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副業のタスク管理ツール比較、納期が重なる人の選び方

2026年10月31日|いろは堂副業編集部
木目机に置かれたノートパソコンでZoom会議中の画面を正面から撮影

画像出典: 写真: Project Kei(CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の要点
副業のタスク管理ツールは「案件数」と「クライアントと進行を共有するか」の2点で決まります。案件3件以下なら無料プランで十分で、Notionは情報の一元化、Trelloは案件別の視覚管理、Backlogはクライアントとの進行共有、Todoistは締切だけの管理に向きます。個人向けの有料プランは月1,000円前後から数千円の水準で、Backlogのように月2,700円以上の統合型もあるため、まず無料プランで1週間試してから有料化を判断するのが確実です。
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案件が3つ重なった瞬間に、どれがいつまでだったか頭から抜けるんです。ツールを入れるべき?

副業は案件が増えるほど、作業そのものより「どれを先にやるか」の判断に時間を取られます。カレンダーとメモとチャットに情報が散っていると、締切を思い出すだけで数分かかる。これは記憶力の問題ではなく、置き場所が決まっていないことによるものです。

正直なところ、ツールを入れただけで解決することはありません。ただ、自分の案件の持ち方に合った置き場所を1つ決めると、判断の迷いはかなり減ります。この見極めの基準を、料金と機能の事実から順に組み立てていきます。

そもそも副業で「時間管理」が必要なのはなぜ?

納期管理の話の前に、前提を1つ合わせておきます。会社員として給与をもらいながら、別の勤務先でも雇われて働く形(いわゆる掛け持ちのアルバイト等)の場合、労働時間は制度上も管理対象になります。厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は2020年9月に改定され、法定外労働時間の合計が単月100時間未満・複数月平均80時間以内となるよう、複数の事業場が連携する「簡便な労働時間管理」のモデルを示しています。

一方、業務委託で案件を受ける形(Webライター・動画編集・Web制作など)は、この労働時間の合算ルールの直接の対象ではありません。ここから先は主にこちらの働き方を想定して進めます。ただし働きすぎの防止という目的は、雇用でも業務委託でも変わりません。稼働時間が見えていない状態は、本業の体調にも納期の精度にも効いてきます。

つまりタスク管理ツールの選定は、単なる効率化の話ではありません。「いつまでに何を」と「自分は今月どれだけ動いたか」の両方を見えるようにする作業です。ここを分けて考えると、選ぶ基準がはっきりします。

副業がまだゼロの人は、どこから始める?

すでに案件を抱えている人は次の章から読んでも大丈夫です。ここは「これから副業を始める」「まだ受注が1件もない」段階の人向けに、最初の1案件までの道筋を置きます。

  1. 売るものを1つに決める記事を書く・動画を編集する・バナーを作る。本業や趣味で人よりできることを1つだけ選びます。複数並べると、依頼する側から何を頼めるのか分からなくなります。
  2. 本業の副業規定を確認する就業規則で副業の可否と条件を見ます。2022年度のガイドライン改定で、企業には副業・兼業の許容状況や条件を開示することが推奨されるようになりました。公開されていれば採用情報や社内規程から確認できます。
  3. 見せられるものを2〜3点つくる実績がない段階では、自主制作で構いません。「こういう品質で納品します」と示せる現物があるかどうかで、返信率が変わります。
  4. クラウドソーシングで小さく1件受ける最初は単価より完了を優先します。1件やり切ると、自分の作業時間の相場が分かります。
  5. その1件目から記録を始める案件名・納品日・着手日・作業時間をメモします。2件目が来たときに、受けられるかどうかを感覚でなく時間で判断できます。

ここで言う記録は、専用ツールでなくても始められます。無料プランで十分な範囲なので、1件目の時点でNotionやTodoistの無料プランに案件を入れ始めると、そのまま3件目・4件目まで同じ場所で回せます。

選ぶ前に決める2つのこと

ツールの機能一覧を眺めても決まりません。先に自分の側の条件を2つ決めてください。この2つで候補はほぼ絞れます。

決めておく2点
  • 同時に抱える案件数:3件以下か、それ以上か
  • クライアントに進行を見せるか:自分だけが見るのか、取引先と同じ画面で状況を共有したいのか

案件数については、3件以下のうちは無料プランで十分という整理が一般に示されています。それ以上に増え、請求書の発行や稼働時間の記録まで1か所にまとめたくなった段階で、有料の統合ツールへの移行を検討するという順番です。

共有の有無は、もっと効きます。自分だけが見るなら操作の速さが最優先でよく、取引先と同じ画面を見るなら「相手が説明なしで使えるか」が最優先になります。ここを混ぜると、自分には快適だが相手が触れないツールを選んでしまいます。

主要4ツールの料金と特徴は?

候補として挙がりやすい4つを、無料プランの範囲・有料の最安・特徴の3点で並べます。

ツール無料プラン有料プラン最安特徴
Notion0円(個人利用は無料で完結、ブロック数制限なし)Plus 1,650円/月ページ・DB・カレンダーを自由に組み合わせる高カスタマイズ性。知識管理と一体化したい人向け
Trello無制限カード、ワークスペース最大10ボード、月250コマンドStandard 月額$5(年払い)/$6(月払い)カンバンボードで視覚的に進行管理。案件別ボード分けに強い
Backlog無料プランあり(詳細機能制限)スターター 月額2,700円(30ユーザー・5プロジェクト・1GB)課題管理・バーンダウンチャート・Git連携。クライアントとの進行共有に強い日本製ツール
Todoist無料プランあり(タスク数等に制限)Pro 月額¥894/年額¥8,064(2025年12月改定後)シンプルなタスク・締切管理に特化。複数クライアントの締切だけ一元管理したい人向け

各社公式サイト(編集部まとめ)の公表データをもとに作成(2026年時点の各社公式料金ページより)

上の表から、どれをどんな人に薦めるかをはっきり書きます。案件の資料・取材メモ・納品物の履歴まで1か所に置きたい人はNotion。記事の構成案やクライアント情報をページとして持てるので、タスクと資料を行き来せずに済みます。個人利用なら0円のまま運用できるのが大きい。

案件ごとに「依頼中→作業中→確認待ち→納品済み」を目で追いたい人はTrelloです。クライアント別にボードを分け、カードをドラッグして動かすだけ。無料プランはワークスペースあたり最大10ボードなので、同時進行が10案件を超えない限り課金の必要は出てきません。

取引先と同じ画面で進行を共有したい人はBacklog。課題単位で状況を残せて日本語のインターフェースなので、相手に使い方を長々と説明せずに済みます。ただし有料はスタータープランで月額2,700円から始まり、上位のスタンダードは月額16,000円、プレミアムは月額27,000円、プラチナは月額75,000円と、チーム利用を前提にした水準に上がります。個人の副業では固定費の判断が必要です。

締切だけを一列で見たい人はTodoist。期限とリマインダーに特化していて、プロジェクト横断の進行管理機能は薄い。逆に言えば「納期を忘れないこと」だけが課題なら、これ以上の機能は迷いの元になります。

Backlogの料金は2027年に変わる予定

1点だけ、先の予定を押さえておく価値があります。Backlogは2027年1月1日から新プラン体系へ移行する予定で、エコノミー月額21,000円、ビジネス月額36,300円、プロフェッショナル月額100,000円という体系が示されています。既存ユーザーへの移行の扱いは要確認です。長く使う前提で有料プランを選ぶなら、ここは契約前に見ておくところです。

自分はどのパターン?4つの持ち方で見分ける

機能名で比べると決まらないので、年末に案件が重なったときの「持ち方」で分けます。自分が自然にやっている形に近いものを選んでください。

  1. クライアント別に分けて考えるA社の案件とB社の案件を頭の中で別の箱に入れている人。ボードを分けるTrello型が合います。
  2. 全案件を横断して締切順に見たいどの会社の仕事かより「次に何の締切が来るか」で動く人。一元データベースにしてフィルタ・ソートするNotion型。
  3. 相手と状況を共有したい「あれどうなりましたか」の確認連絡を減らしたい人。課題単位で共有するBacklog型。
  4. 締切だけ見えればいい作業内容は覚えていて、日付だけが抜ける人。Todoist型でリストと通知に絞る。

2つ以上当てはまる場合は、案件数が少ないほうを優先してください。管理の仕組みは、案件が増えたときに崩れなければ十分です。先に重い体制を組むと、運用そのものが面倒になって使わなくなります。

今日からの始め方:最初の1週間でやること

比較しただけで終わらせないために、手順を具体にします。どれを選んでも共通で効くやり方です。

  1. 無料プランで1つだけ登録する候補を2つ試すと比較に時間を使って終わります。表を見て近いと思った1つに決めて、無料プランで始めます。
  2. 今抱えている案件を全部書き出す進行中・依頼待ち・返事待ちを区別せず、まず全部入れる。ここで漏れると以後ずっと漏れます。
  3. 各案件に「納品日」と「自分の着手日」を入れる納品日だけでは動けません。何日から取りかかるかを自分で決めて日付にします。
  4. 稼働時間を記録する欄を1つ足す案件ごとに作業した時間をメモします。単価の妥当性を後から検証する材料になります。
  5. 1週間後に、使わなかった機能を消す残った形がその人の管理体制です。使っていない項目は迷いの元なので削ります。
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記録しておくと、何かいいことがあるんですか?

稼働時間の記録は面倒に見えますが、ここが後で一番効きます。たとえば1本2時間で書いていた記事が、構成テンプレートを使い回して1時間半に縮んだと記録から分かれば、同じ稼働時間で受けられる本数が増えます。月8本で回していた人が10本に届く、という形の伸びです。

単価の見直しにも使えます。報酬と作業時間が残っていれば「この案件は時間あたりで見ると他の半分」と数字で言えるので、条件の相談も感覚の話になりません。空いた枠を単価の高い案件に差し替えていけば、稼働時間を増やさずに収入を上げる余地が出てきます。

ツールを入れないほうがいい場合もあります

同時に抱える案件が1〜2件なら、カレンダーに納品日を入れるだけで足ります。ツールの入力が増える分、かえって手間になることがあります。また、クライアントが指定する管理ツールがある場合は、自分用のツールと二重管理になります。その場合は自分側を「締切の一覧」だけに絞り、進行の詳細は相手の指定ツールに残すほうが破綻しません。

有料プランも、固定費である点は忘れないでください。Backlogのスターターは月額2,700円で、副業の収益が立ち上がる前には重く感じる水準です。無料プランで回らないと確認できてから払うのが順番です。

有料に切り替える判断ラインはどこ?

無料から有料へ移るきっかけは、機能への憧れではなく運用上の詰まりです。具体的には、無料プランの制限に実際にぶつかったときです。TrelloならワークスペースあたりのボードがFreeで最大10という上限があるため、同時進行の案件がこれを超えたら検討の時期になります。

もう1つは、請求書の発行や稼働時間の記録まで1か所にまとめたくなったときです。案件が3件を超えて管理対象が増えると、ツールをまたぐ手間が課金額を上回ることがあります。この順番で考えれば、使う前から払いすぎることはありません。

個人で使う分には、Notion Plusが月額1,650円、Trello Standardが1ユーザー月額$5(年払い)、Todoist Proが月額894円と、月1,000円前後から数千円で収まる選択肢がそろっています。一方でBacklogのようにチーム利用を前提とした統合型は上位プランで万単位になるため、判断は金額の高低ではなく「無料で回らない理由が言えるか」で決めるのが実務的です。理由が言えないうちは、無料のまま運用を整えるほうが得られるものが大きい。

まずは今抱えている案件を1か所に書き出すところから。1件しかない人も、その1件から始めれば十分です。それだけで、次にどの機能が足りないかが自分の言葉で言えるようになります。

よくある質問

副業のタスク管理は無料プランだけで足りますか?

同時に抱える案件が3件以下のうちは無料プランで十分という目安が一般に示されています。Notionは個人利用なら0円でブロック数の制限なく使え、Trelloの無料プランも無制限カードとワークスペースあたり最大10ボードまで使えます。請求書発行や稼働時間の記録まで一元化したくなった段階で有料を検討する順番が無理のない進め方です。

NotionとTrelloはどちらが副業向きですか?

案件の資料やメモまで1か所に集めたいならNotion、案件ごとの進行状況を視覚的に追いたいならTrelloが向きます。Notionはページ・データベース・カレンダーを自由に組み合わせられる高カスタマイズ性が特徴で、Trelloはカンバンボード形式でクライアント別にボードを分けて管理するスタイルに強みがあります。情報の集約を重視するか、進行の可視化を重視するかで選び分けます。

クライアントと進行状況を共有したい場合はどのツールですか?

日本製のBacklogが課題単位での進行共有に向いています。作業の残り具合をグラフで示すバーンダウンチャートや、プログラムの変更履歴を管理する仕組み(Git)との連携といった進行管理機能を備え、日本語インターフェースのため取引先への説明の手間が少なくて済みます。有料はスタータープラン月額2,700円(30ユーザー・5プロジェクト・1GBストレージ)からで、2027年1月1日に新プラン体系へ移行する予定が示されています。

副業でも労働時間の管理は必要ですか?

本業と副業の両方で雇われて働く場合は、厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」にもとづき労働時間の管理対象になります。同ガイドラインは2020年9月の改定で、法定外労働時間の合計が単月100時間未満・複数月平均80時間以内となるよう複数の事業場が連携する「簡便な労働時間管理」のモデルを示しました。業務委託で案件を受ける形はこの合算ルールの直接の対象ではありませんが、稼働時間の記録は納期管理と健康管理の両面で役に立ちます。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。