ポートフォリオ、何を作ればいいか手が止まっている人へ
転職用ポートフォリオで採用担当が見るのは、規模や技術の派手さより「実際に動くこと・READMEで説明できていること・技術選定の理由を語れること」の3点です。テーマは自分が困っていることの解決が第一候補で、小さく完成させてから拡張するのが正解。生成AIを使うのは今や普通ですが、出力を自分の言葉で説明できることが条件です。
わかります。TODOアプリでいいのか、独自性がないとダメなのか、そもそも経験者にも必要なのか。考えているうちに手が止まる——いちばん多いパターンです。
6月に入り、夏から秋の入社を見据えて動き出す人が増えてくる時期です。この記事では、採用担当が実際に見ているポイントから逆算したポートフォリオの作り方を、ステップ形式で整理します。
転職にポートフォリオは本当に必要?
まず前提から。全員に必須ではありません。実務経験が十分にある経験者は、職務経歴書と業務実績で評価されるのが基本で、ポートフォリオはあくまで補強材料です。
一方で、次のケースでは効果が大きくなります。
- 実務未経験・経験が浅い(実力を示す数少ない証拠になる)
- 職種や技術領域を変えたい(新領域のスキルを実務外で証明できる)
- 業務実績が守秘義務で語りにくい(代わりに見せられる成果物になる)
- ブランクがある(スキルが現役である証明になる)
なお、2026年4月時点の転職求人は前年同月比12.6%増と公表されており、応募先を選びやすい市場が続いています。選べる状況だからこそ、「差がつく提出物」としてのポートフォリオの価値はむしろ上がっています。
採用担当はポートフォリオのどこを見ている?
採用側の目線はシンプルです。見られる順番も含めて、だいたい次の流れです。
- まず、動くかURLを開いて動作を確認します。エラーで落ちる・表示が崩れる、で評価は止まります。派手さより安定です。
- READMEを読む何を解決するもので、どんな構成で、どう動かすのか。ここが書けていないと「業務でもドキュメントを書けない人かも」と映ります。
- コードを流し読みする命名・関数の分け方・ディレクトリ構成など「読みやすさ」を見ます。全行を精読されることはほとんどありません。
- 意思決定の理由を探すなぜこの技術か、なぜこの設計か。面接で必ず聞かれるポイントです。
つまり、規模の大きさや技術の新しさより「動く・説明できる・理由がある」の3点セットが評価の中心です。
ポートフォリオのテーマはどう決める?
迷ったら、この優先順位で考えてみてください。
- 第1候補:自分が実際に困っていることを解決する。動機が本物なので、説明に説得力が出ます。家計の記録、勉強の管理、趣味の情報整理など、身近な題材で十分です
- 第2候補:応募したい会社の技術スタックに寄せる。募集要項にある技術で作れば、そのまま「入社後すぐ動ける」証明になります
- 第3候補:既存サービスの部分再現。独自性は出にくいものの設計の学習量が多く、工夫した点を語りやすい題材です
逆に避けたいのは、チュートリアルをなぞっただけの成果物をそのまま出すことです。ベースにするのは構いませんが、自分の意思で加えた機能や改善が1つもないと、面接で話せることがなくなります。
ポートフォリオ作成の5ステップ
- 解決する課題を1文で決める「◯◯な人が、△△できるアプリ」。この1文がそのままREADMEの冒頭になります。
- 機能を3つに絞る最初のバージョンはコア機能3つまで。多機能で未完成より、少機能で完成しているほうが強いです。
- 動く状態で公開するデプロイして誰でも触れるURLを用意し、あわせてコードも公開します。
- READMEを書く課題・機能・技術構成・工夫した点・今後の改善予定。スクリーンショットか短い動画があると親切です。
- 第三者に触ってもらう友人や勉強仲間に使ってもらい、詰まった箇所を直します。この改善の記録自体が面接の話材になります。
生成AIを使って作るのはあり?
ありですし、言って大丈夫です。2026年の開発現場では、AIを使わない前提のほうがむしろ不自然になりつつあり、採用側もそれは織り込み済みです。
ただし条件が1つ。AIが書いたコードも含めて、すべて自分の言葉で説明できることです。面接で「ここはなぜこの実装ですか?」に答えられなければ、評価はむしろ下がります。どの工程でAIを使い、どこを自分で判断・修正したかをREADMEに一言添えると、使いこなしの証明として印象が良くなります。
ポートフォリオは書類と面接を補強する材料であって、合否のすべてではありません。特に経験者採用では職務経歴の比重が大きく、時間配分としては職務経歴書の磨き込みが先です。また、作り込みに時間をかけすぎて応募が遅れるのは本末転倒。「小さく完成→応募→改善」のサイクルで動くほうが、結果的に早く決まります。
提出前に確認したいチェックリスト
- URLを開いて主要機能がエラーなく動く(スマホ表示も確認)
- READMEに「何を解決するか」「技術構成」「工夫した点」が書いてある
- APIキーやパスワードなどの秘密情報がリポジトリに含まれていない
- 直近のコミットが何カ月も前で止まっていない
- 技術選定の理由を口頭で1分で説明できる
よくある質問
未経験の転職にポートフォリオは何個必要ですか?
数より質で、しっかり説明できるものが1つあれば十分です。複数作るより、1つを「動く・READMEがある・改善の記録がある」状態まで磨くほうが評価されます。余力があれば、技術領域の違う小さな作品を1つ添える程度で十分です。
GitHubにコードを置くだけでもいいですか?
コードの公開だけでは不十分なことが多いです。採用担当が最初に見るのは動く画面とREADMEで、コードの精読は後回しになりがちです。デプロイした動くURLと、目的・構成・工夫点をまとめたREADMEをセットにすることで、初めて評価の土台に乗ります。
ポートフォリオに生成AIを使ったと言ってもいいですか?
言って問題ありません。2026年時点でAI活用は開発の標準になりつつあり、隠すほうがリスクです。ただし、AIが生成した部分も含めて自分で説明できることが前提です。どの工程でAIを使い、どこを自分で判断・修正したかをREADMEや面接で語れると、むしろ強みになります。
経験者でもポートフォリオは必要ですか?
必須ではありません。経験者は職務経歴書と業務実績が評価の中心です。ただし、職種転換やブランク明け、守秘義務で実績を語りにくい場合は、経験者でもポートフォリオが有効な補強材料になります。作る場合も、職務経歴書の完成度を優先したうえでの追加が基本です。
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