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夏のボーナス、教育訓練給付で戻る20%と80%の違い

2026年6月13日|いろは堂副業編集部
日本の会社員のイメージ写真

画像出典: 写真: Bertievogts(CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の要点
ボーナスを副業スキルの学習に回すかどうかは、「講座代いくら」ではなく「教育訓練給付を引いた実質負担額」と「そのスキルが時給換算でいくらになりそうか」の2つで判断できます。一般教育訓練給付なら受講費用の20%(上限10万円)、専門実践教育訓練給付なら条件を満たせば最大80%が戻るため、同じ10万円でも実際に手元から出ていく額は大きく変わります。
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ボーナス、少し多めに入りそう。副業のスキルに使ってみたい気もするけど、何万円までなら妥当なんだろう…

夏のボーナスの使い道は、貯蓄と消費で埋まってしまいがちです。そこに「学びに回す」という選択肢を入れようとすると、途端に判断がしづらくなります。金額の大きさそのものより、「回収できるのか」がわからないことが迷いの正体です。

正直なところ、副業スキルへの支出は、旅行や家電と違って買った瞬間の満足がありません。だからこそ、感覚ではなく数字で線を引いておくと決めやすくなります。ここでは、実質負担額を先に出して、時給換算で回収を測る、という2段階の考え方を紹介します。

2026年夏のボーナスは増える見通し?

複数の民間シンクタンクが、2026年夏のボーナスについて前年比プラスの予測を出しています。三菱UFJリサーチ&コンサルティングは、民間企業(事業所規模5人以上)の平均支給額を43万6,140円、前年比+2.3%増と予測し、5年連続の増加を見込んでいます(2026年4月公表)。製造業は60万4,741円(+2.7%)、非製造業は40万4,394円(+2.3%)という内訳です。

予測機関夏季賞与の見通し(前年比)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+2.3%(平均43万6,140円)
第一生命経済研究所+2.5%
伊藤忠総研+2.5%
日本総研一人当たり+2.2%(支給総額+2.4%)

各社が2026年に公表した夏季賞与予測(三菱UFJリサーチ&コンサルティング第一生命経済研究所伊藤忠総研日本総研)の公表データをもとに作成

上の表のとおり、機関によって数字の置き方は違いますが、方向はそろっています。日本総研は背景として、春闘の賃上げ率5.09%という高水準による所定内給与の増加と、総じて良好な企業収益を挙げています。大手企業では過去最高水準になるとの見方もあります。一方で同社は、中東情勢による原油高が素材系産業や中小企業への下振れ圧力になり得る点もリスクとして挙げています。あくまで予測であって、自分の支給額が増える保証ではありません

それでも、前年より数万円多く入りそうだという見通しが立つなら、その差額分の使い道を先に決めておく価値はあります。増えた分は、生活費に組み込まれていないぶん、動かしやすいお金だからです。

ボーナスのうち、自己投資に回す割合の目安は?

配分の考え方には、いくつか公開されている例があります。dodaは、ボーナス30万円の場合に貯蓄15万円・旅行などの体験消費9万円・資格取得や学びなどの自己投資6万円という配分例を示しています。50万円の場合は貯蓄25万円・体験消費15万円・資産運用10万円という例もあります。別の家計メディアの例では、手取り70万円に対して貯蓄・資産形成40%、自己投資20%、経験・消費30%、自分へのご褒美10%という配分が挙げられています。

整理すると、自己投資は全体の1〜2割あたりに置かれることが多い、ということです。ボーナスが40万円台なら、4万円から8万円程度が目安になります。

先に決めておくと迷わない3つの枠
  • 生活防衛の貯蓄(動かさないお金)
  • 使い切ってよい消費(旅行・買い物)
  • 学びに回す枠(今回の主題・上限を先に決める)

年代による傾向の違いもあります。dodaによれば、20代は旅行や趣味など経験を重視した使い方が多く、30代は住宅資金・教育費・老後の備えといった長期の貯蓄や運用への関心が高まり、40〜50代は家族のための支出やローン返済、老後資金の確保が中心になります。学びの枠を確保しづらくなるのは、ライフイベントの支出が重なる年代です。だからこそ、余ったら回すのではなく、最初に上限額を決めて切り分けておくほうが確実です。

教育訓練給付金で実質負担はどこまで下がる?

ここが、費用対効果を考えるうえで最初にやるべき計算です。講座の定価をそのまま投資額と見なす必要はありません。厚生労働省・ハローワークが所管する教育訓練給付金の対象講座なら、受講費用の一部が後から戻ってきます。

一般教育訓練給付金

簿記、ITパスポート、Webデザインといった実務系の講座が多く対象になっている制度です。受講費用の20%(上限10万円)が支給されます。ボーナスから数万円〜10万円台を出す場合、金額の規模が合いやすいのはこちらです。

専門実践教育訓練給付金

より本格的な訓練が対象で、還付率が大きく変わります。

  1. 受講・修了で50%受講費用の50%(年間上限40万円)が、6か月ごとに支給されます。
  2. 資格取得+就職等で+20%修了後1年以内に資格取得等をして就職等した場合、さらに20%(年間上限16万円)が追加支給されます。
  3. 賃金が5%以上上がったら+10%2024年10月1日以降に受講を開始し、訓練の前後で賃金が5%以上上昇した場合、さらに10%(年間上限8万円)が加算されます。

この3つがすべて重なると、受講費用の実質80%が戻る計算になります。令和8年4月1日時点で3,488講座が指定対象です(厚生労働省)。ただし、いずれも条件を満たしたうえでの後払いであり、支給には雇用保険の被保険者期間などの要件があります。受講前にハローワークで対象講座かどうかと自分の受給要件を確認するのが先です。

この制度が向かないケースもあります

給付金は「受講してから、条件を満たしたあとに戻ってくる」お金です。最初に全額を立て替える必要があるため、手元資金に余裕がないと成立しません。また、指定講座に自分が学びたい分野がないこともあります。対象外の講座を選ぶなら、還付ゼロ=定価がそのまま実質負担額です。無理に制度に合わせて学ぶ分野を変えると、続かずに終わります。

そのスキルは時給換算でいくらになる?

実質負担額が出たら、次は回収側です。ここで使える目安として、副業選びでは時給換算で1,500円以上になるスキルを基準にすると時間対効果が高まり、月数万円から10万円以上の副収入を狙いやすい、という指摘があります(2026年時点の目安であり、達成を保証するものではありません)。

この数字を、自分の学びに当てはめてみます。たとえば実質負担額が4万円だったとします。時給1,500円で回収するなら、およそ27時間ぶんの稼働です。案件を受けられる状態になったあと、月に7〜8時間動けば4か月弱で戻る計算になります。「何年で元が取れるか」ではなく「何時間の稼働で戻るか」に置き換えると、現実味が一気に出ます

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時間で考えると、思ったより遠くないかも

時間換算にはもうひとつ利点があります。学んだ結果が時給1,500円に届かなそうなスキルは、この計算の時点で候補から外れます。単価が低い作業を大量にこなす前提の分野は、稼働時間が伸びるほど回収が遠のくためです。学ぶ前に、そのスキルで実際に募集されている案件の報酬と作業量をいくつか見ておくと、時給換算の見当がつきます。

副業を始める人はどれくらいいるのか

会社員の副業経験率は39.2%で、未経験者のうち7割超が副業に関心を持っているという調査があります。始める動機として多いのは「収入増」と「スキル活用」です。関心を持ちながら踏み出していない層が厚い、というのが現状の姿です。

なお、副業でAIツールを活用している人の平均月収は、非活用者の約1.84倍だったという調査結果も紹介されています。ただしこれは調査主体やサンプル数の一次情報が確認できていない数字なので、そういう見方もある、という程度に受け取っておくのが妥当です。学ぶ分野を選ぶ際に、AIツールを前提とした工程を組めるかどうかを判断材料のひとつにする、くらいの使い方が現実的でしょう。

ボーナス自己投資を決める手順

ここまでを、実際に動く順番に並べ直します。

  1. 枠の上限を決める支給額の1〜2割を目安に、学びに回す金額の上限を先に決めます。残りは貯蓄と消費に振り分け、学びの枠には手をつけない前提にします。
  2. 学ぶ分野を、案件から逆算して選ぶ講座を先に探さず、その分野の実際の募集案件を数件見て、報酬と作業量から時給換算の見当をつけます。時給1,500円に届きそうにないなら候補から外します。
  3. 給付金の対象かを確認する候補の講座が教育訓練給付の指定対象かを、ハローワークで確認します。自分が受給要件を満たしているかも同時に確認します。
  4. 実質負担額を計算する受講費用から還付見込み額を引きます。一般教育訓練給付なら20%(上限10万円)、専門実践教育訓練給付なら条件次第で最大80%です。この金額が枠の上限に収まるかを見ます。
  5. 回収に必要な稼働時間を出す実質負担額を1,500円で割り、何時間の稼働で戻るかを出します。その時間を自分が月に何時間確保できるかと突き合わせます。
  6. 最初の1案件までを日程に入れる学習の終了日ではなく、応募する日を先に決めます。ここを決めないと、学び終えたところで止まります。

参考までに、厚生労働省の令和5年度能力開発基本調査では、企業が自己啓発支援に支出した費用は労働者1人あたり平均3,000円(前年度と同額)で、自己啓発支援に費用を支出した企業は約4分の1にとどまっています。教育訓練費用を支出した企業全体でも54.6%です。会社が学びの費用を出してくれる状況は、まだ一般的とは言えません。自分の枠を自分で決める意味は、そこにあります。

独学ではなく講座にお金を出す価値はある?

費用対効果の話をすると、そもそも無料の教材で足りるのでは、という疑問が残ります。実際、多くの分野は独学で始められます。かかるのは時間だけです。

講座にお金を出す価値が出るのは、主に2つの場合です。ひとつは、独学だと何を学ぶべきか順番が組めない分野。もうひとつは、添削や実務に近い課題があることで、案件に出せる成果物が手元に残る講座です。お金を払って買っているのは知識そのものより、順番と、人に見せられる形の成果物だと考えると選びやすくなります。

向いていないケースもあります

学ぶ分野をまだ決めきれていない段階で、いきなり高額の講座に申し込むのは避けたほうが賢明です。まずは無料や低額の教材で数週間触れて、続きそうかを確かめてから枠を使っても遅くありません。ボーナスは年に2回来ますが、支払った受講料は戻りません(給付金の対象であっても、修了できなければ還付されません)。また、講座を受けただけで案件が取れるわけではないため、修了後に応募まで進む時間を確保できない人にとっては、実質負担額がそのまま損失になります。

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上限を決めて、時給換算して、応募日まで先に入れる。これならできそう

ボーナスの使い道で難しいのは、金額の判断そのものよりも、判断の基準がないことです。実質負担額と回収に必要な稼働時間、この2つを出せば、あとは自分の生活時間と突き合わせるだけになります。迷っている段階でも、給付金の対象講座を調べるところまでは無料でできます。まずはそこから確かめてみてください。

よくある質問

2026年夏のボーナスはどれくらい増える見通しですか?

三菱UFJリサーチ&コンサルティングは民間企業(事業所規模5人以上)の平均支給額を43万6,140円、前年比+2.3%増と予測しています(2026年4月公表)。第一生命経済研究所と伊藤忠総研は+2.5%、日本総研は一人当たり+2.2%を見込んでおり、いずれも5年連続の増加という見通しです。ただしこれらは予測であり、実際の支給額は企業ごとに異なります。

ボーナスのうち自己投資に回す割合の目安はどれくらいですか?

公開されている配分例では、全体の1〜2割程度が自己投資に充てられています。dodaはボーナス30万円の場合に自己投資6万円という例を示しており、別の家計メディアの例では手取り70万円に対して自己投資20%が挙げられています。ボーナスが40万円台なら4万円から8万円程度が一つの目安になります。

教育訓練給付金を使うと受講費用はいくら戻りますか?

一般教育訓練給付金は受講費用の20%(上限10万円)が支給されます。専門実践教育訓練給付金は受講・修了で50%(年間上限40万円)、修了後1年以内の資格取得等と就職等でさらに20%(年間上限16万円)、2024年10月1日以降に受講開始し訓練前後で賃金が5%以上上昇した場合にさらに10%(年間上限8万円)が加算され、条件がそろえば実質80%が戻ります。令和8年4月1日時点で3,488講座が専門実践の指定対象です。

副業スキルの費用対効果はどう計算すればよいですか?

受講費用から教育訓練給付金の還付見込み額を引いて実質負担額を出し、それを想定時給で割って何時間の稼働で回収できるかを計算します。副業では時給換算1,500円以上になるスキルを基準にすると時間対効果が高まるとされており、実質負担額4万円なら約27時間の稼働で回収できる計算になります。これは目安であり、収入を保証するものではありません。

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