乳幼児向け食品 値上げ率15〜24%、負担増の見当をつける買い方
画像出典: 写真: Executioner(CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)
アサヒグループ食品はベビーフード75品目を2026年11月2日納品分から約15〜24%値上げし、雪印メグミルクは育児用粉ミルク4品を2026年10月1日から価格改定しました。値上げ率を自宅の月間消費額に掛ければ負担増の見当がつき、定番品だけを値上げ前に買い足す・容量や形状を変えるといった買い方で、増える分の一部を和らげられます。
赤ちゃんのいる家庭の買い物かごは、中身を減らすという調整がしにくいのが正直なところです。大人なら外食を一回減らせば済む話でも、ミルクの量は子どもの月齢が決めます。だからこそ、値上げの話を聞いたときにできることは「買う量を削る」ではなく「買い方を変える」になります。
まずは、何がどれだけ上がるのかをはっきりさせましょう。そのうえで、自宅の消費量に当てはめて金額に直し、今日からできる手を順番に見ていきます。
2026年に乳幼児向け商品はどれだけ値上げされた?
| 商品カテゴリ | メーカー/ブランド | 実施時期 | 値上げ率/価格変化 |
|---|---|---|---|
| 粉ミルク | 雪印メグミルク「ぴゅあ」「たっち」 | 2026年10月1日 | 価格改定(賞味期限延長も実施) |
| 粉ミルク | 和光堂「はいはい」他 | 2026年6月1日納品分 | 約3〜27%値上げ(300g 1,155円→1,328円) |
| 粉ミルク | 森永乳業「はぐくみ」「E赤ちゃん」等14品 | 2025年5月1日出荷分 | 5〜25%値上げ |
| 粉ミルク | 明治「ほほえみ」 | 2024年10月1日出荷分 | 3.5%値上げ(800g 3,297円→3,412円) |
| ベビーフード | アサヒグループ食品「和光堂」「グーグーキッチン」(75品目) | 2026年11月2日納品分 | 約15〜24%値上げ(例: とり雑炊 149円→171円) |
| 紙おむつ | 大王製紙「グーン」「エリエール」 | 2026年8月1日納品分 | 全品15%以上値上げ |
| 紙おむつ | ユニ・チャーム「ムーニー」「マミーポコ」等 | 2026年7月1日以降 | 数%〜5%前後、順次値上げ |
各メーカーの公表データをもとに作成(各行は発表時点の内容)
上の表を縦に見ると、粉ミルクは2024年から各社が順番に改定を重ねてきたことがわかります。そこへ2026年10月の雪印メグミルクの価格改定と、11月2日納品分からのベビーフード75品目の改定が重なります。この引き上げはメーカーが示す想定小売価格(メーカーが目安として示す店頭価格)に対するもので、アサヒグループ食品は理由として、原材料・包装資材・エネルギー価格の上昇と、下がらないままの物流費を挙げています。
乳幼児向けに限った話でもありません。2026年10月に値上げが判明している飲食料品は3153品目で、1〜10月の累計は2万187品目。2年連続で年間2万品目を超えました。総務省が毎月出している消費者物価指数(身の回りのモノやサービスの値段の動きを示す統計)の2026年9月分では、生鮮食品を除く食料が前年同月比+7.6%と、生鮮食品を除く総合の+2.9%を大きく上回っています。
うちの負担はいくら増える?計算のしかた
「15%値上げ」と聞いても財布の実感には結びつきません。値上げ率を自宅の月間消費額に掛ける、これだけで金額に変わります。
- レシートか買い物履歴を1か月分集めるネットスーパーやドラッグストアのアプリの購入履歴でも構いません。
- カテゴリごとに月いくら使っているか出す粉ミルク・ベビーフード・紙おむつの3つだけで十分です。
- 該当する値上げ率を掛ける上の表から自宅で使っているブランドの率を拾います。
公表されている価格で見るとこうなります。和光堂「はいはい」300gは1,155円から1,328円で、1缶あたり173円の差。月2〜4缶なら月350〜700円、1年で4,200〜8,300円ほどの違いです。ベビーフードの「とり雑炊」は149円から171円で1食22円の差ですから、月10〜30食使う家庭なら月220〜660円。紙おむつで月2,000〜4,000円を使っていて15%上がるなら、月300〜600円、年3,600〜7,200円という計算になります(紙おむつの金額は値上げ率から編集部で算出した参考値です)。
3つを合わせると、月900〜1,900円、年間で1万1千〜2万2千円ほどの差になります(粉ミルク・ベビーフード・紙おむつの3品目に月3,000円前後使う平均的な家庭を想定すると、月1,400円前後、年1万6千円ほどが目安です)。月齢や使う量で上下しますが、桁感をつかんでおくと次の判断がしやすくなります。
値上げ前に買い足すなら、どれをいくつ?
買い置きで失敗する典型は、ストックしていること自体を忘れることです。賞味期限の長い食品ほど起こりやすく、気づいたら期限切れ、あるいは同じものをもう一度買っていた、という形で無駄が出ます。だから買い足す対象は絞ります。
- 毎週必ず使う定番品(いつものミルク、よく食べるパウチ1〜2種)
- 今のサイズを1か月以上使う見込みの紙おむつ
- 保存が効き、災害時の備えも兼ねられるもの
子どもが食べるかどうか試していない新しい味のベビーフード、サイズアップが近い紙おむつ、月齢が変わると切り替えるタイプのミルクは、まとめ買いの対象から外します。使い切れなければ値上げ分より大きな損になります。保存の目安は、粉ミルク・ベビーフードとも各商品の賞味期限表示を確認してから数量を決めてください。
数量の決め方はシンプルです。「1か月に使う数 × 使い切れると確信できる月数」で止めます。ミルクを月3缶使うなら2か月分の6缶まで、といった具合です。先ほどの計算なら、6缶分を値上げ前に確保できれば1,000円ほどの差になります。
買ったストックを無駄にしない管理のしかた
在庫を把握できていないまとめ買いは、節約ではなく前払いになるだけです。管理といっても手間のかかる仕組みは続きません。
- 置き場所を1か所に決めるミルク・ベビーフード・おむつのストックを同じ棚にまとめます。分散させると忘れます。
- 手前に期限が近いものを置く買い足したら奥へ入れる、それだけで古いものから使えます。
- 最後の1個を出したら買う、と決める残量を数えるのをやめて、合図を1つに固定します。
- 月末に棚を1分だけ見る数えなくていいので、期限の近いものが前に出ているかだけ確認します。
定番品だけに絞り、置き場所を一か所にして、在庫の減り方を目で見られる状態にする。この3つが揃っていれば、まとめ買いは無駄を生みにくくなります。
代替品に替えると食費はどう変わる?
買い方の次は、何を買うかです。乳幼児向け商品は月齢や子どもの好みに左右されるので、すべてを置き換えることはできません。替えやすいところから一つずつ試すのが現実的です。
容量の大きいほうを選ぶ
粉ミルクは缶とスティックで1gあたりの値段が変わります。外出用にスティックを使い、自宅では缶、と使い分けると、スティックの本数が減ります。買う前に値札のグラム単価を見比べてください。
市販のパウチを一部だけ手作りに寄せる
全食を手作りにする必要はありません。おかゆや野菜のペーストなど手間の少ないものだけ作り置きして製氷皿で冷凍し、外出時や忙しい日は市販品に頼る。1食22円の差でも、月20食のうち10食を置き換えれば月220円分の値上げ影響を受けずに済みます。
ブランドを1つに固定しない
メーカーごとに改定の時期も率も違います。上の表のとおり、同じ年でも実施時期は6月・10月・11月とばらついています。子どもが問題なく食べられる銘柄を2つ持っておくと、価格の動きに合わせて選べます。ただし粉ミルクの切り替えは子どもの様子を見ながら少しずつにしてください。
今日からの順番
- 購入履歴から、ミルク・ベビーフード・おむつの月額を書き出す
- 値上げ率を掛けて、増える金額を1つの数字にする
- 定番品だけ、使い切れる分を値上げ前に買い足す
全部を一度にやろうとすると続きません。金額を把握するところまでできれば、買い物のたびに判断が速くなります。減らせない支出だからこそ、買い方の工夫が効きます。
よくある質問
ベビーフードの値上げはいつから、どれくらいですか?
アサヒグループ食品は「和光堂」「グーグーキッチン」ブランドのベビーフード計75品目について、2026年11月2日納品分からメーカーが目安として示す店頭価格(想定小売価格・税込)を約15〜24%引き上げます。例として「具たっぷりグーグーキッチン とり雑炊」は149円から171円になります。理由は原材料・包装資材・エネルギー価格の上昇と、下がらないままの物流費と説明されています。
粉ミルクは2026年にどのメーカーが値上げしましたか?
雪印メグミルクが「ぴゅあ」「たっち」の缶・スティック計4品について2026年10月1日から価格改定と賞味期限延長を実施しました。和光堂は2026年6月1日納品分から粉ミルク等を約3〜27%値上げし、「はいはい」300gは1,155円から1,328円になっています。2024年には明治が3.5%、2025年には森永乳業が14品を5〜25%値上げしており、各社が段階的に改定を重ねています。
値上げによる負担増は自分で計算できますか?
計算できます。粉ミルク・ベビーフード・紙おむつそれぞれの月間購入額を購入履歴から出し、該当ブランドの値上げ率を掛けます。例えば紙おむつに月2,000〜4,000円使っていて15%の値上げなら、月300〜600円、年3,600〜7,200円の負担増という概算になります。3カテゴリを合わせると月900〜1,900円、年1万1千〜2万2千円ほどが目安で、実際の金額は月齢や使用量によって変わります。
乳幼児向け商品をまとめ買いするときの注意点は何ですか?
使い切れずに無駄が出ることが最大のリスクです。特に賞味期限の長い食品はストックの存在を忘れやすく、期限切れや重複購入につながります。毎週必ず使う定番品に絞り、自宅の在庫量を把握できる状態にしたうえで、使い切れると確信できる量だけ買うのが基本です。サイズアップが近い紙おむつや、まだ試していない味のベビーフードは対象から外します。
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