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年末年始の案件空白、1月分を今から埋める打診術

2026年10月29日|いろは堂副業編集部
木目の机に開いたノートパソコンとペン、黒い手帳を俯瞰で撮影した写真

画像出典: ぱくたそ

この記事の要点
年末年始は発注担当者が休みに入り、12月後半から1月上旬は新規発注の意思決定が止まりやすくなります。空白を防ぐ鍵は新規営業ではなく、すでに取引のあるクライアントへ年内のうちに「1月分の予定」を聞いておくことです。11月下旬から12月中旬が打診のタイミングで、必要なのは短い確認メール1通です。
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12月に入ってから、新しい案件の募集が急に減った気がする……。1月の収入どうなるんだろう。

年末年始は、仕事そのものが減るというより発注する側の意思決定が止まる時期です。2026年末の多くの企業の仕事納めは12月28日(月)、翌2027年の仕事始めは1月4日(月)。官公庁は12月29日から1月3日までの6日間が休みになります。この前後は担当者が休暇に入り、稟議も決裁も進みません。

そして12月中旬以降は「年内の予算消化」と「年明けの体制確定」が同時に動きます。つまり1月分の仕事が決まるのは、1月ではなく12月のうち。ここを逃すと、1月第2週まで何も動かない空白期間ができます。

防ぐ方法は、新しい応募先を探すことではありません。すでに取引のあるクライアントに、年内のうちに一言聞いておくことです。

なぜ年末年始に案件の空白が生まれるのか?

フリーランスのWebライターやデザイナーが年明けに手が空く原因は、だいたい次の流れで起きます。発注担当者が12月下旬に休暇へ入り、年内に決めきれなかった案件が1月に持ち越される。年が明けても、担当者は1月4日から溜まった社内業務の処理に入るため、外注への連絡は後回しになる。結果、こちらに依頼が届くのは1月中旬以降になります。

ここで痛いのは、その空白が報酬の空白として跳ね返るのは2月以降だという点です。月末締め翌月末払いの契約なら、1月に手が空いた分は2月末の入金に穴が開きます。しかも年明けは、2026年分の確定申告の準備も重なる時期です。所得税の通常の受付は2027年2月16日(火)から3月15日(月)まで、還付申告だけは2027年1月1日から提出できます。帳簿の整理をしながら新規営業もするのは、正直かなりきついです。

🤔
じゃあ12月に入ってから動けばいいのかな。

12月に入ってからだと、相手がすでに年末進行に飲み込まれています。問い合わせても「年明けに改めて」と返されやすく、その「年明け」がまさに空白の正体です。動くのは11月下旬から12月中旬まで、担当者がまだ落ち着いているうちが現実的です。

年末年始の空白を防ぐ手順は?

やることは4ステップです。新規開拓ではなく、既存クライアントの棚卸しから始めます。

  1. 取引先を書き出して並べる過去1年に1回でも受注したクライアントを全部リストにします。継続中・単発で終わった先・連絡が途切れた先の3つに分けます。
  2. 継続中の先に1月分の予定を聞くいま毎月発注がある先に、1月の本数・スケジュールを年内に確定させてもらいます。最優先です。
  3. 単発で終わった先に再提案する一度納品して評価が悪くなかった先へ、1月に向けた提案を1つ添えて連絡します。
  4. 受注枠を数字で埋めていく1月に稼働できる日数と必要な売上を出し、確保できた分と足りない分を見える形にします。

1月の必要額はどう計算する?

先に数字を決めておくと、打診の優先順位が決まります。たとえば1月の目標売上を20万円、クラウドソーシング経由の仕事が中心なら、報酬からシステム利用料が差し引かれる点を先に織り込みます。計算の順番は「契約金額 → 各サービスのシステム利用料を差し引く → 振込手数料を差し引く → 源泉徴収がある契約ならその分も差し引く」で、手元に残る金額はこの順に目減りします。利用料率はサービスや契約形態によって異なるので、自分が使っているサービスの料率表で確認してください。

直接契約なら利用料はかかりませんが、源泉徴収の有無と振込手数料の負担がどちらにあるかが契約ごとに違います。手取りで比較しないと、単価が高い案件のほうが手元に残らないことがあります。

既存クライアントにどう切り出せばいい?

打診の文面は短いほうが返事が来ます。長い挨拶や近況報告は不要で、聞きたいことを1つに絞ります。以下は継続中のクライアント向けの例です。

継続中のクライアントへ(年内に送る)
  • 件名:1月分のご予定の確認(◯◯の件)
  • いつもお世話になっております。◯◯です。
  • 年明け1月の制作スケジュールを組んでおりまして、1月分のご依頼の本数・納期の目安をうかがえますでしょうか。
  • 現時点で月◯本までお受けできる見込みです。確定でなくても、おおよそのご予定で構いません。
  • また、御社が年内にご対応が難しい期間がありましたら、あわせて教えていただけると助かります。

ポイントは「確定でなくても構いません」と添えることです。相手に決裁の負担をかけないので、返信のハードルが下がります。あわせて相手の休業期間を聞いておくと、納品物の確認が止まる日程も読めます。

連絡が途切れた先への再提案は?

一度仕事をして終わった先には、聞くだけでなく具体的な提案を1つ添えると話が進みます。「お仕事ありませんか」だけでは、相手は何を判断していいかわかりません。

単発で終わった先へ(提案を1つ添える)
  • 件名:1月のご提案(◯◯の記事について)
  • ◯月に◯◯の記事を担当させていただいた◯◯です。
  • その後、御社のサイトを拝見して、◯◯のテーマがまだ手薄に見えました。1月であれば月◯本ほどお手伝いできます。
  • ご興味がありましたら、構成案を1本分だけ先にお送りします。

「構成案を1本だけ先に送る」のように相手の負担がゼロで始められる入口を置くと、返事が来やすくなります。ただし無償作業を何本も重ねるのは別の話なので、先出しは1本までと決めておきます。

打診した内容はどう残しておく?

年末年始を挟むやり取りは、担当者の記憶も自分の記憶も曖昧になります。口頭やチャットの流れで決まった話は、必ず文字で残しておきます。契約時に最低限そろえておきたいのは、業務内容・報酬・支払い条件・納期の4点です。発注書がなくても、メッセージ履歴に残っていれば後から確認できます。

年末に打診した段階では金額が決まらないこともあります。その場合でも「1月に◯本を予定」「単価は従来どおり」程度は文字にしておくと、年明けに条件がずれたときに話し戻しができます。

この方法が効きにくいケースもあります

取引実績がまだ1件もない場合、この手順はそのままでは使えません。その場合は年末に新規の応募を続けつつ、1件目を納品して評価をもらうところを先に目指すほうが近道です。また、クライアント側が年度予算で動いている場合、1月分の枠は12月に聞いても「4月からの分しか動かせない」と返ることがあります。相手の会計年度を一度確認しておくと、打診の時期を合わせられます。

クラウドソーシング中心の場合はどうする?

クラウドソーシング経由が主な収入源なら、年末年始は募集自体が落ち着きます。ランサーズは2008年、クラウドワークスは2011年に始まったサービスで、第三者の集計では2026年時点の掲載案件数はランサーズが約19,500件、クラウドワークスが約10,000件規模とされています。母数が違うので、普段1つしか使っていないなら、年末前にもう1つ登録しておくと選べる範囲が広がります。

そのうえで、サービス側の年末年始の運営体制は公式のお知らせで事前に確認してください。サポート対応や検収・出金のタイミングが通常と変わる場合があり、1月の入金予定がずれることがあります。

継続案件を増やす方向では、単発の仕事の中で次の依頼が自然に生まれる状態を作るのが近道だとされています。納品物の質はもちろん、連絡の早さや、次に何ができるかを納品時に一言添える工夫が継続率を左右します。年末の納品時は、ここに「1月もお手伝いできます」を添えるだけで打診になります。

年明けに案件が戻らなかったときの備えは?

打診しても1月分が埋まりきらないことはあります。その場合に備えて、空いた時間の使い道を先に決めておくと、焦って安い案件を受けずに済みます。

1月に枠が余ったときにやること
  • 確定申告の帳簿整理を前倒しする(還付申告なら1月1日から提出できる)
  • ポートフォリオに直近の納品物を追加する
  • これまで断っていたジャンルの提案文を1本作っておく
  • 取引条件を見直し、来期の単価交渉の材料をまとめる

生成AIの普及で、量産型の低単価案件は置き換えが進む一方、専門性のある記事や取材・編集を伴う仕事の需要は増しているとされています。空いた時間を単価の低い仕事で埋めるより、次の単価帯へ移る準備に回すほうが、年明け以降の効きがよくなります。

年末年始の空白は、毎年ほぼ同じ時期に、同じ理由で起きます。裏を返せば、来年以降も同じ手順で防げるということです。まずは取引先リストを開いて、継続中の1社にメールを1通送るところからで十分です。

よくある質問

既存クライアントへの1月分の打診は、いつ送るのがいいですか?

11月下旬から12月中旬が現実的です。2026年末の多くの企業の仕事納めは12月28日(月)で、12月に入ると担当者が年末進行に入り「年明けに改めて」と返されやすくなります。相手がまだ落ち着いているうちに送ると、年内に1月分の予定を確定してもらいやすくなります。

打診のメールには何を書けばいいですか?

聞きたいことを1つに絞り、1月の依頼本数と納期の目安をたずねます。そのうえで自分が受けられる本数を数字で添え、「確定でなくても、おおよその予定で構いません」と書き添えます。相手に決裁の負担をかけない形にすると返信が来やすくなります。

2026年末から2027年始の官公庁の休みはいつですか?

官公庁の年末年始の閉庁期間は12月29日から1月3日までの6日間です。2027年の仕事始めは1月4日(月)。銀行・郵便局・役所の窓口業務も概ね同じ期間が休業となるため、この期間に振込や手続きが必要な予定は前後にずらしておく必要があります。

1月に案件が埋まらなかった場合、何をすべきですか?

焦って低単価の案件を受ける前に、確定申告の帳簿整理、ポートフォリオの更新、新しいジャンル向けの提案文の作成に時間を充てるのが有効です。2026年分の確定申告は2027年2月16日から3月15日が通常の受付期間で、還付申告のみ2027年1月1日から提出できます。

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