ボーナス、もらってから辞めていい?
ボーナスを受け取ってから退職するのは、労働の対価を受け取るだけの正当な行動で、マナー違反ではありません。ただし就業規則に「支給日在籍要件」や減額規定がある会社もあるため、支給条件を確認し、受給後に退職を切り出すのが安全です。転職先への入社日は引き継ぎ期間も含めて逆算しましょう。
6月下旬から7月上旬は、多くの会社で夏のボーナスが支給される時期です。今年は「支給額を増やす」と答えた企業が37%を超え、正社員の平均支給額は47万円台と前年より増える見通し、という調査も6月に公表されました。それだけに「もらってから動きたい」と考えるのは、ごく自然なことです。
先に結論です。ボーナスをもらってから辞めるのは、まったく問題ありません。ただし順番を間違えると減額や気まずさにつながることもあるので、この記事で「安全な段取り」を整理していきます。
ボーナスをもらってから退職するのはアリ?
アリです。ボーナスは、それまでの査定期間の働きに対して支払われる対価です。受け取ってから退職を申し出ることは、法的にも社会通念上も問題のある行動ではありません。
「もらい逃げみたいで気が引ける」という声もよく聞きますが、あなたは対象期間をきちんと働いています。受け取る権利のあるお金を受け取るだけ——そう捉えて大丈夫です。実際、賞与支給後の7月・8月は、転職市場でも人が動きやすい時期として知られています。
ボーナスがもらえる条件は?就業規則のどこを見る?
支給のルールは、会社ごとに就業規則(賃金規程・賞与規程)で決まっています。退職を考え始めたら、まず次の3点を確認してください。
| 確認ポイント | 見る場所 | 注意点 |
|---|---|---|
| 支給日在籍要件 | 「支給日に在籍する者に支給する」といった条文 | 支給日より前に退職日が来ると対象外になる |
| 査定対象期間 | 夏季賞与の算定期間(例:前年10月〜当年3月など) | 期間中の勤務実績が金額に反映される |
| 減額・不支給の規定 | 退職予定者の取り扱いに関する条文 | 退職予定者の減額を定めている会社もある |
特に重要なのが支給日在籍要件です。「支給日に在籍していればもらえる」というシンプルな方式の会社が多く、この場合は支給日以降に退職日を置けば問題ありません。
退職を伝えるタイミングはいつがいい?
減額規定の有無がはっきりしない場合も含めて、退職の意思表示は支給後にするのが安全です。段取りにすると次のとおりです。
- 就業規則を確認する支給日在籍要件・査定期間・減額規定の3点をチェックします。就業規則は従業員がいつでも確認できるのが原則です。
- 支給日までは通常どおり働く受給前に退職の意向を職場へ広める必要はありません。転職活動を並行して進めるのは問題ありません。
- 受給を確認してから退職を切り出す直属の上司に申し出ます。法律上は2週間前の申し出で退職できますが、就業規則では1カ月前と定める会社が多く、引き継ぎまで考えると1〜1.5カ月前が現実的です。
- 引き継ぎと有給消化を逆算する退職日から逆算して、引き継ぎ資料の作成と有給休暇の消化計画を立てます。
なお、支給前に退職意思を伝えたら必ず減額される、というわけではありません。賞与は労働の対価なので、合理性を欠く大幅な減額はそれ自体が問題になり得ます。とはいえ、わざわざ揉める余地を作る必要はないので、順番は「受給後」が無難です。
転職先との入社日はどう調整する?
夏のボーナスを受け取ってからの退職だと、入社は8月〜9月ごろになることが多くなります。内定から入社まで1〜3カ月程度の猶予は、中途採用ではよくある範囲です。
ちょうど6月に公表された5月の転職求人倍率は2.44倍と高水準で、IT・通信系の求人の伸びも目立つと報じられました。求人が多い時期は日程の相談もしやすいので、「賞与支給後に退職予定」と最初から正直に伝えて調整するのがいちばんスムーズです。選考で嫌がられる理由には、まずなりません。
正直な注意点:ボーナスだけを基準にすると損もある
ボーナスを待つ判断は合理的ですが、万能ではありません。入社が遅れることで転職先の賞与算定期間に間に合わず、初年度の賞与が少なくなるケースはよくあります。受け取る夏のボーナスと、初年度に減る賞与をトータルで見比べてください。また、行きたい求人がいままさに出ているなら、支給を待つ数週間のあいだに募集が閉じる可能性もあります。
まとめ:権利は受け取り、順番だけ丁寧に
ボーナスをもらってから辞めるのはアリで、後ろめたさは要りません。やることは、就業規則の確認、受給後の申し出、誠実な引き継ぎ——この3つだけです。
増額基調の調査もあった今年は、待つ価値のある夏かもしれません。梅雨明け後の新しいスタートに向けて、まずは就業規則を開くところから始めてみてください。
よくある質問
退職予定でもボーナスはもらえますか?
就業規則の支給条件を満たしていればもらえます。多くの会社は「支給日に在籍していること」を要件としており、支給日時点で在籍していれば、その後に退職しても受け取れるのが一般的です。
ボーナス支給前に退職を伝えると減額されますか?
会社の規定によります。退職予定者の減額を定める会社も存在しますが、賞与は労働の対価であり、合理性を欠く大幅な減額はそれ自体が問題になり得ます。心配な場合は、退職の申し出を支給後にするのが安全です。
ボーナスをもらってすぐ辞めるのはマナー違反ですか?
マナー違反ではありません。賞与は査定期間の働きに対する対価で、受け取ってから退職を申し出るのは正当な行動です。引き継ぎを丁寧に行えば、職場との関係も保ちやすくなります。
夏のボーナスはいつ支給されますか?
民間企業では6月下旬から7月上旬に支給されるのが一般的で、国家公務員は6月30日と定められています。正確な日付は会社ごとに異なるため、就業規則や昨年の支給実績で確認してください。
※本記事は各サービスの公式サイトおよび公開情報をもとに作成しています。内容・数値は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。