用できますか?
併用できます。同じ年につみたて投資枠で120万円、成長投資枠で240万円、合計最大360万円まで投資できます。両方を使う義務はなく、どちらか一方だけ、あるいは少額だけの利用でも問題ありません。
新NISAで損をすることはありますか?
あります。NISAは利益が非課税になる税制上の制度であり、元本を保証するものではありません。購入した株式や投資信託が値下がりすれば損失が出ますし、NISA口座の損失は他の課税口座の利益と損益通算できない点にも注意が必要です。
2023年までの旧NISAで買った分はどうなりますか?
旧制度(一般NISA・つみたてNISA)で購入した商品は、新NISAの枠とは別に、旧制度の非課税期間が終わるまで非課税のまま保有できます。旧NISAの商品を新NISA口座へ移管(ロールオーバー)することはできません。
新NISAは誰でも利用できますか?
日本国内に住む18歳以上の人が利用できます。NISA口座は一人一つの金融機関でしか開設できず、金融機関を変更したい場合は年単位での変更手続きが必要です。未成年向けの旧ジュニアNISAの新規買い付けは2023年で終了しています。
※本記事は各サービスの公式サイトおよび公開情報をもとに作成しています。内容・数値は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。