残暑の部屋干し、乾くまで5時間が分かれ目
画像出典: 写真: Al Silonov(CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)
生乾き臭の主な原因はモラクセラ菌で、乾くまでの時間が5時間程度を超えると爆発的に増えるとされています。残暑の時期は「干す位置」と「干す時間帯」を変えるだけで乾燥時間を縮められます。狙い目はリビングなど広い部屋か換気扇を回した浴室、そして夜干しです。
9月に入っても気温が高い日が続くと、外に干しても洗濯物がなかなか乾かないことがあります。空気が湿っているぶん、水分の逃げ場がないからです。
正直なところ、部屋干しに切り替えても事情は同じで、置き場所が悪いと半日たっても生乾きのままということが起こります。ただ、ここで効くのは高い機械を買うことではありません。干す位置と干す時間帯という、お金のかからない2つの条件で乾燥時間はかなり変わります。
生乾き臭はなぜ出るの?
においのもとは、モラクセラ菌という湿ったところで増える菌です。洗濯で落としきれなかった皮脂汚れをエサに増え、あの独特のにおいを出します。
ポイントは時間です。干してから乾くまでの時間が長いほど菌は増え、乾燥までに5時間程度を超えると爆発的に増殖するとされています。つまり生乾き臭の対策は、消臭剤を足すことより先に「5時間以内に乾かす」という時間の勝負になります。
- 乾くまでの時間が長く、モラクセラ菌が増える
- 洗濯で落としきれなかった皮脂汚れが残っている
だから対策も「汚れを落とすこと」と「早く乾かすこと」の両輪になります。残暑の時期にすぐ効くのは後者のほうです。
どこに干すと早く乾く?
乾燥時間を左右するのは、その空間に「湿った空気を逃がす道」があるかどうかです。同じ部屋干しでも、置く部屋を変えるだけで結果が変わります。
いちばん強いのは浴室
浴室乾燥機があるなら、それがいちばん確実です。無い場合でも、浴室の換気扇を回しっぱなしにして干すだけで効果があります。浴室は狭く、換気扇が湿気を外へ吸い出し続ける構造になっているためです。使う前に浴室の壁と床の水気をタオルでざっと拭き取っておくと、余計な湿気を持ち込まずに済みます。
次点はリビングダイニング
浴室が使えないときは、リビングダイニングのように空間が広い部屋が向いています。同じ量の水分が空気に出ていっても、部屋が広いほど湿度が上がりにくいからです。
寝室はおすすめしない
寝室は布団が湿気を吸うため、洗濯物自体は一見よく乾いたように感じます。ただし湿気を吸った寝具にカビやダニが発生しやすくなるため、部屋干しの場所としては避けたほうがよいとされています。洗濯物のにおいと引き換えに寝具を傷めることになります。
残暑の時期に加えて意識したいのが、日中に日差しが入る窓際と、エアコンの除湿・送風の風が通る場所です。風が当たり続ける場所は、それだけで乾燥時間が縮みます。エアコンを使う部屋に干すなら、風の通り道に干し竿を置く配置にしてみてください。
干す時間帯はいつがいい?
意外に思われますが、部屋干しでは夜に干すことをすすめる考え方があります。無印良品の生活情報記事でも「実は夜に干すのがおすすめ」として、日中より夜間に干すほうが生乾き臭を防ぎやすいと紹介されています。
理由は時間の使い方にあります。夜に洗濯を終えて干せば、寝ている間の数時間がまるごと乾燥時間になります。朝に干して出かけると、湿ったまま何時間も放置される時間帯ができてしまいますが、夜干しならその空白が生まれません。
- 夜のうちに洗うお風呂上がりのタイミングで洗濯機を回し、終わったらすぐ取り出します。洗濯槽の中に放置する時間が、菌にとっていちばんおいしい時間です。
- 浴室か広い部屋に干す浴室なら換気扇をつけっぱなしに。リビングならエアコンの風が通る位置へ。
- 風を当てる扇風機やサーキュレーターを洗濯物の下から当てます。首振りにして、面ではなく列全体に風が回るようにします。
- 朝に触って確認する脇の下・襟・ポケットの重なった部分を指で触ります。ここが乾いていれば全体も乾いています。
朝の時点で湿りが残っていたら、そこだけが5時間を超えている部分です。次からは間隔を広げる、ハンガー2本でシャツを開くなど、その一点を直せば済みます。
今日からできる干し方の工夫は?
場所と時間帯を決めたら、あとは並べ方です。ここは道具を買わなくても今日から変えられます。
| 洗濯物 | 並べ方 | 形のイメージ |
|---|---|---|
| シャツ・Tシャツ | 隣との間隔をこぶし1つ分あける | 正面から見て、服と服のあいだに拳が入る幅 |
| ズボン・スカート | ピンチハンガーで内側を開いて干す | 上から見て、生地が輪になった筒状 |
| バスタオル | 端をずらしてかけ、二重の面積を減らす | 横から見て、片側が長い「へ」の字 |
| 丈の違う衣類 | 長いものと短いものを交互に並べる | 下端の線がギザギザに揃わない配置 |
| フード付きの服 | フードだけ別のハンガーで立てる | フードが背中から離れて開いた形 |
どれも狙いは同じで、生地が重なって空気が触れない面をなくすことです。乾かない場所は、必ず「重なっている場所」に生まれます。
汚れ落としの側もひとつだけ。においが出やすい衣類は、洗う前にぬるま湯につけ置きしておくと皮脂汚れが落ちやすくなります。お湯の温度と時間は、衣類の洗濯表示にある上限温度と、使う洗剤の表示に従ってください。
それでも臭うときはどうする?
手順を変えても改善しない場合、原因が洗濯物側ではなく洗濯機側にあることがあります。洗濯槽の内側に汚れがたまっていると、洗うたびに菌を移していることになるからです。槽洗浄コースや洗濯槽クリーナーを使ってみてください。頻度は洗濯機の取扱説明書やクリーナーの表示に従うのが確実です。
締め切った狭い部屋しか干す場所がない、家族が多くて一度に大量に干す、といった条件では、位置と時間帯の工夫だけでは5時間以内に届かないことがあります。その場合は乾燥機能付き洗濯機やコインランドリーの乾燥機を併用したほうが、結果的に時間もにおいのストレスも減ります。無理に部屋干しで完結させる必要はありません。
どちらを選ぶかは、乾燥機に頼る頻度で決まります。コインランドリーは使ったぶんだけ支払う方式なので、乾きにくい厚手のものだけを週末に持ち込むような使い方なら負担は小さく済みます。反対に毎日のように乾燥まで機械に任せたいなら、本体を買う初期費用はかかっても、その後は電気代だけで回せる乾燥機能付き洗濯機のほうが向いています。週に何回乾燥機に頼るかで、どちらが得かは変わります。まずは近所のコインランドリーを数回使い、1回あたりの料金と自分の利用頻度を確かめてから買い替えを考えても遅くありません。
まずは今夜の洗濯を1回だけ、浴室に換気扇をつけて干してみてください。翌朝に襟と脇の下を触って乾いていれば、それがこの家での正解の位置になります。
よくある質問
生乾き臭の原因は何ですか?
主な原因はモラクセラ菌という菌です。干してから乾くまでの時間が長いと増殖し、においを出します。洗濯で落としきれなかった皮脂汚れもにおいの原因になります。乾燥までに5時間程度を超えると菌が爆発的に増殖するとされており、5時間以内に乾かすことが対策の目安です。
部屋干しはどの部屋がいいですか?
浴室乾燥機があれば浴室が最適です。無い場合も浴室の換気扇を回しっぱなしにして干すだけで効果があります。次点はリビングダイニングなど空間が広い部屋です。寝室は布団が湿気を吸い、寝具にカビやダニが発生しやすくなるため避けたほうがよいとされています。
洗濯物は夜に干しても大丈夫ですか?
部屋干しなら夜干しが向いています。無印良品の生活情報記事でも「実は夜に干すのがおすすめ」とされ、日中より夜間に干すほうが生乾き臭を防ぎやすいと紹介されています。夜に干せば就寝中の数時間をそのまま乾燥時間に使えるため、湿ったまま放置される時間ができません。
コインランドリーと乾燥機能付き洗濯機はどちらを選べばいいですか?
乾燥機に頼る頻度で決まります。乾きにくい厚手の衣類だけをときどき持ち込む程度ならコインランドリーが向いています。毎日のように乾燥まで機械に任せたい場合は、本体の購入費はかかっても以後は電気代だけで済む乾燥機能付き洗濯機が向いています。料金は店舗や機種で異なるため、まず近所のコインランドリーを数回使って実際の費用と頻度を確かめる方法が確実です。
扇風機やサーキュレーターは必要ですか?
必須ではありませんが、風を当てると乾燥時間が短くなるため有効です。洗濯物の下から当て、首振りにして列全体に風が回るようにします。エアコンを使う部屋に干す場合は、除湿や送風の風が通る位置に干し竿を置くだけでも同様の効果が得られます。
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