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副業の単価、時給換算で決める相場の調べ方

2026年6月2日|いろは堂副業編集部
ノートPCで数値・グラフを確認する様子

画像出典: パブリックドメイン(Wikimedia Commons)

この記事の要点
副業の単価は「月額報酬÷月間稼働時間=時間単価」で自分の実質時給を出し、その数字を職種の相場と突き合わせて決めます。時給の目安はエンジニアで4,000円以上、デザイナーで2,000円以上です(2026年5月時点の目安)。クラウドソーシング経由なら手数料16.5%前後が引かれるため、提示額ではなく手取りベースで判断します。
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「見積もりをください」と言われたけど、いくらと書けばいいのか本当に分からない…

値付けは、副業を始めた人が最初にぶつかる壁です。安く出せば通りやすい気はするけれど、後から「割に合わなかった」と気づく。かといって高く出して断られるのも怖い。正直なところ、最初は誰もが手探りです。

ただ、感覚で決める必要はありません。単価は「自分の作業に何時間かかるか」と「その職種の相場はいくらか」の2つを数字にすれば、根拠のある金額として出せます。この2つを順番に作っていきます。

副業の単価は、そもそも何を決めているのか?

報酬の形には3種類あります。時給(時間単価)案件単価(納品物1件あたりいくら)、月額単価(毎月◯万円で継続稼働)です。

使い分けの一般的な考え方はこうです。仕様変更が多く作業量が読めない業務は時間単価、納品物がはっきり決まっている業務は案件単価、長期で関わる業務は月額契約。修正が何度も来そうな仕事を案件単価で受けると、直すほど自分の時給が下がっていきます。ここは契約形態の選び方の問題であって、金額の高低の話ではありません。

形態を選ぶときの目安
  • 仕様が固まっていない・修正が読めない → 時間単価
  • 成果物と範囲が明確(記事1本、バナー3点など) → 案件単価
  • 毎月決まった量を継続 → 月額単価

そして、どの形で受けても最後は同じ物差しに戻せます。それが時給換算です。

時給換算の計算式は?

計算式はとても単純です。

月額報酬(円)÷ 月間稼働時間(h)= 時間単価

たとえば月60万円の契約で月160時間稼働しているなら、60万÷160=時間単価3,750円。案件単価の仕事も同じで、3万円の案件に15時間かけたなら時給2,000円です。

ここで大事なのは、稼働時間に「作業していない時間」も入れることです。実際にキーボードを打っていた時間だけでなく、打ち合わせ、メールの往復、修正指示の読み込み、請求書の作成。これらは全部その案件のために使った時間です。純粋な制作時間だけで割ると、実態より高い時給が出てしまい、値付けを見誤ります。

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やりとりの時間まで入れたら、思っていた時給の半分くらいになった…

見積もった時給と実際の時給が大きく離れているなら、そこが値付けを見直すサインです。多くの人は制作時間だけを見積もって金額を出し、後から付随作業に食われて「割に合わない」と感じます。最初に付随時間まで含めて測っておけば、次の案件から適正な金額を提示できます。

  1. 1件やってみて記録する着手から納品完了までの全時間をメモする。打ち合わせ・修正・事務も含める。
  2. 報酬÷時間で割る実際に受け取った金額(手数料を引いた後)を、記録した時間で割る。
  3. 相場と比べる次の章の目安と突き合わせて、上げるか、時間を減らすかを決める。

相場はどうやって調べる?職種別の時給目安

調べ方は2つあります。ひとつは公開されている職種別の目安を見ること、もうひとつは自分が使う受注先で実際に募集されている金額を見ることです。

まず、公開されている職種別の目安から見ていきます。専門技術が必要かどうか、どれだけ経験が要るかで水準が分かれます。

区分時給の目安
エンジニア(専門技術・経験あり)4,000円以上
デザイナー2,000円以上
初心者向けの自動化・集計案件1,500〜2,000円程度

フリーランス向け各社の公開情報(2026年5月時点)をもとに作成

これらは経験を積んだ人が到達している水準を含むため、「自分がいきなりこの金額を取れる」という意味ではありません。始めたばかりなら下の行から入るのが自然です。上の行と下の行の差は、専門技術や経験の有無で説明されています。つまり単価を上げたいなら、値上げ交渉そのものより先に、この区分のどこに自分がいるかを動かす話になります(いずれも調査記事による目安で、個々の案件や経験年数で上下します)。

そして、この表の行は動かせます。時給1,500円のデータ集計案件から入った人が、同じ作業をPythonで自動化できるようになると、次からは自動化そのものを依頼される側に回ります。作業を速くこなす方向ではなく、扱える範囲を1つ上げる方向に進めば、時給2,000円台から4,000円台の区分は現実的な射程に入ります。これは特別な才能の話ではなく、区分が技術と経験で分かれているという事実の裏返しです。

もっと生々しい相場の調べ方

公開の目安より確実なのは、自分が応募する場所の実勢を見ることです。

相場を実地で調べる手順
  • クラウドワークス・ランサーズで、自分がやる作業のキーワードで案件検索する
  • 直近の募集10〜20件の提示額をメモする(採用済み案件も見る)
  • その作業に自分なら何時間かかるかを当てて、時給に直す
  • 「これなら受けたい」と「これは受けたくない」の境界がどこかを見る

クラウドワークスは国内シェア・取引数・ワーカー数で最大級のサービス、ランサーズは導入企業60万社以上・350種類以上の仕事を扱う大手です。どちらも実務経験が浅くても応募できる案件が並んでいるので、募集の文面と金額をそのまま相場データとして読めます。

提示額と手取りは違う — 手数料をどう織り込むか

クラウドソーシング経由で受注する場合、提示された金額がそのまま入るわけではありません。ここを計算に入れないと、時給換算が丸ごとずれます。

サービスシステム手数料
クラウドワークス報酬額に応じた段階制(10万円以下の部分20%/10万円超〜20万円以下の部分10%/20万円超の部分5%。タスク形式は一律20%)
ランサーズ一律16.5%(税込)

各社の手数料体系に関する公開情報(2026年時点)をもとに作成

上の表にある「タスク形式」とは、アンケート回答や短文入力のように、クライアントとやりとりせず誰でも受けられる小口の作業のことです。そして表からわかるのは、金額帯によって有利なサービスが入れ替わるということです。報酬額10万円以下ならランサーズのほうが手取りが多く、10万円以上になるとクラウドワークスの段階制が効いてきます。

具体的に見てみます。5万円の案件をクラウドワークスで受けると手数料20%で手取り4万円。ランサーズなら16.5%で手取り41,750円。同じ仕事でも受注先の選び方だけで1,750円変わります。その案件に20時間かけていたなら、時給にして約88円の差です。

手数料を上乗せすればいい、とは限りません

「手数料分を単価に乗せればいい」と考えたくなりますが、募集案件は予算が決まっていることが多く、相場より高い提示は単純に通りません。現実的なのは、(1) 手取りベースで下限を決めて、それを下回る案件は受けない (2) 継続してくれるクライアントとは直接契約に移行できないか相談する、の2つです。直接契約は手数料がまるごと手取りになりますが、規約上の制限や信用の担保という別の論点があるため、いきなり移行を持ちかけるのは避けたほうが無難です。

最初の価格設定で損しないための下限ライン

単価は「相場・自分のスキルレベル・クライアントの予算」の3点を踏まえて、高すぎず低すぎない水準に置くのが基本の考え方とされています。とはいえ初回は判断材料が少ないので、下限だけ先に決めておくのが現実的です。

下限の置き方として使いやすいのが最低賃金です。2025年度(令和7年度)の地域別最低賃金は全国加重平均で時給1,121円、前年から66円上がり、全都道府県で1,000円を超えました。最高は東京都1,226円、最低は高知県・宮崎県・沖縄県の1,023円です(2025年10月より順次適用)。

これは労働者を雇う場合の法定下限であって、業務委託の副業に直接適用される数字ではありません。ただ自分の住む地域の最低賃金を下回る時給で働いているなら、その仕事は少なくとも金銭面では割に合っていないという判断材料にはなります。実績づくりのために一時的に下回るのは戦略として理解できますが、それが半年続いているなら値上げか撤退かを考える時期です。

初回提示を決める4ステップ
  • その作業にかかる時間を見積もる(不安なら1.5倍にする)
  • 目標時給を決める(最初は地域の最低賃金の1.5〜2倍あたりから)
  • 見積時間 × 目標時給 = 素の金額を出す
  • クラウドソーシング経由なら手数料分(16.5〜20%)を割り戻す

たとえば「5時間かかりそう、目標時給2,000円」なら素の金額は1万円。ランサーズ経由なら1万円÷0.835=約12,000円が提示額になります。この計算を1回やっておくと、次から金額に迷う時間そのものが減ります。

その金額を、最初の1案件として実際に受けるまで

金額が決まっても、応募して選ばれなければ単価は机上の数字のままです。ここからは、決めた金額を持って最初の1件を取るところまでの手順です。

  1. 受けられる案件だけに絞るクラウドワークスかランサーズに登録し、自分が確実にできる作業のキーワードで検索する。「未経験可」「初心者歓迎」の表記と、納期が2週間以上あるものを優先する。できるか怪しい案件は最初の数件では外す。
  2. プロフィールを先に埋める応募前に、対応できる作業・使えるツール・週の稼働可能時間・返信できる時間帯を書いておく。ここが空欄だと、提案文がよくても選考から落ちる。自主制作でもいいので見せられる成果物を1つ添える。
  3. 提案文を4ブロックで書く(1) 募集文の要件を自分の言葉で言い直す(読んだ証拠になる) (2) その作業を自分がどう進めるかを3行で書く (3) 金額と納期を「◯円/◯日」と明記する(4ステップで出した金額をそのまま使う) (4) 稼働時間帯と連絡手段を書く。テンプレの使い回しは見れば分かるので、(1)と(2)は案件ごとに書き直す。
  4. 1日1〜3件、応募を続ける初期は通過率が低いのが普通なので、1件の結果で単価を下げない。10件出して反応がなければ、金額ではなく提案文の(1)(2)を先に見直す。
  5. 受注したら条件を文面で確認する着手前に、成果物の範囲・修正回数の上限・納期・支払い方法をメッセージ上で確認して残す。修正回数を決めずに始めると、案件単価の仕事は時給が際限なく下がる。
  6. 納品して時間を記録する納品後すぐ、この章の冒頭で決めた記録(着手から納品までの全時間)を集計し、手数料引き後の報酬で割る。この数字が、2件目の提示額の根拠になる。

最初の1件は、金額よりも「1周まわして自分の実時給を知る」ことが目的です。1件終えた時点で、あなたは相場記事ではなく自分の実測値を持っている状態になります。

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時給2,000円で週3時間なら、月2万円か。続けたらどこまで行くんだろう

小さく始めた副業がどう積み上がるかには、目安になるペースがあります。1ページ制作に5時間かかる初心者が週3時間の稼働なら月2万円前後というのが、よく示されるスタート地点です。そこから独学で基本スキルを固めるのに目安3ヶ月、応募を続けていくと3ヶ月目あたりで月3〜10万円規模を受注する例が紹介されています。同じ「週末に少し」でも、時給1,500円の作業が時給3,000円の作業に変われば、使う時間は同じまま手取りは倍になります。伸びるのは稼働時間ではなく単価のほうです。

初回を安く受けるなら、条件を1つ付ける

実績ゼロの段階で相場より安く受けるのは、判断としてはあり得ます。ただし何も得ずに安く受けるのは避けたいところです。安く受ける代わりに、ポートフォリオへの掲載許可をもらう2件目以降は通常単価にすることを最初に伝えておく、このどちらかは付けておきます。「初回はお試し価格で、2件目からは通常料金でお願いしています」と先に言っておけば、値上げが交渉ではなく最初からの合意になります。

この考え方が合わないケース

時給換算は、作業時間が読める仕事には有効ですが、成果で価値が決まる仕事には向きません。たとえば1時間で書いたキャッチコピーが売上を大きく動かすなら、時給で測るのは自分を安く見積もることになります。また、ごく短時間で終わるタスク形式の仕事は最低賃金換算だと成立しにくく、まとめて数をこなす前提で見るべきものです。時給換算は「損をしていないか」を確かめる物差しであって、上限を決める道具ではないと考えてください。

税金と会社のルールも単価に関わる

手取りを左右するのは手数料だけではありません。値付けの前に、制度面で2つだけ押さえておきます。

ひとつは確定申告です。会社員の場合、給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になります。判定されるのは売上ではなく、必要経費を引いた後の利益額です。つまり受け取った報酬から、機材費・通信費・書籍代などその仕事のために使った費用を引いた金額で見ます。経費として計上するにはレシートや明細が要るので、副業を始めた日から領収書は残しておくのが安全です。

もうひとつは勤務先の副業規定です。副業を禁止・許可制にしている会社は今もあり、規定に反すると単価どころの話ではなくなります。就業規則を先に確認し、届出が必要なら出しておきます。なお業務委託で受ける副業は雇用ではないため、原則として勤務先の社会保険がそのまま続きます(別の会社に雇用される形で働く場合は加入条件の判定が変わることがあります)。

この2つを踏まえると、単価を考えるときに見るべきは「提示額」ではなく「手数料と税を引いた後に残る金額」ということになります。年間20万円のラインが近づいてきたら、申告の手間も含めて割に合う仕事かを一度考え直す価値があります。

単価を上げていく順番は?

値上げは「お願い」ではなく、材料を揃えてから提示するものです。順番としてはこうなります。

  1. 実績を数字で持つ納品件数、対応した業務範囲、継続期間。数えられる形にしておく。
  2. 新規案件から新単価で出す既存クライアントへの値上げ交渉より、新規に高い単価で提示するほうが心理的にも実務的にも簡単。
  3. 通った単価を基準にする新規で通った金額が、あなたの現在の相場。既存の値上げはその後で。
  4. 範囲を広げて単価を上げる「編集だけ」から「構成+編集」へ。作業を増やすのではなく、担当領域を上げる。

ここまでの流れをまとめると、やることは3つだけです。1件やって全時間を記録する、報酬(手数料引き後)を時間で割る、その数字を相場と下限ラインに突き合わせる。これを最初の数件でやっておけば、値付けは感覚ではなく計算で出せるようになります。そして計算で出せるようになった人から、次の区分へ移っていきます。

よくある質問

副業の時給はどう計算しますか?

「月額報酬(円)÷ 月間稼働時間(h)= 時間単価」で計算します。たとえば月60万円で月160時間稼働なら時間単価は3,750円です。案件単価の仕事も同じで、受け取った報酬をその案件にかけた総時間で割ります。稼働時間には制作時間だけでなく、打ち合わせ・メールのやりとり・修正対応・請求書作成といった付随作業もすべて含めます。

副業の単価が相場より安すぎるかを判断する基準はありますか?

自分の住む地域の最低賃金が一つの目安になります。2025年度の地域別最低賃金は全国加重平均で時給1,121円、最高が東京都1,226円、最低が高知県・宮崎県・沖縄県の1,023円です。業務委託にこの法定下限が直接適用されるわけではありませんが、これを下回る時給が続いているなら値上げか撤退を検討する材料になります。

クラウドソーシングの手数料はいくら引かれますか?

クラウドワークスは報酬額に応じた段階制で、10万円以下の部分が20%、10万円超〜20万円以下の部分が10%、20万円超の部分が5%です(アンケート回答などクライアントとやりとりせず受けられる小口作業=タスク形式は一律20%)。ランサーズは一律16.5%(税込)です。報酬額が10万円以下ならランサーズ、10万円以上ならクラウドワークスのほうが手取りは多くなります。単価を考えるときは提示額ではなく、手数料を引いた後の手取り額で計算します。

副業の収入がいくらを超えると確定申告が必要ですか?

会社員の場合、給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になります。判定に使うのは売上そのものではなく、必要経費を引いた後の利益額です。機材費や通信費など仕事のために使った費用は経費にできるため、レシートや明細は副業開始時から保管しておきます。あわせて、勤務先の就業規則で副業が許可制になっていないかも先に確認しておくと安全です。

未経験で副業を始める場合、最初の単価はどのくらいが目安ですか?

職種によりますが、データ入力の自動化や簡単な集計レポート作成といった初心者向けのプログラミング案件では時給1,500〜2,000円程度が相場とされています。デザイナーは時給2,000円以上、専門技術を要するエンジニアは時給4,000円以上が目安です(いずれも2026年5月時点の調査記事による目安で、経験や案件内容によって上下します)。最初は下の水準から入り、実績を積んでから新規案件で高い単価を提示していくのが現実的な進め方です。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。