推し活の予算、月いくらまでなら続く?
画像出典: 写真: Ken Teegardin from Boulder, Boulder(CC BY-SA 2.0 / Wikimedia Commons)
推し活のお金は「毎月の上限額」と「遠征・イベント用の積み立て」を分けて決めると管理しやすくなります。生活費の口座とは別に推し活専用の口座やカードを用意し、そこに入っている分だけ使うルールにすれば、使途を記録しなくても自動的に上限が守られます。上限は手取りの数%など先に割合で決め、残額をアプリや通帳で月2回だけ確認する形が続けやすい方法です。
推し活のお金は、楽しい買い物ほど後から合計を思い出しにくいものです。単価が数百円のものから遠征の数万円まで幅があり、しかも「発表されたときに決める」しかないタイミングばかり。気づいたら今月いくら使ったのか分からない、という状態になりやすいのは、意志が弱いからではなく推し活の出費が計画外に発生する構造だからです。
正直なところ、家計簿を毎日つけて節約する方向はあまり長続きしません。ここで紹介するのは、記録をがんばらなくても上限が守られる「仕組み」の作り方です。使う額を減らすためではなく、来年も再来年も同じ熱量で応援を続けるための準備だと思って読んでみてください。
みんな推し活に月いくら使っている?
まず、自分の使い方が極端なのかどうかを知っておくと判断がしやすくなります。手がかりになるのが、2025年2月3日〜3月5日に10代〜50代427名へ行われた調査の結果です。
| 月額支出 | 回答者の割合 |
|---|---|
| 月5,000円未満 | 約51% |
| 月5,000〜1万円 | 約27% |
| 月1万円以上 | 約22% |
| 月5万円以上 | 約2.5% |
共同通信PRワイヤー掲載の調査(2025年3月30日公表)の公表データをもとに作成
上の表のとおり、月5,000円未満が約51%、5,000〜1万円が約27%で、およそ8割が月1万円未満に収まっています。月1万円以上は約22%、5万円以上使う人は約2.5%でした(5万円以上は1万円以上の内訳にあたります)。
同じ調査の年代別平均月額は、10代が約8,718円、20代が約17,689円、30代が約20,416円。平均値は高額に使う一部の人に引き上げられるため、分布と平均のどちらも見ておくのが実態に近い読み方です。別の読者調査では、年間10万円以上使うと答えた人が全体の2割いました(日本経済新聞・2025年3月頃)。
そしてもうひとつ、覚えておきたい数字があります。同じ調査で金銭的な理由で推し活を諦めた経験がある人は約7割、分割払いやローンなど金融サービスを使った経験がある人は約3割でした。諦めた経験がこれほど多いということは、上限を決めていないまま走ると、いつか大きな機会そのものを手放すことになりやすい、ということでもあります。
推し活の予算は月いくらに設定すればいい?
金額そのものに正解はありませんが、決め方には型があります。おすすめは、生活に必要なお金を先に取り分けて、残った自由に使えるお金の中から割合で切り出すやり方です。
- 手取りから固定費を引く家賃・光熱費・通信費・保険・奨学金など、毎月必ず出ていくものを合計して引きます。
- 貯蓄する額を先に引くここを後回しにすると推し活のせいで貯まらない構図になります。少額でも先に確保します。
- 残った額のうち何割を推し活にするか決める食費や交際費など他の生活費も残額から出ます。推し活に回すのは残額の一部だと意識して割合を決めます。
- その額を「毎月分」と「積み立て分」に割るグッズや配信など毎月出ていくものと、ライブ・遠征のようにまとまって出ていくものを分けます。
4つ目の分割が、推し活の予算づくりで一番効きます。たとえば月1万円を推し活に使えるとして、全額を毎月のグッズに使ってしまうと、ツアー発表が来たときに払う原資がありません。月6,000円をその月の楽しみに、4,000円をイベント用に貯めておけば、半年後には24,000円のチケット代と交通費の一部が用意できています。
ライブやイベントは、いつあるか分からなくてもいつか必ずある種類の出費です。年に何回あるかを過去の活動から見積もって、必要額を12か月で割っておく。これだけで、当日の申し込みが「行けるかどうかの悩み」から「行くかどうかの選択」に変わります。
使いすぎを防ぐ仕組みはどう作る?
上限を決めても、支払い口座が生活費と同じままだと守られません。決めた額を物理的に分けてしまうのが確実です。
- 推し活専用の口座…給料日に上限額を移す。ここが空になったらその月は終わり
- 専用のカードまたはコード決済…推し活の支払いをここに集約すると、明細がそのまま推し活の家計簿になる
- 遠征・イベント積み立て…毎月一定額を移して、原則ライブ関連以外では触らない
専用のカードや決済アプリにまとめる効果は大きいです。記録をつけなくても、その明細の合計が今月の推し活費そのものになります。残高は月2回、給料日と月の中頃に見るくらいで十分。毎日見ると数字に疲れて続きません。
チャージ式のプリペイドやデビットにしておくと、残高を超えた時点で決済が止まるため、上限が自動で効きます。クレジットカードを使う場合は、そのカードの利用可能枠自体を推し活の予算に近い額まで下げておくと同じ効果が得られます。
買うかどうか迷ったときのルールもひとつ決めておくと楽です。たとえば「一定金額を超えるものは翌日まで判断を保留する」。受注期間があるものは締切だけ確認して、翌日に改めて考える。ほしい気持ちが翌日も同じなら買えばいいし、薄れていたなら助かった、というだけの話です。
ジャンルによって何が変わる?
同じ推し活でも、お金のかかり方はジャンルでかなり違います。前掲の調査では人気ジャンルはアイドルが最多で52.7%、次いでアニメ・漫画、アーティスト・バンドと続きます。
ライブや現場に足を運ぶ比重が大きいジャンルでは、チケット代より交通費と宿泊費のほうが大きくなることがあります。この場合、毎月のグッズ枠を薄くして積み立てを厚くするほうが実態に合います。逆に、グッズやランダム商品、書籍の刊行が中心のジャンルは、少額の出費が高頻度で発生するタイプ。ここは毎月枠を厚めに取り、上限に達したら次の給料日まで待つ運用が向いています。
複数の推しがいる場合は、推しごとに枠を分けるより合計の上限だけを決めるほうが管理が続きます。月ごとに動きがある推しは変わるので、細かく割ると毎月配分を組み直すことになるためです。
収入が月ごとに大きく変動する働き方をしている場合、固定の月額上限はうまく機能しません。その場合は「毎月◯円」ではなく「その月の手取りの◯%」と割合で決め、収入が確定してから金額を出す形にしてください。また、すでに分割払いやリボ払いの残高がある場合は、新しい予算を組む前に返済計画を先に整えるほうが先決です。前掲の調査では金融サービスの利用経験がある人が約3割いますが、支払いが翌月以降に繰り越されると、その月に「使った額」が見えなくなり、上限の仕組みそのものが働かなくなります。
お金の話を、応援の楽しさから切り離さないために
予算を決めると窮屈になりそうに感じるかもしれませんが、実際には逆のことが起きます。上限の中で使っている限り、何を買っても罪悪感が発生しません。迷いや後ろめたさを減らすために枠を決める、という順番で捉えるとしっくりきます。
前掲の調査では、推し活を「投資」と捉える人が合計68%(完全に投資が29%、やや投資寄りが39%)、「完全に浪費」と答えた人は約8%でした。多くの人が、使ったお金に見合うものを受け取っている実感を持っているということです。その実感を長く持ち続けるために必要なのは、我慢ではなく、生活が揺らがない範囲を先に決めておくことだけです。
まずは今月、専用の口座かカードを1つ用意して、決めた額を移すところから始めてみてください。仕組みができてしまえば、あとは残高を月2回見るだけになります。
よくある質問
推し活の予算は収入の何%くらいが適切ですか?
一律の正解はありませんが、家賃や光熱費などの固定費と貯蓄額を先に差し引き、残った自由に使えるお金の一部を割り当てる順番で決めるのが安全です。食費や交際費も同じ残額から出るため、残額の全部を推し活に充てないよう配分します。収入が月ごとに変動する場合は固定額ではなく手取りの割合で決めると破綻しにくくなります。
みんな推し活に月いくら使っているのですか?
2025年2月から3月にかけて10代〜50代427名に行われた調査では、月5,000円未満が約51%、5,000〜1万円が約27%、1万円以上が約22%でした。年代別の平均月額は10代が約8,718円、20代が約17,689円、30代が約20,416円です。平均値は高額に使う一部の人に引き上げられるため、分布とあわせて見るのが実態に近い読み方になります。
ライブや遠征の費用はどう用意すればいいですか?
発表されてから工面するのではなく、毎月の推し活予算を「その月に使う分」と「イベント積み立て」に分け、後者を毎月一定額ずつ貯めておく方法が確実です。過去の活動から年に何回ライブや遠征がありそうかを見積もり、必要額を12か月で割った金額を毎月移します。積み立て分はライブ関連以外には使わないと決めておくと、申し込みのタイミングで迷わずに済みます。
家計簿をつけるのが苦手でも推し活費を管理できますか?
できます。推し活の支払いを専用のカードやコード決済、専用口座に集約すれば、その明細の合計がそのまま推し活費になるため、自分で記録をつける必要がありません。チャージ式のプリペイドやデビットにしておくと残高を超えた時点で決済が止まり、上限が自動的に守られます。確認は給料日と月の中頃の月2回程度で十分です。
※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。