衣替えの段取り、半日で終わる3ステップと収納の期限
画像出典: 写真: UNIFORM Studio(CC BY 2.0 / Wikimedia Commons)
衣替えが終わらない最大の原因は、洗濯・仕分け・収納を同時に進めてしまうことです。しまい洗い→仕分け→収納の順に工程を分け、乾燥の待ち時間に仕分けを進めれば半日で完了します。冬物をしまうタイムリミットは虫害を防ぐ観点で5月上旬、遅くとも梅雨入り前が目安です。
衣替えが終わらないのは、やる気の問題ではありません。途中で止まる家の多くは、クローゼットから服を全部出して、洗うもの・しまうもの・捨てるものをその場で一枚ずつ判断しています。判断の回数が多いほど手は止まりますし、洗濯物が乾くまで次に進めないので、部屋に服の山が残ったまま夜になります。
正直なところ、衣替えは作業量よりも順番の設計で決まります。しまい洗い、仕分け、収納の3つを混ぜずに順番に流すだけで、洗濯機が回っている時間が丸ごと使えるようになります。半日というのは、その待ち時間を仕分けに充てた場合の目安です。
衣替えはいつまでに終わらせればいい?
日中の最高気温が20℃を超えて湿度も上がり始める5月下旬〜6月初旬が、夏物へ切り替える一般的なタイミングです。一般的な衣替えの時期は夏服が6月はじめ、冬服が10月はじめとされています。
ただし「しまう側」には別の期限があります。冬物をしまうタイムリミットは、虫害を防ぐ観点でゴールデンウィーク(5月上旬)までという考え方があります。衣類を食べる幼虫は冬から春にかけて育ち、5月のGW前後に成虫となって産卵期を迎えるためです。
もうひとつの期限が梅雨入りです。湿度の高い時期にクローゼットを何度も開け閉めするとカビが発生しやすくなるため、梅雨入り前に終えることが推奨されます。つまり、虫とカビの両方を避けるなら5月上旬〜梅雨入り前が実質的な締切です。
- 冬物をしまう:5月上旬(GW前後)まで=虫害を避ける
- 全体の完了:梅雨入り前=カビを避ける
- 夏物を出す:最高気温20℃超えの5月下旬〜6月初旬
なお、衣替え直後は気温が上下しやすいので、2〜3週間の移行期間を設けて徐々に完了させる進め方もあります。「一日で全部入れ替える」と考えると寒暖差で困りますが、しまう作業だけは一気に終わらせて、出す作業は数週間かけて調整すると現実的です。
半日で終わる段取りはどう組む?
半日で終わらせる鍵は、洗濯機の稼働時間と乾燥の待ち時間を空白にしないことです。先に洗濯を回してしまい、その間に仕分けと収納の準備を済ませます。時刻はあくまで一例ですが、書き出しておくと迷いが減ります。
- 9:00 しまう服だけ集めるクローゼットから全部出さず、「今シーズンもう着ない服」だけを抜き出します。判断はこの1回だけにします。
- 9:15 部分処理とつけ置き襟・袖の皮脂汚れに処理をして、つけ置きを始めます。
- 9:45 1回目の洗濯を回す回している間が仕分けの時間です。
- 10:00 仕分けハンガー保管・畳み収納・ケース収納の3つに分けます。同時に手放す服も決めます。
- 10:30 収納スペースの掃除と防虫剤の準備空いた引き出しやケースを拭き、防虫剤を用意します。
- 11:00 2回目の洗濯を回す/夏物を出す入れ替えで出す側の服をここで並べます。
- 13:00以降 完全に乾いた順に収納乾ききっていない服は絶対に入れません。
注意したいのは最後の工程です。生乾きは雑菌の繁殖とにおい戻りの原因になるため、完全に乾くまで乾燥させます。半日で「終わる」のは判断と作業であって、収納だけは乾燥を待ってからになります。天気の悪い日に始めないのが、いちばん効く時短です。
しまい洗いは何をすればいい?
しまい洗いは、見た目の汚れではなく残った皮脂を落とすための洗濯です。目に見えない皮脂や汗が残ったまま長期保管すると、時間が経ってから黄ばみとして浮き出たり、虫の食害を招いたりします。一度しか着ていなくても、肌に触れた衣類は対象になります。
- 洗濯表示を確認する生地の特性と洗濯できるかどうかを先に把握します。水洗い不可の表示があるものはクリーニング店に依頼します。
- 汚れに合う洗剤を選ぶ皮脂汚れにはアルカリ性洗剤が効果的です。自宅で洗える衣類にはおしゃれ着用洗剤を使います。
- つけ置きする目立つ汚れや襟袖の皮脂汚れには、40℃程度のぬるま湯にアルカリ性洗剤と酸素系漂白剤を溶かし、30分程度つけ置きしてからすすぎます。
- ネットに入れて洗うしまい洗いする衣類だけをまとめ、洗濯ネットを使って洗濯機で洗います。すすぎは2回が目安です。
- 完全に乾かす生乾きは雑菌繁殖とにおい戻りの原因になります。
洗濯槽は事前にクリーニングしておきます。槽の汚れがそのまま衣類に移ると、せっかくのしまい洗いが逆効果になります。また、風呂の残り湯は使いません。長期保管する衣類には向かない水です。
そして、水洗い不可の表示があるコートやスーツを「たぶん大丈夫」で洗うのは避けてください。半日で終わらせたい気持ちはわかりますが、失敗の代償が大きい工程です。
仕分けはどの基準で分ければいい?
仕分けで手が止まるのは、基準が「まだ着るか」だけになっているからです。着る・着ないの判断は主観なので迷います。先に収納方法で3つに分けてしまうと、判断が機械的になって速く進みます。
| 分類 | 対象 | 収納方法 |
|---|---|---|
| 吊るす | スーツ、スカート、型崩れさせたくない上着 | ハンガーで吊るし収納 |
| 畳む | ニット類 | 畳んで引き出しに立てて収納 |
| ケースへ | 次のシーズンまで出番のない長期保管品 | 密閉度の高い衣装ケース |
ライオン「衣替えのコツ」の公表情報をもとに作成
ニット類を引き出しに立てて収納するのは、上から重ねると下の服が見えなくなり、結局着る服が固定されてしまうからです。立てておけば引き出しを開けた瞬間に全部が視界に入ります。
手放す服をここで決められると翌年がぐっと楽になりますが、迷ったものは無理に捨てなくて構いません。「迷った箱」を1つ用意して、そこに入れておくだけで作業は進みます。次の衣替えのときに一度も開けていなければ、そのときに判断すれば十分です。
虫食い・カビを防ぐ収納のコツは?
長期保管の失敗は、防虫剤の量ではなく容器と置き方で決まります。段ボールは虫が好むため衣類の保管には向きません。密閉度の高いプラスチック製の衣装ケースを使うと、防虫剤の効果が発揮されやすくなります。
置き方にも理由があります。防虫剤の成分は空気より重く下に広がる性質があるため、引き出しタイプは衣類の上に置きます。吊り下げタイプはケース内に均等に配置します。下や隅に置いても、成分が衣類全体に行き渡りません。
- 段ボールではなく密閉度の高いプラスチック製衣装ケースを使う
- 収納量はケースの8割程度にとどめる
- 引き出しタイプの防虫剤は衣類の上に置く
- 吊り下げタイプはケース内に均等に配置する
- 完全に乾いていない衣類は入れない
8割にとどめるのは、詰め込むと通気が失われて湿気がこもり、防虫剤の成分も回らなくなるからです。入りきらないときは、ケースを増やすほうが結果的に衣類を守れます。ぎゅうぎゅうに押し込んだケースは、翌年開けたときのシワの量でも後悔します。
毎年終わらない人が変えるべき一手は?
ここまでの手順を全部やる時間がない年もあります。そのときに優先度がいちばん高いのは、しまう前に洗うことと、完全に乾かしてから収納することの2つです。この2つを守れば、仕分けが多少雑でも翌年に取り返しがつきます。逆にここを飛ばすと、黄ばみと虫食いという取り返しのつかない形で戻ってきます。
そして、来年をもっと楽にする一手があります。収納するときに、そのケースへ何を入れたかを紙に書いて蓋の内側に貼っておくことです。翌年「あのニットどこだっけ」で全ケースを開ける時間がなくなります。5分の手間で、来年の衣替えが30分短くなります。
家族の人数が多い世帯や、クローゼットの中身を長年見直していない場合は、半日では収まりません。その場合は「今年は大人の分だけ」「今年は冬物のアウターだけ」と範囲を区切ってください。全部を中途半端に手をつけて数日放置するより、一部を完全に終わらせるほうが部屋も気持ちも片づきます。
また、雨の日や湿度の高い日に始めると乾燥が終わらず、結局半日では完了しません。天気予報を見て日を選ぶのが、いちばん確実な時短です。
よくある質問
衣替えはいつまでに終わらせるべきですか?
冬物をしまうのは、虫害を防ぐ観点からゴールデンウィーク(5月上旬)までがタイムリミットとされています。衣類を食べる幼虫が5月のGW前後に成虫となり産卵期を迎えるためです。また、湿度の高い時期にクローゼットを開け閉めするとカビが発生しやすいため、梅雨入り前に終えることが推奨されます。
しまい洗いは一度しか着ていない服にも必要ですか?
必要です。しまい洗いの目的は見た目の汚れを落とすことではなく、肌に触れて残った皮脂や汗を落とすことにあります。皮脂が残ったまま長期保管すると、時間が経ってから黄ばみとして現れたり虫の食害の原因になったりします。ただし洗濯表示で水洗い不可となっている衣類は、自宅で洗わずクリーニング店に依頼します。
襟や袖の皮脂汚れはどう落としますか?
40℃程度のぬるま湯にアルカリ性洗剤と酸素系漂白剤を溶かし、30分程度つけ置きしてからすすぎます。皮脂汚れにはアルカリ性洗剤が効果的です。そのあと、しまい洗いする衣類だけをまとめて洗濯ネットに入れ、洗濯機ですすぎ2回を目安に洗います。
防虫剤はどこに置けば効きますか?
防虫剤の成分は空気より重く下に広がる性質があるため、引き出しタイプは衣類の上に置きます。吊り下げタイプはケース内に均等に配置します。また、衣類の収納量はケースの8割程度にとどめると成分が行き渡りやすくなります。容器は虫が好む段ボールを避け、密閉度の高いプラスチック製の衣装ケースを使います。
※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。