いろは堂副業 ← 戻る

副業疲れと本業の両立、休み方とは?

2026年8月2日|いろは堂副業編集部
室内でノートパソコンに向かいながら片手で口元を覆いあくびをする男性

画像出典: ぱくたそ

この記事の要点
副業をする正社員の副業時間は1カ月あたり平均23.0時間、本業の残業と合わせて月45時間を超える過重労働状態の人は全体の3割にのぼります(パーソル総合研究所・2025年10月発表)。疲れが抜けないときは作業を減らす前にまず休息を取ることが回復の近道で、バーンアウトを乗り越えた人の最多の方法も「休息を取った」(53.8%)でした。まず自分の月あたり副業時間を数え、連休を先に確保してから作業量を決め直す順番が現実的です。
😮‍💨
副業、始めたときはあんなにやる気があったのに。最近は本業から帰ってPCを開くだけで気が重い…

やめたいわけではないのに手が動かない。この状態は、意志の弱さではなく作業時間の総量から説明がつくことがほとんどです。

パーソル総合研究所が2025年10月28日に発表した「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」によれば、副業を行う正社員の1カ月あたりの副業時間は平均23.0時間。そして本業の残業と副業の合計が月45時間を超える過重労働状態の人が全体の3割に達し、過去最高水準になっています。しかもそのうち半数は会社に申告していない「隠れ過重労働」です。

正直なところ、疲れているときに読む記事として「頑張りましょう」は役に立ちません。ここでは、いま自分がどれくらい積んでいるのかを数え、休みを先に確保し、そのうえで作業量を決め直すという順番を具体的に置いていきます。

副業で疲れる原因は何なのか?

疲れの原因を「気持ちの問題」に置くと打つ手がなくなります。まずは切り分けます。

先ほどの調査で示された月45時間という線は、本業の残業と副業を足した合計です。副業だけで月23時間なら1日あたり45分ほどですが、そこに本業の残業が月20時間乗れば、合計はあっさり43時間になります。自分の疲れは、副業単体ではなく合計時間で見ないと正体がつかめません。

もうひとつ、業務委託型の副業には構造的な負荷があります。同じ調査では、業務委託型の副業は報酬や裁量が限定的で労働法の保護が及びにくく、契約上の建て付けと実際の働き方にギャップが生じている(労働者性の問題)ことが指摘されています。納期は決まっているのに調整の余地は小さい、という状態は疲労を溜めやすい形です。

疲れの正体を切り分ける4つの質問
  • 先月、本業の残業は何時間だったか(勤怠から拾える)
  • 先月、副業に使った時間は何時間だったか(作業ログがなければ納品物の数×1本あたりの所要時間で概算)
  • その合計は45時間を超えていたか
  • 納期の変更を依頼できる相手か、それとも一方的に決まる相手か

この4つに答えると、削るべきものが「副業そのもの」なのか「特定の1案件」なのか「本業の残業」なのかが見えてきます。全部を一律に減らす必要はありません。

猛暑の時期に効率が落ちるのは気のせいか?

暑さの影響は、体感ではなく統計に出ています。厚生労働省が2026年5月に公表した確定値では、2025年の職場における熱中症の死傷者(死亡と休業4日以上の合計)は1,803人で、前年比546人・約43%増と統計開始以来最多でした。同省は2026年3月18日に「職場における熱中症防止のためのガイドライン」を作成し、5月から9月にかけて「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施しています。

気象庁も、2026年7月中旬以降は猛暑日(最高気温35℃以上)の地点数がハイペースで増え、酷暑日(最高気温40℃以上)の地点数は過去最多を記録したと発表しました。

😲
屋外の仕事の話でしょ?デスクワークの副業には関係ないんじゃ…

屋内作業でも、法令上の線引きは温度で引かれています。改正労働安全衛生規則では、WBGT値28度以上または気温31度以上の環境下で連続1時間以上・1日4時間を超える作業について、事業者に報告体制の整備と作業手順の作成が義務付けられました。「気温31度」は、エアコンを止めた自宅の作業部屋なら夏場は普通に超える数字です。

副業の作業環境は自分で決められる領域なので、ここは打ち手がはっきりしています。

  1. 作業部屋の温度を測る体感ではなく温度計で見る。31度を超えているなら、まず環境が原因の候補になる。
  2. 作業前にエアコンを先行運転する帰宅してすぐ座るのではなく、部屋が冷えるまでの15分を入浴や食事に充てる。
  3. 連続作業を1時間で区切る1時間ごとに立って水分を取る。休憩を挟むほうが、結果的に総作業時間は短くなる。
  4. 暑い日は「軽い作業」を割り当てる企画や執筆のような負荷の高い作業を涼しい時間帯に、請求書作成やファイル整理を暑い時間帯に寄せる。

お盆や連休はどう使えばいいのか?

疲れているときほど「連休にまとめて作業を進めよう」と考えがちですが、順番が逆です。

マイナビキャリアリサーチLabが2026年6月22日に発表した調査(2026年4月8日〜20日実施、20〜50代の正社員4,096名対象)では、正社員の17.3%が現在バーンアウト(燃え尽き症候群)の状態にあるとされています。そしてバーンアウトを乗り越えた方法の最多は「休息を取った」で53.8%、次いで「仕事以外の時間・活動を大切にした」35.0%、「ストレス発散に努めた」32.4%でした。回復の主役は休息であり、作業の工夫ではありません。

連休の日数は、有給の使い方で選べます。2026年のお盆を例にすると、暦の組み方は次のようになります。

4連休8月13日(木)〜16日(日)。有給なし
6連休8月11日(火・祝=山の日)〜16日(日)。8月12日(水)に有給1日
9連休8月8日(土)〜16日(日)。8月10日(月)・12日(水)に有給2日

るるぶ&more.の公表データをもとに作成

上の表のとおり、有給を2日足すだけで4連休が9連休になります。有給は取りにくいという声もありますが、厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」(2025年12月19日公表)では、2024年の年次有給休暇の取得率は66.9%で、前年の65.3%から1.6ポイント上昇し調査開始以降で過去最高、10年連続の上昇です。付与日数は1人平均18.1日、取得日数は12.1日でした。取得率は産業によって差があり、最高が「電気・ガス・熱供給・水道業」の75.2%、最低が「宿泊業,飲食サービス業」の50.7%です。

連休の中身をどう配分するか

9連休が取れたとして、9日間ずっと休むか、ずっと作業するかの二択にしないことです。休息が回復の主役である以上、先に休みを置いて、残りに作業を入れます。

  1. 最初の2〜3日は作業をしないPCを開かない日を意図的に作る。疲労が深いほど、初日はただ眠るだけで終わることが多い。
  2. 中盤に「溜まった事務」を片づける請求書、経費の記録、契約書の確認など、頭を使うが締切のない作業をここに寄せる。
  3. 終盤に1つだけ前進させるポートフォリオを1本更新する、単価交渉のメール文面を用意するなど、休み明けの自分が楽になるものを1つ選ぶ。
  4. 最終日は休みに戻す連休最終日に作業を詰めると、休み明けの疲労が連休前より重くなる。
連休で解決しないケースもあります

連休を取っても戻ってすぐ同じ状態になるなら、原因は連休の使い方ではなく平常時の作業量です。同じ調査では、現在バーンアウト状態にある人の35.1%が「勤務時間が長すぎる」ことを一因に挙げています。休みで一時的に回復しても、戻る先の負荷が同じなら結果は変わりません。その場合は次の章の「量の決め直し」が本題になります。

案件を減らさずに負荷を下げる方法はあるか?

収入を落としたくないから減らせない、という事情はよくわかる話ですが、ここは順番を分けて考えられます。減らす対象は「案件数」だけではありません。

1. 1案件あたりの所要時間を測る

負荷を語る前に、案件ごとの実時間を1カ月だけ記録します。感覚では「どれも同じくらい」と思っていた案件が、実際は2倍以上ばらついていることが珍しくありません。時給換算(報酬÷実時間)を出すと、真っ先に手放すべき案件が特定できます。

2. 修正のループを止める

疲労の多くは作業本体ではなく、往復の回数から来ます。初稿の前に構成や方向性の確認を1回挟むだけで、後工程の修正回数が減ります。契約時に修正回数の上限を明記しておくのも同じ効果があります。

3. 納期の置き方を変える

納期を相手の希望どおりに受けるのではなく、自分の稼働可能日から逆算した日付を提示します。前述のとおり業務委託型の副業では裁量が限定されやすいため、最初の交渉の場でしか調整できないことが多いのが実情です。

4. 会社への申告状態を確認する

過重労働の半数が会社に未申告という調査結果は、体調を崩したときに支えがない状態を意味します。就業規則の副業規定を確認し、申告が必要なら申告しておくほうが、長く続ける前提では安全です。

今週やる、3つだけ
  • 先月の「本業残業+副業」の合計時間を数える
  • 次の連休で、作業をしない日を最低2日カレンダーに入れる
  • 案件ごとの時給換算を出し、最下位の1件の扱いを決める
😌
全部やめなくても、数えて減らすところを決めればいいのね

副業は、始めることと同じくらい、続く形に整えることが成果に効きます。今の疲れは、量が可視化されていないまま積み上がったサインだと考えると、打つ手は見えてきます。

よくある質問

副業をしている人は月に何時間くらい働いているのですか?

パーソル総合研究所が2025年10月28日に発表した「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」によると、副業を行う正社員の1カ月あたりの副業時間は平均23.0時間です。若年層ほど副業活動時間が長い傾向があります。

本業と副業を合わせてどれくらいの時間になると危険ですか?

同調査では、本業の残業と副業の合計が月45時間を超える過重労働状態の人が全体の3割に達し、過去最高水準となっています。さらにその半数は会社に申告していない状態です。まず自分の合計時間を数えることが判断の起点になります。

燃え尽きてしまったとき、どうやって回復すればいいですか?

マイナビキャリアリサーチLabが2026年6月22日に発表した調査では、バーンアウトを乗り越えた方法の最多は「休息を取った」で53.8%、次いで「仕事以外の時間・活動を大切にした」35.0%、「ストレス発散に努めた」32.4%でした。作業の工夫より先に、休む時間そのものを確保することが回復の中心になります。

自宅での副業作業でも暑さ対策は必要ですか?

必要です。改正労働安全衛生規則では、WBGT値28度以上または気温31度以上の環境下で連続1時間以上・1日4時間を超える作業について、事業者に報告体制の整備と作業手順の作成が義務付けられました。気温31度は冷房を止めた自宅の作業部屋では夏場に超えうる水準のため、温度を測り、連続作業を1時間で区切る運用が現実的です。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。