いろは堂エンタメ ← 戻る

大人から楽器を始めるなら、続くのは1日20分の練習法

2026年7月15日|いろは堂エンタメ編集部
自宅でギターを練習する様子

画像出典: 写真: Shixart1985(CC BY 2.0 / Wikimedia Commons)

この記事の要点
大人から楽器を始めるなら、憧れよりも「音が出るまでの苦労が少ないか」「家で置ける・鳴らせるか」で選ぶと続きやすくなります。ウクレレ・ピアノ(電子鍵盤)・アコースティックギター・カホンはその条件を満たしやすい代表格です。練習は週1回のまとめ練習より、1日20〜30分を毎日のほうが効果的とされ、生活のどこに差し込むかを先に決めるのが要になります。
😟
前から楽器をやってみたいけど、大人から始めて続くのかな…

楽器を始めたい気持ちがあるのに踏み出せない理由は、たいてい才能ではなく「選び方」と「時間の作り方」がはっきりしていないことにあります。どれを買えばいいのか決まらず、買ったあとも練習が生活のどこにも入らないまま部屋の隅に置かれる。よくある流れです。

正直なところ、大人の楽器は「うまくなる設計」より「やめない設計」を先に作ったほうがうまくいきます。ここでは、挫折しにくい楽器の選び分けと、1日20〜30分をどこに置くかという練習時間の組み立て方を具体的に見ていきます。

大人が楽器で挫折するのはなぜ?

最初のつまずきは、多くの場合「音がまともに出ない期間」に起きます。憧れだけで選んだ楽器は、鳴らせるようになるまでの助走が長く、その間は練習しても手応えが返ってきません。「かっこいいから」という理由だけで始めると途中で挫折しやすいと指摘されているのは、この助走の長さを見積もらずに始めてしまうからです。

もうひとつは、置き場所と音の問題です。組み立てや準備に手間がかかる楽器、家族や近隣に気を遣って鳴らせない楽器は、練習のたびに小さな決断を強いられます。その小さな面倒が積み重なると、やる気とは関係なく回数が減っていきます。

つまり選ぶときに見るべきは、演奏の華やかさではなく「音が出るまでが短いか」「毎日ケースから出せるか」という現実的な条件です。ある程度のテクニックを覚えればそれなりに演奏できる楽器を選ぶことが大切、という考え方も同じところを指しています。

続けやすさを決める4つの条件
  • 最初の1音・1コードが出るまでが短い
  • 部屋に出しっぱなしにできるサイズか、すぐ出せる場所に置ける
  • 集合住宅でも音量を落とすか、ヘッドホンで練習できる
  • 最初の1本を数千円〜数万円で用意できる

初心者が選びやすい楽器は?

条件を満たしやすい代表的な楽器を、性格の違いで並べてみます。どれが優れているかではなく、自分の生活と目的にどれが噛み合うかで選ぶのが前提です。

ウクレレ弦が4本でナイロン製のため柔らかく、力が弱い人でも押さえやすい。本体も数千円〜1万円程度で良質なものが手に入り、場所を取らない。
ピアノ(鍵盤)鍵盤上に全ての音が視覚的に並んでいるため、音階・和音・転調を目で捉えやすい。音楽の仕組みごと理解したい人に向く。
アコースティックギター楽譜が読めなくても始めやすく、コード表と簡単なストロークパターンがあれば十分に楽しめる。弾き語りをしたい人の定番。
カホン箱に座って叩く打楽器。楽譜が不要で直感的に演奏でき、リズムから音楽に入りたい人に合う。

選ぶときは「弾きたい曲が思い浮かぶか」を最後の決め手にしてください。ウクレレとギターは弦を押さえる指先の痛みという最初の壁があり、鍵盤はその壁がない代わりに両手を分けて動かす練習が要ります。カホンは音を出すこと自体は最初からできる分、リズムの精度が課題になります。どの楽器にも壁はあり、位置が違うだけです。

🤔
集合住宅だと、そもそも音を出せる時間が限られるんだよね

住環境の制約は、楽器選びの優先順位を大きく変える要素です。鍵盤楽器なら電子ピアノやキーボードでヘッドホン練習ができ、ウクレレはもともと音量が控えめ。ギターも弦をミュートして小さく鳴らす練習が成り立ちます。カホンは打楽器のぶん響きやすいので、鳴らせる時間帯を先に確認しておくと安心です。

最初にそろえるものは何?

買うものを増やしすぎると、始める前に決断疲れを起こします。最初は「楽器本体」と「練習を成立させる最低限」に絞るのが現実的です。

  1. 楽器本体を決める上の4種類から、住環境と弾きたい曲で1つに絞ります。迷ったら安いほうではなく、置き場所が確保できるほうを選びます。
  2. すぐ音を合わせられる道具を用意する弦楽器ならチューナー(スマホアプリでも可)。音が合っていない状態の練習は、上達の実感を奪います。
  3. 置き場所を先に決めるスタンドや壁掛けなど、ケースから出さずに手に取れる状態を作ります。ここが続くかどうかを一番左右します。
  4. 教材を1つだけ決める初心者向けの教則本か動画コースを1つに固定します。複数を並行すると進度が見えなくなります。

練習時間はどう設計すればいい?

大人の練習で最初に決めるべきは長さではなく、1日のどこに差し込むかです。時間の合計だけを目標にすると、忙しい日に丸ごと飛び、飛んだ翌日はさらに手が伸びなくなります。

目安として、1日の練習時間の合計は40分〜1時間前後とする情報がある一方、「10分でもいいから毎日」「30分〜1時間」など情報源によって幅があり、唯一の正解はありません。一方で方向性ははっきりしていて、1週間のうち1日だけ長時間練習するより、1日20〜30分を7日間続けるほうが効果的とされています。

20〜30分の中身の分け方(一例)
  • 基礎(5〜10分): 指を動かす、コードを押さえ替える、リズムを一定に刻む
  • 課題(10〜15分): 今つまずいている数小節だけを取り出して繰り返す
  • 楽しむ(5分): 今できるところを通しで弾いて終える

最後の5分を「弾ける部分で終える」ことが地味に効きます。できないところで中断すると次に手を伸ばしにくくなるためです。練習を日常のパターン(ルーティン)に組み込むことが大切で、時間が取れない日でも基本練習だけは行い、疲れている時は能動的に休むことを選ぶ、という考え方も紹介されています。

続けるコツとして挙げられているのは、自身のライフスタイルに無理なく組み込むこと、なるべく毎日楽器に向かうこと、量より質を重視した練習を心がけることです。裏を返せば、生活の予定を楽器に合わせて組み替えようとした時点で、たいてい無理が出ます。

🤩
夜に30分って決めるより、「歯磨きの前に10分」のほうが崩れなさそう

既にある習慣の直前・直後に紐づける置き方は、時間帯だけを決めるより崩れにくくなります。帰宅して着替えた直後、風呂上がり、コーヒーを淹れている間。すでに毎日必ず起きている行動を「合図」にすると、意志で始める必要がなくなります。

独学と教室、どちらから始める?

独学は費用が抑えられ、時間も自由です。教材が豊富な楽器(ギター・ウクレレ・鍵盤)なら、最初の数ヶ月は独学でも十分に進みます。ただし、自分の音や姿勢が正しいかを判断する材料が手元にないため、癖がついてから気づくことがあります。

教室は、その判断を外から入れてもらえるのが最大の価値です。週1回でも予定として入ることで練習の締切ができ、日々の20〜30分が回りやすくなる面もあります。費用と通う手間が続くかどうかが判断軸になります。

迷うなら、まず独学で3ヶ月やってみて、続きそうなら体験レッスンで癖を見てもらうという順序が現実的です。楽器が生活に入るかどうかを先に確かめたほうが、月謝の判断もしやすくなります。

向いていないケースもあります

まとまった時間が週末しか取れず、平日はまったく楽器に触れない生活が変えられない場合、上達の実感は出にくくなります。その状態で高価な楽器から入ると、使わないことへの罪悪感だけが残りがちです。まずは数千円〜1万円台のウクレレのように、置いておくだけでも負担にならない楽器で生活に入るかを試すほうが損が小さく済みます。

また、短期間で人前で演奏したい、特定の曲を数週間で仕上げたいといった目標がある場合は、独学より最初から教室で組み立てたほうが近道です。ここで挙げた「毎日少しずつ」の設計は、期限のない趣味としての続け方を前提にしています。

3ヶ月続けるための小さな仕組み

大人の楽器は、モチベーションが下がった日をどう乗り切るかで結果が変わります。やる気に頼らない仕組みをいくつか置いておくと、波があっても戻ってこられます。

  1. 「1分だけ触る」を最低ラインにするできない日はケースから出して1音鳴らすだけで達成にします。ゼロの日を作らないことが目的です。
  2. できた日にだけ印をつけるカレンダーに印を並べると、続いている実感が目に見えます。途切れても、翌日から並べ直せば問題ありません。
  3. 月に1回だけ録音する1ヶ月前の自分と比べると、日々では気づけない変化が分かります。人に聴かせる必要はありません。
  4. 弾きたい曲を1曲決めておく基礎練習だけでは目的地が見えません。今の実力より少し上の1曲を、常に手元に置いておきます。

楽器は、始めた日より「3ヶ月後にまだ触っているか」で決まります。選ぶ段階で無理のない楽器を選び、時間を生活に紐づけておけば、その3ヶ月は思っているより自然に過ぎていきます。

よくある質問

大人から楽器を始めても上達しますか?

上達します。大人は理屈で理解して練習を組み立てられるため、短時間でも要点を絞った練習ができます。ただし週1回のまとめ練習より、1日20〜30分を毎日続けるほうが効果的とされており、頻度を確保できるかが上達を左右します。

初心者に一番おすすめの楽器は何ですか?

住環境と目的によりますが、ウクレレは弦がナイロン製で柔らかく力が弱い人でも押さえやすいうえ、数千円〜1万円程度で良質なものが手に入り場所も取らないため、最初の1本として選ばれやすい楽器です。音楽の仕組みごと学びたいなら鍵盤、弾き語りをしたいならアコースティックギター、リズムから入りたいならカホンが選択肢になります。

1日どれくらい練習すればいいですか?

1日の合計は40分〜1時間前後という目安がある一方、「10分でもいいから毎日」とする考え方もあり、情報源によって幅があります。共通しているのは、1週間に1日だけ長時間練習するより1日20〜30分を7日間続けるほうが効果的という点です。まずは20〜30分を生活のどこに置くかから決めるのが現実的です。

独学と音楽教室、どちらがいいですか?

教材が豊富なギター・ウクレレ・鍵盤であれば、最初の数ヶ月は独学でも進められます。ただし姿勢や音の癖を自分で判断しにくいため、続きそうだと感じた段階で体験レッスンを受け、外からの確認を入れると安全です。短期間で人前で演奏したいなど期限のある目標がある場合は、最初から教室のほうが近道になります。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。