投資信託の基準価額はいつ決まる?約定日との違い
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投資信託の基準価額は1日1回、その日の市場の終値などをもとに算出・公表されます。注文を出す時点ではまだ価格が確定していない「ブラインド方式」のため、当日15時までに注文しても「今見えている基準価額」で買えるわけではありません。値段が決まる日が約定日、お金が動く日が受渡日で、受渡日は約定日から2〜3営業日後が一般的です。
投資信託の値段は、株のように「今この瞬間の板を見て買う」ものではありません。1日に1回しか値段が付かず、しかも注文する時点ではその値段がまだ存在していないのです。
正直なところ、ここを知らないまま積立だけ続けている人はかなり多いです。ただ、しくみ自体は複雑ではありません。「値段が決まる日」と「お金が動く日」を分けて数えられるようになれば、注文画面の表示に戸惑うことはなくなります。
基準価額とは何の値段?いつ算出される?
基準価額は、投資信託1万口あたりの値段です。口数とは、投資信託の取引単位のこと。株でいう「株数」にあたるもので、購入するとこの口数を持つことになります。ファンドが保有している株式や債券などの資産を時価で評価し、そこから費用を差し引いた純資産を、この口数で割って求めます。
この計算は1日1回だけ行われます。株式のように取引時間中ずっと値段が動いて表示される、ということはありません。ファンドが投資している市場が閉まり、その日の終値が確定してから計算されるためです。
つまり、証券会社のアプリで今表示されている基準価額は、すでに確定した「過去の日」の値段です。これから自分が買う値段ではありません。
ブラインド方式とは?なぜ値段を見ずに注文するのか
この「注文時点では価格が分からない」しくみを、ブラインド方式と呼びます。不親切に見えますが、これは既存の投資家を守るためのルールです。
投資信託の申込受付の締切時間は、一般に当日15時までとされています。国内の株式市場が閉まる時刻とほぼ同じです。この時点では当日の終値がまだ確定していないので、その日の基準価額も存在していません。
もし値段が確定してから注文できてしまうと、どうなるか考えてみてください。「今日は市場が大きく上がった」と分かった後で買い注文を入れれば、ほぼ確実に有利な取引ができます。その利益は、すでにファンドを保有している他の投資家の取り分から出ていくことになります。
ブラインド方式は、この受益者(そのファンドを持っている投資家)どうしの不公平を防ぐために設けられています。値段を隠しているのではなく、まだ誰にとっても値段が存在しない時間に注文を締め切っている、というほうが実態に近いです。
- 申込の締切は一般に当日15時まで
- その時点では当日の終値が未確定=基準価額も未算出
- 画面に出ている基準価額は過去の日の確定値
- 目的は、値動きを見てから売買することによる受益者間の不公平を防ぐこと
約定日はいつ?国内型と海外型で1日ずれる
約定日とは、取引が正式に成立し、取引価格が確定する日です。この日の基準価額が、自分の買値(または売値)になります。
そして約定日は、すべてのファンドで同じではありません。投資対象がどこの市場かによって変わります。
| 投資対象 | 約定日(平日15時までに申込) |
|---|---|
| 国内資産 | 申込日当日が約定日になるのが一般的 |
| 海外資産 | 時差の関係で、申込日の翌営業日が約定日になるのが一般的 |
海外の株式や債券に投資するファンドは、日本の15時の時点では現地市場がまだ開いてすらいません。終値が出るのは日本時間の翌日になるため、値段の確定も1日後ろにずれます。海外市場の休場日が挟まれば、さらにずれることもあります。
ここで注意したいのは、この区分が「だいたいそうなる」という一般論だという点です。実際の約定日は銘柄ごとに定められています。SBI証券も、注文日の当日が約定日となる投資信託と、翌営業日以降が約定日となる投資信託があり、個別の商品概要ページで確認するよう案内しています。買う前に、その銘柄のページで約定日の条件を一度見ておくのが確実です。
受渡日はいつ?約定日との違いと数え方
受渡日は、約定した取引の決済を行う日です。購入なら代金が引き落とされ、売却(解約)なら代金が口座に入金されます。
受渡日は約定日から2〜3営業日後に設定されるのが一般的です。ただし海外資産が対象のファンドは、時差や現地市場の休場日の影響でさらに遅れることがあり、媒体によっては「約定日から2〜5営業日後」と幅を持たせて説明されています。ここも銘柄ごとの条件を確認するのが確実です。
混同しやすいところなので、この2つは役割で覚えるのがおすすめです。
- 約定日=いつ値段が決まるか
- 受渡日=いつお金が動くか
実際に何日かかる?注文から入金までの数え方
数え方を、営業日を追って確認してみます。ここでは分かりやすさのため、月曜から金曜まで祝日のない週を想定します。
- 国内資産のファンドを月曜15時までに購入注文月曜が申込日であり、約定日。月曜の終値をもとに算出された基準価額で買値が決まります。受渡日が約定日の2営業日後なら水曜、3営業日後なら木曜に代金が引き落とされます。
- 同じ注文を月曜15時1分に出した場合締切を過ぎているため、翌営業日である火曜の受付扱いになります。約定日も火曜にずれ、買値は火曜の終値ベース。受渡日もそのぶん1日後ろに動きます。
- 海外資産のファンドを月曜15時までに購入注文約定日は翌営業日の火曜になるのが一般的。月曜に見ていた基準価額とは、2日ぶんの値動きを挟んだ価格で約定することになります。
この数え方が効いてくるのは、たとえば新NISAの年間投資枠を年末までに使い切りたいときです。枠の消化は約定ベースで扱われるのが一般的なので、「年内最終営業日に注文すれば間に合う」とは限りません。海外資産のファンドなら約定が翌営業日にずれ、年をまたいでしまう可能性があります。年末の締切については、証券会社が毎年アナウンスを出すので、そちらを必ず確認してください。
ここまでのしくみを知ると「では約定日の値動きを予測して注文すればいい」と考えたくなります。ただ、ブラインド方式である以上、注文時点で価格は原理的に分かりません。数日の値動きを当てにいく行為は、投資信託の設計が想定している使い方から外れます。
基準価額のしくみを理解する実用的な意味は、値動きを当てることではなく、「思っていた値段と違う」という戸惑いをなくし、資金の出入りの日程を正しく組めるようになることにあります。解約代金をいつ使えるか、引き落とし日に残高が足りるか。効いてくるのはこちらです。
買う前に確認しておきたい3点
注文画面に進む前に、その銘柄の商品概要ページで次の3つを確認しておけば、注文後に慌てることはほぼなくなります。
- 申込締切時間:多くは15時だが、販売会社や銘柄で異なる場合がある
- 約定日:申込日当日か、翌営業日以降か
- 受渡日:約定日から何営業日後か
この3つは、目論見書(投資信託の内容やリスク、手数料を説明した書類で、購入時に必ず渡されます)の「手続・手数料等」の項目や、証券会社の商品概要ページに記載されています。積立設定をしている場合も、初回の設定時に一度確認しておくと、引き落とし日の見当が付けやすくなります。
やることは、注文ボタンの前に商品ページを一度スクロールするだけです。それだけで、値段とお金の動きが読めるようになります。
※投資信託の運用による損益はすべて投資者に帰属します。投資は自己責任であり、元本は保証されていません。約定日・受渡日・申込締切時間はファンドおよび販売会社によって異なるため、実際の取引にあたっては必ず目論見書および販売会社の説明をご確認ください。本記事は特定の金融商品の取得を推奨するものではありません。
よくある質問
投資信託の基準価額は1日に何回算出されますか?
投資信託の基準価額は1日1回算出されます。ファンドが投資する市場の終値などをもとに計算されるため、株式のように取引時間中に値段が動き続けることはありません。
15時までに注文すれば、その日の基準価額で買えますか?
国内資産を投資対象とするファンドであれば、平日15時までの申込で申込日が約定日となり、その日の基準価額で買えるのが一般的です。ただしその値段は注文時点ではまだ算出されておらず、市場の引け後に確定します。海外資産が対象のファンドは翌営業日が約定日となるのが一般的です。
約定日と受渡日は何が違いますか?
約定日は取引が成立して価格が確定する日、受渡日は代金の引き落としや入金といった決済が行われる日です。受渡日は約定日から2〜3営業日後に設定されるのが一般的で、海外資産が対象のファンドではさらに遅れる場合があります。
ブラインド方式はなぜ採用されているのですか?
その日の基準価額が確定した後に売買できてしまうと、値動きを見てから有利な取引ができ、すでにファンドを保有している受益者が不利益を被るためです。ブラインド方式は受益者間の公平を保つために設けられています。
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