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中間決算の進捗率、50%でも安心できない理由

2026年10月8日|いろは堂投資編集部
室内の木目机に置かれたノートPCと電卓、時計、文房具類

画像出典: ぱくたそ / タケル

この記事の要点
中間決算の進捗率は「中間期の実績 ÷ 会社発表の通期予想 × 100」で計算し、第2四半期の一般的な目安は50%です。ただし業種によって上期・下期の偏りがあるため、50%という横断的な目安だけでなく前年同期の中間進捗率と比べることが実務上重要になります。保有株の発表予定日は、東京証券取引所が公式サイトで公開している「決算発表予定」ページで銘柄ごとに確認できます。
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持ってる株の決算がいつ出るのか、そもそも把握できてない……

3月期決算の会社の中間決算は、10月下旬から11月上旬にかけて発表されるのが一般的です。ただ10月中旬には早めに出す会社がかたまるので、気づいたら保有株の数字が出ていた、ということが起きます。

発表日は調べられます。そして発表された数字から「会社が年間で見込んでいる利益に対して、半分の時点でどこまで来ているか」を自分で計算できます。この計算は電卓で割り算をひとつするだけで、慣れれば1銘柄あたり1分かかりません。

正直なところ、進捗率を出したところで株価が上がるか下がるかはわかりません。わかるのは「会社の見込みに対して順調なのか、遅れているのか」という事実の方です。構え方を決める材料として、そこから話を始めます。

保有株の決算発表日はどこで調べる?

一次情報は東京証券取引所(JPX)の公式サイトです。JPXは上場会社に加えて、REIT(不動産に投資して賃料収入を分配する上場投資法人)やインフラファンド(太陽光発電設備などのインフラ施設に投資する上場投資法人)から連絡を受けた決算発表予定日を「決算発表予定」ページで公開しています。対象は3月期・9月期決算会社の本決算と四半期決算で、毎営業日の午後5時頃を目処に翌営業日分が更新されます。

上場会社から連絡のあった発表予定は、毎日夜間に更新される「東証上場会社情報サービス」でも確認できます。証券会社が独自にまとめた決算スケジュールのページもあり、保有株をまとめて一覧したいときはそちらが使いやすい場合もあります。

  1. 銘柄コードを手元に並べる保有株の4桁コードをメモかスプレッドシートに書き出します。ここが起点になります。
  2. JPXの「決算発表予定」ページで探すコードまたは会社名で予定日を確認し、日付を控えます。
  3. カレンダーに入れる発表日の前日に通知が来るようにしておくと、当日になって慌てません。
  4. 前日〜当日にもう一度見る予定は変わります。これが最後の確認になります。
掲載されていれば確定、ではありません

JPXの掲載情報は上場会社からの連絡に基づくものです。そのため「掲載されていない会社が発表を行う」「掲載されている会社が予定を変更して異なる日程で発表する」ことがあると、東証自身が注記しています。カレンダーに入れて安心せず、発表前日から当日にもう一度見ておく必要があります。

なお、JPX総研は2024年5月20日から「決算発表予定日情報提供サービス」を開始し、決算発表予定日をCSV形式で提供しています(有料の日次データで、過去データは有償の一括購入)。個人で保有株の日程を確認するだけなら、無料の公式ページを見れば足ります。

10月中旬にどれくらい集中するのか?

発表がかたまる日は、1日で100社を超えることがあります。証券会社の集計を見ると、どの日が山になるかの見当がつきます。

日付決算発表が集中する社数
10月14日(水)99社
10月15日(木)131社

マネックス証券 Scouterの公表データをもとに作成

上の表では10月15日の131社が月内のピークで、前日の14日も99社と並んでいます。3月期決算の会社のうち早期発表組が、10月中旬のこの2日に寄っている形です。これは証券会社の決算スケジュール集計による見込みで、JPX自身が件数を公表しているわけではありません。社数は2026年10月8日時点のもので、各社の予定変更に伴って動きます。

100社近くが同じ日に出すと、1社ずつ丁寧に読む時間は取れません。だから発表日を事前に把握して、自分の保有株がどの日に当たるかだけでも先に分けておく意味があります。山の日に3銘柄重なるなら、その日は他の予定を入れない、という判断ができます。

進捗率はどう計算する?

進捗率の計算式はこれだけです。

進捗率の計算
  • 進捗率(%) = 四半期(中間期)実績 ÷ 会社発表の通期予想 × 100
  • 使う数字は、売上高・営業利益など比べたい項目をひとつ決めて揃える
  • 通期予想は会社が自ら発表している数字を使う(他者の予想ではない)

たとえば中間期の営業利益が52億円、会社の通期営業利益予想が100億円なら、52 ÷ 100 × 100 で進捗率は52%です。決算短信(上場会社が決算発表時に出す、実績と通期予想をまとめた数ページの速報資料)の1ページ目には中間期の実績と通期予想がどちらも載っているので、その2つの数字を拾えば計算できます。

四半期ごとの目安は、第1四半期が25%、第2四半期(中間期)が50%、第3四半期が75%、第4四半期=通期が100%とされています。1年を4等分して均等に進むと考えたときの線で、中間決算では50%が基準の目安になります。通期の時点で進捗率が100%を超えていれば目標達成、100%未満なら未達という評価です。

進捗率が各四半期の目安を上回って推移している場合は、上方修正(会社が期中に通期予想を引き上げて出し直すこと)への期待が高まりやすいとされます。逆に下回るペースが続くと、下方修正(反対に通期予想を引き下げること)の観測が強まりやすくなります。高い方が会社の見込みに対して先行している側、低い方が遅れている側、という向きです。

なぜ50%だけでは判断できない?

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51%だったから順調ってことでいいのかな

業種によって、業績には季節性があります。上期に売上が寄る会社と、下期に寄る会社があるということです。年末商戦が収益の柱の会社なら、中間期の進捗率が50%を下回るのは最初から織り込まれた形で、それ自体は遅れを意味しません。逆に上期偏重の会社なら、50%を少し超えただけでは物足りない可能性があります。

だから50%という横断的な目安だけでなく、その会社の前年同期の中間進捗率と比べることが実務上重要とされています。同じ会社の去年の同じ時点と比べれば、季節性は両方に同じようにかかるので、差の部分だけが見えてきます。

比べ方のイメージはこうです。前年同期の中間進捗率が48%前後だった会社が今期50%台なら伸びている評価になりえます。一方、前年に60%近かった会社が今期50%強なら、50%を超えてはいても減速という評価になりえます。同じ「50%超」が、前年と並べると逆の意味になるわけです。

  1. 今期の中間進捗率を出す今回の中間実績 ÷ 今期の通期予想 × 100。
  2. 前年同期の中間進捗率を出す前年の中間実績 ÷ 前年当時の通期予想 × 100。前年の中間決算短信に両方の数字が載っています。
  3. 2つを並べる今期が前年より高いか低いか、差は何ポイントか。
  4. 50%の線とも照らす前年比と絶対水準の2つで位置を確かめます。

手間はかかりますが、やるのは前年の短信を1枚開いて割り算をもう1回するだけです。保有株の数だけこれを並べると、どの銘柄が自分の中で気がかりなのかがはっきりします。

計算結果をどう構え方に変える?

進捗率と前年同期比の組み合わせから読み取れるのは、「会社の年間見込みに対して順調か遅れているか」という事実です。そこから自分の構え方を決めます。

組み合わせで見る位置
  • 前年同期より高く、かつ50%超 → 会社予想に対して先行。上方修正への期待が高まりやすい側
  • 前年同期より低く、50%も下回る → 会社予想に対して遅れ。下方修正リスクを警戒する側
  • 50%超だが前年同期より低い → 水準は足りていてもペースは減速。季節性と合わせて確かめる
  • 50%未満だが前年同期より高い → 下期偏重の会社ならありうる形。前年と比べて改善している側

構え方というのは、具体的には「次の四半期まで様子を見る」「あらかじめ決めていた損切りの線を確認しておく」「保有比率が偏っていないか見直す」といった、自分で事前に決めたルールの再確認です。進捗率はそのルールを発動させるかどうかを判断する入力であって、売買の答えではありません。

進捗率でわからないこと

進捗率は会社予想に対する達成ペースを測る1つの尺度で、株価がどう動くかを示すものではありません。進捗率が高くても株価が下がることも、低くても上がることもあります。また「上方修正が出るか」という見通しは証券会社やアナリストによって見方が割れることがあり、断定できる話ではありません。会社自身の予想も期中に変更されます。進捗率は会社予想と実績の関係を確認する作業で、将来の数字を保証するものではないという前提で使ってください。

発表シーズンに迷わないための準備は?

決算が集中する期間に慌てないために、発表前にやれることは限られています。やっておくなら順番はこうです。

  1. 保有株の発表予定日を一覧にするJPXの「決算発表予定」ページで調べ、銘柄コードと日付を並べます。
  2. 前年同期の中間進捗率を先に計算しておくこれは発表前でも計算できます。比較の基準を用意しておけば、発表当日は今期の数字を1回割るだけで済みます。
  3. 見る項目を決める売上高か営業利益か、どの項目で進捗率を見るかを先に決めておきます。毎回同じ項目で揃えないと前年比較が成り立ちません。
  4. 発表前日に予定日を再確認する予定変更があるため、ここで最終確認します。
  5. 発表後に今期の進捗率を出して並べる前年と並べ、50%の線とも照らします。

手順2がいちばん効きます。前年の進捗率は今日でも計算できるので、発表前に済ませておくほど当日の作業が軽くなります。保有株が5銘柄なら、前年分の計算に30分ほど見ておけば足りるでしょう。

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発表日と前年の数字だけ先に用意しておけばいいのか

発表シーズンの前にできるのは、日程を押さえて比較の基準を作っておくところまでです。そこまでやってあれば、当日に出てきた数字が自分の中でどういう位置にあるのかを、その場で判断できます。

投資は自己責任です。元本は保証されません。この記事は決算資料の読み方と計算手順を説明したもので、特定の銘柄や売買を推奨するものではありません。本文中の数値例は計算手順を示すための例示で、実際の企業の実績ではありません。最終的な投資判断はご自身で行ってください。

よくある質問

中間決算の進捗率はどう計算するのですか?

進捗率は「四半期(中間期)実績 ÷ 会社発表の通期予想 × 100」で計算します。たとえば中間期の営業利益が52億円、会社の通期営業利益予想が100億円なら進捗率は52%です。上場会社が決算発表時に出す速報資料「決算短信」の1ページ目に中間期の実績と通期予想の両方が載っているため、その2つの数字で計算できます。

中間決算の進捗率は何%あれば順調といえますか?

第2四半期(中間期)時点の進捗率の目安は50%です。四半期ごとの目安は第1四半期が25%、第2四半期が50%、第3四半期が75%、第4四半期(通期)が100%とされます。ただし業種によって上期・下期の業績の偏りがあるため、50%という横断的な目安だけでなく、同じ会社の前年同期の中間進捗率と比べることが実務上重要とされています。

保有株の決算発表日はどこで確認できますか?

東京証券取引所(JPX)が公式サイトの「決算発表予定」ページで、上場会社やREIT(不動産に投資する上場投資法人)、インフラファンド(インフラ施設に投資する上場投資法人)から連絡を受けた決算発表予定日を公開しています。毎営業日の午後5時頃を目処に翌営業日分が更新されます。毎日夜間に更新される「東証上場会社情報サービス」でも確認できます。

決算発表予定日は変更されることがありますか?

あります。JPXの掲載情報は上場会社からの連絡に基づくため、掲載されていない会社が発表を行うことや、掲載されている会社が予定を変更して異なる日程で発表することがあると東証自身が注記しています。発表予定日は前日から当日にもう一度確認する必要があります。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。