年初来高値76銘柄と安値85銘柄、相場の広がりの調べ方
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年初来高値・安値を更新した銘柄数は、指数の裏側で「何銘柄が実際に上がっているか」を示す市場の広がり(ブレッドス)の指標です。2026年9月1日は年初来高値更新が222銘柄だった一方、9月14日は高値更新76銘柄に対して安値更新85銘柄と逆転しました。日本経済新聞やYahoo!ファイナンスのランキングページで毎日無料で確認できます。
株価指数の数字と、自分の口座で見えている景色がずれることは珍しくありません。日経平均は225銘柄の株価から計算される指数で、値がさ株(1株あたりの株価が数千円〜数万円と高い銘柄)や半導体・AI関連のような一部の大型株が大きく動くと、それだけで指数全体が持ち上がることがあります。指数が上がっていることと、多くの銘柄が上がっていることは、別の話です。
このずれを数字で確かめる方法があります。年初来高値・年初来安値を更新した銘柄が、その日に何本あったかを数えるやり方です。正直なところ、慣れるまでは地味な数字に見えます。ただ、毎日1分だけ見る習慣にすると、相場が「広く」上がっているのか「狭く」上がっているのかが手触りでわかるようになります。
年初来高値・年初来安値とは?
年初来高値とは、その年の年初から現在までの期間で、株価がいちばん高い水準を付けたことを指します。年初来安値はその逆で、同じ期間の最安値を更新した状態です。「今日、年初来高値を更新した銘柄が76ある」といえば、東証に上場している銘柄のうち76本が、その日その年いちばんの株価を付けたということになります。
この本数をまとめたものを、市場の広がり(ブレッドス)を見る指標と呼びます。相場の広がりとは、上昇や下落がどれだけ多くの銘柄に行き渡っているかという意味です。同じ「日経平均が上がった日」でも、高値更新が200本を超える日と、数十本しかない日では、中身がまったく違います。
- 指数を押し上げているのが一部の大型株だけかどうか
- 指数が下げた日でも、高値を更新している銘柄があるかどうか
- 高値更新と安値更新の、どちらが多い日なのか
2026年9月の実例では、数字はどう動いた?
実際の2日分を並べると、同じ9月でも中身が違うことがはっきりします。
| 日付 | 日経平均終値 | 前日比 | 年初来高値更新銘柄数 | 年初来安値更新銘柄数 |
|---|---|---|---|---|
| 2026-09-01 | 66,215.34円 | -96.59円 | 222(記事内表記は221) | 未確認 |
| 2026-09-14 | 63,492.99円 | -518.35円(-0.81%) | 76(一部集計77) | 85 |
株式ちゃんねる(f-frontier)・日本経済新聞の公表データをもとに作成(高値・安値更新銘柄数は株式ちゃんねる集計、日経平均終値・前日比は日本経済新聞記事に基づく。集計元により1銘柄程度のブレがあります)
上の表の9月1日を見ると、日経平均は前日比96円59銭安と小幅に反落しています。それでも年初来高値を更新した銘柄は222本ありました。指数が下がった日でも、高値を更新している銘柄はゼロではないということです。指数の1日の上げ下げだけでその日を「悪い日」と決めてしまうと、この222本は見えません。
一方の9月14日は、日経平均が518円35銭安(-0.81%)の続落で、7月30日以来の安値水準になりました。この日は米OpenAIのIPO延期報道やAI開発ペース減速への警戒から、半導体・AI関連株が下落したことが指数を押し下げています。高値更新は76本まで減り、安値更新が85本とそれを上回りました。
高値更新より安値更新が多い日は、上がっている銘柄より下がっている銘柄のほうが広く出ていることを示します。地合い(相場全体の雰囲気)が弱含みだった日、という読み方です。逆に高値更新が安値更新を大きく上回る日が続けば、上昇が一部の主力株にとどまらず広い範囲に行き渡っている状態と考えられます。
「まだら相場」という状態
指数は最高値を更新しているのに、高値更新の銘柄数が少ない — この組み合わせが続くとき、相場は「まだら」になっている可能性があります。半導体・AI関連のような一部の大型株が指数を持ち上げる一方、その他大勢の銘柄は横ばいか下落している状態です。自分の持ち株が動かないのに指数だけが上がる、という感覚は、この状態のときによく起きます。
新高値・新安値の銘柄数はどこで確認できる?
専用ツールを契約しなくても、無料のランキングページで毎日確認できます。
- ランキングページを開く日本経済新聞の年初来高値更新ランキング、またはYahoo!ファイナンスの年初来高値ランキングを開きます。いずれも東証上場銘柄の更新ランキングを日次で無料公開しています。
- その日の件数を数える掲載されている銘柄数が、その日の年初来高値更新銘柄数です。一覧が複数ページに分かれている場合は、総件数の表示を確認します。
- 安値側も同じように見る年初来安値のランキングも同様に開き、件数を控えます。高値と安値の2つの数字がそろって、はじめて広がりが判断できます。
- その日の指数の終値と並べて記録する日付・日経平均終値・前日比・高値更新数・安値更新数の5列を、表計算ソフトやメモに書き足していきます。1日30秒の作業です。
- 2週間分ためてから読む単日の数字だけでは判断できません。10営業日ほど並べると、高値更新数が増えている局面なのか細っている局面なのかが見えてきます。
集計元によって数字が1銘柄ほどずれることがあります。実際、9月14日の高値更新数も集計によって76と77の両方が見られます。同じ情報源をずっと使うのがコツです。日ごとの増減を見るのが目的なので、水準が数銘柄違うことより、集計基準を途中で変えないことのほうが大事になります。
- 日付
- 日経平均終値
- 前日比(円・%)
- 年初来高値更新銘柄数
- 年初来安値更新銘柄数
この数字をどう判断に使う?
読み方はシンプルで、指数の動きと銘柄数の動きが「そろっているか」を見ます。
| 指数と銘柄数の組み合わせ | 読み取れること |
|---|---|
| 指数が上昇・高値更新数も多い | 上昇が広い範囲に行き渡っている状態 |
| 指数が上昇・高値更新数は少ない | 一部の銘柄が指数を押し上げている「まだら」の可能性 |
| 指数が下落・高値更新数はそれなりにある | 下げが全面的ではなく、上げている銘柄も残っている |
| 指数が下落・安値更新数が高値更新数を上回る | 下げが広く出ており、地合いが弱含み |
2026年9月14日は、この表の4行目にあたります。指数が518円安で、安値更新85本が高値更新76本を上回った日でした。一方の9月1日は3行目に近く、指数が96円安でありながら高値更新は222本ありました。同じ「日経平均が下げた日」でも、中身がこれだけ違います。
新高値・新安値の銘柄数は、相場の広がりを示す1つの材料にすぎません。単日の数字は、決算の集中や配当の権利落ち(配当を受け取る権利がなくなる日に、その分だけ株価が下がりやすくなること)、指数の構成銘柄入れ替えなど、さまざまな事情で振れます。特定の日の数字が良かった・悪かったからといって、そこから相場の先行きが決まるわけではありませんし、この指標が示すのはあくまで「その日までに何が起きたか」であって、明日どうなるかではありません。判断の材料を1つ増やすもの、という位置づけで使ってください。
指数の最高値更新ニュースとは、どう付き合えばいい?
日経平均は2026年前半を通じて記録的な上昇局面が続き、6月には史上初の7万円台に到達する場面がありました。5月29日には前日比1636円高の6万6329円50銭で最高値を更新し、6月17日には3日連続の最高値更新(終値6万9902円、497円高)が報じられています。こうしたニュースは指数という1つの数字を伝えるもので、個別銘柄の広がりまでは語っていません。
「最高値更新」と聞いたら、その日の高値更新銘柄数もセットで見る。これを習慣にするだけで、ニュースの見出しと自分の口座の落差に振り回されにくくなります。年末の指数見通しは調査機関によって見方が大きく分かれており、どの予想も前提として置くべきものではありません。手元で毎日数えられる数字を持っておくほうが、他人の予想を追いかけるより実感がつかめます。
まずは2週間、5列のメモを埋めてみるところから始められます。数字がたまると、ニュースの見出しだけでは見えなかった相場の輪郭が、自分の目で見えるようになります。
本記事は教育・情報提供を目的としたもので、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。株式投資に元本保証はなく、株価の変動により損失が生じる可能性があります。記載した数値は出典元の公表時点のものであり、最新の情報は各自でご確認ください。
よくある質問
年初来高値更新銘柄数は何銘柄あれば「多い」と言えますか?
絶対的な基準はなく、直近の水準との比較で判断します。2026年9月1日の東証では222銘柄(集計元により221とも)が年初来高値を更新した一方、9月14日は76銘柄でした。同じ月でも3倍近い差が出るため、10営業日ほど自分で記録して、その期間の平均より多いか少ないかで見るのが実用的です。
年初来高値より年初来安値の更新銘柄数が多い日は、何を意味しますか?
上昇より下落が広い範囲の銘柄に出ていることを意味し、相場の地合いが弱含みだった日と読めます。2026年9月14日の東証では高値更新76銘柄に対し安値更新85銘柄となり、日経平均も前日比518円35銭安(-0.81%)の続落でした。ただし単日の逆転だけで先行きが決まるわけではなく、数日から2週間の推移で見る指標です。
新高値・新安値の銘柄数は無料で確認できますか?
確認できます。日本経済新聞(nikkei.com/marketdata/ranking-jp/year-high/)とYahoo!ファイナンス(finance.yahoo.co.jp)が、東証上場銘柄の年初来高値・安値更新ランキングを日次で無料公開しています。有料ツールを契約しなくても、毎日の件数を控えることは可能です。
日経平均が最高値を更新しているのに自分の持ち株が上がらないのはなぜですか?
日経平均は225銘柄の株価から計算される指数で、値がさ株(1株あたりの株価が数千円〜数万円と高い銘柄)や半導体・AI関連のような一部の大型株が大きく動くと、それだけで指数が上昇することがあるためです。指数が上がっていても年初来高値を更新した銘柄数が少ない場合、上昇が一部の銘柄に偏った「まだら相場」である可能性があります。高値更新銘柄数を併せて見ると、この偏りを数字で確認できます。
※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。