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決算情報ツール比較、保有銘柄だけ通知できるのは?

2026年10月29日|いろは堂投資編集部
室内で1人がノートPCの前でスマートフォンを操作している手元のクローズアップ

画像出典: 写真: Shixart1985(CC BY 2.0 / Wikimedia Commons)

この記事の要点
保有する日本株だけに絞った決算カレンダーと無料のメール通知を公式に明記しているのは、マネックス証券の「銘柄スカウター」と「日本株決算アラートメール」です。楽天証券は決算・業績修正を15時以降すぐ確認できる反映速度、SBI証券は米国株のAI決算速報とビジュアル決算に強みがあります。日本株で保有銘柄限定の通知を使いたい場合は、SBI証券・楽天証券については該当機能の有無を各社サイトで確認してから選ぶのが安全です。
😮‍💨
8銘柄持ってるんですが、どれがいつ決算を出すのか毎回カレンダーを手入力しています。証券会社のツールで自動化できないんでしょうか

決算発表日は企業側の都合で動くため、手で書き写すと取りこぼしが出ます。しかも集中期は1日に数百社が発表するので、全銘柄のカレンダーから自分の持ち株だけを探す作業がそもそも大変です。

正直なところ、ここは証券会社のツールの作りで差が出ます。「保有銘柄だけに絞って一覧化・通知してくれるか」という1点で見ると、3社の仕様はかなり違います。以下では公表されている機能に限って、その違いを整理します。

決算シーズンのツール選びは、どこを見れば決まる?

決算情報ツールと一口に言っても、中身は役割の違う3つの機能に分かれます。先にこの3つを分けておくと、各社の強みがどこにあるのか比べやすくなります。

決算ツールを比べる3つの軸
  • 絞り込み… 全銘柄のカレンダーから、自分の保有銘柄だけを抜き出せるか
  • 通知… 発表予定日や発表結果を、自分で見に行かなくても届けてくれるか
  • 反映速度… 企業が開示した決算内容を、何時ごろツール上で読めるか

複数銘柄を持っている読者にとって効くのは、1つめの絞り込みです。発表日そのものは適時開示(上場企業が投資判断に関わる情報を取引所のルールに沿って公表するしくみ)や企業のIRページでも分かりますが、銘柄数が増えるほど「探す手間」が記事を読む時間よりも重くなります。ここを自動化できるかどうかが、決算シーズンの負担を決めます。

SBI証券・楽天証券・マネックス証券の決算情報ツールは何が違う?

比較項目マネックス証券楽天証券SBI証券
主なツール名銘柄スカウター(決算スケジュール)/日本株決算アラートメールiSPEED/PCウェブ/マーケットスピード2米国株アプリ(ビジュアル決算)/米国株式決算速報ニュース
保有銘柄だけに絞った日本株の決算カレンダー公式に明記(保有している現物株式、または決算アラートメールで登録した銘柄に絞り込み表示)公表情報では確認できず公表情報では確認できず
決算の通知(日本株)日本株決算アラートメールを無料提供。翌週の発表予定(金曜19時頃)/翌営業日の発表予定(月〜金19時頃)/当日の発表結果(毎営業日19時頃)の3種類公表情報では確認できず公表情報では確認できず
開示内容の反映・自動生成一覧に銘柄名・区分・直近進捗・決算短信(企業が決算の内容を速報としてまとめた開示資料)などを表示し、タップで銘柄詳細へ2017年12月28日より、決算・業績修正情報を発表後すぐ確認可能(従来は当日23時頃→15時以降すぐ)。決算短信等をもとにAIが自動生成する「業績ニュース」を開示とほぼ同時に配信米国株は8-K(米企業が重要事項を公表する臨時報告書)の主要項目をAIが読み取り日本語で自動配信。公表後数分〜30分程度
費用銘柄スカウター日本株版は口座開設者向けに無料(外国株取引口座の開設で利用可)。決算アラートメールも無料—米国株式決算速報ニュースは外国株式口座開設者に無料

マネックス証券・楽天証券・SBI証券の公表情報をもとに作成(楽天証券の反映速度は2017年12月、SBI証券の米国株決算速報は2022年4月、ビジュアル決算は2021年12月の公表時点)

どれをどんな人に、という結論はこうなります。日本株を複数保有していて「発表日の取りこぼしをなくすこと」が目的なら、保有銘柄への絞り込みと無料のメール通知が公式に明文化されているマネックス証券の組み合わせが最もはっきりしています。決算が出た直後の内容をその日のうちに読んで判断したい人には、15時以降すぐ確認できてAIの業績ニュースも届く楽天証券が合います。米国株の決算を追う比重が大きい人には、8-Kを数分〜30分で日本語化するSBI証券の米国株ツールが向きます。

この比較で言えないこと

SBI証券の日本株について「保有銘柄限定の決算カレンダー・通知」機能の正式名称や仕様は、公表情報では確認できませんでした。楽天証券マーケットスピード2のウォッチリストに決算発表予定日が表示されるかどうかも同様です。つまり上の表の「公表情報では確認できず」は「機能が無い」という意味ではありません。この2社でその用途を考えている場合は、口座を持っているなら実際の画面で、持っていないなら各社のヘルプやサポートで有無を確かめてから決めてください。

保有銘柄だけの決算カレンダーは、どう設定する?

マネックス証券の銘柄スカウターには決算スケジュール機能があり、対象日に決算発表を予定している銘柄の一覧をカレンダー形式で確認できます。PCとスマートフォンの両方に対応しています。

  1. 銘柄スカウターを使える状態にする外国株取引口座を開設していれば、日本株版を無料で利用できます。
  2. 決算スケジュールを開く対象日の決算発表予定銘柄が一覧で表示されます。一覧には銘柄名・区分・直近進捗・決算短信などの項目が並び、タップすると銘柄詳細に移動できます。
  3. 保有銘柄に絞り込むカレンダーは「マネックス証券で保有している現物株式」や「日本株決算アラートメールで登録した銘柄」の決算発表日だけに絞って表示できます。ここを切り替えると、数百社の一覧が自分の持ち株だけの数行になります。
  4. 通知も受け取る日本株決算アラートメールを登録すると、保有銘柄・登録銘柄の発表予定と発表結果がメールで届きます。
紺色のスーツ姿の人物が椅子に座り、膝に載せたノートパソコンのキーボードを打っている。手前には革製のブリーフケース、背景に観葉植物が写っている
保有銘柄の決算発表日を手元で確認しながら作業する場面(出典: Wikimedia Commons(パブリックドメイン))

絞り込み表示の対象が「その証券会社で保有している現物株式」である点は、使う前に押さえておきたいところです。複数の証券会社に口座を分けて持っている人は、別の会社で買った銘柄は自動では入ってきません。その場合は決算アラートメールの登録銘柄として手で足しておくと、保有先が分かれていても一覧に乗ります。

決算アラートメールは、いつ・何が届く?

🤔
メールだと、結局いつ見ればいいのか分からなくなりそうです

日本株決算アラートメールの配信タイミングは公式に明記されており、3種類に分かれています。種類ごとに「何のために読むメールか」が決まっているので、届く時間と役割をセットで覚えると迷いません。

配信の種類配信タイミング読む目的
翌週の決算発表予定金曜19時頃翌週のどの日に持ち株の発表が集まるかを先に把握する
翌営業日の決算発表予定月〜金の19時頃翌日の発表銘柄を前日のうちに確認する
当日の決算発表結果毎営業日19時頃その日に出た持ち株の決算が出たかどうかを確認する

マネックス証券の公表情報をもとに作成(日本株決算アラートメールの配信区分と時間帯)

上の3種類のうち、決算シーズンの土台になるのは金曜19時頃に届く翌週分です。週末に目を通しておけば、持ち株の発表が集中する日が事前に分かります。平日は翌営業日分で最終確認をして、当日分の結果メールで発表の有無を押さえる流れになります。

いずれも無料で提供されている機能です。有料のツール契約を前提にせずに、保有銘柄の発表日を取りこぼさない仕組みを作れる点が、決算シーズンの実務では大きい部分です。

発表直後の内容を早く読みたい場合は?

発表日を押さえるのと、発表された中身を早く読むのは別の話です。後者で公表情報がはっきりしているのは楽天証券です。

楽天証券は2017年12月28日より、PCウェブおよびiSPEEDで、企業が発表した決算・業績修正情報を発表後すぐに確認できるようにしました。それ以前は発表当日の23時頃に反映されていたものが、15時以降すぐに読めるようになった変更です。さらに16時までならPTS取引(証券取引所の立会時間外に売買できる私設取引システム)での発注も可能とされています。

加えてiSPEEDでは、決算短信などの開示情報をもとにAIが自動生成する「業績ニュース」が、企業の決算開示とほぼ同じタイミングで配信されます。決算短信のPDFを自分で開いて数字を拾う前に、要点が文章で届く形です。

自動生成のニュースは一次資料の代わりにはなりません

AIが自動生成した業績ニュースは要点を素早く掴むには便利ですが、元になっているのは決算短信などの開示資料です。セグメント別の内訳や会社側の前提条件、通期予想の修正理由といった判断に効く部分は、短信や決算説明資料そのものを読まないと分かりません。速報で当たりを付け、判断の前に原典に戻る——この二段構えで使うのが安全です。

米国株の決算を追う人にとっての選択肢はSBI証券です。SBI証券は2022年4月、AIを活用した「米国株式決算速報ニュース」をリリースしました。米証券取引委員会(SEC)に公表された米企業の臨時報告書(8-K)から売上高やEPS(1株当たり利益)などの主要項目をAIが読み取り、日本語に翻訳して自動配信する仕組みです。8-Kの公表後、数分〜30分程度で配信され、外国株式口座開設者に無料で提供されています。

また2021年12月の「SBI証券 米国株アプリ」の大型アップデートでは、米国企業の決算情報をグラフやアイコンで視覚的に確認できる「ビジュアル決算」機能が追加されました。英語の開示資料を読む負担を下げる方向の機能です。

結局、どう組み合わせるのが現実的?

ここまでの機能差を踏まえると、1社で全部をまかなうという考え方よりも、目的ごとに役割を割り振るほうが現実的です。

目的別の割り振り
  • 日本株の発表日を取りこぼさない… 保有銘柄に絞った決算カレンダーと無料の決算アラートメールが公式に明記されているマネックス証券
  • 発表当日の内容を早く読む… 15時以降すぐ確認できる楽天証券のPCウェブ・iSPEED
  • 米国株の決算を日本語で追う… 8-Kを数分〜30分でAI配信するSBI証券の米国株ツール
  • SBI証券・楽天証券で日本株の保有銘柄通知を使いたい… 該当機能の有無を各社のヘルプ・サポートで個別に確認してから判断

すでに口座を持っている会社の機能から確かめるのが先です。ツールのために口座を増やすかどうかは、取引の本数や手数料の条件も含めて決める話になります。無料のツールであっても、使うには口座の開設や特定の口座区分が条件になる場合があります——銘柄スカウターの日本株版が外国株取引口座の開設で利用できる、という条件がその例です。

どのツールを選んでも、決算の数字をどう読むかは読者自身の作業として残ります。発表日を押さえる仕組みと、短信や決算説明資料を読む力は別のものなので、通知の整備と並行して読み方の練習も進めておくと決算シーズンの判断が楽になります。

なお、本記事はツールの機能比較を目的とした解説です。特定の銘柄や売買を推奨するものではありません。株式投資は価格変動により損失が生じる可能性があり、元本は保証されません。投資の判断はご自身の責任で行ってください。

よくある質問

保有している銘柄だけの決算カレンダーを無料で使える証券会社はどこですか?

マネックス証券の「銘柄スカウター」は、決算カレンダーを「マネックス証券で保有している現物株式」や「日本株決算アラートメールで登録した銘柄」の決算発表日だけに絞って表示できます。銘柄スカウターの日本株版は外国株取引口座を開設していれば無料で利用でき、日本株決算アラートメールも無料です。

マネックス証券の日本株決算アラートメールは何がいつ届きますか?

配信は3種類です。翌週の決算発表予定が金曜19時頃、翌営業日の決算発表予定が月〜金の19時頃、当日の決算発表結果が毎営業日19時頃に届きます。対象は保有銘柄および登録した銘柄です。

楽天証券では決算情報が何時ごろ確認できますか?

楽天証券は2017年12月28日より、PCウェブおよびiSPEEDで企業が発表した決算・業績修正情報を発表後すぐ確認できるようにしました。それ以前は発表当日23時頃の反映でしたが、15時以降すぐに確認可能となり、16時までならPTS取引での発注もできるとされています。

SBI証券の決算情報ツールはどの市場に強いですか?

SBI証券は米国株の決算情報に強みがあります。2022年4月にリリースされた「米国株式決算速報ニュース」は、SECに公表された8-Kから売上高やEPSなどの主要項目をAIが読み取って日本語に翻訳し、公表後数分〜30分程度で外国株式口座開設者に無料配信します。2021年12月には米国株アプリに、決算情報をグラフやアイコンで確認できる「ビジュアル決算」も追加されました。

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