いろは堂投資
← 戻る

新TOPIX入れ替え基準、自分の株が残るか調べる手順

2026年10月2日|いろは堂投資編集部
和室で座卓に向かい、ノートパソコンを操作する高齢男性一人の室内写真。

画像出典: ぱくたそ

この記事の要点
2026年10月、東証はTOPIXを市場区分と切り離し、流動性と規模だけで構成銘柄を選ぶ仕組みへ本格移行します。判定に使われるのは「年間売買代金回転率」と「浮動株時価総額の累積比率」の2つで、既存銘柄は回転率0.14以上・上位97%以内なら継続、新規採用は0.2以上・上位96%以内が基準です。基準日は2026年8月末のデータで、正式な銘柄リストは10月7日に東証が公表する予定です。
😟
持っている株、TOPIXから外れるかもって聞いたんですが…自分で調べる方法ってあるんでしょうか

TOPIXの構成銘柄は、これまで「東証一部だったか」「プライム市場にいるか」という市場区分と結びついていました。2026年10月から、その紐付けがなくなります。残るかどうかを決めるのは、流動性と規模の数字だけになります。

正直なところ、正式な銘柄リストが出るのは2026年10月7日の予定なので、今の時点で「あなたの株は外れます」と言える人はいません。ただ、判定に使う基準そのものは東証が公表しています。式も単純なので、手元の数字で自分の銘柄がどのあたりにいるかは、発表を待たずに概算できます。

新TOPIXでは何が変わる?

変更点は大きく一つです。プライム・スタンダード・グロースという市場区分とTOPIXの構成銘柄が、切り離されます。これまでは「プライム上場だからTOPIXに入っている」という関係でしたが、これからは市場区分に関係なく、流動性と時価総額の数字だけで選ばれます。

結果として、銘柄数はかなり絞られます。現行の約1,636銘柄に対し、各種の試算では958〜987銘柄程度になる見通しが示されています。単純計算で、今入っている銘柄の4割前後が対象から外れることになります。

この見直しは一度に行われたわけではありません。流通株式時価総額100億円未満の銘柄については、2025年1月までに四半期ごと10段階でウエイトを下げる作業がすでに完了しています。2026年10月は、その続きにあたる制度の本格稼働です。段階的に進めてきたのは、一気に除外すると売りが集中してしまうためです。

押さえておきたい3つの日付
  • 基準日: 2026年8月末(8月最終営業日)— この時点のデータで判定される
  • リスト公表: 2026年10月7日(10月第5営業日)予定 — 東証が正式な構成銘柄を発表
  • 入れ替え実施: 2026年10月最終営業日 — 実際のリバランス

注意したいのは、判定に使われるのが8月末時点のデータだという点です。今日の株価で計算した数字は、あくまで目安になります。

入れ替えの基準はどう決まる?

🤔
時価総額が大きければ残る、という単純な話ではないんですか?

基準は2つあり、両方を見られます。一つは「どれだけ活発に売買されているか」、もう一つは「市場全体の中でどれくらいの規模か」です。

年間売買代金回転率は、一定期間の売買代金の合計を浮動株時価総額で割った値です。株がどれだけ回転しているか、つまり売買の活発さを測ります。ここでいう浮動株とは、創業家や親会社、役員などが長期保有している「ほぼ動かない株」を除いた、実際に市場で売買される分の株式です。

もう一つの浮動株時価総額の累積比率は、全上場銘柄を浮動株時価総額の大きい順に並べ、上から足していったときに自分の銘柄が何%の位置にあるかを示します。「上位96%以内」なら、規模の大きい順に積み上げて96%に達するまでの中に入っている、という意味です。

区分年間売買代金回転率浮動株時価総額の累積比率
新規採用基準0.2以上上位96%以内
既存銘柄の継続基準0.14以上上位97%以内

株式会社JPX総研(日本取引所グループ)の公表データをもとに作成

上の表で目を引くのは、既存銘柄のほうが数字が緩いことです。すでにTOPIXに入っている銘柄は、新規採用より低いハードルで残留できる設計になっています。今から新しく入るには回転率0.2が必要ですが、すでに入っている銘柄は0.14あれば継続できます。いきなり外されるショックを和らげるための移行措置です。

逆に言えば、この緩い基準すら下回っている銘柄は、除外の可能性が高いということになります。自分の保有株を確認するときは、まず継続基準の0.14と上位97%を物差しにするのが現実的です。

浮動株時価総額はいくらが目安?

累積比率は全銘柄を並べて初めて分かる数字なので、個人が自力で順位を出すのは現実的ではありません。そこで役に立つのが、金額に置き換えた目安です。

区分浮動株時価総額の目安
新規採用の目安約590億円程度
既存銘柄の継続基準の目安約400億円程度

ニッセイ基礎研究所(楽天証券メディア掲載)の公表データをもとに作成

上の金額は、ニッセイ基礎研究所が2026年6月末時点のデータで試算したものです。累積比率の順位を金額に翻訳すると、既存銘柄の継続ラインがおよそ400億円、新規採用ラインがおよそ590億円のあたりになる、という計算になります。

この金額は確定値ではありません

2026年6月末時点の試算値です。浮動株時価総額は株価の変動でそのまま動くため、実際の判定に使われる8月末時点の値とは異なります。市場全体が上昇していれば基準ラインも上にずれますし、下落していれば下がります。「400億円を1円でも超えたから安心」という使い方はできません。あくまで自分の銘柄がどのあたりの圏内にいるかを把握するための目盛りとして使ってください。最終的な確定は、10月7日公表予定の東証の正式リストで確認することになります。

自分の保有株はどう確認する?

ここからは実際の手順です。電卓とブラウザがあればできます。

  1. 浮動株比率を調べるJPXサイトの「TOPIXの見直しの概要」ページで、浮動株比率の一覧が公表されています(年4回、決算期ごとに更新)。会社四季報の「株主」欄から、大株主や役員の保有分といった固定株を除いて見積もる方法もあります。
  2. 浮動株時価総額を計算する「浮動株数 × 現在の株価」で概算できます。浮動株数が分からない場合は、「発行済株式数 × 浮動株比率」で浮動株数を出してから掛けます。たとえば発行済株式数1億株・浮動株比率40%・株価1,200円なら、1億 × 0.4 × 1,200円 = 480億円です。
  3. 金額の目安と比べる算出した金額を、既存銘柄なら約400億円、新規採用を見るなら約590億円と比較します。先ほどの例の480億円なら、継続の目安は上回っているものの、新規採用の水準には届かない位置です。
  4. 年間売買代金回転率を出す直近1年分の売買代金の合計を、手順2で出した浮動株時価総額で割ります。売買代金の合計は、証券会社のツールや日本取引所のサイトで日々の売買高×株価を積算して概算できます。480億円の銘柄で年間売買代金が100億円なら、100 ÷ 480 = 約0.21です。
  5. 2つの基準を突き合わせる既存銘柄なら回転率0.14以上・時価総額の目安400億円程度、新規採用を見るなら0.2以上・590億円程度。どちらも継続ラインを下回っていれば、除外の可能性が高い圏内にいることになります。両方を満たしていれば、残留・採用の可能性が高いと見られます。
  6. 公式発表で最終確認する2026年10月7日に東証が公表する構成銘柄リストで、自分の銘柄が含まれているかを確かめます。ここが唯一の確定情報です。
😌
売買代金の積算が大変そうですが、ざっくりでも位置関係は見えそうですね

回転率の計算は、1年分を1日ずつ足す必要はありません。直近数ヶ月の平均的な1日あたり売買代金を取って年間の営業日数(おおむね245日前後)を掛ければ、おおよその規模はつかめます。ここで知りたいのは小数点以下2桁の精度ではなく、0.14という線のどちら側にいるかだからです。

除外・採用されると株価はどうなる?

TOPIXに連動するETFや公的年金などのパッシブファンドは、指数の構成どおりに銘柄を保有しています。構成から外れた銘柄は、これらのファンドが機械的に売却することになるため、中長期的に資金が流出する可能性が指摘されています。逆に新規採用された銘柄には、パッシブマネーの新規流入、つまり買い需要が生まれるとの見方があります。

ただし、これはあくまで需給の話であって、企業の業績や事業の価値が変わるわけではありません。指数から外れた会社が利益を減らすわけでも、採用された会社が急に稼ぐようになるわけでもありません。

この確認作業が向かない使い方

ここで紹介した計算は、保有株が制度変更の影響を受ける位置にいるかを把握するためのものです。「除外されそうだから売る」「採用されそうだから買う」という判断の根拠として使うには、前提が足りません。需給の変化がいつ・どの程度株価に表れるかは事前に分かりませんし、市場参加者がすでにある程度織り込んでいる可能性もあります。本記事は特定銘柄の売買を勧めるものではなく、公表されている基準の読み方を示すものです。

発表までの間、何を見ておけばいい?

10月7日のリスト公表までにできることは、大きく2つです。

一つは、保有している銘柄のうち浮動株時価総額が小さいものを洗い出しておくことです。全部を計算する必要はなく、時価総額が小さい順に数銘柄だけ手順をなぞれば、注意が必要な銘柄は見えてきます。

もう一つは、自分のポートフォリオの中でTOPIX連動のETFや投資信託がどれくらいの比率を占めているかを確認しておくことです。指数そのものの構成銘柄が減れば、保有しているインデックス商品の中身も変わります。銘柄数が約1,636から1,000前後へ絞られるということは、1銘柄あたりの比重が相対的に上がるという意味でもあります。

10月7日に確認すること
  • 東証が公表する新TOPIX構成銘柄リストに、保有株が含まれているか
  • 除外された場合、いつのリバランス(10月最終営業日)で反映されるか
  • 保有するTOPIX連動商品の運用会社からの告知が出ていないか

制度の変更は、知っていれば慌てずに済む種類の話です。基準の数字と計算式は公開されていますから、発表前に自分の位置を把握しておけば、当日のニュースを落ち着いて読めます。

※本記事は公表資料に基づく制度の解説であり、特定の銘柄や商品の売買を推奨するものではありません。投資は自己責任で判断してください。元本が保証されるものではなく、市場の変動により損失が生じる可能性があります。

よくある質問

新TOPIXの入れ替え基準は何ですか?

年間売買代金回転率と浮動株時価総額の累積比率の2つです。東証公表資料によると、新規採用は回転率0.2以上かつ累積比率上位96%以内、既存銘柄の継続は回転率0.14以上かつ上位97%以内が基準とされています。既存銘柄のほうが緩い基準で残留できる設計です。

新TOPIXの構成銘柄リストはいつ発表されますか?

2026年10月第5営業日にあたる10月7日に、東証が正式な構成銘柄リストを公表する予定です。判定に使われるデータの基準日は2026年8月末(8月最終営業日)で、実際の指数入れ替えは10月最終営業日に実施されます。

浮動株時価総額はどう計算しますか?

「浮動株数 × 現在の株価」で概算できます。浮動株数が分からない場合は「発行済株式数 × 浮動株比率」で代用します。浮動株比率はJPXサイトの「TOPIXの見直しの概要」ページで年4回公表されるほか、会社四季報の株主欄から固定株を除いて見積もることもできます。

TOPIXから除外されると株価は下がりますか?

TOPIXに連動するパッシブファンドが機械的に売却するため、中長期的に資金流出が生じる可能性が指摘されています。ただし株価がいつどの程度動くかは事前には分からず、企業の業績そのものが変わるわけではありません。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。