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11月の権利付き最終日は26日、税引き後の総合利回りの出し方

2026年11月2日|いろは堂投資編集部
白い机に電卓とペン、ノート、文房具を並べた室内の俯瞰写真

画像出典: ぱくたそ

この記事の要点
2026年11月末(11月30日・月)が権利確定日の銘柄は、権利付き最終日が11月26日(木)、権利落ち日が11月27日(金)です。配当と優待を合わせた総合利回りは「配当利回り×0.79685(20.315%の税引き後)+優待の換算額÷最低投資金額」で計算でき、NISA口座なら配当部分は税引き前のまま使えます。
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配当利回り2%、優待が3000円相当。これって結局どのくらいお得なの?いつまでに買えばいいんだろう

配当利回りと優待の金額は、そのままでは足せません。配当には20.315%の税金がかかり、手元に残るのは約8割。一方で優待は源泉徴収されないため、同じ「利回り」という言葉でも中身の重さが違います。

比べる物差しをそろえると、迷いはかなり減ります。配当を税引き後に直し、優待を金額に換算して投資金額で割る。この2つを足したものが、ここで扱う「税引き後の総合利回り」です。

そして、計算する前に日付の確認が要ります。2026年11月末が権利確定日の銘柄は、買い注文を約定させられる最終日が決まっているためです。

2026年11月の権利付き最終日はいつ?

2026年11月末(11月30日・月曜)が権利確定日となる銘柄の日程は、次のとおりです。

日付曜日イベント
2026-11-26木権利付き最終日(この日までに現物買付で権利確定)
2026-11-27金権利落ち日
2026-11-30月権利確定日(月末基準日)

マネックス証券の公表データをもとに作成(2026年9月17日付、T+2決済に基づく月末権利確定銘柄向けの日程)

上の表のとおり、11月26日(木)までに現物の買い注文を約定させる必要があります。27日以降の約定では権利落ち後になり、11月末の配当・優待は受け取れません。

なぜ2営業日前なのかというと、日本株の受渡(決済)サイクルがT+2、つまり約定日を含めて3営業日目に株主名簿へ反映される仕組みだからです。買った瞬間に株主になるわけではない、という点がこの日付のすべての理由になっています。

「月末の2営業日前」を自分で数えない

11月は勤労感謝の日(23日)が月曜にあたります。祝日の位置によって営業日の数え方はずれるため、機械的な計算ではなく、取引している証券会社の権利付き最終日一覧で確認してください。また、決算期が月末でない銘柄は基準日自体が違います。個別銘柄の基準日は各社のIR情報が最終的な根拠です。

配当と優待はなぜそのまま足せない?

上場株式の配当金には、原則20.315%(所得税15.315%+住民税5%)が課税されます。特定口座(源泉徴収あり)で申告不要制度を選んでいる場合、入金時点ですでに引かれた金額が振り込まれます。

一方、株主優待は商品や金券として届くため、配当のような源泉徴収はありません。税制上は原則「雑所得」として扱われ、優待の時価が課税対象になりうる位置づけですが、給与所得者で雑所得が年間20万円以下なら申告不要の特例に該当する場合があります。

配当は約8割に目減りし、優待は額面のまま手元に残る。この非対称が、両者を足す前にそろえておくべきところです。

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じゃあ優待のほうが有利ってこと?

優待は換金性の差が大きいところが難所です。金券なら額面がほぼそのまま価値になりますが、自社製品の詰め合わせは「使うかどうか」で実質価値が変わります。計算式に乗せる数字は自分で決めることになるため、後述の手順では換算のルールを先に決めています。

配当の課税方式は選べる?

上場株式の配当の課税方式は、申告不要制度・総合課税・申告分離課税の3つから選べます。特定口座(源泉徴収あり)で何もしなければ、申告不要制度が適用されて20.315%が源泉徴収されます。

総合課税を選ぶと配当控除(配当を給与などと合算して申告したとき、税額から一定割合を差し引ける制度)が使えますが、税率は累進課税になるため、所得水準によって有利不利が入れ替わります。申告分離課税を選ぶと、株式の譲渡損失との損益通算ができます。

総合利回りの計算では、まず20.315%を前提に置いて比較するのが扱いやすい方法です。課税方式の選択は年単位の判断であり、銘柄ごとの比較には影響しないためです。確定申告で方式を変えるかどうかは、年間の損益が確定してから別に考えれば足ります。

税引き後の総合利回りはどう計算する?

使う式は3本だけです。

  1. 配当利回り(税引き前)1株あたり年間配当金 ÷ 株価 × 100
  2. 配当利回り(税引き後)税引き前の配当利回り × (1 − 0.20315)
  3. 優待利回り優待の金銭換算価値 ÷ 投資金額(最低購入株数 × 株価)× 100

この2〜3を足したものが、税引き後の総合利回りです。

数字を当てはめてみます。株価1,500円・単元100株・1株あたり年間配当30円・優待が3,000円相当の金券という条件なら、投資金額は150,000円です。

項目計算結果
配当利回り(税引き前)30 ÷ 1,500 × 1002.00%
配当利回り(税引き後)2.00% × 0.79685約1.59%
優待利回り3,000 ÷ 150,000 × 1002.00%
総合利回り(税引き後目安)1.59% + 2.00%約3.59%

税引き前のまま足すと4.00%ですが、実際に手元に残る水準は約3.59%です。0.4ポイント強の差は、銘柄を並べ替えたときに順位が入れ替わる程度の大きさになります。

なお、1株あたり年間配当金と株価は、計算に使う時点をそろえてください。会社予想の年間配当は決算発表のたびに修正されることがあり、古い配当予想と最新の株価を組み合わせると利回りが実態より高く(配当が減額されていれば高く、増額されていれば低く)出ます。配当予想の更新日は、各社の決算短信や適時開示で確認できます。

カウンター席でノートパソコンの表計算画面を操作している男性
銘柄ごとの配当と優待を表計算に並べると、総合利回りの比較がしやすくなる(出典: Unsplash(撮影: Samuel Sianipar))

NISA口座だと総合利回りはどう変わる?

NISA口座(2024年開始の新NISA)で保有する株式の配当金は非課税です。つまり先ほどの計算の2本目、×0.79685 の掛け算が不要になります。

同じ条件(配当利回り2.00%・優待利回り2.00%)なら、NISAの成長投資枠では総合利回りが約4.00%。課税口座の約3.59%と比べて、0.4ポイント強の差がそのまま残ります。

新NISAは、つみたて投資枠が年120万円、成長投資枠が年240万円で、併用すると年間最大360万円。生涯の非課税保有限度額は1800万円(うち成長投資枠は1200万円が上限)で、非課税保有期間は無期限です。個別株は成長投資枠で買うことになります。

NISAなら必ず得、ではありません

NISA口座では譲渡損失が出ても、課税口座の利益との損益通算や繰越控除ができません。権利落ちで株価が下がったまま売却した場合、課税口座ならぶつけられた損失が、NISAでは使えずに終わります。配当の非課税だけを見て枠を決めないほうが安全です。

11月末の権利銘柄をどう絞り込む?

計算式が決まったら、あとは順番の問題です。

  1. 日程を確認する11月26日(木)までに現物を約定させる。証券会社の権利付き最終日一覧で、自分の買う銘柄の基準日が月末かどうかも見ておく。
  2. 11月権利確定の銘柄一覧を出すみんかぶ優待、かぶ優待.com、松井証券マネーサテライトなどが毎月の優待カレンダーを更新している。配当と優待の両方を実施している銘柄に絞る。
  3. 3つの数字を並べる最低投資金額(株価×単元株数)、年間配当金、優待内容とその評価額。表計算ソフトに1銘柄1行で入れる。
  4. 優待の換算ルールを先に決める金券・クオカードは額面、自社製品は「自分が実際に買う物なら定価、買わない物なら0円」のように、全銘柄へ同じ基準を当てはめる。銘柄ごとに甘い評価と辛い評価を混ぜると比較が崩れる。
  5. 総合利回りを計算して降順に並べる配当利回り×0.79685+優待利回り。投資金額の列も必ず横に残しておく。
  6. NISA枠で買うかを決める成長投資枠の残りと照らして、非課税で持つ銘柄を選ぶ。
並べ替えた後に見る欄
  • 最低投資金額が大きすぎないか(優待は株数で増えないことが多く、金額が大きいほど利回りが薄まる)
  • 優待の評価額を自分の生活で本当に使い切れるか
  • 配当予想が直近の決算で修正されていないか
  • 株式分割など、別の権利と基準日が重なっていないか

最後の項目について補足すると、2026年11月は大和オフィス投資法人(8976)など、株式分割の権利付き最終日が11月26日に設定されている例があります。配当・優待と分割のタイミングが重なる銘柄では、権利落ち後の株価の見え方が変わるため、個別銘柄のIR情報での確認が要ります。

権利落ちの下落で結局プラスになる?

ここがいちばん誤解されやすいところです。権利付き最終日の翌日(権利落ち日)には、配当や優待の価値の分だけ株価が下がりやすくなります。利回り3.59%を取っても、株価がそれ以上下がれば、合計ではマイナスになりえます。

総合利回りは「いくらもらえるか」の指標であって、「いくら儲かるか」の指標ではありません。権利取りだけを目的に短期で売買する場合、落ち幅がどうなるかは事前にわかりません。

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クロス取引なら株価が下がっても関係ないって聞いたけど

優待クロス(つなぎ売り)は、現物買いと同数量の信用売りを同時に建て、権利付き最終日をまたいでから現渡しで決済する手法です。株価の変動を相殺しながら優待を取ることを狙います。手順としては、権利付き最終日の確認、一般信用売りの在庫がある証券会社を探す、現物買いと一般信用売りを同数量で発注、権利日をまたぐ、権利落ち日以降に現渡し、という流れになります。

ただし、配当と優待の両取りという目的には合いません。クロスでは信用売り側で配当落調整金(配当相当額)を支払うことになり、現物で受け取る配当とほぼ相殺されるためです。ほかにもコストと制約があります。信用売りで株を借りている間は貸株料(株を借りる手数料にあたる金利)がかかり、売買手数料も必要です。制度信用で売り注文が品薄になると逆日歩(株が足りないときに売り手が追加で負担する品貸料)が発生することもあります(一般信用なら原則発生しません)。在庫切れで売建そのものができない場合もあります。クロスは「優待だけを低コストで取りたい」ときの手法だと整理しておくと、使い分けを間違えません。

配当も合わせて取りたいのであれば、現物を保有し続けるほうが素直です。権利落ちの下落をそのまま受けることになりますが、もともと保有を続けたい銘柄であれば、落ちた株価はその後の値動きの中の一点にすぎません。権利日だけを見て買う銘柄と、持ち続けたい銘柄を分けて考えることが、計算した利回りを実際に手元へ残す前提になります。

テーブルでスマートフォンを見る男性。手前に円グラフの資料とノート、右にノートパソコンが置かれている
保有比率や投資金額を手元の資料で確認しながら権利取りの判断をする場面(出典: Unsplash(撮影: Vitaly Gariev))

手を動かす順番のまとめ

11月26日までにやること
  • 取引証券会社の一覧で、買いたい銘柄の権利付き最終日を確認する
  • 優待カレンダーで11月権利確定・配当あり優待ありの銘柄を抽出する
  • 最低投資金額・年間配当金・優待評価額の3列を作る
  • 優待の換算ルールを全銘柄共通で決める
  • 配当利回り×0.79685+優待利回りで総合利回りを出し、降順に並べる
  • NISA成長投資枠で買うかを決め、11月26日(木)の取引時間内に発注する

計算自体は表計算ソフトで5分ほどの作業です。むしろ時間がかかるのは優待の換算ルールを決めるところで、ここを先に固めておくと、来年以降の権利月でも同じ表を使い回せます。

投資は自己責任であり、元本は保証されません。配当・優待の内容や実施の有無は企業の判断で変更・廃止されることがあり、株価も変動します。本記事は計算手順と制度の解説であり、特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身でお願いします。

よくある質問

2026年11月の権利付き最終日はいつですか?

2026年11月30日(月)が権利確定日となる銘柄の権利付き最終日は、2026年11月26日(木)です。翌11月27日(金)が権利落ち日となります。日本株の受渡はT+2(約定日を含めて3営業日目)のため、権利確定日の2営業日前が最終日になります。ただし決算期が月末でない銘柄は基準日が異なるため、証券会社の権利付き最終日一覧や各社のIR情報で確認してください。

配当と優待を合わせた税引き後の総合利回りはどう計算しますか?

「配当利回り(税引き前)×0.79685 + 優待の金銭換算価値 ÷ 投資金額 × 100」で計算します。0.79685 は配当にかかる20.315%の税金(所得税15.315%+住民税5%)を差し引いた後の割合です。たとえば株価1,500円・単元100株・年間配当30円・優待3,000円相当なら、税引き後配当利回り約1.59%+優待利回り2.00%で、総合利回りは約3.59%になります。

株主優待に税金はかかりますか?

株主優待は配当所得ではなく原則として雑所得に区分され、優待の時価が課税対象になりうる扱いです。配当のように源泉徴収されることはありません。給与所得者で給与以外の所得が年間20万円以下であれば申告不要の特例に該当する場合があります。総合利回りの計算では、配当は税引き後、優待は換算額ベースで足すのが実務的です。

優待クロス取引なら配当も優待も両方もらえますか?

配当については事実上もらえません。クロス取引では信用売り側で配当落調整金(配当相当額)を支払うため、現物で受け取る配当とほぼ相殺されるためです。クロスは株価変動リスクを抑えて優待だけを低コストで取りたい場合の手法で、配当と優待の両方を受け取りたい場合は現物を権利付き最終日まで保有する方法になります。

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