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配当利回りと株主優待を合算、総合利回りの出し方

2026年10月23日|いろは堂投資編集部
白い背景に置かれた電卓を正面から撮った室内の物撮り写真

画像出典: 写真: Anton Ehrola(CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の要点
配当と優待は、配当利回り(年間配当÷株価×100)と優待利回り(優待の価値÷必要投資額×100)を足した総合利回りで比べると、同じ尺度に並びます。優待の価値は「自分が実際に使う前提の金額」で換算するのが前提で、使わない優待は割り引いて考えます。2026年10月末が権利確定日の銘柄では、権利付最終日は10月28日(水)、権利落ち日は10月29日(木)です。
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配当が高い銘柄と、優待が魅力的な銘柄。どっちがお得なのか、比べ方がわからない…

配当と優待は、そのままでは比べられません。片方は現金、もう片方はカードや商品券や自社製品という形で返ってくるからです。「優待は良いけれど無配」「配当は高いが優待なし」という銘柄が並んだとき、どちらかの数字だけを見ていると判断を誤ります。

そこで使われるのが、両方を同じ単位(%)に直して足し合わせる総合利回りという考え方です。やることは割り算2回と足し算1回で、電卓でも1分かかりません。計算の中身と、つまずきやすい「優待の金額換算」を順に見ていきます。

総合利回りとは?

総合利回りは、配当利回りと優待利回りを足した数字です。式にすると次のようになります。

総合利回り(%) = 配当利回り(%) + 優待利回り(%)

配当利回りは「1株あたり年間配当金 ÷ 株価 × 100」で出します。株価2,000円の銘柄が年間60円配当なら、60÷2,000×100で3.0%です。ここは多くの証券会社の銘柄ページにそのまま表示されている数字なので、自分で計算しなくても拾えます。

一方の優待利回りは「優待の価値(円) ÷ 優待取得に必要な投資金額(円) × 100」です。10万円の投資で年間3,000円相当のクオカードがもらえる場合、3,000÷100,000×100で3%になります。分母は株価ではなく「優待をもらうために必要な最低投資額」である点が配当利回りと違うところです。優待は「100株以上」「200株以上」のように条件が付くため、その条件を満たす金額で割ります。

配当・優待のどちらか一方だけで比較すると銘柄間の比較を誤るため、両方を合算して比べることが推奨されています(株主優待情報サイト 株主優待ガイドの解説、確認時点2026年10月)。

総合利回りを計算する手順は?

  1. 株価と1株配当を確認する候補銘柄の現在の株価と、1株あたり年間配当金(会社予想)を見ます。証券会社の銘柄詳細ページに並んで載っています。
  2. 配当利回りを出す1株配当 ÷ 株価 × 100。表示されている数値をそのまま使っても構いません。
  3. 優待内容と最低投資額を確認する優待の中身(金券か食事券か自社製品か)と、それをもらうために必要な株数・金額を調べます。最低売買単位での購入金額が分母になります。
  4. 優待の価値を金額換算するクオカードや商品券は額面、食事券や自社製品はその商品の実売価格で見ます。年2回もらえる優待なら年間合計額にします。
  5. 優待利回りを出して足す優待価値 ÷ 最低投資金額 × 100 が優待利回り。これに配当利回りを足したものが総合利回りです。複数銘柄で同じ手順を踏めば、同じ尺度で横に並べられます。

手順どおりに数字を入れると、下のように並びます。これは2026年10月末が権利確定日の銘柄として、株主優待情報サイトに掲載されている数値を書き写したものです(特定の銘柄を推奨するものではなく、計算の手順を確かめるための例示です)。

項目神戸物産(3038)の例
優待の最低取得額279,700円
1株配当(予想)32円
優待の価値1,000円相当
配当利回り(予想)1.14%
優待利回り0.35%
総合利回り(予想)1.49%

株主優待ガイド(kabuyutai.com)掲載の2026年10月時点の数値をもとに作成

優待の1,000円相当を、最低取得額279,700円で割ると0.35%。ここに配当利回り1.14%を足して1.49%、という流れです。優待の金額が大きく見えても、必要な投資額が大きければ利回りとしては小さくなります。この感覚を数字で確かめられるのが、総合利回りを自分で計算する一番の利点です。

優待の価値はいくらで数えるべき?

ここが総合利回りで最もぶれるところです。株主優待ガイドの解説では、自分が実際に使う(消費する)前提の金額で評価すべきで、使わない優待は実質的に利回りを割り引いて考えるべきだという指摘があります。

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3,000円の食事券って、3,000円で数えていいの?

食事券の額面をそのまま数えられるのは、その店に行く予定がある人だけです。近くに店舗がなければ、その3,000円は使われずに期限切れになります。金額換算のときは、優待の種類ごとに次のように分けて考えると扱いやすくなります。

優待の金額換算のめやす
  • クオカード・商品券など金券 → 額面どおり
  • 自社製品・カタログギフト → その商品の実売価格
  • 食事券・施設利用券 → 行く予定があるなら額面、なければ低く見積もるか0円扱い
  • 継続保有が条件の優待 → その年数を保有し続ける前提でよいか確認してから数える

継続保有の条件は見落としやすいところです。たとえば巴工業(6309)は10月末が権利確定日ですが、優待の対象は200株以上を1年以上継続保有する株主で、200株以上600株未満でワイン1本、600株以上で2本を贈呈(発送は12月下旬予定)という設計になっています。最低投資金額は352,800円、配当利回りは3.17%程度(情報源により3.92%との記載もあり、取得時期で差が出ます)。買ったその年には優待が届かないため、初年度の総合利回りは配当利回りだけとして数えるのが実態に近くなります。

総合利回りの数字は、どこまで信じていい?

優待利回り・総合利回りは分母に株価が入るため、株価が動けば毎日変わります。実際、同じ銘柄について複数の証券会社や優待情報サイトを見比べると、数値が微妙に違っていることがあります。更新時点や、配当が会社予想か実績かの違いが混ざるためです。

そのため、見かけた総合利回りは「いつ時点の株価で計算されたか」をセットで確認するのが前提になります。自分で比較表を作るなら、候補銘柄の株価をすべて同じ日に取って計算し直すのが確実です。日付が混ざった利回りを並べても、比較の軸が揃いません。

もう一点、総合利回りの高低は「優待の価値換算」という主観が混ざった数字です。同じ銘柄でも、食事券を使い切る人と使わない人で実際の利回りは変わります。サイトに出ている総合利回りは「額面どおり全部使った場合」の上限値として読み、自分の生活に合わせて下方修正する、という読み方が実態に合います。

総合利回りだけでは決められないこと

総合利回りは「もらえるもの」の大きさを測る数字で、株価が下がるリスクや業績の安定性は一切含まれていません。優待は業績悪化で縮小・廃止されることがあり、配当も会社予想が下方修正されることがあります。利回りが高いこと自体が安全性を意味するわけではないため、総合利回りは比較の入口の一つとして扱うのが妥当です。

10月末権利確定の場合、いつまでに買えばいい?

2026年10月末が権利確定日の銘柄では、日付は次のようになっています。

権利付最終日2026年10月28日(水)
権利落ち日2026年10月29日(木)
権利確定日2026年10月30日(金)

マネックス証券が公表する2026年10月時点の権利確定日スケジュールをもとに作成

権利付最終日までにその株式を保有している必要があり、この日は権利確定日の2営業日前にあたります(国内証券市場の受渡ルールによる仕組み)。10月29日に買っても、10月末の配当・優待は受け取れません。注文を出した日ではなく約定した日で数える点にも注意してください。

なお、10月末が権利確定日の優待は、実際に優待品が届くのは12月〜翌年1月頃が目安です。権利を取ってから手元に来るまで2〜3か月の間があります。

計算し終わったら、次に何をする?

総合利回りを並べ終えた時点で手が止まりがちなので、ここから先の分岐を整理しておきます。

計算後の判断の順番
  • 優待の金額換算を0円に置き換えても納得できる銘柄か見る(使わない前提でも持てるか)
  • 最低投資額が、自分の1銘柄あたりの上限金額に収まっているか確認する
  • 権利付最終日に間に合わないなら、そこで一度見送る(次の権利確定月に同じ計算を使い回せる)
  • 権利落ち後の値動きを含めた損益まで見たい場合は、権利落ち日前後の株価も記録しておく

総合利回りが高い銘柄が、必ずしも自分に合うわけではありません。参考として、優待利回りが大きく出る例には大庄(9979)のような銘柄があり、配当利回り(予想)1.27%に優待利回り5.46%が乗って総合利回り(予想)6.73%という数値が紹介されています(2026年時点)。優待はグループ店舗で使える食事割引券で、権利確定月は2月・8月のため10月末の権利取りには関係しません。食事券5.46%ぶんは、店舗に通う人にとっての価値であり、行かない人の実質利回りは1.27%に近づきます。総合利回りという数字が、誰にとっての価値かで変わることがよくわかる例です。

計算の手順そのものは権利確定月に関係なく同じです。一度表の形を作っておけば、11月末・12月末の銘柄でも株価と優待内容を差し替えるだけで使えます。今回間に合わなかったとしても、計算の型だけは残ると考えておくと気が楽になります。

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数字の出し方がわかれば、慌てて買う理由も減りますね
投資にあたっての注意点

株式投資は価格が変動し、元本保証はありません。配当や株主優待の内容も企業の判断で変更・廃止されることがあり、総合利回りの数値が将来の受取額を保証するものではありません。この記事は計算方法の解説であり、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。投資は自己責任で、最終的な判断はご自身で行ってください。

よくある質問

総合利回りの計算式は?

総合利回り(%)は、配当利回り(%)と優待利回り(%)を足したものです。配当利回りは「1株あたり年間配当金 ÷ 株価 × 100」、優待利回りは「優待の価値(円) ÷ 優待取得に必要な投資金額(円) × 100」で計算します。

優待利回りの分母は株価ではないのですか?

優待利回りの分母は、その優待をもらうために必要な最低投資金額です。優待には「100株以上」「200株以上」などの条件があるため、その条件を満たす購入金額(株価×必要株数)で優待の価値を割ります。

2026年10月末の配当・優待をもらうには、いつまでに買う必要がありますか?

2026年10月の権利付最終日は10月28日(水)で、この日までに株式を保有している必要があります。権利落ち日は10月29日(木)、権利確定日は10月30日(金)です。権利付最終日は権利確定日の2営業日前にあたります。

株主優待の価値はいくらで換算すればよいですか?

自分が実際に使う前提の金額で評価します。クオカードや商品券は額面、自社製品はその商品の実売価格が目安です。使わない優待は実質的に利回りを割り引いて考えるべきという指摘があり、行かない店舗の食事券などは低く見積もるのが実態に近くなります。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。