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子どものゲーム時間、親子で決める5つのルール

2026年6月29日|いろは堂くらし編集部
ゲームで遊ぶ子どもたち

画像出典: 写真: Gamesingear(CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)

この記事の要点
子どものゲーム・動画のルールは、親が決めて渡すより「子どもに時間を言わせて、紙に書いて貼る」ほうが続きます。決めるのは①合算の上限時間②平日と休日の差③やめる合図④守れなかった時の扱い⑤次に見直す日の5点です。話し合いは30分で終わり、必要な道具は紙とペンだけ(タイマーを買い足しても数百円〜千円台)なので、費用をかけずに今日から始められます。
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「あと5分」がずっと続く。時間を決めても、結局こっちが怒って終わるんだけど…

ゲームや動画の時間は、決めること自体はかんたんです。むずかしいのは、決めたあとに親が毎回「見張る役」になってしまうところ。時間になるたびに声をかけ、渋られ、最後は語気が強くなる。この構図が続くと、ルールより先に親のほうが疲れてしまいます。

この構図を変える鍵は、ルールの中身よりも誰が決めたことになっているかです。こども家庭庁の令和6年度調査では、保護者の77.8%が「家庭でルールを決めている」と答えた一方、子ども本人でそう答えたのは67.5%。約10ポイントのずれがあり、高校生では約15ポイントに広がります。親は決めたつもりでも、子どもの側では「決められた」記憶にすらなっていない家庭が、それなりの割合であるということです。

だから最初の一歩は、時間を短くすることではなく、子どもの口から数字を言わせること。ここから順番に進めます。

そもそも子どもは1日どれくらい使っている?

まず、いまの前提を親子で揃えておきます。こども家庭庁の令和6年度青少年のインターネット利用環境実態調査から、学校段階ごとのインターネット利用率を並べると次のとおりです。

青少年全体の利用率98.2%
小学生の利用率97.2%
中学生の利用率98.1%
高校生の利用率99.4%

こども家庭庁「令和6年度青少年のインターネット利用環境実態調査」の公表データをもとに作成(青少年調査3,129人)

小学生の時点ですでに97.2%と、ほぼ全員が使っている状態です。同じ調査では、1日あたりの平均利用時間は約5時間という結果でした。

この5時間には、学校から配られたタブレットの利用も含まれます。同じ調査で、学校配布・指定の端末を使っている割合は72.6%。つまり「画面を見ている時間」と「遊んでいる時間」は別物で、そこを分けずに「画面ばっかり」と言うと、子どもは正当に反発します。ルールで扱うのは、あくまで娯楽としてのゲームと動画だけにしておくと話がこじれません。

ルールで決めるのは何?(決める項目は5つだけ)

項目を増やすほど、覚えられず守られません。決めるのは次の5つで十分です。

この5つだけ決める
  • 合算の上限時間:ゲームと動画を足して1日◯分(別々にすると必ず抜け道になります)
  • 平日と休日の差:平日◯分/休日◯分と分けて書く
  • やめる合図:時計の時刻か、タイマーか。誰が鳴らすか
  • 守れなかったときの扱い:翌日から差し引くのか、その日だけの話にするのか
  • 次に見直す日:◯月◯日にもう一度話す、と日付で書く

とくに効くのが1つ目の合算です。ゲーム60分と決めた家庭で、時間が来た瞬間に子どもが動画へ移る、という現象はよく起きます。子どもは嘘をついていません。動画については何も決めていないからです。「画面で遊ぶ時間、ぜんぶ足して」と定義しておくと、この移動がなくなります。

親子でどう決める?(30分で終わる5手順)

話し合いは長引かせないほうがうまくいきます。おすすめは、テレビを消した夕食後の30分。手順はこうです。

  1. いまを一緒に数える昨日は何分くらいだった?と聞き、責めずに紙に書き出します。ここで叱ると、以降の数字が全部ごまかされます。
  2. 子どもに希望を言わせる「何分ならいいと思う?」と先に子どもへ振ります。多くの場合、大人が想定するより長い数字が出ますが、そのまま書き留めます。
  3. 親の事情を数字で出す「21時に寝てほしいから、逆算するとお風呂は20時」のように、理由を時刻で説明します。「目に悪いから」より、時刻のほうが子どもには反論しにくく、納得もしやすい伝え方です。
  4. 間をとって決める子どもの希望と親の上限の間で着地させます。初回はやや長めで構いません。守れる経験を先に作るほうが、あとの調整が楽になります。
  5. 子ども自身の字で紙に書く決まった5項目を、子どもの手で書かせます。書き終えたら日付と名前を入れて、リビングの見える場所に貼ります。
🤔
子どもに言わせたら、絶対に長い時間を言ってくるよね?

長い数字が出るのは想定内で、それでも先に言わせる意味があります。子どもが最初に数字を口にすると、その後の会話は「親の決定への抵抗」ではなく「自分の提案の調整」になるからです。教育・子育て系の各メディアでも、親が一方的に決めず子ども自身に「いつまでなら守れるか」を考えさせることが、共通してルール作りの要点として挙げられています。

お金の面でも身構える必要はありません。この手順で使うのは紙とペンだけで、家にあるチラシの裏でも成立します。あとで触れるタイマーやシールを買い足す場合でも、キッチンタイマーが1,000円前後、シールやカレンダーは100円ショップでそろう範囲です。合計しても1,000円台に収まるので、「まず今週やってみて、合わなければ見直す」で損はしません。

決めたルールを続かせるには?

ルールが崩れるのは、たいていルールの中身ではなく運用のせいです。効くのは次の3つです。

1. 紙に書いて貼る

口約束は、一週間後には親子で記憶が食い違います。紙が貼ってあれば、もめたときに「怒る」のではなく「紙を見に行く」で済みます。叱る役を、親から紙に引き渡すのがねらいです。子ども自身が書いた紙なら、なおさら効きます。

2. 終わりの合図を親の声から切り離す

「もう時間だよ」と親が言う限り、子どもにとって終了は親の都合です。キッチンタイマーやスマートスピーカーのアラームなど、親以外が鳴らす音に切り替えると、交渉の相手がいなくなります。専用のタイマーを買わなくても、スマホの標準タイマー機能で同じことができます。鳴ってから片づけるまでの猶予(たとえば3分)も、あらかじめ紙に入れておくと揉めません。

3. 守れた日を目に見える形で残す

カレンダーにシールを貼る、表に丸を書く。単純ですが、続ける工夫としてよく紹介される方法です。ポイントは、破った日にバツを付けないこと。丸が付かないだけで十分伝わりますし、バツが並ぶと子どもは記録そのものを嫌がってやめてしまいます。

うまくいかないケースもあります

初回で完璧なルールにはなりません。だからこそ見直し日を先に決めておきます。短すぎて毎日もめる、長すぎて寝る時間がずれる。どちらも「見直し日に相談しよう」と言えれば、その場の言い争いを一度預けられます。
また、破ったときに端末を取り上げる方式は、その場は静かになりますが、次から子どもが隠れて使う方向に動きやすくなります。使った時間を正直に言えなくなると、親からは状況がまったく見えなくなります。翌日の持ち時間から差し引くなど、約束の枠内で完結する扱いにしておくほうが長く機能します。

生活リズムが変わる時期はどう調整する?

長期休みや学年の切り替わりなど、生活のリズムが変わる時期は、それまでのルールが合わなくなります。学校がある日を前提にした「平日◯分」は、日中ずっと家にいる日にはそのまま当てはまりません。

調整するときも、決め方は同じ5手順でかまいません。変えるのは、平日枠の扱いだけです。たとえば、次のように日のタイプごとに書き分けます。

学校がある日合算60分・宿題と翌日の準備が終わってから
学校が休みの日合算90分・午前は30分まで
長期休みの平日合算90分・午前は30分まで(勉強と外出を先に)

上の表では、学校がない日について総量を90分に増やしたうえで、そのうち午前に使えるのを30分までに区切っています。1日の総量だけを決めると、起きた瞬間から使い切って昼前に終わる、という日が生まれがちです。午前の枠を切っておくと、朝から一日中画面という状態を防げます。

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紙に書いて貼るだけなら、今日の夜にできそう

必要なのは紙とペンと30分だけです。完璧な内容でなくても、子どもの字で書かれた紙が壁にある状態を今日つくっておけば、次にもめたときの立ち返り先ができます。まずはそこまでで十分です。

よくある質問

子どものゲーム時間は1日何分が適切ですか?

全国一律の基準はありません。就寝時刻から逆算して決めるのが現実的で、たとえば21時就寝なら、入浴・宿題・翌日の準備にかかる時間を引いた残りを上限にします。こども家庭庁の令和6年度調査では青少年のインターネット利用時間は平均で1日約5時間ですが、これは学校配布端末の利用(利用率72.6%)も含む数字のため、娯楽としてのゲーム・動画の目安とは別に考えます。

ゲームの時間を決めても、動画に移ってしまいます。

ゲームと動画を別々に決めていると起こります。「画面で遊ぶ時間を合算して1日◯分」と定義し直すと、一方の時間が切れたときに他方へ移る抜け道がなくなります。決めた内容は紙に書いて貼り、対象に動画も含まれることを明記しておきます。

ルール作りにお金はかかりますか?

基本は紙とペンだけで、追加費用はかかりません。終わりの合図に使うタイマーはスマホの標準機能で代用でき、専用のキッチンタイマーを買う場合でも1,000円前後、記録用のシールやカレンダーは100円ショップでそろう範囲です。道具をすべて買いそろえても1,000円台に収まります。

決めたルールを守らなかったとき、どうすればいいですか?

端末の取り上げは、隠れて使う方向に子どもを動かしやすく、使用状況が親から見えなくなります。翌日の持ち時間から超過分を差し引くなど、約束の枠内で完結する扱いにしておくほうが長く機能します。あわせて、次の見直し日にルール自体が現実に合っているかを話し合います。

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