調味料の値上げ820品目、代替品で食費はいくら減る?
画像出典: パブリックドメイン(Wikimedia Commons)
帝国データバンクの調査では、2026年10月に値上げ予定の飲食料品は3153品目、うち調味料が820品目、酒類・飲料が1399品目で、平均上昇率は約10%です。しょうゆ・たれ類をめんつゆなど多用途の1本に寄せ、プライベートブランドへ置き換え、買い物を週1〜2回にまとめることで、値上げ分の多くを買い方の側で戻せます。
調味料は1本あたりの金額が小さいぶん、値上がりに気づきにくい一方で、種類の数だけ負担が積み上がります。しかも使い切るまで数週間かかるので、家計への影響が見えるのは買い替えが一巡したあと。そこが厄介なところです。
正直なところ、メーカー価格そのものは自分では動かせません。動かせるのは「何本持つか」「どのブランドを選ぶか」「いつ買うか」の3つです。この3つだけなら、今日の買い物から変えられます。
2026年10月の値上げは何がどれだけ上がった?
帝国データバンクが食品主要195社を対象に行った調査では、2026年10月に値上げ予定の飲食料品は3153品目でした。今年に入ってからは9月の4965品目に次いで2番目に多い水準で、2カ月連続で3000品目を超えるのは2023年6〜7月以来、3年3カ月ぶりとされています。
| 分野 | 2026年10月の値上げ品目数 |
|---|---|
| 酒類・飲料 | 1399品目 |
| 調味料 | 820品目 |
| 加工食品 | 668品目 |
nippon.comの公表データをもとに作成
上の表のとおり、台所に直結する調味料とお酒・飲み物で2200品目以上。調味料の820品目にはマヨネーズ、しょうゆ、たれ類が含まれ、酒類・飲料は酒税改定の影響で発泡酒・第三のビール・チューハイも対象になっています。
10月の値上げの平均上昇率は約10%。要因は複数回答で「原材料高」91.3%、「物流費」66.0%、「エネルギー」63.8%、「包装・資材」63.7%と公表されており、原油・ナフサ高や人件費・物流費の上昇、円安が挙げられています。つまり一部の商品の事情ではなく、棚全体にじわじわ乗ってくる種類の値上げです。なお2026年の年初から10月判明分までの累計は2万187品目で、2年連続の2万品目超えとなっています。
値上げ分は家計でいくらになる?
平均上昇率の約10%を、自分の家の金額に置き換えてみます。家計のなかで調味料・酒類・飲料にいくら使っているかは世帯によってかなり違うので、ここは実額ではなく「自分の支出額×約10%」で見積もるのが一番早いです。
- レシートを1カ月ぶん集める調味料・お酒・飲み物の行だけ合計します。アプリの明細でも構いません。
- その合計を10で割るこれが値上げで増えるおおよその月額です。月3000円なら約300円、月6000円なら約600円、月1万円なら約1000円。
- 12を掛けて年額を見る月300円なら年3600円、月1000円なら年1万2000円。ここが「買い方で取り戻したい金額」の目標になります。
一人暮らしと子育て世帯では支出の桁が変わるので、この割り算で出した自分の額を基準にしてください。平均上昇率は分野をまとめた数字で、商品ごとの上がり幅は一つずつ違います。計算で出るのは正確な請求額ではなく、対策に見合う規模を知るための目安です。
この見積もりの使いどころは、どこまで手間をかけるかを決めることです。月300円のために3軒はしごをすれば時間のほうが高くつきます。逆に一度決めたら勝手に続く「買うものを変える」「買う回数を変える」は、手間が最初の一回で終わるので、金額が小さくても見合います。以下はその一回ぶんの手間だけで済む方法です。
しょうゆやたれの代替品はどう選ぶ?
いちばん効くのは、専用調味料を減らして兼用できる1本に寄せることです。めんつゆは炊き込みご飯やおひたしなど多用途に使え、複数の専用調味料を揃えるよりも管理するアイテム数を減らせます。持つ本数が減れば、値上げの影響を受ける本数そのものが減ります。
しょうゆの代用には、目的ごとに向いているものが違います。
- 風味を活かしたい → めんつゆ
- 色の濃さを似せたい → めんつゆ、ポン酢しょうゆ、オイスターソース
- 塩味を軽くしたい → 白だし、煎り酒
置き換えるときは、塩分量・風味・色の違いに注意が必要です。めんつゆはだしと甘みが入っているので、しょうゆと同量にすると味が前に出ます。最初は少なめに入れて、味を見ながら足すほうが失敗しません。
なお減塩タイプのしょうゆは、うまみ・香りは通常品とほぼ変わらず、同じ使い方をしても塩分過多になりにくいとされています。これは摂取量を調整するための選択肢で、安く買うための代替ではありません。目的が違うものとして分けて考えてください。
煮物や照り焼きなど、しょうゆの塩味とキレで味が決まる料理は、めんつゆ1本に寄せると甘く重くなりがちです。味に納得できない料理が増えると結局買い足すので、兼用にするのは「おひたし・丼つゆ・炊き込み」のような、だしが入っていても困らない料理からにするのが現実的です。
プライベートブランドに替える価値はある?
プライベートブランド(PB)は、小売チェーンが自社の名前で企画・販売する商品のことです。国内の主要なものには、イオン「トップバリュ ベストプライス」、セブン&アイ「セブンプレミアム」、西友「みなさまのお墨付き」などがあります。
値上げが続く局面では、PB側で価格を抑える施策が取られることがあります。セブン&アイグループの「セブンプレミアム」は、カップ麺・マヨネーズ・しょうゆなど計143アイテムに「安心価格」を設定し、ナショナルブランド品より低価格に抑えています。台所で使う回転の速い定番品ほど、ブランドを替えたときの効き方が大きいので、まずマヨネーズ・しょうゆ・だしのような毎月買うものから試すのが順番としておすすめです。
ただしPBが常に据え置きというわけではありません。過去にも、2023年4月にキッコーマンなど調味料メーカーが原材料高を理由に希望小売価格ベースで5〜11%の値上げを実施した局面で、PBが追随して値上げした例があります(この数値は2023年当時のもので、2026年10月の上昇率とは別のものです)。PBだから安心と決め込まず、棚に並んだ時点の価格で比べる習慣のほうが長持ちします。
共働きのまとめ買いはどう組むのが得?
スーパーには曜日ごとに「野菜の日」「お肉の日」「冷凍食品の日」といったカテゴリー別の特売日が設定されていることが多く、まずは自分がよく行く店の曜日を把握するのが出発点です。
そのうえで、共働き世帯は毎日チラシを確認するより、週1〜2回のまとめ買いに絞るほうが買い物に取られる時間を減らし、家事・仕事・育児の余裕を確保しやすいとされています。チラシの確認も、まとめ買いのタイミングに限定するのが効率的です。
- よく行く店の曜日特売を1回だけ調べる店頭のチラシか店のアプリで、どの曜日が何の日かを確認します。調べるのは最初の一回だけで済みます。
- 買い物日を週1〜2回に固定する調味料のような日持ちするものは、この固定日にまとめて買います。「切れたから今日寄る」をなくすのが狙いです。
- 調味料は在庫を見てから家を出る残り1本になったものだけメモします。これをしないと二重買いが増え、まとめ買いの効果が消えます。
- チラシはこの日だけ見る毎日見ないと決めておくと、必要のない特売に反応しなくなります。
割引の見極めにも目安があります。セール・割引は期間が長くなるほどお得度が薄れる傾向があり、短期間のタイムセールほど値引率が大きく設定されやすいとされています。「ずっとお買い得」の棚より、その日その時間だけの値引きのほうが幅は大きいと考えておくと、長期セールにつられて必要以上に買い込むのを防げます。
買い物の回数が減ると、売り場で目に入る商品の数も減ります。衝動的に増える買い物が減るぶんも含めて、回数を絞る効果は値引率だけでは測れません。
今日からの一歩はどこから?
全部を一度に変えなくて構いません。順番をつけるなら、効果が続くものからです。
- いちばん軽い: 調味料の残り本数を数えて、二重買いを止める
- 金額に効く: マヨネーズ・しょうゆをPBで一度試す
- 時間に効く: 買い物日を週1〜2回に固定する
- 本数を減らす: おひたし・丼つゆをめんつゆ1本に寄せる
調味料の値上げは、1本ずつ見れば小さな額です。だから一気に取り戻す必要もありません。買う本数・ブランド・回数のどれか1つを決めておけば、あとは買い物のたびに効いていきます。
よくある質問
2026年10月に値上げされた飲食料品は何品目ですか?
帝国データバンクが食品主要195社を対象に調査した結果、2026年10月に値上げ予定の飲食料品は3153品目でした。分野別では酒類・飲料が1399品目で最多、調味料が820品目、加工食品が668品目で、平均上昇率は約10%とされています。
しょうゆの代わりに使える調味料は何ですか?
風味を活かしたい場合はめんつゆ、色の濃さを似せたい場合はめんつゆ・ポン酢しょうゆ・オイスターソース、塩味を軽くしたい場合は白だしや煎り酒が代用に使えます。代用するときは塩分量・風味・色が元のしょうゆと違うため、量を少なめから調整するのが安全です。
プライベートブランドの調味料は値上げされないのですか?
値上げされることもあります。セブン&アイグループは計143アイテムに「安心価格」を設定してナショナルブランド品より低価格に抑えていますが、過去には2023年4月の調味料メーカーの値上げ(希望小売価格ベースで5〜11%)にプライベートブランドが追随した例もあります。購入時点の棚の価格で比べるのが確実です。
共働きで買い物に時間が取れない場合、特売はどう使えばいいですか?
毎日チラシを確認するのではなく、買い物を週1〜2回にまとめ、チラシの確認もそのタイミングに限定する方法が効率的とされています。あわせて、よく行く店の曜日ごとのカテゴリー別特売日を一度把握しておくと、まとめ買いの日を選びやすくなります。
※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。