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雨の日の読書に集中する25分+5分のリズム

2026年6月3日|いろは堂エンタメ編集部
窓に伝う雨粒

画像出典: パブリックドメイン(Wikimedia Commons)

この記事の要点
読書の集中は気合いではなく環境で決まります。まず机まわりの音と光を「無音+手元の明かり」か「インスト曲+暖色の間接照明」のどちらかに固定し、次に25分読んで5分休むリズムで時間を区切ります。この2つを先に決めておくと、雨で予定が空いた午後がそのまま読書時間になります。
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雨で予定がなくなったから読もうと思ったのに、10ページで結局スマホ見てる…

読み始めてから集中できる場所を探すと、たいてい先に集中が切れます。読書がうまくいく日といかない日の差は、意志の強さより「読む前に環境が決まっていたかどうか」に寄っています。

正直なところ、本を読めていないのは珍しいことではありません。文化庁の令和5年度「国語に関する世論調査」では、1か月に本を1冊も読まない人が62.6%と、調査開始以来はじめて6割を超えました。逆に言えば、雨の午後に数十ページ進めるだけで、かなり上の側に入れます。

ここでは、雨の在宅日にそのまま使える「部屋の整え方」と「時間の区切り方」を順番に決めていきます。

読書に集中できる環境とは? まず決めるのは音と光の2つ

環境づくりというと机や椅子から考えたくなりますが、後回しで構いません。読書中に集中を奪うものは、ほとんどがのどちらかに分類できます。この2つだけ先に決めてしまえば、残りは今ある部屋のままで足ります。

雨の日は特に条件が変わります。窓を閉めるぶん外の音は減りますが、そのぶん室内の生活音(洗濯機、テレビ、通知音)が相対的に目立ちます。空も暗いので、日中でも手元の明るさが足りなくなります。つまり、晴れた日と同じ設定のままだと少しずつずれます。

音は「無音」か「歌詞のないBGM」の二択で試す

音については、両方の言い分があります。グラスゴー・カレドニアン大学の研究として紹介されている実験では、テンポの速い曲・遅い曲・環境音・無音の4条件で認知テストを行ったところ無音がもっとも成績が良く、テンポの速い音楽では記憶力のスコアが無音時と比べて約50%低下したと報告されています。文字を追って内容を覚える読書は、この結果と相性の良い作業です。

一方で、家族の生活音や工事の音が入る環境では、歌詞のないインストゥルメンタルを流したほうがかえって集中しやすいという声もあります。音を消すのではなく、気が散る音を目立たなくする使い方です。

どちらが自分に合うかは、読む前に2回試せば分かります。

最初の1時間でやる「音の切り分け」
  • 前半25分は完全に無音(通知オフ・イヤホンなし)で読む
  • 後半25分は歌詞のないBGMを小さめの音量で流して読む
  • それぞれ読み終えたページ数と、途中でスマホを触った回数をメモする
  • 差がはっきり出たほうを、その後の自分の標準設定にする

大事なのは毎回選び直さないことです。読むたびに「今日は音楽をかけようか」と考えている時間そのものが、集中の入口をふさいでいます。一度決めたら、雨の日はその設定で始める、と固定してしまってください。

光は部屋の明るさより「手元の明るさ」を足す

読書環境の話でよく挙がるもう一方が照明です。曇天の室内は、天井の照明をつけても本のページまで届く光が案外足りません。ページが灰色っぽく見える状態で読み続けると、内容ではなく文字を追うことに体力を使います。

手を入れる順番は、部屋全体ではなく手元からです。スタンドライトを本のページに向け、天井照明は補助として残す。目に光源が直接入らない角度に置くと、まぶしさで疲れることも避けられます。暖色系の間接照明を組み合わせると、夕方以降も落ち着いて読み続けやすくなります。

この整え方が向かないケースもあります

ベッドや布団の中で読む習慣がある人は、環境を整えるほど眠くなります。これは環境の失敗ではなく、寝る前の読書としては正しい状態です。集中して読み進めたい日は、体が「起きている姿勢」と認識する場所——ダイニングテーブルや机——に移動してください。逆に、寝つきのために読むならこの記事の時間割は不要です。

雨の週末の読書時間はどう区切る? 25分+5分でつくる時間割

環境が決まったら、次は時間です。「今日は午後ずっと読む」と決めた日ほど、2時間後に何も進んでいないことがあります。終わりが見えない時間は、集中の対象になりにくいためです。

ここで使えるのが、フランチェスコ・シリロが考案したポモドーロ・テクニックです。25分の作業と5分の休憩を1セットとし、4セット終えたら20〜30分の長い休憩を取る、という時間管理法です。もともとは仕事向けの方法ですが、読書にもそのまま応用できます。脳が疲れ切る前に休憩が入るので、結果的に長く読み続けられます。

  1. 読む本と開始ページを先に決めるタイマーを押してから本を選ぶと、その選択で最初の5分が消えます。読む本は前日か、雨の予報を見た時点で机に出しておきます。
  2. 25分タイマーをかけて読むスマホは伏せるか別の部屋へ。この25分は「何ページ読むか」ではなく「25分続けること」だけを目標にします。
  3. 5分は必ず本から離れる飲み物を入れる、窓の外を見る、軽く伸びをする。ここでSNSを開くと休憩が休憩でなくなります。
  4. 2セット目が終わったら1行だけメモする「どこまで読んだか」「面白かった箇所」を1行。次に開いたとき、続きに戻る時間が短くなります。
  5. 4セット終えたら20〜30分の長い休憩25分×4=100分。休憩を含めておよそ2時間で、雨の午後がひとつの読書ブロックとして終わります。

専門書や実用書のように内容の負荷が高い本ほど、この区切りの効果が出やすいとされています。小説で乗ってきた場合は、タイマーが鳴っても切らずに読み続けて構いません。25分は集中を打ち切るための線ではなく、集中に入るための入口です。

1日をまるごと埋めようとしない

雨で予定が空くと、つい「今日は3時間読む」と設定しがちです。ですが週1回の読書時間として現実的なのは、丸善ジュンク堂書店が2019年に実施した読書環境のアンケート(全国40店舗・2,104人回答)で最多だった「1週間あたり2〜3時間」という水準です。100分の読書ブロックを1つ置けば、その週の平均には十分届きます。

読む場所についても、同じ調査で読書をする場所は「自宅」が約91%と最も多く挙がっています。特別な場所を用意しなくていい、というのはむしろ好都合です。整えるべきは、いつもの部屋の一角だけです。

積んだままの本が多くて選べないときは?

環境と時間を整えても、「どれを読むか」で止まる日があります。これも珍しいことではありません。先の丸善ジュンク堂書店の調査では、積読が「ある」と答えた人が79%、6冊以上ある人が66%を占めています。積読の理由としては「他に優先して読む本が増えた」が最も多く挙がっていました。

つまり積んでいるのは読む気がないからではなく、順番が決まっていないからです。雨の日の読書ブロックには、次の基準で1冊だけ選びます。

雨の午後に開く1冊の選び方
  • 買った理由を今でも思い出せる本を優先する(動機が残っているほど戻りやすい)
  • すでに数十ページ読んで止まっている本があれば、新品より先にそれを開く
  • 1冊目が25分もたなかったら、その日は別の本に変えていい
  • 選び直しは1回まで。2回目は「今日はこれ」と決めて読み始める
🤔
途中でやめた本に戻るの、なんだか気まずいんだよね

途中で止まった本は、最初から読み直す必要はありません。止まったページの少し前——2〜3ページ戻ったあたり——から再開すると、話の流れが自然につながります。前半の記憶が薄い場合も、目次を1分眺めれば構成は思い出せます。

次の雨の日も同じように読むには?

一度うまくいった日の設定は、そのまま残しておくのが一番早い再現方法です。片づけてしまうと、次の雨の日にまた環境づくりから始めることになります。

決めておく項目次の雨の日にやること
無音かBGMか、前回うまくいったほうで始める
スタンドライトを机に置いたままにしておく
時間25分+5分を4セット。開始時刻だけ決める
前回1行メモを残したページから再開する

関東甲信地方の梅雨入りは平年で6月7日ごろ、梅雨明けは7月19日ごろ(1991〜2020年の平年値)とされています。この時期は在宅の週末が続けて来る可能性が高く、同じ設定を何度も使う機会があります。1回目で整えた環境は、2回目以降そのぶん立ち上がりが速くなります。

雨の日に本を開けた、というだけで十分な進み方です。100分読めた日も、25分で終わった日も、次に開くページが前より先にあることに変わりはありません。

よくある質問

読書中に音楽をかけるのは集中の妨げになりますか?

テンポの速い曲・遅い曲・環境音・無音の4条件で認知テストを行った研究では無音の成績が最も良く、テンポの速い音楽では記憶力のスコアが無音時と比べて約50%低下したと報告されています。ただし生活音が多い環境では、歌詞のないインストゥルメンタルで雑音を目立たなくしたほうが読みやすいという意見もあります。無音とBGMを25分ずつ試して、読めたページ数が多かったほうを自分の標準にするのが確実です。

読書にポモドーロ・テクニックはどう応用しますか?

25分読んで5分休むを1セットとし、4セット終えたら20〜30分の長い休憩を取ります。休憩中は本から離れ、飲み物を入れるなど別の行動をします。25分×4セットで読書時間は100分、休憩を含めておよそ2時間です。専門書や実用書など内容の負荷が高い本ほど、区切りを入れる効果が出やすいとされています。

雨の日の室内で、読書の照明はどう整えればいいですか?

天井の照明だけに頼らず、手元を照らすスタンドライトを足すのが基本です。曇天の室内は日中でもページまで届く光が不足しやすく、文字が見づらい状態が続くと内容よりも文字を追うことに体力を使います。光源が直接目に入らない角度に置き、暖色系の間接照明を組み合わせると夕方以降も読み続けやすくなります。

積読が多くて何から読むか決められません。どう選べばいいですか?

買った理由を今でも思い出せる本を優先し、途中で止まっている本があれば新品より先に開きます。丸善ジュンク堂書店が2019年に行った調査(全国40店舗・2,104人回答)では積読が「ある」人が79%、6冊以上ある人が66%で、理由の最多は「他に優先して読む本が増えた」でした。読む気がないのではなく順番が未決なだけなので、その日の1冊を先に決めてから読み始めるのが有効です。

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