英検デジタル証明書が無償に、不合格でもスコアが出る
画像出典: パブリックドメイン(Wikimedia Commons)
日本英語検定協会は2026年9月15日15時から、英検デジタル証明書の無償発行対象を拡大しました。2018年度以降に対象試験を受験した人は、合否にかかわらず無償で証明書を取得できます。不合格だった場合も「デジタル英検CSEスコア証明書」が発行され、Reading・Listening・Writing・Speakingの技能別スコアを数値で確認できます。
合否だけを見ていると、英語力は「受かったか、落ちたか」の二択に見えます。でも実際の英検は、受験者全員にCSEスコアという数値をつけています。級を超えて英語力を一つの尺度で測るための指標で、合格・不合格を問わず付与されるものです。
これまで、そのスコアを証明書として手元に残すには紙の発行を待つ必要がありました。2026年9月15日15時から、デジタル版の発行が無償になります。しかも対象は合格者だけではありません。
何が変わった? デジタル証明書の無償化とは
公益財団法人日本英語検定協会は2026年9月10日、「英検デジタル証明書」の無償発行対象を拡大すると発表しました。運用開始は2026年9月15日(火)15時からです。
対象になるのは、2018年度以降に実施された対象試験を受験したすべての人。英検(従来型)、英検S-CBT、英検S-Interview、英検CBT、英検2020 1 day S-CBT が含まれます。失格など一部の対象外を除き、合否にかかわらず無償で取得できます。
- 合格した場合 … デジタル合格証明書
- 不合格だった場合 … デジタル英検CSEスコア証明書
ここで注意したいのが、紙の扱いです。紙のCSEスコア証明書は引き続き有料で、1通1,200円(2025年4月改定)。無償になったのはデジタル版だけなので、紙が必要な場面があるかどうかは先に確認しておくと無駄がありません。
なぜ不合格者にも広げたのか
背景にあるのは大学入試の変化です。協会の発表では、近年の大学入試で「級の合否にかかわらず、英検CSEスコアで判定する入試方式が広がっている」ことが理由として挙げられています。つまり、2級に落ちていても、そのときのCSEスコアが出願に使える方式があるということです。
2026年度の入試では、一部の大学・入試方式でWeb出願時に「デジタル証明書共有キー」を入力し、オンラインで結果を提出する仕組みも導入されています。受験生にとっては、紙の郵送を待つ段取りが1つ減る話でもあります。
デジタル証明書の取得手順は?
手順はマイページの中だけで完結します。ただし発行を依頼してから実際に見られるようになるまで時間差があるので、提出期限がある人は早めに動いてください。
- マイページにログイン英検「受験者マイページ」(生涯学習アカウント)を開きます。URLは https://www.eiken.or.jp/eiken/mypage.html です。
- 「デジタル証明書」タブを開く画面上部にタブがあります。
- 該当する試験の「発行」を押す「発行可能な受験結果」の一覧から、証明書がほしい回を選びます。
- 最大6時間待つ発行依頼後、閲覧可能になるまで最大6時間かかります。
- 画面でそのまま提出する発行後はスマートフォン・パソコンの画面上で表示でき、紙と同様に正式な証明書として機能します。
一覧に出てこない場合、まず疑うのはアカウントの取り違えです。昔の受験を別のメールアドレスで申し込んでいないか、同じメール内に複数ユーザーがあって切り替えが必要でないかを確認してください。過去の申込情報とマイページアカウントの紐づけが終わっていない場合は、協会が指定する引継ぎ手続きが必要になります。学生時代に受けた回を社会人になってから探す人ほど、ここで止まりやすいところです。
なお、9月15日の運用開始にあわせて画面の名称やデザインが発表時点から変わる可能性はあります。タブが見当たらないときは、英検公式のデジタル証明書FAQを先に見るのが確実です。
CSEスコアは何を教えてくれる?
CSEスコアは、日本英語検定協会と日本生涯学習総合研究所が共同開発した指標です。級ごとにバラバラだった結果を、一つのものさしの上に並べられるようにしたもので、2014年度以降の受験者が対象になっています。
大事なのは、合格・不合格を問わずスコアが付与されるという点です。落ちた回にも数値は存在していて、今回それを無償で手元に出せるようになりました。
読み方の起点になるのが、一次試験の合格基準スコアです。級ごとに決まっていて、自分のスコアとの差がそのまま「あと何点分か」になります。
| 級 | 一次試験の合格基準スコア |
|---|---|
| 1級 | 2028 |
| 準1級 | 1792 |
| 2級 | 1520 |
| 準2級プラス | 1402 |
| 準2級 | 1322 |
| 3級 | 1103 |
| 4級 | 622(Reading・Listeningのみ) |
| 5級 | 419(Reading・Listeningのみ) |
日本英語検定協会の公表データをもとに作成
上の表のとおり、たとえば3級の一次合格基準は1103です。自分のスコアが900台だったなら、約200点分の技能強化が次の目安になります。判定に使う技能は級によって違い、4級・5級はReading・Listeningの2技能、3級以上はReading・Listening・Writingの3技能です。
二次試験(スピーキング)にも別の基準があります。1級602、準1級512、2級460、準2級プラス427、準2級406、3級353。一次だけ受けて不合格だった場合でも、一次試験のCSEスコアは証明書に反映されます。
CEFRとの対応も付いている
CSEスコアには、CEFR(セファール/外国語の運用能力を国際的に表す共通の枠組み)との対応も設定されています。4技能の総合スコアの範囲でA1〜C1のレベルが判定され、たとえば準2級で総合スコア1700〜1949ならA2相当です。4級・5級はCEFRの算出対象外になります。
スコアをどう学び直しにつなげる?
合否だけでは絶対にわからないことが、CSEスコアにはあります。それが技能別の内訳です。Reading・Listening・Writing・Speakingそれぞれにスコアが出るため、どこが弱いかを数値で特定できます。
「英語が苦手」という感覚は、だいたい大雑把です。実際に内訳を見ると、Readingは基準を超えていてListeningだけが大きく足を引っ張っている、といった偏りが見えることがあります。そこがわかれば、次にやることは英語全般ではなく1技能に絞れます。
- 総合スコアと、受けた級の合格基準スコアの差(あと何点か)
- 4技能(または判定対象の技能)のうち、いちばん低いもの
- その技能だけが低いのか、全体が均等に低いのか
差分が大きい技能が1つだけなら、そこに学習時間を寄せるのが素直です。全体が均等に低い場合は、級そのものを1つ下げて土台を固め直すほうが早いこともあります。どちらにしても、判断の材料が「感覚」から「数値」に変わることが今回の無償化の実利です。
証明書に書かれているのはスコアであって、「だからこう勉強しなさい」という指示ではありません。技能別スコアから学習法を決める部分は、あくまで受け取った側の判断になります。数値を過信せず、自分の生活時間に収まる計画に落とし込んでください。
費用と学習量の目安はどう見積もる?
先にお金の話を片づけておきます。今回のデジタル証明書は0円、同じ内容を紙で受け取るなら1通1,200円(2025年4月改定)。英検そのものの受験料は級と受験方式(従来型・S-CBTなど)によって金額が変わり、申込時期でも扱いが異なるため、金額は英検公式の受験案内で最新の値を確認してください。ここで確実に言えるのは、現在地を測るところまでは0円で済むということです。
学習量のほうは、時間ではなくスコアの差分で見積もるのが実際的です。3級の一次合格基準1103に対して現在が900台なら、埋めるべきは約200点分。これを弱い1技能に寄せるのか、3技能へ分散するのかで、必要な期間は当然変わります。英検公式が「何時間で何点」という目安を出しているわけではないので、差分の数値を出発点にして、自分が週に確保できる時間から逆算するのが現実的な組み立てになります。
学生と社会人では、このスコアの使いどころが少し違います。学生なら大学入試でのスコア提出が直接の出口になり、授業や定期試験の期間と受験日が重なるかどうかが計画の軸になります。社会人の場合は出願期限のような締切がない分、いつでも先延ばしにできてしまう。
どちらにも共通するのは、次に受けるならまた受験料がかかるということです。だからこそ、すでに受けた回のスコアを無償で取り出して現在地を測る今回の仕組みは、次の受験を決める前の判断材料として使えます。もう一度お金を払う前に、前回の数値を見てから決めればいいという順番です。
過去に受けた回が複数あるなら、時系列で並べてみるのもいいと思います。同じ技能が毎回低いままなら、それは苦手ではなく単に手をつけていない領域かもしれません。
まず何から始める?
やることは1つだけです。マイページにログインして、「発行可能な受験結果」に何が並んでいるかを見る。それだけなら費用はかかりません。
古い受験回が出てこなければ、アカウントの紐づけを確認する。出てきたら発行を押して、6時間後にスコアを開く。学び直しの計画を立てるのは、その数字を見てからで十分間に合います。
よくある質問
英検に不合格でもデジタル証明書はもらえますか?
もらえます。2026年9月15日15時以降、2018年度以降に対象試験を受験した人は合否にかかわらず無償でデジタル証明書を取得できます。不合格の場合は「デジタル英検CSEスコア証明書」が発行され、技能別のCSEスコアを確認できます(失格など一部の対象外を除く)。
英検デジタル証明書の発行手順を教えてください。
英検の受験者マイページ(生涯学習アカウント)にログインし、画面上部の「デジタル証明書」タブを開きます。「発行可能な受験結果」の一覧から該当する試験の「発行」ボタンを押すと発行依頼が完了し、閲覧可能になるまで最大6時間かかります。発行後はスマートフォンやパソコンの画面上でそのまま表示・提出できます。
紙のCSEスコア証明書も無償になりますか?
無償になるのはデジタル版のみです。紙のCSEスコア証明書は引き続き有料で、料金は1通1,200円(2025年4月改定)です。英検そのものの受験料は級と受験方式で異なるため、英検公式の受験案内で確認してください。
英検CSEスコアとは何ですか?
日本英語検定協会と日本生涯学習総合研究所が共同開発した、級を超えて英語力を一つの尺度で測る指標です。2014年度以降の受験者が対象で、合格・不合格を問わずスコアが付与されます。Reading・Listening・Writing・Speakingの技能別に分解して表示されるため、どの技能が弱いかを数値で特定できます。
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