ドキュメンタリー入門、4つのジャンルから選ぶ方法
画像出典: 写真: Joe Mabel(CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)
ドキュメンタリーは「作品名」ではなく「自分が興味のあるテーマ」から選ぶと外しにくくなります。社会派・密着(人物/仕事)・自然科学・音楽カルチャーの4つに大きく分け、関心のある側から1本だけ選ぶのが入り口です。映画1本より、1話45〜60分程度のシリーズ形式のほうが着手のハードルは低くなります。
ドキュメンタリーが重く感じるのは、たいてい「入り口を人に決められている」からです。ランキング上位の1本や、話題になった社会派作品をいきなり渡されると、興味の外側から始めることになります。関心のないテーマの90分は、誰が観てもしんどいものです。
逆に、自分がもともと気になっていた分野——好きな音楽、行ってみたい国の自然、やってみたい仕事——から入ると、同じ形式の映像でも「解説」ではなく「のぞき見」に変わります。正直なところ、面白いかどうかを分けているのは作品の質より、この一致度のほうが大きいです。
秋は改編期で新しいシリーズが動き出す時期でもあります。難しそうかどうかではなく、テーマが自分に近いかどうかで選ぶ。ここだけ切り替えれば、1本目は今週末に決まります。
ドキュメンタリーはどう分類すると選びやすい?
細かいジャンル名を覚える必要はありません。入り口としては、大きく4つに分けておけば十分です。それぞれ雰囲気がかなり違うので、「自分がどれなら最後まで観られそうか」を先に決めるほうが早く進みます。
| 社会派・事件 | 社会問題や実際に起きた出来事を扱う。重厚でシリアスな作りが多く、正確に伝えることを重視する方向性。 |
|---|---|
| 密着(人物・仕事) | アーティストや職業の現場に密着する。表舞台の裏側が見えるため、対象への見方が変わるきっかけになりやすい。 |
| 自然・科学 | 風景や生き物、科学の題材を扱う。映像そのものを眺める楽しみ方ができ、身構えずに再生しやすい。 |
| 音楽・カルチャー | 音楽やファッションなど、日常的に触れている分野を扱う。知っている固有名詞が出てくるぶん入りやすい。 |
迷ったら、「情報として知りたい」のか「人を見たい」のかで分けてください。前者なら社会派・自然科学、後者なら密着・音楽カルチャーが合います。ここを取り違えると、良い作品でも退屈に感じます。
最初の1本はどう選べばいい?
作品名を探し始めると、それだけで週末が終わります。順番を固定してしまうのが確実です。
- テーマを1つだけ決める上の4分類から、いま気になるほうを選びます。この時点で作品名は考えません。
- そのテーマの一覧から探す配信サービスのドキュメンタリーカテゴリを開き、選んだテーマに近いものだけを見ます。他の分類は見ない。
- シリーズ形式を優先する1話45〜60分程度のシリーズ番組は、映画1本より着手のハードルが低くなります(尺は一般的な傾向で、作品により異なります)。
- あらすじは2行だけ読む読み込むほど「勉強っぽさ」が増します。対象が何かだけ分かれば十分です。
- その場で1話目を再生する「今夜観る」ではなく、選んだ勢いのまま最初の10分を入れてしまうのが一番確実です。
- すでに名前を知っている人物・場所・分野が出てくる
- 1話完結、または1話45〜60分程度
- 前提知識の説明が作品内で完結している
- 観終わったあとに調べ物が必須にならない
どこで探すのが早い?
探す場所は、いつも使っている配信サービスで構いません。テーマから辿れる入り口があるかどうかだけ確認しておきます。
Netflixは作品に細かいサブジャンルのタグを内部的に持っており、ドキュメンタリーの分類コードは6839とされています(非公式の解説記事で共有されている情報です)。自然・事件・音楽・スポーツといったテーマごとに細分化された一覧を辿れるため、「テーマから探す」という今回のやり方と相性が良い入り口です。
NHKプラスは、NHKの地上波番組を同時配信・見逃し配信で観られるサービスです。ドキュメンタリー・報道系のシリーズページが用意されており、関連番組をまとめたプレイリスト表示や検索も使えます。日本国内の題材から入りたい場合は、こちらのほうが目当てのテーマに当たりやすいです。
一覧を開く前に、テーマを1つに絞っておくと迷う量が減ります。4分類のうち3つを最初から見ないと決めておけば、選択肢は体感で数分の1になります。探す時間を5分と決めて、時間切れになったら一覧の一番上にあるものを観る、というルールでも問題ありません。1本目の目的は「良い作品に当たること」ではなく「ドキュメンタリーという形式に慣れること」だからです。
途中で退屈になったらどうする?
合わなかった場合に最後まで我慢すると、その分野ごと嫌いになります。切り上げる基準を先に決めておくほうが、結果的に本数は増えます。
- 出てくる人や場所に、少しでも続きが気になるか
- ナレーションの速さ・情報量が自分に合っているか
- 知らない用語が出たとき、作品内で説明されるか
10分観てピンとこなければ、同じテーマの別の作品に替えるのが正解です。テーマ選び自体は間違っていない可能性が高いので、分類ごと変える必要はありません。作り方(密着の距離感、再現映像の多さ、ナレーションの量)が合わないだけ、というケースが多いからです。
2本目以降はどう広げる?
1本目が最後まで観られたら、同じテーマでもう1本いきます。ここで別分類に飛ぶと、また入り口探しからやり直しになります。同じテーマを2〜3本続けると、扱われている論点が重なってくるので、3本目あたりから理解の速度が明らかに上がります。
そのうえで隣の分類へ広げます。音楽カルチャーから入った人なら、そのアーティストが関わった社会的な題材へ。自然科学から入った人なら、その環境で働く人の密着へ。1本目で得た固有名詞を橋にして移動すると、次も知っている名前から始められます。
観たものは、配信サービスのマイリストやウォッチリストに残るとは限りません。観終わった作品と、これから観る作品を分けておくと、次に開いたときに迷いません。リストが膨らんで動けなくなる場合は、ウォッチリストの整理のしかたもあわせて決めておくと、探す時間そのものが減ります。
ドキュメンタリーは、作り手が何を映すか選んだうえで構成された映像です。中立の記録そのものではありません。社会派の題材では特に、1本だけを観て結論を出すのは避けたほうが安全です。気になったテーマは、別の視点の作品や文字の情報にも当たってください。また、事件・災害を扱う作品には、しんどい映像が含まれることがあります。疲れている週末の1本目には向きません。その場合は自然・音楽の分類から入るほうが続きます。
週末にどう組み込む?
ドキュメンタリーは、ドラマのように次が気になって止まらなくなる作りではないものも多いです。だからこそ、時間を決めて置くほうが定着します。
- 土曜の夜より、日曜の午後集中力が要るぶん、眠くなる時間帯を外すと最後まで観やすくなります。
- 1回1話まで連続で観ると内容が混ざります。1話ごとに区切るほうが記憶に残ります。
- 観終わったら一言だけ残す「どこが意外だったか」を1行メモするだけで、次に選ぶテーマが自分で分かるようになります。
1本で完全に理解する必要はありません。知らない分野を90分で把握できる人はいません。1本目で「そういう世界があるんだ」と分かれば、それが2本目の入り口になります。3連休のような時間が取れるタイミングがあれば、同じテーマを2本続けてみると、その差が実感できます。
よくある質問
ドキュメンタリーの入門として、最初に何を決めればいいですか?
作品名ではなくテーマを先に決めます。社会派・事件、密着(人物や仕事)、自然・科学、音楽・カルチャーの4分類のうち、もともと関心がある1つを選び、その中からだけ探すと迷う量が大きく減ります。
ドキュメンタリー映画とシリーズ番組、どちらから始めるべきですか?
入門としてはシリーズ番組が始めやすい選択肢です。1話45〜60分程度のものが一般的で、映画1本より着手のハードルが低く、合わなければ1話で切り上げられます。
観始めて退屈だった場合、最後まで観るべきですか?
10分観て続きが気にならなければ、同じテーマの別作品に替えて構いません。テーマが合わないのではなく、ナレーションの量や密着の距離感といった作り方が合わないだけの場合が多いためです。
ドキュメンタリーはどこで探せますか?
普段使っている配信サービスのドキュメンタリーカテゴリで十分です。Netflixはテーマごとに細分化された一覧を辿れる仕組みがあり、NHKプラスはNHKの番組を同時配信・見逃し配信で視聴でき、ドキュメンタリー・報道系のシリーズページが用意されています。
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