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スマホ充電の正しい方法とは?劣化を防ぐ4つの習慣

2026年5月30日|いろは堂テック編集部
スマートフォンをモバイルバッテリーで充電している様子

画像出典: 写真: Santeri Viinamäki(CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の要点
スマホのリチウムイオン電池は「熱」と「100%付近の長時間維持」で劣化します。だから守るべきは、20〜80%あたりでこまめに充電する・満充電のまま放置しない・高温を避ける・国の安全基準を満たすPSEマーク付き(または純正)の充電器を使う、の4つだけです。0%まで使い切ることや初回24時間充電は不要どころか逆効果になることもあります。
😟
充電しながら使うと危ないって聞くし、80%で止めろとも言われるし、どれを信じればいいの…?

スマホの充電にまつわる話は、本当にあちこちで食い違います。ただ、言われていることの大半は「リチウムイオン電池が何に弱いか」を知れば一本の筋に整理できます。

正直なところ、電池を長持ちさせるためにやることはそう多くありません。むしろ、良かれと思ってやっている習慣のいくつかは、今のスマホには意味がないか、逆効果です。しくみから順に見ていきます。

よく聞く4つの説、正解はどれ?

まず、広く言われている説の答え合わせから始めます。表の中に出てくる「PSE適合」とは、電気用品安全法(電気用品の安全を守るための日本の法律)が定める安全基準を満たし、製品にPSEマークが表示されていることを指します。以降もこの言葉で通します。

俗説検証結果補足
充電しながら使うと危険誇張。ただし高負荷操作を伴う充電は発熱→劣化要因になる純正/PSE適合の充電器使用が前提
80%で充電を止めるべき厳密な義務ではないが、20〜80%レンジの充放電は劣化抑制に有効とされるiPhone等は自動最適化機能あり
0%まで使い切ってから充電すべき誤り。完全放電の長期放置は『保存劣化』を招くリチウムイオン電池にメモリー効果はほぼ無い
初回は24時間充電すべき不要。ニッケル電池時代の慣習で現行のリチウムイオン電池には該当しない

ソフトバンクニュースの公表データをもとに作成

上の表のとおり、4つのうち「守る価値があるもの」は実質1つだけです。なぜそうなるのかは、電池のしくみを知ると一本の筋で理解できます。ここから順に見ていきます。

リチウムイオン電池は何に弱い?

まず前提を合わせます。今のスマホに入っているのは、ほぼ例外なくリチウムイオン電池です。この電池が嫌うものは、はっきりしています。熱と、過充電(100%付近を長時間キープすること)の2つです。

イメージとしては、満杯まで水を入れたペットボトルを、押さえつけたまま置いておく状態に近いです。容器は張り詰めたまま。この張り詰めた時間が長いほど、そして温かいほど、中身は少しずつへたっていきます。逆に、半分くらいの水位で置いてある時間が長ければ、容器への負担は小さくてすみます。

だから「20〜80%の範囲で使う」という話が繰り返し出てくるわけです。数字そのものが魔法なのではなく、満充電と空っぽの両端に長くいないことが本質です。

電池が減っていく主な原因
  • 発熱(充電中の高負荷操作、真夏の車内、直射日光)
  • 100%のまま長時間つなぎっぱなし
  • 0%近くで長期間放置する「保存劣化」
  • 粗悪な非純正充電器による異常発熱・過充電

寿命の目安も知っておくと安心です。一般的にリチウムイオン電池は、約300回の充電サイクルで容量が2〜3割程度、約500回で3〜5割程度低下するとされています(メーカー・機種によって差があります)。毎日充電するなら、1〜2年で「前より減りが早いな」と感じ始めるのは、故障ではなく想定内の変化です。

「充電しながら使うと危険」は本当?

🤔
充電中にゲームしてると本体がすごく熱くなるんだけど、これって危ない?

「危険」という言葉は誇張です。現行のスマホと、純正またはPSE適合の充電器を使っている限り、通常の操作で発火するようなことは基本的にありません。スマホ側にも充電を制御する回路が入っています。

ただし、ソフトバンクの公式解説では、充電しながらゲームや動画視聴のような高負荷な操作をすると本体とバッテリーが発熱し、劣化を早める要因になると説明されています。つまり実態は「危険」ではなく「劣化を早める」。充電による発熱と、処理の重さによる発熱が重なるからです。

気にすべきなのは充電中かどうかより、本体が熱くなっているかどうかです。持っていて熱いと感じるなら、ケースを外す、負荷の重いアプリを閉じる、いったんケーブルを抜く。それで十分です。

ここだけは妥協しないでください

注意が必要なのは操作そのものより充電器です。素性のわからない格安の充電器やケーブルは、過充電や異常発熱の原因になり得るとして注意喚起されています。純正、または安全基準を満たした証であるPSEマークが本体や説明書きに表示された製品を選んでください。ここは数百円をケチる場所ではありません。

「80%で止めるべき」はやらないとダメ?

結論から言うと、義務ではありません。ただし「20〜80%の範囲での充放電は電池内部への負担が小さく、寿命を延ばしやすい」という点は、NTTドコモビジネスの公式コラムやソフトバンクニュースなど複数の解説で一致しています。

とはいえ、80%になった瞬間にケーブルを抜くために毎回スマホを見張るのは、現実的ではありません。そこはもう機械の仕事です。

iPhone 15以降には「バッテリー充電の最適化」という機能があり、日々の使用パターンを学習して、フル充電状態を維持する時間を減らします。さらに機種によっては、充電上限を80/85/90/95/100%から選べます。Androidにも同様の充電最適化機能を備えた機種が多くあります。設定を一度入れておけば、あとは意識しなくて構いません。

  1. 設定を開くiPhoneなら「設定」→「バッテリー」→「充電」。Androidは機種により「設定」→「バッテリー」内の充電最適化・いたわり充電などの項目。
  2. 最適化をオンにする「バッテリー充電の最適化」または相当する項目を有効にします。
  3. 上限を決める(対応機種のみ)外出が多く電池残量に余裕がほしいなら100%のまま、自宅・職場で充電機会が多いなら80〜90%に。
  4. あとは普段どおり寝る前に充電しても、満充電のまま朝まで維持されないよう本体側が調整します。

0%まで使い切るのは正しい?

😲
えっ、電池は使い切ってから充電したほうがいいんじゃないの?

使い切ってから充電する必要はありません。むしろ避けたい習慣にあたります。リチウムイオン電池は、完全放電の状態を長期間放置すると「保存劣化」が進み、劣化が加速します。

この誤解の出どころは、ニッケル系の電池です。かつての電池には、中途半端な残量から充電を繰り返すと使える容量が目減りしたように見える「メモリー効果」という現象がありました。だから使い切ってから充電する、という習慣が生まれた。リチウムイオン電池にメモリー効果はほぼ無く、この作法を引き継ぐ理由はありません。

同じ理由で、「新品は初回に24時間充電する」も不要です。これもニッケル電池時代の慣習で、今の電池には該当しません。買ったその日から普通に使って構いません。

今日から実際にやることは?

ここまでを、行動の形にまとめます。難しいことは一つもありません。

やること(これだけ)
  • 純正、または安全基準適合を示すPSEマーク付きの充電器・ケーブルを使う
  • 20〜80%あたりでこまめに充電する(減ってから慌てて足すより負担が小さい)
  • 満充電になったらケーブルを外す。難しければ充電最適化機能をオンにする
  • 真夏の車内や直射日光の下、布団の中での充電は避ける
  • ゲームや動画視聴など重い操作をしながらの長時間充電は控える
  • 使わない端末も0%のまま放置しない(半分程度の残量で保管する)
やらなくていいこと
  • 新品を24時間充電する
  • 毎回0%まで使い切る
  • 80%になった瞬間に手でケーブルを抜く(最適化機能に任せる)
  • 就寝中の充電を怖がって避ける(最適化機能があれば問題は小さい)

Appleが示す最適な使用温度は16〜22℃で、35℃以上の高温環境は劣化やダメージの要因になるとされています。人が快適な温度が、そのまま電池にも快適だと覚えておけば十分です。

気にしすぎなくていいケースもあります

2〜3年で機種変更する予定なら、上限80%設定はおすすめしません。電池をいたわるために、その間ずっと使える容量を2割減らして過ごすことになるからです。逆に4年以上同じ端末を使い続けたい人、モバイルバッテリーを持ち歩かない人ほど、上限設定の効果を実感しやすくなります。自分がその端末をあと何年使うかで決めてください。

それでも電池の減りが早いときは?

習慣を整えても減りが早いなら、劣化が進んでいる可能性があります。iPhoneなら「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」で最大容量が確認できます。Androidも機種によって同様の表示や診断アプリが用意されています。

ここで見るのは数字そのものより、使い方に見合っているかです。毎日充電して2年経っているなら、ある程度の低下は先ほどの充電サイクルの目安どおりで、異常ではありません。一方、買って半年で急に減りが早くなった、本体が異常に熱い、背面が膨らんでいるといった場合は、習慣の問題ではなく点検の対象です。膨らみは特に、使い続けず早めに相談してください。

電池交換で解決するのか、買い替え時なのかの判断は、端末の使用年数と修理費用の比較になります。

よくある質問

スマホを充電しながらゲームをしても大丈夫ですか?

純正または電気用品安全法の基準を満たすPSEマーク付きの充電器を使っていれば、発火のような危険は基本的にありません。ただし充電中に高負荷な操作をすると本体とバッテリーが発熱し、劣化を早める要因になります。本体が熱いと感じたら、ケースを外すかケーブルを抜いてください。

スマホの充電は本当に80%で止めたほうがいいですか?

義務ではありませんが、20〜80%の範囲での充放電は電池への負担が小さく、寿命を延ばしやすいとされています。手動で止める必要はなく、iPhone 15以降の充電上限設定やAndroidの充電最適化機能に任せれば十分です。

バッテリーは0%まで使い切ってから充電すべきですか?

いいえ、誤りです。リチウムイオン電池は完全放電の状態を長期間放置すると保存劣化が進みます。使い切る作法はニッケル系電池のメモリー効果に由来するもので、現在のリチウムイオン電池にはほぼ当てはまりません。

スマホのバッテリーはどれくらいで劣化しますか?

一般的にリチウムイオン電池は約300回の充電サイクルで容量が2〜3割程度、約500回で3〜5割程度低下するとされています(メーカー・機種により差があります)。毎日充電する使い方なら、1〜2年で減りの早さを感じ始めるのは想定内の変化です。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。