運動会・遠足の弁当を時短する前日仕込みの段取り3手
画像出典: 写真: Dllu(CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)
運動会や遠足の弁当は、作業を「週末の冷凍ストック」「前日夜の副菜仕込み」「当日朝は詰めるだけ」の3段階に分けると朝の作業が短くなります。前日に準備する家庭は約8割で、酢を使った副菜や塩ゆで野菜は前日向き、手作りの冷凍おかずは詰める直前に再加熱するのが原則です。
朝に全部やろうとすると、弁当は「調理」と「詰める」と「冷ます」が同時に来ます。冷ます時間は短縮できないので、朝に調理を残した分だけ起きる時間が前に倒れていきます。
正直なところ、料理の腕を上げる話ではありません。作業を前の日までに移し替えるだけで、当日朝に残るのは「温める・詰める」の2つになります。運動会弁当を作るタイミングの調査では、前日に準備する家庭が約8割を占めるとされています。多くの家庭がすでに前倒し前提で動いている、ということです。
なぜ10月に弁当の負担が集中するのか?
運動会の開催が最も多い月は10月です。2024年のデータでは、2番目に多い5月と比べて2倍以上の開催数がありました。開催時期には地域差があり、北の地域ほど5月、南の地域ほど10月に寄る傾向があります。遠足や校外学習も秋に重なるため、10月は「弁当の日」が続けて来やすい月になります。
負担の偏りにも背景があります。総務省「令和3年社会生活基本調査」では、6歳未満の子どもを持つ夫の育児・家事関連時間は、妻が無業の世帯で75分、共働き世帯で84分でした。共働きでも1時間24分ほどで、就労形態にかかわらず低い水準にとどまっています。つまり朝の弁当作りは、どちらか一方に寄りやすい構造の中にあります。だからこそ「朝に頑張る」ではなく「朝に残す作業を減らす」という方向で組み直すほうが現実的です。
学校によって実施形態は分かれます。「いこーよファミリーラボ」の調査では、運動会の開催時期は秋が約半数で、弁当なし(給食対応や午前のみの開催)の学校が約9割という結果も出ています。まず確認したいのは、弁当が必要かどうかと、必要なら家族分か子ども分だけか。ここが決まらないと仕込む量が決まりません。
段取りを3段階に分けるとは?
やることを増やすのではなく、同じ作業を置く場所を変えます。週末・前日夜・当日朝に割り振るだけです。
- 週末〜前々日:冷凍ストックを作るハンバーグ、ミートボール、から揚げ、卵焼き、タコさんウインナーなどをまとめて作り、1食分ずつ小分けにして冷凍します。ご飯を炊いておにぎりにして冷凍する方法もあります。
- 前日夜:副菜と主菜1品を仕込む酢を使ったマリネなどの副菜と、塩ゆで野菜を用意して冷蔵します。主菜を1品だけ前日に焼いておくと、朝の火の使用がゼロに近づきます。
- 当日朝:温めて詰めるだけ冷凍おかずを電子レンジで再加熱し、冷蔵の仕込み分と合わせて詰めます。冷ます時間だけを見ておけばよくなります。
この分け方の効きどころは、当日朝から「レシピを見る」「切る」「味を決める」がまとめて消えることです。朝に判断する場面が減るほど、手が止まりません。
前日に回して安心なおかずはどれ?
前日向きかどうかは、味の好みではなく傷みにくさで決まります。酢を使ったマリネなどの副菜は、前日に作っておくと酢の働きで傷みにくく、味も馴染みます。ブロッコリー、とうもろこし、アスパラガス、枝豆は前日に塩ゆでして冷蔵しておけば、当日は詰めるだけです。
主菜側では、ハンバーグ、ミートボール、卵焼き、タコさんウインナーが前日調理・冷凍に向きます。当日は再加熱して詰めます。
- 塩ゆで野菜(ゆでて冷まして冷蔵)
- 酢を使った副菜(味が馴染む時間をとる)
- 主菜1品(焼いて冷ましてから冷蔵か冷凍)
- ゼリーを作って冷凍庫へ
ゼリーは前日に作って凍らせておくと、朝はそのまま入れるだけで済みます。移動中に自然解凍が進むので保冷剤の代わりになり、食べる頃にちょうどよい冷たさになります。保冷とデザートを1つで兼ねられるので、詰める手数も荷物も減ります。
冷凍おかずはいつまで使える?再加熱はどこまで必要?
ここは味より衛生の話なので、目安をはっきり持っておくほうが楽です。
| 保存のしかた | 目安の期間 |
|---|---|
| 冷凍(照り焼きなどのおかず) | 長くても2週間程度 |
| 冷蔵(和え物など) | 3〜5日程度 |
| 詰めたあとの弁当 | 当日中に食べきる |
上の目安で見ると、「週末に作って翌週の遠足まで」は冷凍の範囲に収まります。作りすぎて冷凍庫で年を越すおかずが出るのは、1食分ずつの小分けをしていない時です。
前日に調理したおかずや残り物を弁当箱に詰めるときは、詰める直前に必ず十分に再加熱します(自然解凍を前提にしたおかずや生野菜は別です)。また、市販の冷凍食品で「自然解凍OK」と書かれた製品と、家庭で手作りして冷凍したおかずは扱いが違います。手作りの冷凍おかずは加熱が原則で、自然解凍で詰めるものではありません。ここを混ぜると、せっかくの前倒しが不安の種になります。
再加熱したあとは冷ましてから詰めます。温かいまま蓋を閉めると水滴が出るためで、この「冷ます時間」は前日仕込みでも短縮できない唯一の工程です。朝の予定を組むときは、詰め終わりではなく冷まし終わりから逆算しておくと読み違えません。
食費を一緒に抑えるにはどうする?
冷凍作り置きは、まとめ買いした食材を無駄なく使い切れるため、食費の節約につながるとされています。ただし金額効果は家庭の買い方によって大きく変わるので、「これで月いくら浮く」と言える一次データはありません。期待できるのは使い切れずに捨てる分が減ることという、地味で確実なほうの効果です。
金額の見当をつけたいときは、公表値を探すより自分の家計の数字で計算するほうが早いです。やり方は「捨てた食材の値段をレシートで拾って合計する」だけです。たとえば使い切れずに捨てた野菜や肉が週に200〜500円分あるとすると、1か月で800〜2,000円ほどになります(この数字は計算のしかたを示すための仮の置き方で、公表された平均値ではありません)。冷凍ストックで減らせるのはこの部分なので、2週間ぶんのレシートを見れば自分の家の上限が見えます。
逆に出費が増えやすいのは冷凍食品の買い足しです。実践アドバイスとしては、1食あたり1〜2品までと決めておくと、冷凍食品への出費がかさみすぎるのを防げるとされています。全部を手作りにしなくてよく、上限だけ決めておくという考え方です。
- 弁当が必要な日付と、何人分か
- 冷凍食品は1食あたり何品までにするか
- ストックのおかずは何食分作るか(小分けの数で決める)
- 塩ゆでに回す野菜を1〜2種類(使い切れる量だけ)
買う量を先に決めておくと、売り場で迷う時間も減ります。まとめ買いが節約になるのは、買った分を使い切れたときだけなので、小分けの数が先、買う量は後の順で考えるほうが失敗しません。
今週末からどう始める?
一度に全部を整える必要はありません。次の弁当の日が決まっているなら、そこから逆算して3日分の作業に割るだけで十分です。
- 弁当の有無と人数を確認する学校の案内を見て、必要な日付と人数を書き出します。ここが仕込む量の基準になります。
- 週末に主菜を2〜3品だけ冷凍するハンバーグやミートボールなど、家族が確実に食べるものから。1食分ずつ小分けにします。
- 前日夜に副菜と凍らせるゼリーを用意する酢を使った副菜、塩ゆで野菜、ゼリー。火を使う作業をこの日で終わらせます。
- 当日朝は再加熱と詰めるだけにする加熱して冷まし、詰める。起きる時間を、冷まし終わりから逆算して決めます。
初回から完璧な配分にはなりません。1回やってみて「朝が何分で終わったか」だけ覚えておけば、次の弁当の日には前日に回す量を調整できます。まずは主菜2品の冷凍から試して、合うかどうか見てから広げれば十分です。
よくある質問
運動会の弁当は前日に作っても大丈夫ですか?
前日調理は一般的で、運動会弁当を作るタイミングの調査では前日に準備する家庭が約8割を占めるとされています。ただし前日に調理したおかずは、弁当箱に詰める直前に十分に再加熱することが前提です(自然解凍を前提にしたおかずや生野菜は除きます)。
手作りの冷凍おかずは自然解凍で詰めてもいいですか?
家庭で手作りして冷凍したおかずは加熱が原則で、自然解凍で詰めるものではありません。「自然解凍OK」と表示された市販の冷凍食品とは衛生上の扱いが異なるため、同じものとして扱わないようにします。
弁当用に作った冷凍おかずはいつまで保存できますか?
照り焼きなどのおかずを冷凍する場合は、長くても2週間程度が目安です。冷蔵する場合は和え物などで3〜5日程度が目安になります。なお弁当箱に詰めたあとのおかずは、基本的に当日中に食べきることが推奨されています。
前日に仕込んでおくと安心な副菜はどれですか?
酢を使ったマリネなどの副菜は、酢の働きで傷みにくく味も馴染むため前日向きです。ブロッコリー、とうもろこし、アスパラガス、枝豆は前日に塩ゆでして冷蔵しておくと、当日は詰めるだけになります。
※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。