Web制作の副業、最初の1件を受けるまでの5手順
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Web制作の副業で最初の案件を受けるまでは「①勤務先の就業規則を確認→②クラウドソーシングで小さめの案件に応募→③初回相談で要件を聞き取る→④見積書を出す→⑤注文書・注文請書などの書面で契約」の5手順です。見積りは時間単価×想定作業時間で組み立て、打合せ回数・素材の受け渡し方法・修正の上限回数を書面に明記しておくと後の工数トラブルを防げます。値引きを求められたら作業内容を黙って削らず、「作業範囲を減らす」か「値引き額を見積書に明示する」かのどちらかで対応します。
Web制作の副業でいちばん緊張するのは、制作そのものより最初の1件の取り方とやりとりではないでしょうか。案件を探して、応募して、話を聞いて、金額を出して、契約する。この一連の流れは、実は業界である程度かたちが決まっています。
正直なところ、慣れないうちは「相場が分からないから安く言ってしまう」「聞き漏らしたまま見積りを出して、あとで作業が膨らむ」という失敗が起きがちです。順番と、各段階で必ず確認することを先に知っておけば、その大半は避けられます。
最初の1件を受けるまでの全体像は?
未経験から最初の案件を納品するまでは、①就業規則の確認 ②案件を探して応募 ③初回相談で要件を聞く ④見積書を出す ⑤書面で契約して着手という順に進みます。①②が入口、③〜⑤が受注のやりとりです。
- 勤務先の就業規則を確認する副業を全面的に禁止している企業や、事前の届出を義務付けている企業があります。応募より先に済ませます。
- 案件を探して応募するクラウドソーシング(仕事を発注したい人と受けたい人をつなぐサイト)で、まずは小さめの案件に応募します。
- 初回相談(ヒアリング)相手が何を作りたいのか、なぜ作るのかを聞き取る。ここで聞いた内容がそのまま見積りの根拠になります。
- 見積書の提示作業内容・金額・納期・(保守などの)ランニングコストを書面にして渡す。相手はこれを見て他社と比較します。
- 契約・着手内容が合意できたら注文書・注文請書などの書面を取り交わし、着手します。案件によっては着手金が発生します。
③〜⑤は、発注する側から見ると「①準備(要件整理から見積り依頼まで)②見積・検討(見積り取得・比較検討・発注先決定)③発注(契約・着手)」という3ステップに対応します。相手がどの段階で何を見ているかを知っておくと、自分の動きも決めやすくなります。
最初の案件はどこでどう探す?
実績ゼロの段階では、案件の大きさを下げるのが最短です。サイト1本まるごとではなく、既存サイトのページ追加、バナー差し替え、フォーム設置、テンプレートを使ったLP(1ページ完結の紹介ページ)制作といった、範囲がはっきり切れている仕事から入ります。範囲が小さい案件は競争相手も少なく、納品まで走り切れるので実績として残しやすいです。
探す場所は、まずクラウドソーシング大手のサイトで構いません。クラウドワークスは2026年3月末時点でユーザー数778.7万人・クライアント数110.4万社と公表されており、案件の絶対数がある場所から始めるほうが、応募回数を稼げます。
- 作業範囲が募集文の時点で具体的(ページ数・やることが書いてある)
- 納期に2週間以上の余裕がある(本業と並行できる)
- 使う技術が自分の練習範囲と重なっている
- 継続前提ではなく単発(初回は自分の作業時間の実測が目的)
応募文では、経歴より「募集内容のどこを、どう作るか」を短く書くほうが読まれます。実績がなければ、練習で作ったページのURLを1つ添えれば十分です。作ったものが無い段階なら、応募前にテンプレートで1本仕上げておくと、そのまま提出物になります。
応募のペースは、週2〜3件を続けると受注のリズムが生まれるとされています。1件応募して返事を待つより、複数に出しておいて反応があったものから対応するほうが、結果的に早く1件目に届きます。
初回相談では何を聞けばいい?
初回相談の目的は、金額を答えることではなく金額を出せる状態まで情報を集めることです。ここで聞き漏らした項目が、そのまま後の「思ったより時間がかかった」に直結します。
- サイトの目的(集客/採用/名刺代わり など)と、達成したい状態
- ページ数と、各ページに載せる内容のおおよその量
- 原稿・写真・ロゴを誰が用意するのか(自分が作るなら別工数)
- 希望納期と、その理由(展示会・開業日など動かせない日か)
- 公開後の更新を誰がやるのか(保守・サーバー費用の扱い)
- 使いたいツールや既存サイトの有無、ドメイン・サーバーの契約状況
特に落とし穴になりやすいのが素材(原稿・写真)の担当です。「文章はお任せで」と後から言われると、ライティング分の作業がまるごと増えます。相談の場で「原稿はご用意いただけますか?」と一言確認するだけで、この事故はほぼ防げます。
この聞き取りは、金額を上げる方向にも効きます。原稿作成や写真手配を自分の作業として引き受けると、その分を工数として見積りに積める。つまり同じサイト1本でも、任せてもらえる範囲が広いほど受け取れる金額は増えます。丁寧なヒアリングは、トラブル予防であると同時に、提案できる項目を増やす作業でもあります。
即答を避けること自体は失礼になりません。「ページ数と原稿の担当が決まると精度が出せるので、○日までに見積書でお出しします」と期日を添えて返すのが、むしろ誠実な進め方です。期日を言わずに濁すと不安を与えるので、日付だけは必ずセットにします。
見積り金額はどう決める?
フリーランスの見積作成では、先に自分の時間単価を決め、その案件にかかる想定時間を掛け合わせるのが基本の考え方とされています。案件ごとに「なんとなくこのくらい」で出すと、作業量が同じでも金額がぶれ、あとから自分でも説明できなくなります。
時間単価×想定時間で組み立てる
手順はシンプルです。まず、自分が1時間の作業に対していくら受け取りたいかを決めます。次に、案件を工程(ヒアリング・設計・デザイン・実装・修正対応・公開作業)に分解し、それぞれに想定時間を割り当てます。最後に単価を掛けて合計します。
この方式のいいところは、値引きや追加の相談が来たときに「どの工程が何時間減るのか/増えるのか」で会話できる点です。総額だけで交渉すると根拠がなくなり、削るところが自分の利益しか残らなくなります。
そして単価は、案件を重ねるほど自分で上げられます。1件目でかかった実時間を記録しておけば、2件目は同じ作業にどれだけかかるかが読めるようになり、余裕を持たせすぎた見積りも、逆に赤字だった工程も見えてきます。時間単価を据え置いたまま作業時間が短くなれば、それはそのまま実質の単価アップです。公開後の保守を月額で受けられれば、毎月の固定収入も積み上がります。
見積書に必ず書いておくこと
新規案件では、単価そのものの交渉より、要件定義の打合せ回数・素材の受け渡し方法・修正対応の上限回数を契約書や見積書に明記して見積り精度を上げることが、後工程のトラブル予防になるとされています。「思っていたより工数がかかった」の原因は、たいていこの3つのどれかです。
この3つに、発注側が見積書でチェックするとされる納期とランニングコストを加えた5項目を、見積書では次のように書き分けます。
| 明記する項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 打合せ回数 | 要件確認の打合せは2回まで(以降は1回あたり◯円) |
| 素材の受け渡し | 原稿・写真はクライアント支給。指定日までに共有フォルダへ |
| 修正回数 | デザイン確定後の修正は2回まで。以降は追加見積り |
| 納期 | 素材一式の受領日から◯営業日 |
| ランニングコスト | サーバー・ドメイン費用は別途/保守は月額◯円(任意) |
納期を「◯月◯日」ではなく「素材受領日から◯営業日」と書くのは小さな工夫ですが効果が大きいです。素材の到着が遅れたときに、納期遅延の責任が自分に寄ってこなくなります。
値引きを求められたらどう返す?
値引き交渉でやりがちな失敗として指摘されているのが、金額を予算に合わせるために作業内容(工数)を無言で削ってしまうことです。作業範囲が変わるのなら値下げは妥当ですが、「予算内に収めたいだけ」の値引きなら、見積書に「値引き」という項目を明示して対応すべきとされています。工数や成果物の質を曖昧にしないためです。
対応は2択に整理する
- 作業範囲を減らして金額を下げるページ数を減らす、原稿はクライアント支給に変える、問い合わせフォームは既存サービスを使う。何を外したかを見積書に残します。
- 範囲は変えず、値引き額を1行で明示する「お値引き ▲◯円」と項目立てする。元の金額と譲歩の大きさが相手にも自分にも見える形で残ります。
やってはいけないのは3つ目、金額だけ下げて中身を静かに薄めるやり方です。相手は元の品質を期待したままなので、納品時に必ず食い違います。
交渉の根拠は「作業範囲」と「相場」
値引き交渉を成立させる基礎は、感情論ではなく「作業範囲の変化」と「相場データ」という2つの根拠を揃えることだと整理されています。「頑張ります」でも「厳しいです」でもなく、「この金額なら◯ページ分の作業になります」「この工程の一般的な水準はこのくらいです」と数字で返す形です。
この返し方ができると、話が値下げ以外の方向へ進むことがあります。「その予算ならこの範囲まで、もう少し出せるならページも追加できます」と選択肢の形で示せば、相手が上の案を選ぶ余地が生まれる。範囲を数字で説明できる人は、値切られる相手ではなく相談される相手になります。1件きちんと仕上げれば、同じクライアントからの2件目や紹介という、営業せずに届く案件につながります。
最初から総額だけを提示され、要件を詰めさせてもらえない相談は、受けない判断も必要です。作業範囲が決まらないまま金額だけ合意すると、修正の回数にも納品の基準にも歯止めがなくなります。副業として使える時間はもともと限られているので、範囲の決まらない案件に時間を取られると、他の案件を受ける余力ごと失います。断ることは、次の案件を受ける体力を守ることでもあります。
契約は口約束で済ませていい?
小規模な案件でも、トラブル回避のために口頭やメールのみで済ませず、注文書・注文請書を取り交わすことが推奨されています。大型案件では、1件ごとの注文とは別に、継続的な取引に共通するルール(支払い条件や権利の扱いなど)を先に決めておく取引基本契約を締結するケースもあります。副業の1件目でここまで求められることはまずありません。
注文書はクライアントが「この内容でお願いします」と出す書面、注文請書は制作側が「この内容でお受けします」と返す書面です。副業で初めての相手なら、見積書の内容をそのまま写した簡易なもので構いません。大事なのは形式の立派さではなく、合意した範囲・金額・納期が両者の手元に同じ文面で残ることです。
- 見積書(作業範囲・金額・納期・修正回数を記載したもの)
- 注文書または発注の意思が分かる書面
- 注文請書(自分が受注を承諾した書面)
- 着手金の有無と支払い時期の取り決め
案件によっては着手金が発生する場合があります。制作を進めてから連絡が途絶える事態を考えると、初めての相手ほど着手金の相談はしておいて損がありません。
本業と並行するとき、どこまで受けられる?
会社員が副業でWeb制作をする場合、受注量の目安も先に決めておくと安全です。ランサーズの「フリーランス実態調査(2020年度)」では、副業従事者が副業にかける時間は週平均10.32時間で、内訳は「週5〜10時間未満」が29.6%と最多でした。週2日・1日あたり2〜4時間程度が、多くの人の実際の稼働イメージにあたります。
この時間から逆算すると、1件目は「合計10〜20時間で終わる範囲」に収まる案件が現実的です。土日をまるごと使うのではなく「午前中だけ」「日曜の夜だけ」と時間を区切ると、本業への影響を抑えつつ続けられます。
もう1つ先に知っておきたいのが確定申告です。副業の所得(収入から経費を引いた額)が年20万円以上になると、本業の年末調整とは別に確定申告が必要になります。制作費が数万円の案件でも、数件受ければ届く水準です。案件を受け始めた時点から、請求書と経費の記録を残しておくと後が楽になります。
最初の1件は誰でも手探りです。ただ、応募する案件の条件・聞くべき項目・書くべき項目はこの記事のチェック欄のとおりで、案件ごとに大きく変わるものではありません。1件目でこの型を使えば、2件目からは同じ書面を使い回せます。見積書とヒアリング項目は、一度作れば次の案件からずっと効く資産です。相談への返信が速く、範囲の説明が明快な人は、それだけで選ばれます。
よくある質問
Web制作の副業で、実績ゼロの最初の1件はどう探しますか?
クラウドソーシング(仕事を発注したい人と受けたい人をつなぐサイト)で、サイト1本まるごとではなくページ追加・バナー差し替え・フォーム設置・テンプレートを使ったLP制作など、作業範囲が募集文の時点で具体的な小さめの案件から応募します。応募は週2〜3件のペースを続けると受注のリズムが生まれるとされています。
Web制作の副業で、初回相談の場で金額を答えるべきですか?
初回相談での即答は必須ではありません。ページ数・原稿の担当・納期が決まらないと金額の精度が出ないため、「◯日までに見積書でお出しします」と提出期日を添えて返すのが一般的な進め方です。期日を伝えずに濁すと相手が不安になるため、日付は必ずセットで伝えます。
フリーランスの見積り金額はどう計算しますか?
フリーランスの見積作成では、先に自分の時間単価を決め、その案件にかかる想定作業時間を掛け合わせる方式が基本の考え方とされています。案件をヒアリング・設計・デザイン・実装・修正対応・公開作業といった工程に分解し、それぞれの想定時間に単価を掛けて合計します。
値引きを求められたとき、どう対応するのが正しいですか?
対応は2つです。作業範囲を減らして金額を下げるか、範囲は変えずに見積書へ「値引き」の項目を1行明示するかのどちらかです。金額を予算に合わせるために作業内容を無言で削るのは、成果物の質が曖昧になるため避けるべき対応とされています。
会社員がWeb制作の副業を始める前に確認することは?
勤務先の就業規則の確認が必要です。副業を全面禁止している企業や、事前届出を義務付けている企業があります。また副業の所得(収入から経費を引いた額)が年20万円以上になると、本業の年末調整とは別に確定申告が必要になります。
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