電話対応の定番フレーズ10、受け方と取り次ぎ方
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会社の電話は、第一声「お電話ありがとうございます。◯◯でございます」から、取り次ぎ「お繋ぎいたしますので、少々お待ちください」、不在時「終わり次第、折り返しお電話を差し上げてよろしいでしょうか」まで、使う言葉がほぼ決まっています。聞き取れなかった時も「お電話が遠いようでございます」「恐れ入りますが、もう一度おっしゃっていただけますでしょうか」という定番があり、覚える文は全部で10前後しかありません。手元に置いて読み上げれば、慣れるまでの数十本は乗り切れます。
会社の電話が苦手、というのは特別なことではありません。相手の顔が見えず、話す内容も事前にわからず、しかも聞き逃せない。緊張する条件がきれいに揃っています。
ただ、実際に会社の電話で起きることは、思っているよりずっと少ないパターンに収まります。名乗って、用件を聞いて、担当者に繋ぐか、いないので折り返しを提案する。ほとんどの電話はこの4つの分岐で終わります。
正直なところ、電話が怖い一番の理由は「何を言えばいいか、その場で考えなければならない」と思っていることです。考えなくていいように、言葉をあらかじめ決めておきましょう。以下は、そのまま読み上げて使える形で並べています。
電話を受けた第一声は何と言えばいい?
受話器を取った瞬間の一言が決まっていないと、そのあとの数十秒がずっと崩れます。まずここだけを口が覚えるまで繰り返してください。
- 「お電話ありがとうございます。◯◯(社名)でございます。」
- 相手が名乗ったら「◯◯様、いつもお世話になっております。」
- 用件がわからないとき「恐れ入りますが、ご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか。」
「恐れ入りますが」は、こちらから何かをお願いするときの前置きです。これが頭に付くだけで、同じ質問でも角が取れます。電話中に迷ったら、とりあえず「恐れ入りますが」から始めると立て直せます。
ちなみに敬語は、丁寧語(です・ます・ございます)、尊敬語(相手を高める)、謙譲語(自分を下げる)の3種類に分かれます。ただ、電話に慣れるまでは分類を覚える必要はありません。この記事のフレーズはすでに正しい形になっているので、丸ごと覚えるほうが早いです。
担当者に取り次ぐときの言い方は?
取り次ぎで迷いやすいのは、保留にする前の一言です。無言でいきなり保留音に切り替わると、相手は「切れた?」と不安になります。必ず声をかけてから保留します。
- 名指し人を復唱する「◯◯(担当者名)でございますね。確認いたしますので、少々お待ちください。」
- 繋げるとき「お繋ぎいたしますので、少々お待ちください。」
- 調べる必要があるとき「お調べいたしますので、少々お待ちください。」
- 保留を解除したとき「お待たせいたしました。◯◯の件でございますが……」
社内の人を社外の相手に伝えるときは、役職や「さん」を付けません。部長の田中さんであっても「田中でございます」「田中は席を外しております」と呼び捨てにします。ここは慣れるまで気持ち悪く感じますが、外の人に対しては身内を下げるのが基本の形です。
保留が長引きそうなときは、いったん保留を解除して「申し訳ございません。ただいま確認しております。もう少々お待ちいただけますでしょうか」と声をかけます。待たせている事実に触れる一言があるだけで、同じ待ち時間でも印象がまったく変わります。
担当者が不在のとき、折り返しはどう提案する?
不在時の対応は、電話対応でいちばん出番が多く、いちばん差が出るところです。ポイントは、相手に「どうしますか」と丸投げせず、こちらから折り返しを提案すること。判断を相手にさせないほうが、話が早く終わります。
- 会議中「申し訳ございません。◯◯はただいま会議中でございます。11時頃の終了予定となっておりますので、終わり次第、◯◯から折り返しお電話を差し上げてよろしいでしょうか。」
- 外出中「あいにく◯◯は外出しております。15時頃に戻る予定でございます。」
- 他の電話に出ている「◯◯はただいま別の電話に出ております。」
- 汎用「差し支えなければ、後ほど担当からご連絡を差し上げてよろしいでしょうか。」
「戻り時間 → 折り返しの提案」という順番で言うのが型です。戻り時間がわからない場合でも「戻り次第」と伝えれば成立します。逆に、時間の見込みを言わずに「折り返します」だけだと、相手はいつまで待てばいいかわからず、もう一度かけてくることになります。
相手が「折り返し不要です、またかけます」と言った場合も、電話があったこと自体は担当者に伝えます。伝言を受けるときは「承知いたしました。◯◯(担当者名)に申し伝えます。」と返します。「申し伝えます」は、社内の人に伝える約束をするときの定型です。
最後は「お電話ありがとうございました。」で締め、相手が切ったのを確認してから受話器を置きます。かけてきた側が先に切るのが原則です。
相手の名前や社名が聞き取れなかったらどうする?
ここが電話で一番怖いところだと思います。聞き返すのが失礼な気がして、わかったふりをしてしまう。けれど、聞き間違えたまま伝言を残すほうがずっと大きな迷惑になります。
聞き返すための言葉も、ちゃんと用意されています。使い分けは「回線のせいにできるか」で決めます。
| 状況 | 使うフレーズ |
|---|---|
| 声が小さい・雑音がある | 「お電話が遠いようでございます。恐れ入りますが、もう一度おっしゃっていただけますでしょうか。」 |
| 単純に聞き取れなかった | 「恐れ入りますが、もう一度おっしゃっていただけますでしょうか。」 |
| 社名や名前の字がわからない | 「恐れ入りますが、どのような字をお書きになりますでしょうか。」 |
| 番号を聞き取ったあと | 「◯◯様のお電話番号、復唱いたします。03-◯◯◯◯の……」 |
「お電話が遠いようでございます」は、聞こえない原因を相手ではなく回線に置く言い回しです。「声が小さくて」と言うと相手を責める形になりますが、これなら誰も傷つけずに聞き返せます。電話対応の定番として広く使われている表現なので、安心して使ってください。
そして、聞き取った内容は必ず復唱します。特に電話番号と名前は、その場で読み上げて確認する。復唱は「ちゃんと聞いていました」という合図にもなるので、丁寧な印象にも繋がります。
同じ聞き方を繰り返すより、「恐れ入りますが、念のためお名前をもう一度、ゆっくりお願いできますでしょうか」と、ゆっくり言ってもらう方向に切り替えます。それでも難しければ、電話番号だけを確実に聞き取って折り返しに繋げるのが現実的です。全部を完璧に聞き取ることより、担当者が折り返せる状態を作ることが目的だと考えてください。
電話メモには何を書けばいい?
電話が怖い理由のもうひとつは、話しながら書かなければならないことです。これは、書く項目をあらかじめ紙に印刷しておけば大きく軽くなります。空欄を埋めるだけの作業に変わるからです。
- 受電日時(◯月◯日 ◯時◯分)
- 相手の会社名・部署・氏名
- 誰宛の電話か
- 用件(一言で)
- 折り返し要否/先方の電話番号
- 受けた人(自分の名前)
この6項目を書いた付箋やメモ用紙を、電話の横に何枚か重ねて置いておきます。鳴ったら1枚取って、上から埋めていく。考えるのではなく、埋める作業にしてしまうのが、電話に慣れるまでの一番の近道です。
用件は無理に詳しく書かなくて構いません。「見積もりの件」「納期の確認」程度で十分で、詳細は担当者が折り返したときに本人同士で話せば済みます。新人のうちに用件を深く聞こうとすると、かえって話が長くなって混乱します。
慣れるまでにやっておくと楽になることは?
フレーズを覚えても、最初の数本はやはり緊張します。緊張しない方法を探すより、緊張していても回る仕組みを作るほうが早いです。
- フレーズを印刷して貼るこの記事の第一声・取り次ぎ・不在時の3ブロックを紙に印刷し、モニターの脇に貼ります。読み上げていることは、相手には伝わりません。
- 自社の基本情報をメモに社名の正式名称、代表電話、よくかかってくる取引先の名前、担当者の席の位置。この4つを1枚にまとめておくと、保留中の右往左往が減ります。
- 不在時の戻り予定を朝に確認するチーム内の外出・会議予定を朝のうちに見ておけば、「◯時頃に戻ります」がその場で言えます。これだけで折り返し提案の質が一段上がります。
- 1本終えたら30秒だけ振り返る言えなかった言い回しをメモに1行足す。何本か重ねるうちに、自分がつまずく場所は絞られてきます。
電話は相手の表情が見えないぶん、言葉遣いと声のトーンがそのまま会社の印象になります。裏を返せば、決まった言葉を落ち着いて言えるだけで、十分に「きちんとした対応」として伝わるということです。うまく話す必要はありません。
それでも最初は噛みますし、保留のボタンを押し損ねたりもします。誰でも通る道なので、何本か取ってから振り返れば、いつの間にか手が勝手に動くようになっています。まずは明日、1本だけ取ってみるところからで十分です。
よくある質問
電話を受けた第一声は何と言うのが正解ですか?
「お電話ありがとうございます。◯◯(社名)でございます」が基本形です。すぐに出られず待たせてしまった場合は、頭に「大変お待たせいたしました」を付けます。相手が名乗ったら「◯◯様、いつもお世話になっております」と続けます。
担当者が不在のとき、どう伝えればいいですか?
不在の理由と戻りの目安を伝えてから、こちらから折り返しを提案します。「申し訳ございません。◯◯はただいま会議中でございます。11時頃の終了予定となっておりますので、終わり次第、◯◯から折り返しお電話を差し上げてよろしいでしょうか」という形が使いやすいです。相手に判断を委ねず提案するほうが、話が早く終わります。
相手の名前が聞き取れなかったときの聞き返し方は?
「お電話が遠いようでございます。恐れ入りますが、もう一度おっしゃっていただけますでしょうか」と伝えます。聞こえない原因を相手ではなく回線に置く言い方なので、失礼になりません。聞き取ったあとは名前と電話番号を復唱して確認します。
社内の人のことを社外の相手にどう呼びますか?
役職や「さん」を付けず、呼び捨てにします。部長の田中さんであれば「田中は席を外しております」「田中から折り返しご連絡いたします」と言います。社外の相手に対しては、身内である社内の人を下げて表現するのが基本の形です。
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