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逆指値とは?下落を自動売却に変える設定手順

2026年5月28日|いろは堂投資編集部
株価チャートのイメージ

画像出典: パブリックドメイン(Wikimedia Commons)

この記事の要点
逆指値注文は、株価が指定した価格に到達した時点で自動的に発注される注文方式です。売りなら「◯◯円以下になったら売る」、買いなら「◯◯円以上になったら買う」と設定でき、通常の指値とは条件の向きが逆になります。設定はトリガー価格と、発動後に成行で出すか指値で出すかの2段階で指定します。
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下がったら売ろうと決めていたのに、いざ下がると「もう少し待てば戻るかも」と思って売れないまま含み損が膨らみました……

値下がりの局面で手が止まるのは、判断の材料が増えるからです。株価が下がっているときは、悪材料のニュースも、戻りを期待する声も同時に目に入ってきます。その状態で「売るか、持つか」を一から考え直すと、たいてい結論は先送りになります。

この「売れない」を解決する方法のひとつが、売る条件をあらかじめ注文として出しておくことです。相場が動いている最中に判断するのではなく、落ち着いているうちに条件だけ決めて、執行は証券会社のシステムに任せる。そのための注文方式が逆指値です。

なお、以下は注文のしくみと操作の解説であり、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。

逆指値とは?通常の指値と何が違う?

逆指値注文とは、株価があらかじめ指定した価格条件に到達した時点で、直ちに発注される注文方式です。SMBC日興証券の用語解説では、買いは「指定した価格以上になったら買う」、売りは「指定した価格以下になったら売る」注文と説明されています。SBI証券は「注文する銘柄の株価が、あらかじめ指定した価格(参照価格)以上、または以下に到達した場合に、あらかじめ指定した注文を発注する」方式と定義しています。

ここで引っかかりやすいのが「逆」という言葉です。通常の指値注文と逆指値注文は、同じ「売り」でも発動する条件が正反対になります。売りの注文で並べると、違いは次のとおりです。

通常の指値(売り)逆指値(売り)
発動する条件指定価格以上になったとき指定価格以下になったとき
株価の向き上がったとき下がったとき
主な用途目標価格での利益確定損切りの自動化・トレンド転換時の利益確定

上の表のとおり、通常の指値は自分にとって有利な方向に株価が動いたときに発動し、逆指値は不利な方向へ動いたときに発動します。名前の「逆」は、この条件の向きを指しています。役割が正反対なので、両方を覚えると売買の設計がしやすくなります。目標まで上がったら売るのが通常の指値、想定を超えて下がったら売るのが逆指値です。

逆指値の設定手順は?

注文画面での操作は、証券会社が違ってもおおむね同じ形をしています。楽天証券やマネックス証券のヘルプでは、注文方法の選択欄に「成行」「指値」と並んで「逆指値」が用意されており、これを選ぶと入力欄が2段階に分かれる構成です。

  1. 売買の別と株数を入力する保有株を守るための逆指値なら「売り」を選び、対象の株数を入力します。保有株数の一部だけを対象にすることもできます。
  2. 注文方法で「逆指値」を選ぶ成行・指値と並んだ選択肢から逆指値を選びます。ここを選ぶまでトリガー価格の入力欄は現れません。
  3. トリガー価格を入力する「◯◯円以下になったら」という発注の引き金となる価格です。moomoo証券の解説では、この発動条件の価格をトリガー価格と呼んでいます。
  4. 発動後の執行方法を選ぶトリガーに達したあと、成行で出すか、指値で出すか(指値ならその価格も)を指定します。ここが2段階目です。
  5. 有効期間を選んで注文を確認する本日中・今週中といった執行条件を選び、確認画面で内容を見てから発注します。
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トリガーのあとにまた成行か指値かを聞かれるのが、正直よくわかりません。

2段階になっているのは、逆指値が「いつ注文を出すか」を決める仕組みであって、「いくらで売るか」までは決めていないからです。トリガー価格は発注ボタンが自動で押されるタイミングを指定するだけで、押されたあとに出る注文の中身は別途決める必要があります。

この2段階目の選び方で、注文の性格が変わります。成行を選べば、価格を指定しない注文として発注されるため約定はしやすくなりますが、急な変動時にはトリガー価格からかなり離れた値段で成立する可能性があります。指値を選べば約定価格に下限を設けられますが、株価がその水準を割り込んで進んだ場合は約定しないまま残ります。損切りを確実に実行することが目的なら成行、価格の下限を守ることを優先するなら指値、という整理になります。

トリガー価格はどう決める?

みずほ証券のFAQでは、購入価格1,000円の銘柄について「900円まで下落したら成行で売却する」逆指値を設定することで、損失の拡大を回避するリスクコントロールができる、という例が挙げられています。この1,000円と900円の関係を分解すると、決め方の考え方が見えてきます。

1,000円で買った株に900円の逆指値を置いた場合
  • 買値からの下落幅は100円
  • 買値に対する下落率は10%
  • 100株保有なら、発動時の想定損失はおよそ1万円(手数料等を除く)
  • 900円に達しない限り注文は発動せず、保有は続く

つまりトリガー価格を決める作業は、「この取引で受け入れられる損失はいくらか」を先に決めて、それを価格に翻訳する作業です。順番を逆にして「なんとなくこのあたり」で価格から決めると、いざ発動したときの損失額が想定外になります。

買値ではなく資金全体から逆算する

受け入れられる損失額を決めるときは、その銘柄の買値だけを見るのではなく、投資に回している資金全体から考える方法があります。たとえば投資資金100万円のうち、1回の取引で失ってよい額を2%=2万円と決めておけば、100株買った銘柄では1株あたり200円の下落幅までが許容範囲になります。買値1,000円なら800円がトリガー価格の目安です。

この決め方の利点は、銘柄が変わっても基準がぶれないことです。株価の水準が高い銘柄でも低い銘柄でも、失ってよい金額のほうを固定しておけば、下落幅は計算で出てきます。

日常的な値動きの幅を確認しておく

もうひとつ確認しておきたいのが、その銘柄が普段どのくらい上下しているかです。日々2〜3%動くことが珍しくない銘柄に、買値から1%下の逆指値を置けば、方向感のない値動きのなかで発動してしまいます。損切りとして機能させるには、通常の変動の範囲より外側にトリガー価格を置く必要があります。

過去数か月のチャートで高値と安値の幅をざっと眺め、「これは普段の揺れではない」と言える水準を探す。ここが、許容損失額から出した目安と突き合わせるもう一方の材料になります。両者が大きく食い違う場合、たとえば普段の値動きが許容損失を超えているなら、株数を減らして1株あたりの許容幅を広げるという調整もできます。

逆指値が万能ではない点も知っておいてください

トリガー価格に達したあとの約定価格は保証されません。成行で発動させた場合、値が飛んで下がる局面ではトリガー価格より低い値段で成立することがあります。指値で発動させた場合は逆に、株価が指値を通り越して下落すると約定しないまま残ります。どちらの方式でも「必ずこの価格で損失が止まる」わけではない、という前提で使う注文です。

また、逆指値が使えるかどうかは上場市場や証券会社によって条件が異なります。SBI証券のFAQでは、東証以外の市場のみに上場している銘柄では利用できないケースがあることが案内されています。利用前に、取引する証券会社の対象範囲を確認してください。

買いの逆指値はどんなときに使う?

逆指値は損切りの印象が強いのですが、買いにも設定できます。買いの逆指値は「指定した価格以上になったら買う」という条件なので、株価が上がってから買いに行く注文です。

安く買いたいという発想からすると不自然に見えますが、これは「一定の水準を上抜けたことを確認してから入る」という考え方に基づく使い方です。上値で長く止まっていた価格帯を超えたら参加する、といったルールを、画面を見ていない時間帯も含めて実行できます。

もうひとつ、保有株の利益確定を自動化する使い方もあります。買値より十分高い水準まで上がった銘柄に、現在値より少し下の位置へ売りの逆指値を置いておけば、上昇が続く限り保有を続け、下落に転じたところで売却されます。トレンドが転換したときの利益確定として、通常の指値とは違う出口の作り方ができます。

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下がったときだけでなく、上がったあとの出口にも使えるんですね。

売りの逆指値を利益確定に使う場合、株価が上がるにつれてトリガー価格を引き上げていく運用が必要になります。置きっぱなしにすると、株価がどれだけ上がっても最初に決めた水準まで下げないと発動しないため、利益を戻してから売ることになります。定期的に見直す手間を含めて、どの使い方を選ぶかを考えてください。

注文を出す前に確認したいこと

逆指値は、注文を出した時点では何も起きません。だからこそ、出したあとに放置して忘れやすい注文でもあります。次の点を注文前に確認しておくと、想定外の発動を減らせます。

発注前チェックリスト
  • トリガー価格が、買値と許容損失額から計算した水準になっているか
  • 発動後の執行方法(成行/指値)を意図して選んでいるか
  • 有効期間はいつまでか(本日中にすると翌日には注文が消える)
  • 対象株数が保有株数と合っているか
  • 決算発表など、大きく動く予定が期間中にないか

有効期間は特に見落としやすい項目です。損切りルールとして機能させたいのに本日中で設定していると、翌日以降は無防備になります。証券会社によって指定できる最長期間が違うため、期限が切れたら出し直す運用にするのか、長めの期間を選ぶのかを決めておいてください。

そして、注文を出したこと自体を記録に残しておくことをおすすめします。どの銘柄にいくらの逆指値を置いたかを一覧にしておけば、株価が動いたときに見直すべき注文がすぐわかります。

投資は自己責任であり、元本が保証されるものではありません。本記事は注文方式のしくみと操作手順の解説を目的としたもので、特定の銘柄や売買タイミングを推奨するものではありません。実際の注文条件・手数料・対象市場は証券会社によって異なるため、取引前に各社の公式情報をご確認ください。

よくある質問

逆指値と通常の指値はどう違いますか?

条件の向きが反対です。通常の指値は売りなら「指定価格以上になったら売る」と有利な方向で発動しますが、逆指値は売りなら「指定価格以下になったら売る」と不利な方向へ動いたときに発動します。通常の指値は目標価格での利益確定に、逆指値は損切りの自動化やトレンド転換時の利益確定に向いています。

逆指値のトリガー価格とは何ですか?

トリガー価格とは、「◯◯円以下(以上)になったら」という発注の引き金になる価格設定のことです。株価がこの価格に到達した時点で、あらかじめ指定しておいた注文が自動的に発注されます。トリガー価格は発注のタイミングを決めるもので、実際の約定価格を保証するものではありません。

逆指値が発動したら、その価格で必ず売れますか?

売れるとは限りません。発動後に成行で発注する設定にした場合、価格を指定しない注文になるため、急変動の局面ではトリガー価格より低い値段で約定することがあります。発動後に指値で発注する設定にした場合は、株価がその指値を下回って進むと約定しないまま注文が残ります。

逆指値はすべての銘柄で使えますか?

使えない場合があります。SBI証券のFAQでは、東証以外の市場のみに上場している銘柄では逆指値注文が利用できないケースがあることが案内されています。対象となる市場や銘柄の範囲は証券会社ごとに異なるため、利用前に取引先の証券会社の公式情報で確認してください。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。