勉強垢とは?社会人41.1%保有、効果的な使い方
画像出典: ぱくたそ
勉強用SNSアカウント(勉強垢)は、社会人の41.1%が保有し、目的の最多は「モチベーション維持のための勉強記録」です。効果の中心は他人に見られる意識が生む宣言効果で、続けるには投稿の目的を記録に限定し、比較が始まったら距離を取るルールを先に決めておくことが要になります。参考書の中身を撮影して投稿する行為は公衆送信権の侵害にあたる恐れがあるため避けてください。
1人で勉強していると、やめても誰も困りません。締め切りも報告先もない状態で毎日机に向かうのは、実はかなり難度の高い行動です。続かない原因は意志の強さではなく、続けたことが誰にも観測されていないことにあります。
そこで使われているのが、勉強の記録だけを投稿する「勉強垢」です。正直なところ、合う人と合わない人がはっきり分かれます。効果の中身と、消耗しないための線引きを順に見ていきます。
勉強垢とは?社会人の何割が持っている?
勉強垢とは、勉強の記録や進捗の投稿に用途を絞ったSNSアカウントのことです。友人・同僚とつながる普段のアカウントとは別に作り、参考書のページ数や学習時間、その日にできなかったことなどを短く残します。
| 属性 | 勉強垢の保有率 |
|---|---|
| 高校生・浪人生 | 48.1% |
| 社会人 | 41.1% |
ASCII.jp(Studyplusトレンド研究所調査 / 2023年2月実施・n=4,722)の公表データをもとに作成
この調査はStudyplusトレンド研究所が2023年2月に実施したもので、回答者は4,722人です。最も高いのは高校生・浪人生で、社会人はそれに次ぐ水準にあります。つまり社会人の4割前後がすでに使っている、決して珍しくない手段ということになります。
同じ調査では、活用目的は「モチベーションを維持するための勉強記録」が全属性で最多となり、8〜9割を占めました。次いで「勉強方法や情報収集」が約7割です。つまり勉強垢の主用途は、交流でも発信でもなく記録であることが数字に表れています。
なぜ1人だと続かず、投稿すると続くのか?
効果の説明としてよく挙げられるのが宣言効果(パブリック・コミットメント)です。勉強することを公の場で宣言すると、自分に良い意味でのプレッシャーがかかるとされています。頭の中で「やろう」と思うだけの状態と、他人が読める場所に書いた状態では、行動を取り消すときのコストが変わります。
もう一つは「誰かに見られている」という意識です。この意識がサボりを防ぎ、達成感を生み出すと説明されています。1人の勉強でいちばん抜け落ちるのは、終わったあとに「できた」と確認する工程です。ノートを閉じて終わりだと、進んだ実感が残りません。投稿という形で1日を締めると、その日の成果が自分の目に見える形で残ります。
効果が出やすいのは、こういう状態の人
- やる気はあるのに、3日〜1週間で途切れる
- 勉強したかどうかを後から思い出せない
- 資格の受験日など、目標に期限がある
- 周りに同じ勉強をしている人がいない
他人の進捗を見ると焦りが強くなる人、SNSを開くと通知や関係ない投稿に時間を持っていかれる人には逆効果になりやすい手段です。また、勉強の内容そのものが定まっていない段階でアカウントだけ作ると、「何を投稿するか」を考える時間が勉強時間を食います。まず1週間、紙のノートに学習時間だけ書く方法で足ります。
疲れない距離感のルールはどう決める?
ここは正直に書いておきます。「フォロワーは◯人まで」「1日◯投稿まで」といった数値で裏づけられた基準は、公開された統計や実証研究として見つかりませんでした。そのため、数字ではなく運用の考え方として整理します。続けるコツとして挙げられているのも、無理のない範囲で自分が楽しめるペースを見つけることです。
- 目的を「記録」に固定する投稿の目的をその日の学習記録に限定します。感想や意見を書かない、と決めておくだけで、反応の有無が気にならなくなります。前述の調査でも主用途は記録でした。
- 投稿の型を1つ決める「教材名/進んだ範囲/学習時間」のように毎回同じ3項目にします。書く内容を毎回考えないことが、続ける条件です。
- 見る時間を投稿時に限るタイムラインを開くのは自分が投稿した直後だけにします。勉強前に開くと、始める前に疲れます。
- 比較が始まったら数を減らす「この人より進んでいない」と感じた日が続いたら、フォロー数を減らすか、投稿だけして読まない期間を作ります。落ち込みを我慢して続ける必要はありません。
- 本を撮らない市販の参考書・問題集・教科書の中身を撮影して投稿する行為は、著作権法上の公衆送信権を侵害する恐れがあります。写すなら自分のノートか、教材の表紙までにとどめます。
投稿が多く流通していることと、権利上の問題がないことは別です。自分が解いた答案やまとめノートは自分の著作物なので、これを撮るのが安全です。教材を紹介したい場合は、書影を使わずタイトルを文字で書けば足ります。
社会人と学生では、投稿のペースをどう変える?
1日のうち勉強に回せる時間(可処分時間)の長さが違うため、同じ運用をすると片方が破綻します。
| 比較の軸 | 社会人 | 学生 |
|---|---|---|
| 平日に取りやすい時間 | 短い(通勤・昼休みなどの分割) | 長め(授業外にまとまった時間) |
| 費用の出どころ | 自分の収入 | 仕送り・アルバイト等で制約が大きい |
| 投稿の現実的なペース | できた日だけ/週単位でまとめる | 1日1回の日次記録が回しやすい |
社会人は平日に確保できる時間が短く、代わりに受験料や教材費を自分の収入から出せます。学生は1日に取れる時間が長い一方、受験料の負担が重く、受験の回数を絞る前提で計画を立てる必要があります。
社会人が「毎日投稿」を自分に課すと、投稿できない日に勉強そのものをやめる理由を与えてしまいます。できなかった日を書かないのではなく、「今日は0分」と書ける形式にしておくと、途切れが記録の中断になりません。学生の場合は時間が取れる分、日次で残したほうが復習の手がかりとして機能します。
投稿に使う時間の目安
投稿そのものは、書く内容を考えずに埋められる形式にしてください。教材名・範囲・時間の3項目だけなら、その日の数字を入れるだけで書き終わります。逆に、写真の加工や文章の推敲を始めると投稿の準備が作業になり、勉強時間を削る側に回ります。
1週間で試すなら、何から始める?
- 1日目普段のアカウントとは別に新規アカウントを作る。プロフィールには目標(例:「11月の試験まで」)だけ書く。
- 2日目同じ資格・同じ分野を学んでいる人を探してフォローする。数はむやみに増やさず、見ていて焦らない相手だけにする。
- 3〜6日目「教材名/範囲/学習時間」の3項目で投稿する。0分の日も0分と書く。
- 7日目1週間分の投稿を見返し、合計時間を数える。焦りが増えただけなら、アカウントを閉じてノート記録に戻す。
1週間で判断がつく話です。合わなかった場合に撤退する前提を先に決めておくと、始めるハードルも下がります。
よくある質問
勉強垢を持っている社会人はどのくらいいますか?
Studyplusトレンド研究所が2023年2月に実施した調査(n=4,722)では、社会人の41.1%が勉強用SNSアカウントを持っていると回答しました。最も高いのは高校生・浪人生の48.1%です。
勉強垢は何のために使われていますか?
同調査では「モチベーションを維持するための勉強記録」が全属性で最多となり8〜9割を占め、次いで「勉強方法や情報収集」が約7割でした。交流よりも記録が主な用途です。
参考書のページを撮影して投稿してもよいですか?
市販の参考書・問題集・教科書の中身を撮影して投稿する行為は、著作権法上の公衆送信権の侵害にあたる恐れがあるため避けてください。自分で書いたノートや答案であれば問題ありません。
投稿を毎日続けられないと意味がありませんか?
毎日投稿を条件にすると、投稿できない日に勉強自体をやめる理由を与えてしまいます。「今日は0分」と書ける形式にして記録を途切れさせないほうが、無理のないペースで続けられます。
※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。