IPO同日上場4社、申込み締切をどう管理する?
画像出典: ぱくたそ
2026年9月16日〜18日の3営業日で7社が新規上場し、9月18日は4社が同日上場しました。上場日が近くてもブックビルディング期間は銘柄ごとに1〜2日ずれており、申込み先の証券会社も分かれます。管理の要点は、上場日ではなく「BB締切日」で並べ替えた一覧を作り、当選発表日の夜に確認する時間をあらかじめ決めておくことです。
IPOの申込みでいちばん多い取りこぼしは、抽選に外れることではなく締切の日付を見落とすことです。上場日が同じでも、申込みの受付期間は銘柄ごとにずれています。
2026年9月16日(水)から18日(金)までの3営業日で、合計7社が新規上場しました。うち9月18日は4社が同日上場です。シルバーウィーク前の駆け込み上場が集中したことが背景として指摘されています。この7社の日程をそのまま材料にして、締切と当選確認を取りこぼさない管理の手順を組み立てていきます。
2026年9月16〜18日のIPOスケジュールはどうなっていたか?
まず実際の日程を見てください。上場日順に並べた7社の一覧です。「ブックビルディング(BB)」は、上場前に投資家が「この価格帯なら何株買いたい」と需要を申告する期間のことで、個人投資家がIPOの抽選に参加する申込み期間にあたります。
| 上場日 | 企業名 | 証券コード | 市場 | ブックビルディング期間 | 主幹事証券会社 |
|---|---|---|---|---|---|
| 9/16(水) | オリバー | 619A | 東証スタンダード | 9/1〜9/7 | 野村證券(異説:SMBC日興証券) |
| 9/16(水) | オーディオストック | 621A | 東証グロース | 9/1〜9/7 | SBI証券 |
| 9/17(木) | Skyfall | 625A | 東証グロース | 9/2〜9/8 | SBI証券 |
| 9/18(金) | テクノクラフト | 622A | 東証スタンダード | 9/3〜9/9 | SMBC日興証券 |
| 9/18(金) | ベルテックス | 623A | 東証スタンダード | 9/3〜9/9 | 東海東京証券 |
| 9/18(金) | かがやきホールディングス | 624A | 名証ネクスト | 9/2〜9/8 | 東海東京証券 |
| 9/18(金) | akippa | 627A | 東証スタンダード | 9/3〜9/9 | SBI証券 |
やさしいIPO株のはじめ方(ipokiso.com)の公表データをもとに作成
この表で注目してほしいのは上場日の列ではなく、BB期間の列です。9/18に上場した4社のうち、かがやきホールディングスだけBB締切が9/8で、他の3社は9/9。1日ずれています。同じ日に上場する銘柄でも、申込み締切は揃っていません。
上場日でカレンダーに書き込むと、申込みの締切を1日単位で取り違えます。管理すべき日付は上場日ではなく、BB期間の最終日です。
なぜ申込み先の証券会社もバラけるのか
表の右端を見ると、主幹事はSBI証券が3社、東海東京証券が2社、SMBC日興証券が1社、オリバーは情報源によって記載が割れています。主幹事とは、そのIPOの引受けを中心になって取りまとめる証券会社のことで、配分される株数がいちばん多くなります。
つまり7社すべてに申し込もうとすると、複数の証券会社の口座を行き来することになります。1社のアプリだけを見ていても、全部は追えません。
オリバー(619A)の主幹事については、ipokiso.comが「野村證券」、ダイヤモンドZAiが「SMBC日興証券」と記載しており、情報源の間で食い違いがあります。IPO情報をまとめたサイトは便利ですが、申し込む前には必ず証券会社の公式なブックビルディング案内ページで主幹事と受付期間を確認してください。まとめサイトの数字をそのまま信じて締切を管理するのは危険です。
締切を取りこぼさない管理表はどう作る?
やることは単純で、上場日順に並んでいる情報を、BB締切日順に並べ替えるだけです。スプレッドシートでもスマホのメモでも構いません。
- 列を5つ決める「BB締切日」「銘柄名(コード)」「申込む証券会社」「当選発表日」「購入意思表示の期限」の5列を作ります。上場日は管理には使わないので、列の右端か、入れなくても構いません。
- BB締切日の昇順で並べる先ほどの7社なら、9/7が2社(オリバー・オーディオストック)、9/8が2社(Skyfall・かがやきホールディングス)、9/9が3社(テクノクラフト・ベルテックス・akippa)という並びになります。この順番が、あなたが実際に動く順番です。
- 締切日の前日にアラームを置く締切当日ではなく前日にします。証券会社によっては申込み受付が締切日の午前中で終わることがあり、当日の朝に気づいても間に合わないことがあるためです。受付終了の時刻は各社の公式案内で確認してください。
- 証券会社ごとに行をまとめ直して見る並べ替えた表を、今度は証券会社の列で目で追います。「9/7までにSBIで1件、9/8までにSBIで1件」のように、1つの口座で連続して作業できるものが見えてきます。ログインの回数が減ります。
- 当選発表日の夜に確認枠を取る後述しますが、当選の通知は夜に届くことがあります。発表日の夜に5分だけ、口座を確認する時間をカレンダーに入れておきます。
- BB期間の最終日(上場日ではない)
- 申込む証券会社の名前 — 主幹事か、幹事か、委託幹事か
- 当選発表の日付
- 当選した場合の購入意思表示(入金)の期限
- その口座に必要な資金が入っているか
当選の確認はいつ・どこを見ればいい?
申込みが終わっても、まだ終わりではありません。IPOはBB申込 → 抽選 → 当選発表 → 購入意思表示(入金)という流れで進み、当選しても期限までに購入の意思表示をしなければ権利が消えます。せっかく当たったものを放置で失うのが、いちばんもったいないパターンです。
やっかいなのは、当選発表のタイミングや通知方法が証券会社・銘柄ごとに違うことです。メールで知らせてくれる会社もあれば、自分でマイページを開かないと分からない場合もあります。
メールの有無だけを当落の判断材料にするのは危険です。通知設定がオフになっていたり、迷惑メールフォルダに振り分けられていたりすると、当選していても気づけません。最終的な当落は、必ず各社のマイページで自分の目で確認してください。
証券会社ごとの性格を知っておく
複数IPOに同時に申し込むなら、申込み先の特徴を知っておくと確認の優先順位がつけやすくなります。
SBI証券は、ネット抽選に回す配分比率が高く(70%程度とされます)、個人投資家が申し込む機会が多い会社です。当選した場合、当選メールが19時〜20時台に届く運用になっています。日中に確認しても出ていないことがあるので、発表日は夜に見る前提で構えておくのが現実的です。
SMBC日興証券は、ネット抽選分の比率は10%程度とされますが、1人1票の平等抽選を採用しており、主幹事・幹事を務めることが多い会社です。資金量の多さで当選確率が変わらない仕組みなので、少額の資金でも申し込む意味があります。
楽天証券は、委託幹事(いわゆる「ウラ幹事」= 主幹事から株の一部を委託されて販売する立場)としてIPOに参加することがあります。委託幹事の場合は割り当てられる株数が少ない傾向があるため、当選の期待値としては主幹事より低くなります。
ここに挙げた時刻や比率はあくまで目安です。当選発表の正確な時刻と通知方法は、各証券会社の公式ヘルプページで確認してください。運用は変わることがあります。
同日上場が重なると、何か影響はある?
ここで前提の言葉をそろえておきます。抽選に当たった人が買う値段が「公開価格」、上場した日に取引が始まって最初に付いた値段が「初値」です。初値が公開価格より高くなれば、その差が利益になります。
9月18日のように4社が同じ日に上場すると、その日に動く資金と投資家の関心が複数の銘柄に分かれます。同日上場が重なると資金・関心が分散し、初値が伸びにくくなる傾向があるとの指摘があります。
ここで大事なのは、これを「だから申し込むべき・見送るべき」という判断に直結させないことです。初値がどうなるかは事前には分かりませんし、分散の影響がどの程度出るかも銘柄ごとに違います。管理手順の話として押さえておきたいのは別の点です。
同じ日に複数の当選が重なった場合、購入意思表示の期限も同じ時期に固まります。当選は嬉しい誤算ですが、資金が足りなければ辞退することになります。申込みの段階で「全部当たったらいくら必要か」を計算しておくと、慌てずに済みます。
「重なっている時期だから、とりあえず全部申し込んでおこう」と、銘柄の内容も資金の余裕も確認せずに数だけ出すやり方はおすすめしません。当選後に入金できず辞退が続くと、証券会社によってはその後の抽選で不利な扱いになる場合があります。また、IPOは上場後に公開価格を下回ることもあり、当選すれば利益が出ると決まっているわけではありません。申し込む本数は、自分が実際に入金できる範囲で決めてください。
次にIPOが重なる時期に、この手順をどう使うか
今回の7社はすでに上場を終えていますが、IPOが特定の時期に集中するのは毎年起こることです。連休の前や年度末の前は、駆け込みで上場が重なりやすくなります。
- 使っている証券会社すべてで、メール通知の設定がオンになっているか確認する
- 各社の「IPO当選発表の時刻と通知方法」のヘルプページをブックマークしておく
- 管理表のひな形(5列)を作っておき、銘柄が出たら埋めるだけにする
- 複数当選した場合に用意できる資金の上限を、あらかじめ自分で決めておく
IPOの管理は、複雑な分析より先に、日付の扱いを変えるだけで取りこぼしがかなり減ります。上場日ではなくBB締切日で並べる。当落はマイページで確認する。この2つから始めてみてください。
投資は自己責任です。元本は保証されておらず、IPO銘柄も上場後に公開価格を下回る可能性があります。本記事は制度と手順の解説を目的としたもので、特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身で行ってください。
よくある質問
IPOのブックビルディング期間と上場日は同じ日程で動きますか?
同じではありません。2026年9月18日に上場した4社のうち、かがやきホールディングス(624A)のブックビルディング期間は9/2〜9/8、テクノクラフト(622A)・ベルテックス(623A)・akippa(627A)は9/3〜9/9で、締切が1日ずれていました。上場日が同じでも申込み締切は銘柄ごとに異なるため、管理はブックビルディング期間の最終日を基準に行います。
IPOに当選したかどうかは、どこで確認すればいいですか?
各証券会社のマイページで確認するのが確実です。当選メールを送る会社もありますが、通知設定や迷惑メールの振り分けによって届かない場合があるため、メールの有無だけで落選と判断しないでください。当選発表の時刻や通知方法は証券会社・銘柄ごとに異なるので、各社の公式ヘルプページで事前に確認しておきます。
SBI証券のIPO当選メールは何時ごろ届きますか?
当選した場合、当選メールは19時〜20時台に届く運用とされています。日中に確認しても結果が出ていないことがあるため、当選発表日は夜に口座を確認する前提で予定を組んでおくと取りこぼしを防げます。正確な時刻は変わる可能性があるため、SBI証券の公式ヘルプページでの確認をおすすめします。
同じ日に複数のIPOが上場すると、初値に影響はありますか?
初値(上場日に最初に付いた売買価格)については、同日上場が重なると資金や投資家の関心が複数の銘柄に分散し、伸びにくくなる傾向があるという指摘があります。ただし影響の程度は銘柄ごとに異なり、初値がどうなるかを事前に知ることはできません。2026年9月は16日〜18日の3営業日で7社が上場し、うち9月18日は4社が同日上場でした。
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