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青色申告と白色申告の違いとは?副業ならどっち

2026年6月30日|いろは堂副業編集部
整理されたデスクのノートPC

画像出典: パブリックドメイン(Wikimedia Commons)

この記事の要点
青色申告には最大65万円の特別控除があり、白色申告にはこの控除がありません。ただし65万円控除を受けるには複式簿記での記帳と、e-Tax(国税庁が運営する、確定申告をインターネットで行える国の電子申告システム)での提出、または電子帳簿保存が必要です。副業所得が数万円程度なら白色のまま、継続的に所得が増えて会計ソフト導入の手間が見合う規模になったら青色への切り替えを検討する、という順序で考えると迷いにくくなります。
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副業の確定申告、青色のほうが得らしいけど…そんなに違うものなの?白色のままだとまずい?

確定申告の書類を前にして手が止まる場面はよくあります。青色申告という言葉は聞いたことがあっても、白色と何がどう違うのか、自分の副業の規模で切り替える意味があるのかまでは、なかなか調べる機会がありません。

結論から言うと、両者のいちばん大きな違いは「青色申告特別控除があるかないか」です。そしてこの控除を最大額で受けるには、それ相応の帳簿づけが求められます。得か損かは、控除で減る税金と、記帳にかける手間のつり合いで決まります。

青色申告と白色申告は何が違う?

まず前提をそろえます。青色申告も白色申告も、確定申告のやり方の種類です。どちらを選んでも、副業で得た所得を申告して税金を納めるという目的は同じです。違うのは、税金を計算するときに使える特典と、そのために求められる帳簿のレベルです。

白色申告青色申告
特別控除なし65万円 / 55万円 / 10万円
帳簿簡易な帳簿(単式簿記)65万円・55万円は複式簿記/10万円は単式簿記でも可
事前の申請不要青色申告承認申請書の提出が必要

国税庁 No.2072 青色申告特別控除の公表内容をもとに作成

上の表のいちばん上の行が、両者の差がはっきり出るところです。白色申告には、青色申告のような特別控除がありません。一方の青色申告には、65万円・55万円・10万円の3種類の青色申告特別控除が用意されています(国税庁 No.2072)。特別控除とは、所得からその金額を差し引ける仕組みのことで、差し引いた後の金額に税率がかかります。つまり控除額が大きいほど、納める税金は小さくなります。

ここで押さえておきたいのは、青色申告は「選べば自動でついてくる」ものではないという点です。事前に税務署へ青色申告承認申請書を出しておく必要があり、その年の申告シーズンになってから「やっぱり青色で」と切り替えることはできません。

そもそも申告が必要な副業をどう始める?

青色か白色かという話は、副業で実際にお金が入ってきてから意味を持ちます。まだ1件も受注していない段階なら、先に最初の1件を取るところからです。クラウドソーシングのサイト(クラウドワークス、ランサーズなど、仕事を頼みたい人と受けたい人をつなぐ場)に登録して、自分ができそうな小さい案件に応募するのが、いちばん短い道です。

  1. 売るものを1つに決める文章を書く、画像を作る、データを入力する、コードを書く。今の仕事や趣味で人より少しできることを1つだけ選びます。あれもこれもと並べると、かえって選ばれません。
  2. プロフィールを埋めるできること・使えるツール・対応できる曜日と時間帯を書きます。実績ゼロでも、何を頼めるかがはっきりしていれば依頼は来ます。
  3. 単価より「終わる仕事」を選んで応募する最初の1件は、数千円でも自分が確実に納品できる小さい案件を選びます。応募文には「何ができるか」と「いつまでに出せるか」を書けば十分です。
  4. 納品したら記録を残す入金額と、その仕事のためにかかった費用(素材代・通信費・ソフト代など)をメモしておきます。この記録がそのまま申告のもとになります。

案件を受け始めたら、報酬の振込用に口座を1つ分けておくと後がかなり楽です。生活費と混ざった口座から1年分の入出金をあとで仕分けるのは、想像よりずっと骨が折れます。最初の1件が終わって「続けられそうだ」と思えた時点から、申告の話を考え始めれば間に合います。

65万円控除を受けるには何が必要?

青色申告の3段階の控除は、満たす条件によって金額が変わります。国税庁が示している要件を、下のレベルから順に見ていきます。

  1. 10万円控除55万円・65万円の要件に当てはまらない青色申告者が対象です。単式簿記(家計簿に近い、お金の出入りを一列で記録する方式)でかまいません。
  2. 55万円控除不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んでいること、複式簿記で記帳すること、貸借対照表(年末時点の財産と借金の一覧表)と損益計算書(1年間の売上と経費、その差の利益をまとめた表)などを確定申告書に添付して期限内に提出することが要件です。
  3. 65万円控除55万円控除の要件に加えて、①仕訳帳(取引を日付順に記録する帳簿)と総勘定元帳(その記録を売上・経費などの科目ごとにまとめ直した帳簿)を電子帳簿保存する、②e-Tax(国税庁が運営する、確定申告をインターネットで行える国の電子申告システム)で確定申告書等を提出する、のどちらかを満たすと65万円になります。

複式簿記というのは、ひとつの取引を「何が増えて、何が減ったか」の二面から記録する方式です。たとえば5万円の報酬が銀行口座に入ったとき、単式簿記なら「入金5万円」と1行書けば終わりですが、複式簿記では「普通預金が5万円増えた/売上が5万円立った」という二つの記録を対にして残します。手で書くと骨が折れますが、会計ソフトを使えば入力画面は普通の入出金記録に近く、ソフト側が複式の形に変換して貸借対照表まで作ってくれます。65万円控除を狙う人が会計ソフトを前提にするのは、この作業を人力でやる意味がほとんどないからです。仕訳帳や総勘定元帳も、ソフトが入力から自動で組み立ててくれます。

65万円控除までの持ち物リスト
  • 青色申告承認申請書を事前に提出済み
  • 事業所得(または不動産所得)として申告できる副業であること
  • 複式簿記での記帳(会計ソフトで代替可)
  • 貸借対照表・損益計算書を添付して期限内に提出
  • e-Taxでの提出、または仕訳帳・総勘定元帳の電子帳簿保存
現金主義を選んでいる場合は10万円控除だけです

現金主義による所得計算の特例(お金が実際に動いたときだけを記録する方式)を選択している場合、55万円・65万円の控除は受けられず、10万円控除のみになります。売上の計上を簡単にしたいからと安易に選ぶと、控除額の面で不利になることがあります。

青色にすると税金はどのくらい変わる?

🤔
控除65万円って言われても、実際に手元に残るお金がどれくらい変わるのかピンとこないな…

金額のイメージをつかむために、公表されている試算例をひとつ挙げます。所得400万円のケースでは、控除なし(白色申告に相当)の所得税が37万2,500円、青色申告特別控除を最高額の65万円で適用すると24万2,500円となり、その差はおよそ13万円です。

ただしこれは所得400万円という、副業としてはかなり大きい規模での例です。控除の効果は「控除額 × その人に適用される税率」でおおまかに決まるため、所得が小さいうちは差額も小さくなります。所得税は超過累進課税(所得が増えるほど、増えた部分に高い税率がかかっていく方式)で、本業の給与所得と副業の所得を合算した課税所得に応じて税率が変わる仕組みなので、同じ65万円の控除でも人によって減る税額は異なります。自分のケースの正確な税率は、国税庁のタックスアンサーで最新の速算表を確認してください。

また、青色申告の特典は特別控除だけではありません。赤字を3年間繰り越せる制度、生計を一にする家族に払った給与を経費にできる青色事業専従者給与、30万円未満の資産を一括で経費にできる少額減価償却資産の特例なども、一般によく紹介されるメリットです。それぞれ細かい要件があるので、使うつもりなら国税庁の該当ページで条件を確認してから動くのが安全です。

副業の規模別、どちらを選べばいい?

ここからが実際の判断です。公的に「いくら以上なら青色」という基準が決まっているわけではないので、控除で減る税金と、記帳にかかる手間や会計ソフトの費用を並べて考えます。

所得が数万円〜赤字のうちは白色のままで困りにくい

副業を始めたばかりで、所得が数万円程度、あるいは経費のほうが多くて赤字という段階です。この規模だと、そもそも減らせる税額が小さく、開業届と青色申告承認申請書を出して複式簿記に取り組む手間に見合いません。白色申告のまま、収入と経費を記録しておくだけで実務上の不利益は出にくい段階です。

なお、給与所得者の場合、副業(給与以外)の所得が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要になります。20万円以下なら所得税の確定申告は不要という特例がありますが、この20万円ルールは住民税には適用されません。所得税の確定申告をしない場合でも、住民税の申告は市区町村へ別途必要です(副業が赤字の場合など、自治体の基準によっては不要になるケースもあります)。

所得が伸びてきて、続きそうだと感じたら青色を検討する

案件が継続して入るようになり、来年も再来年も同じくらいは稼げそうだと見通しが立ってきた段階です。ここで青色申告承認申請書を出しておくと、翌年以降の申告で控除を使えます。会計ソフトには利用料がかかるものが多いので、その年額を調べたうえで、控除で減る税額がそれを上回るなら切り替える価値があります。

タイミングの話をすると、青色申告は申告したい年が始まる前後に申請を済ませておく必要があります。提出期限は年の途中の一定期日まで、新規開業なら開業から一定期間内といった形で定められているため、自分が申請する年の期限を国税庁の案内で必ず確認してください。ここを逃すと、どれだけきちんと帳簿をつけていてもその年は青色申告できません。

本業並みに稼いでいるなら65万円控除を取りにいく

副業所得が数十万円から百万円単位になってきたら、控除の効果がはっきり金額に表れます。この規模なら複式簿記の手間をかけるだけの見返りがありますし、e-Taxでの提出は今や特別なことではありません。65万円控除まで取りにいくのが素直な選択です。

青色にしても事業所得と認められるとは限りません

55万円・65万円の控除は「事業所得(または不動産所得)を生ずべき事業を営む」ことが前提です。事業所得は継続的・反復的に事業として行っている仕事の所得、雑所得はそれに当てはまらない単発的・小規模な副収入の所得を指します。副業の実態が雑所得と判断される場合、青色申告承認申請そのものが通らない、あるいは高額の控除を使えないことがあります。事業として継続的に取り組んでいる実態があるかどうかがポイントになるため、判断に迷うときは税務署や税理士に確認してください。

今日やっておけることは?

迷っている段階でできることは、意外と少なくて具体的です。

  1. 去年の副業所得を計算してみる売上から経費を引いた金額を出します。この一つの数字が、青色にする意味があるかどうかの土台になります。まだ1件も受注していないなら、まずは小さい案件を1つ納品するところからです。
  2. 来年も続ける気があるか決める青色申告は事前申請が必要なので、判断材料は「今年いくら稼いだか」より「来年以降も続けるか」です。
  3. 続けるつもりなら申請期限を調べる国税庁のサイトで青色申告承認申請書の提出期限を確認し、カレンダーに入れておきます。書類自体は1枚で、記入項目もそう多くありません。
  4. 会計ソフトの無料期間を試す複式簿記が自分に扱えるかは、触ってみればすぐわかります。無理そうなら10万円控除から始める道もあります。

青色か白色かは、一度決めたら変えられないものではありません。白色で始めて、副業が育ったところで青色へ移る流れはごく普通です。今の規模に合ったほうを選んで、まず一度申告を通してみることのほうが先です。

なお、税制や申告要件は改正されることがあります。この記事で触れた控除額・要件・期限は執筆時点の内容をもとにしていますので、実際に手続きする前に国税庁のタックスアンサーや所轄の税務署で最新の情報を確認してください。個別の事情による判断は税理士など専門家への相談が確実です。

よくある質問

青色申告と白色申告のいちばん大きな違いは何ですか?

青色申告特別控除の有無です。白色申告にはこの控除がありませんが、青色申告には65万円・55万円・10万円の3種類の特別控除があり、所得からその金額を差し引いて税額を計算できます。ただし青色申告を行うには、事前に税務署へ青色申告承認申請書を提出する必要があります。

副業でも65万円の青色申告特別控除は受けられますか?

要件を満たせば受けられます。不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営み、複式簿記で記帳し、貸借対照表・損益計算書などを添付して期限内に申告したうえで、e-Tax(国税庁が運営する電子申告システム)で提出するか、仕訳帳と総勘定元帳を電子帳簿保存することが条件です。副業の実態が雑所得と判断される場合は対象外となります。

副業所得が20万円以下なら確定申告はしなくていいですか?

給与所得者で副業(給与以外)の所得が年間20万円以下なら、所得税の確定申告は不要という特例があります。ただしこの20万円ルールは住民税には適用されないため、所得税の確定申告をしない場合は市区町村への住民税の申告が別途必要です。

白色申告から青色申告へはいつでも切り替えられますか?

申告のときに選び直すことはできません。青色申告をしようとする年について、あらかじめ定められた期限までに青色申告承認申請書を提出しておく必要があります(新規開業の場合は別の基準が設けられています)。具体的な期日は国税庁の案内で確認してください。

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