恐怖指数VIXとは?20超えで分かる市場の警戒感
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VIX指数(恐怖指数)は、米CBOEがS&P500のオプション価格から算出する、投資家が予想する今後30日間の変動率を数値化した指標です。通常は10〜20程度で推移し、20を超えると市場の警戒感が強まっているサインとされます。日本版は日経平均オプションから算出される日経平均VI(日経VI)で、日本経済新聞社が算出・公表しています。どちらも「予想」であって実際の値動きそのものではない点が読み方の要になります。
恐怖指数とは、投資家が「これから相場がどのくらい荒れそうか」と予想している度合いを数値にしたものです。正式にはVIX指数といって、米シカゴ・オプション取引所(CBOE)がS&P500指数のオプション価格から算出しています。松井証券ほかの解説によると、対象は今後30日間の変動率です。
ここで大事なのは、恐怖指数が測っているのが「実際にいくら下がったか」ではなく「これからどのくらい振れると思われているか」だという点です。株価そのものの高安を示す指標ではありません。数字の正体と、ニュースの見出しだけでは誤読しやすいポイントを順に整理していきます。
VIX指数(恐怖指数)とは何か?
VIX指数は、S&P500指数を対象とするオプション(あらかじめ決められた売買価格=権利行使価格ごとに取引されます)の価格から算出される指数です。投資家が予想する今後30日間の市場変動率——専門用語ではインプライド・ボラティリティ(オプション価格から逆算される予想変動率)——を数値化したもので、これがそのまま「恐怖指数」という通称で呼ばれています。
オプションは、将来ある価格で売買する権利を売り買いする取引です。相場が荒れそうだと考える人が増えるほど、その「保険」にあたる権利の価格が高くなります。VIXは、その保険料の高さから「みんながどのくらい荒れると思っているか」を逆算した数字だと考えると、絵が浮かびやすいはずです。
方向ではなく振れ幅を示す指標である点が、最初につまずきやすいところです。VIXが高いというのは「大きく動きそうだと予想されている」という意味であって、上下どちらへ動くかを示しているわけではありません。実際には不安が強まる局面で上昇しやすいため「恐怖指数」と呼ばれていますが、指標そのものの定義は変動率です。
VIXの数値はどう読む?20が目安とされる理由
| おおよその水準 | 市場参加者の予想の状態 |
|---|---|
| 10〜20程度 | 通常時に多く見られる推移の範囲 |
| 20超 | 警戒感・不安心理が強まっているサインとされる |
松井証券の公表資料をもとに作成
上の表のとおり、数値が高いほど投資家が「将来大きく変動する」と予想していることを意味します。ただし「20」はあくまで一般に語られる目安であり、この線を超えたら何をすべきという決まりがあるわけではありません。水準そのものより、どこからどこへ動いたかを見るほうが情報量があります。15前後で落ち着いていたものが数日で25まで跳ねたのか、もともと高い状態が続いているのか。同じ「20台」でも、経緯によって意味は変わります。
- いつ時点の数値か(終値か、取引時間中の値か)
- 直前まではどのくらいの水準だったか(変化の幅)
- 何をきっかけに動いたと説明されているか
日本版の恐怖指数「日経平均VI」とは?
日本にも同じ考え方の指標があります。日経平均VI(日経平均ボラティリティー・インデックス、日経VI)で、大阪取引所に上場する日経平均オプションの価格を用いて、投資家が抱く今後1カ月先の日経平均株価の予測変動率を指数化したものです。算出・公表は日本経済新聞社が行っています。
- 2010年11月19日日次終値ベースでの算出・公表を開始。
- 2012年1月30日15秒間隔のリアルタイム算出・公表へ移行。
野村證券の用語解説によると、日経平均VIは日本株市場の投資家心理を反映し、国内の経済政策や企業業績への懸念が強まると上昇する傾向があります。米国株のニュースでVIXが話題になっていても、日本株を持っている人にとっては日経平均VIのほうが自分の保有資産に近い温度計になります。
VIXと日経平均VIの対応関係
| 算出のもとになるオプション | VIX: S&P500指数オプション / 日経平均VI: 日経平均オプション |
|---|---|
| 対象期間 | VIX: 今後30日間 / 日経平均VI: 今後1カ月先 |
| 算出・公表 | VIX: 米シカゴ・オプション取引所(CBOE) / 日経平均VI: 日本経済新聞社 |
恐怖指数を誤読しないための注意点は?
ここが実務上いちばん大事なところです。VIX・日経平均VIはいずれも、オプション価格から逆算される「将来の予想変動率」であり、実際の過去の値動き(ヒストリカル・ボラティリティ)そのものではありません。投資家心理・市場の不確実性を映す指標であって、実際の変動幅と一致するとは限らないという点を、数字を見るたびに思い出す必要があります。
予想である以上、実際の値動きとずれることは当然にあります。恐怖指数が高まっても相場が大きく動かないまま落ち着くこともありますし、逆に平穏な水準から急変することもあります。恐怖指数は「今、市場参加者がどう身構えているか」を映すものであって、これから何が起きるかを当てる装置ではありません。
恐怖指数が上がったから売る、下がったから買う、といった売買のスイッチとして単独で使うのは無理があります。方向を示す指標ではないうえ、水準の意味は局面によって変わるためです。市場の温度を確認する材料のひとつとして、株価や決算、金利といった他の情報と並べて見るのが実際的です。
また、指数見通しやアナリスト予想を目にしたときも同じで、それらは予想であって前提ではありません。いつ時点の見方かを必ず確認してください。
ニュースで「恐怖指数が上昇」と見たときの手順は?
用語の意味がわかったところで、実際にニュースに出くわしたときの確認の流れを整理しておきます。日本経済新聞はVIX指数の特集ページとリアルタイムチャートを公開しており、水準や推移を自分で確認できます。
- 数字の水準と直近の推移を見る単発の数値ではなく、直前数日〜数週間からどれだけ変化したかをチャートで確認します。
- 米国か日本かを区別するVIXは米国株、日経平均VIは日本株が対象です。自分の保有資産に対応するほうを見ます。
- 何が材料と説明されているかを読む経済指標の発表、金融政策、企業業績への懸念など、上昇のきっかけとして挙げられている事実を確認します。
- 自分のポジションと照らす値動きが荒くなりやすい局面で、自分が保有量やルールを変える必要があるかを落ち着いて点検します。慌てて動かす判断そのものが、薄い根拠になっていないかも含めて。
この4つを踏むだけで、「恐怖指数が上がった」というひとことのニュースが、自分にとって何を意味するのかを言葉にできるようになります。
覚えておきたいポイント
- VIXはS&P500のオプション価格から算出される、今後30日間の予想変動率
- 通常は10〜20程度、20超で警戒感が強いとされる(あくまで目安)
- 方向ではなく振れ幅を示す指標。高い=下がる、ではない
- 日本版は日経平均VI。日経平均オプションから算出し、日本経済新聞社が公表
- 予想変動率であり、実際の値動きと一致するとは限らない
言葉の印象が強いぶん、意味を知らないまま見ると必要以上に不安になりやすい指標です。中身がわかっていれば、ニュースの見出しに動かされずに、自分の判断材料のひとつとして置いておけます。
投資は自己責任であり、元本が保証されるものではありません。この記事は用語と指標の読み方を解説する教育目的の内容で、特定の銘柄や売買のタイミングを推奨するものではありません。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。
よくある質問
恐怖指数(VIX)とは何ですか?
VIX指数は、米シカゴ・オプション取引所(CBOE)がS&P500指数を対象とするオプション(あらかじめ決められた売買価格=権利行使価格ごとに取引されます)の価格から算出する指数で、投資家が予想する今後30日間の市場変動率(インプライド・ボラティリティ)を数値化したものです。通称として恐怖指数と呼ばれます。
VIXが20を超えるとどういう意味ですか?
VIX指数は通常10〜20程度で推移することが多く、20を超えると市場参加者の警戒感・不安心理が強まっているサインとされます。数値が高いほど、投資家が将来大きく変動すると予想していることを意味します。ただし方向(上昇か下落か)を示す指標ではありません。
日経平均VI(日経VI)とVIXの違いは何ですか?
VIXがS&P500指数オプションから今後30日間の予想変動率を算出するのに対し、日経平均VIは大阪取引所上場の日経平均オプション価格を用いて、投資家が抱く今後1カ月先の日経平均株価の予測変動率を指数化したものです。日経平均VIは日本経済新聞社が算出・公表しており、2010年11月19日に日次終値ベースで公表を開始、2012年1月30日から15秒間隔のリアルタイム算出に移行しました。
恐怖指数が高いと必ず株価は下がりますか?
必ずしもそうではありません。VIX・日経平均VIはオプション価格から逆算される将来の予想変動率であり、実際の過去の値動き(ヒストリカル・ボラティリティ)そのものではありません。投資家心理や市場の不確実性を映す指標であって、実際の変動幅と一致するとは限らない点に注意が必要です。
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