趣味の見つけ方、2週間3つのお試しで残る条件とは?
画像出典: 写真: Shixart1985(CC BY 2.0 / Wikimedia Commons)
趣味が見つからない原因の多くは、選択肢が少ないことではなく「試す前に決めようとしている」ことです。1回あたり1時間・1000円以内の「お試し」を2週間で3つ回し、終わったあとに「また今度やりたいか」だけを記録すれば、合うものは自然に残ります。最初から続ける前提で道具を揃えないことが、いちばんの失敗回避になります。
趣味が見つからない人の多くは、選択肢を知らないわけではありません。「これをやろう」と決める段階で、続けられるか・お金がかかるか・向いているかを先に考え込んでしまい、始める前に止まっているだけです。
正直なところ、やってみないと分かりません。実用系の情報でも「やりたいことは実際に試してみないと分からない」「完璧にこなそうとせず、楽しめるかどうか試す気軽さが大切」という助言が共通して紹介されています。だったら、決めるのをやめて、試す回数のほうを設計してしまえばいい。
ここで扱うのは「おすすめの趣味30選」ではなく、何が合うか分からない状態のまま、2週間で3つ試して答えを出す仕組みです。
なぜ趣味が見つからないのか?
理由はだいたい3つに絞れます。どれも「あなたに趣味の才能がない」という話ではありません。
- 始める前に「続くかどうか」を判断しようとしている
- 最初の一歩に道具の購入や教室の申し込みが入っていて、腰が重い
- 1回やって微妙だったものを「向いていなかった」と結論づけている
とくに2つ目が効いています。カメラを趣味にしたいと思った瞬間に「まずカメラを買わないと」となる。楽器も同じです。買う判断は、始める判断よりずっと重い。だから始まりません。
順番を逆にします。まず手持ちのもので1時間だけ触ってみて、面白かったものにだけお金を出す。この順番なら、失敗しても失うのは1時間です。
「お試し設計」とは何をすること?
お試し設計は、趣味を選ぶことではなく試す枠をあらかじめカレンダーに置いておくことです。何をやるかは後で決めていいので、まず枠を作ります。
- 枠を3つ確保する今後2週間のうち、1時間ぶんの空き枠を3つ決めてカレンダーに入れます。土日の午前、平日の帰宅後など、実際に空いている時間で構いません。
- 候補を10個書き出す「やってみたい」ではなく「ちょっと気になる」レベルで10個。少しでも興味の芽があれば入れてよく、この時点で絞り込みません。
- 1回1000円以内・所要1時間に削る10個それぞれを「今の手持ちと1000円以内で、1時間だけ試すなら何をするか」に書き換えます。ここで初回に道具購入が必要なものは、体験版に置き換えます(後述)。
- 3つだけ選んで枠に入れる削った10個のうち、書き換えた時点でいちばん腰が軽く感じた3つを、確保した枠に割り当てます。悩んだら手前の枠から埋めます。
- やった直後に1行だけ記録する終わってすぐ、「また今度やりたいか」をはい・いいえ・どちらでもないの3択でメモします。感想文は不要です。
2週間で3回。これだけです。3回終わったときに「はい」が付いたものが、あなたが次に投資していい候補になります。
1時間で分かるのは上達の見込みではなく、その活動の手ざわりが自分に合うかです。手を動かすのが楽しいのか、静かに集中するのが心地よいのか、人と一緒だから続くのか。この手ざわりが合わないものは、時間を延ばしても好きになりません。逆に手ざわりが合えば、下手でも次をやりたくなります。
初回に道具がいらない入り口はどう作る?
候補を「1時間・1000円以内」へ削るときのコツは、その趣味のいちばん芯にある動作だけを取り出すことです。装備は芯ではありません。
| 気になっていること | 1時間のお試しに削ると |
|---|---|
| 料理 | レシピサイトから簡単な1品を選んで作ってみる |
| 読書 | 書店か図書館で気になった1冊を手に取って読む |
| 運動 | 動画を見ながら家で体を軽く動かしてみる |
| 写真 | スマホだけ持って、近所を30分歩いて撮る |
| 音楽 | 使っている配信サービスで、テーマを決めた10曲のプレイリストを作る |
| ボードゲーム・ゲーム | 手持ちの端末で1本、区切りのつくところまで遊ぶ |
料理・読書・運動の3つは、実用系メディアでも低コスト・低ハードルな入り口として紹介されている定番です。芯の動作に削ると、どれも「今日の夜にできること」になります。
屋外や設備が必要な系統でも同じ考え方が使えます。たとえばボウリングは1ゲーム単位で料金が決まり、天候にも左右されない屋内スポーツなので、道具を持たないまま1回だけ試せます。英語学習のように、無料アプリや動画から始めて、続きそうなら有料のオンライン英会話へ上げる、という段階のつけ方ができるものもあります。
すでに「これがやりたい」とはっきり決まっている人には遠回りです。その場合は素直に始めてください。また、初期投資がどうしても必要なもの(楽器、本格的な撮影機材など)は、1時間のお試しでは芯の楽しさまで届かないことがあります。レンタルや体験教室で1回だけ触れる形にするか、お試し期間の対象から外して、別途じっくり検討したほうが納得できます。
試したあと、続けるかはどう判断する?
3回終わったら、記録した1行だけを見ます。判断材料はこれで足ります。
- 「また今度やりたい」に、はいが付いている
- やっている最中に時間を確認しなかった
- 次に何を試すか、勝手に思いついた
3つとも当てはまるものがあれば、それが次の2週間の主役です。ここで初めて、道具や講座にお金を使う判断をします。上達したいという気持ちが自分から出てきたあとの出費は、ほとんど後悔になりません。
3つとも「いいえ」でも、失敗ではありません。合わないものが3つ確定したという結果です。候補リストにはまだ7つ残っています。次の枠を3つ取って、同じことを繰り返します。趣味探しは当てるゲームではなく、消していくゲームだと考えたほうが気持ちが楽です。
3回続かないときは何を変える?
枠を取ったのに実行できなかった、というのがいちばん多いつまずきです。このときは候補の中身ではなく、枠のほうを疑います。
- 枠の時間帯を変える疲れている時間帯に入れていた可能性があります。休日の午前など、体力が残っている時間へ移します。
- 1時間を30分に落とす1時間が重いと感じるなら、実行できる長さまで下げます。短くても実行できたほうが、判断材料は手に入ります。
- 準備を前日に済ませておくレシピを開く、本を鞄に入れる、アプリを入れておく。当日の判断を減らすほど実行率が上がります。
それでも動かないなら、その候補は「気になる」と思っていただけで、実は興味が薄かったということです。リストから外して次へ回してください。
趣味を持っている人は特別なのか?
総務省統計局は「社会生活基本調査」を5年ごとに実施し、趣味・娯楽やスポーツ、学習・自己啓発といった活動について、種類別の行動者数や行動日数を年齢・性別ごとに公表しています。データはe-Statで誰でも閲覧できます。眺めてみると分かるのは、特定の趣味に人が集中しているわけではなく、実に多様な活動に分散しているということです。
つまり、正解の趣味はありません。人気の順に試す必要もない。あなたが3回試して「また今度」と思えたものが、あなたにとっての正解です。探し方さえ持っていれば、見つかるのは時間の問題です。
最初の1枠が、すべての起点になります。何をやるかは、枠を取ってから決めれば間に合います。
よくある質問
趣味を見つけるのにどのくらい期間をみればいいですか?
まずは2週間を1サイクルと考えてください。1回1時間のお試しを3回入れ、終わるたびに「また今度やりたいか」を記録します。1サイクルで合うものが見つからなくても、合わないものが3つ確定するので、候補を入れ替えて次の2週間を回せば十分に前進しています。
お金をかけずに始められる趣味はありますか?
あります。料理はレシピサイトで簡単な1品を作る、読書は図書館や書店で気になった1冊を読む、運動は動画を見ながら家で体を軽く動かす、といった形なら初期費用はほぼかかりません。ボウリングのように1ゲーム単位で払えるものや、無料アプリから始められる英語学習のように、予算に応じて段階を上げられるものも選びやすい入り口です。
1回試して楽しくなかったら、その趣味は向いていないのでしょうか?
1回で判断するのは早すぎます。判断すべきは上手くできたかではなく「また今度やりたいと思ったか」です。下手でも次をやりたくなったなら合っている可能性が高く、逆に上手くできたのに次を思い浮かべなかったなら別の候補へ進んで構いません。
道具が必要な趣味は、どう試せばいいですか?
初回は購入せず、レンタル・体験教室・手持ちの代用品のいずれかで一度だけ触れる形にします。写真ならスマホ、音楽鑑賞なら今使っている配信サービスで代用できます。道具を買う判断は、自分から「もっとやりたい」と思えたあとに回すほうが、無駄な出費になりません。
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