企画書のたたき台、AIに任せられる工程は5段階中3つ
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企画書作成は「情報収集・構成設計・文章化・デザイン・レビュー」の5段階に分かれ、AIが代わりにこなせるのは前半3つまでです。プロンプトには目的・対象読者・出力形式の3要素を必ず入れ、初回はラフな骨子だけを出させて、条件追加と自分の言葉での書き直しを段階的に重ねると手戻りが減ります。
白紙が一番重いところです。中身を考える時間より、「どういう順番で並べるか」を決める時間のほうが長くなってしまう——これは企画の中身が薄いからではなく、骨組みと文章を同時に作ろうとしているために起きます。
正直なところ、AIは企画そのものを考えてはくれません。ただし「並べる順番の候補を先に出す」作業なら、数十秒で終わります。埋めるべき枠が見えてから中身を考えるほうが、ずっと楽に進みます。
企画書づくりのどこまでをAIに任せられる?
まず、任せる範囲をはっきりさせておきます。企画書ができあがるまでの流れは、情報収集 → 構成設計 → 文章化 → デザイン・視覚化 → レビュー・承認の5つの段階に分けて考えられます。このうちAIが効果的に代わりを務められるのは、主に前半の3つ、情報収集・構成設計・文章化までとされています。
後半のデザインと承認は、社内のフォーマットや決裁者の関心事に依存します。ここは人が握る部分です。つまりAIに頼むのは、「決裁者に見せる完成品」ではなく「自分がこれから磨く材料」ということになります。
- 任せる:関連情報の洗い出し、章立ての候補出し、各章の下書き
- 自分でやる:どの案を採るかの判断、社内事情に合わせた調整
- 自分でやる:数値の裏取り、決裁者向けの言い回し、体裁の統一
この線引きを最初にしておくと、AIの出力を見たときに「使えない」ではなく「ここは自分の担当だった」と受け止められます。期待値のずれによる時間のロスが、ここでかなり減ります。
AIに渡す指示には何を書けばいい?
プロンプト(AIへの指示文)は、AIに渡す仕様書のようなものです。内容・順番・具体度によって、返ってくるものの質が大きく変わります。当たり障りのない出力が返ってくるとき、たいていは前提が書かれていないことが原因です。
適切なプロンプトに必要な要素は、目的の明示・対象読者の設定・求めるアウトプットの形式の3つとされています。この3つが揃うと、AIは「誰に向けて、何のために、どんな形で」書けばいいかを決められます。逆に1つでも欠けると、AIは無難な平均値を出すしかありません。
3要素を具体的に書き分ける
| 目的 | この企画書で何を通したいのか(予算承認/方向性の合意/協力依頼など) |
|---|---|
| 対象読者 | 誰が読んで判断するのか(部長/経営会議/他部署の担当者) |
| 出力形式 | どんな形で欲しいのか(章立てのみ/各章200字/箇条書き) |
営業資料やマーケティング企画では、これに加えて制約条件——予算の上限、期間、使えるリソース——をプロンプトに明記する必要があります。制約を書かないと、実現できない規模の案が返ってきて、結局書き直すことになります。
骨子を出させるプロンプトはどう書く?
役割・型・注意点をまとめて渡すのが基本の形です。たとえば「あなたは経験豊富な事業企画の担当者です。次のテーマで企画書のたたき台を作成してください」と役割を先に置き、続けて先ほどの3要素と制約を並べます。
- 役割を指定する「経験豊富な事業企画の担当者として」のように、どの立場から書くかを先に決めます。同じテーマでも、営業視点と開発視点では章立てが変わります。
- 目的・読者・制約を並べる「部長に予算承認をもらうため」「予算は上限300万円」「期間は半年」など、判断の材料になる条件を箇条書きで渡します。
- 出力形式を指定するここでは「章立てと、各章に入れる内容を1行ずつ。本文は書かないでください」と伝えます。最初から本文まで書かせないのがコツです。
- 案を複数もらう「構成案を3パターン、それぞれ何を強みにした構成かを添えて」と頼むと、自分の企画に合う切り口を選べます。
3のポイントは、あえて本文を書かせないところです。初回からフル原稿を出させると、文章の細かい表現が気になって、肝心の構成の良し悪しを判断できなくなります。初回はラフ案・骨子だけ、その後に条件追加や細部調整を段階的に重ねることで手戻りが減る、というのが実践的な進め方です。
出てきた骨子を、どう自分の言葉に磨き直す?
AIの文章が「無難だが自分の主張とずれる」のは、書き手の癖ではなく生成のしくみから来ています。言語モデルは、これまでの文の並びから「次に来る可能性が高い語」を選び続けて文章を作ります。可能性が高いかどうかは、学習した膨大な文章の中で、その文脈のあとに何が続くことが多かったかで決まります。つまり出てくるのは「その話題について世の中で最も書かれてきた書き方」であって、あなたの職場で起きた出来事ではありません。
しかもプロンプトに具体的な前提を書かないほど、参照できる手がかりは「一般的な企画書らしさ」だけになります。あなたの企画を通したい本当の理由——会議で何度も出た不満、現場で見た具体的な場面——は、そもそもモデルの手元に存在しません。だから一般論が返るのは失敗ではなく、渡していない情報が空欄のまま埋められた結果です。ここを埋めるのが磨き直しの作業になります。
順番としては、まず構成を確定させ、次に各章の中身を自分の材料で置き換えていきます。全部を書き直す必要はありません。「AIが書いた一般論のまま残っている箇所」だけを探して差し替えると考えると、作業量が見えます。
差し替えを見つける3つの目印
- 数字が入っていない主張(「効率が向上します」→自社の実測値や試算に)
- 誰にでも当てはまる背景説明(「近年DXが進み」→自部署で実際に起きた出来事に)
- 固有名詞のない事例(「ある企業では」→社内の具体的な案件名や部署名に)
もう一つ使える手があります。生成した文章や提案を、AI自身に自己評価させる方法です。「この構成で、予算を判断する立場の人が疑問に思う点を挙げてください」と投げると、自分では見落としていた抜けが出てきます。磨き直す前のチェックとして使うと、どこを厚くすべきかが分かります。
目的別にプロンプトを分けるとどう変わる?
一度の指示ですべてを済ませようとすると、指示が長くなり、AIがどれを優先すべきか判断できなくなります。目的別にプロンプトを分けて段階的に指示を重ねるほうが、出力をコントロールしやすくなります。
実際には、次のように役割を分けた指示を順に投げていく形になります。
| 1回目 | 情報の洗い出し(このテーマで押さえるべき論点を列挙) |
|---|---|
| 2回目 | 構成設計(論点を並べ替えて章立てを3案) |
| 3回目 | 文章化(採用した構成の各章を200字程度で) |
| 4回目 | 自己評価(決裁者の視点で弱い箇所を指摘させる) |
分けることで、途中で方向が違うと感じたときにそこだけやり直せます。1回で全部出させると、少し直したいだけでも全体を作り直すことになり、かえって時間がかかります。
企画の中身そのものがまだ固まっていない段階では、AIに骨子を出させても意味がありません。もっともらしい構成が返ってくるぶん、中身が空のまま形だけ整った企画書ができてしまいます。この段階で必要なのは構成ではなく、現場の情報や関係者との会話です。
また、社外に出す提案書や、機密性の高い案件の情報を扱う場合は、利用しているAIサービスの入力データの取り扱い方針を必ず確認してください。社内でツールの利用ルールが決まっているなら、それが優先です。
実際にどれくらい時間の使い方が変わる?
効果が出るのは「作業時間の短縮」よりも「考える対象の切り替え」のほうです。白紙を前に構成を悩んでいた時間が、AIが出した3案から選ぶ時間に置き換わります。選ぶ作業は、ゼロから作る作業よりずっと軽い判断です。
そのぶん、浮いた時間を「なぜこの企画が必要なのか」を裏づける情報集めに回せます。企画書の説得力は、構成の美しさではなく、この裏づけの厚さで決まります。AIに任せた前半3段階は、あくまで後半に時間を残すための手段です。
まずは次に作る企画書で、章立てだけをAIに3案出させてみるところから試してみてください。使わずに捨てても損はありませんし、1案でも自分の発想になかった切り口があれば、それだけで元は取れます。
よくある質問
企画書のたたき台をAIに作らせるとき、最低限プロンプトに書くべきことは?
目的の明示・対象読者の設定・求めるアウトプットの形式の3つです。営業資料やマーケティング企画では、これに加えて予算や期間などの制約条件も明記します。この要素が欠けると、AIは無難で当たり障りのない構成しか返せません。
企画書作成のうち、AIに任せられるのはどこまで?
企画書作成は情報収集・構成設計・文章化・デザイン、視覚化・レビュー、承認の5つの段階に分かれ、AIが効果的に代替できるのは主に前半3つの情報収集・構成設計・文章化です。デザインと承認は社内フォーマットや決裁者の関心に依存するため、人が担当します。
AIの出力が一般論ばかりで自分の企画に合いません。どうすればいいですか?
言語モデルは学習した文章の中で「その文脈のあとに続くことが多かった語」を選んで文を作るため、前提を渡さないほど一般的な書き方に寄ります。初回はラフ案・骨子だけを出させ、その後に条件追加や細部調整を段階的に重ねると手戻りが減ります。また、数字が入っていない主張、誰にでも当てはまる背景説明、固有名詞のない事例の3か所を目印に、自分の材料へ差し替えると具体性が出ます。
AIが作った企画書の質を上げるチェック方法はありますか?
生成した文章や提案をAI自身に自己評価させる方法があります。「予算を判断する立場の人が疑問に思う点を挙げてください」のように読み手の立場を指定して評価させると、自分では気づきにくい抜けを洗い出せます。
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